70 / 197
第1章(高校生入学編)
第70話 オークとは
しおりを挟む拾ったと言うか回収したドロップ品はマンティスのカード2枚、ゴブリンが4枚、オーク3枚だった。
魔石は500個程だ。
これが本来のカードの出没数だ。
あくまで斗升がおかしいのであって、皆特に不思議に思う事もなかった。
ただ、正直ゴブリンは使い道が殆どない。
何故ならばホーンラビットよりも弱いからだ。
2足歩行最弱の座を20年以上キープし続ける安定感のあるカードだ。
それでも普通の人では太刀打ちできない。
「よし、斗升の所に行くわよ!ここからは気を引き締めるのよ!」
当然ながら愛莉が仕切る。
しかし愛莉はため息しか出なかった。
何故ならば、オークが出たからだ。
…
ランク4のオークはこれまでこの付近では確認されていない。
オークは厄介だ。
豚顔の強者でほぼ人と同じ体格で、力は数倍にもなる。
頭が悪いのもあり、1対1の状態ならば探索者でさえあればまず大丈夫だ。
魔粉が練り込まれた剣を持って冷静に戦えばまず勝てる。
猪突猛進で躱しつつ首筋を斬るだけだが、1匹見たら100匹いると思え!的な台所をカサカサとしているあれと同じ事を言われる程繁殖力が強い。
それもあり出没する数が多く厄介極まりない。
多くの女性が奴らの餌食になり、ラビリンス病は彼らの精液に触れた者の多くが罹患する。
つまり犯された者だ。
ゴブリンやオークのオスが人間の女性と性交しても違い妊娠しない。
しかもオークのオスは人間であれば男女問わずに性的に興奮するようで、ただ犯すだけの為に巣穴に引きずり込む。
直接の戦闘で人間が殺される事はまずないと言われている。
探索者になるあなたへ!といったような探索者になる者への冊子に、もしもオークに捕まり巣穴に引きずり込まれたら、舌を噛み切っての自死を勧めている程だ。
過去に巣穴に引きずり込まれた者が救助された事例があるが、大抵精神が壊れていた。
男女問わずに犯され続け、大量の食事を強要され、ブクブクと肥っていく。
救助された者の中に精神が壊れていない者がおりその者の話だと、出された物を食べないと折檻され、言葉に出来ない程の屈辱を受ける為、恐怖から食べざるを得ない。
捕らえられた時に痩せ型だったのが、救助された時は150kgになっており、運動不足から自力で歩けなかったそうだ。
レイラがビッグマンティスを倒し、ドロップを拾い周辺の掃討戦に移っていたが、1匹のライカンスロープがやって来て、ジョーイに報告していた。
そしてレイラが慌てて僕に報告してきた。
「御主人様、探索に出たラッチーとグヌルスリが、新たに発生したエリアからサイクロプスが出て来るのを必死に止めているそうです」
はっとなり見渡すが、なんとグヌルスリがいない。
魔法を見られると期待していたのに。
「ジョーイ、ライカンスロープを!くそっ!何やってんだよ!なんでグヌルスリがいないんだよ!」
この場にいる僕とカーヴァントはライカンスロープに跨り颯爽とその場に向かう。
嘘を付きました。跨る?そんな格好の良いのじゃなく、みっともなくしがみついていまふ。
友里愛がいなくて良かった!と言いたいけど、僕を見て笑っている・・・
友里愛は格好良く乗りこなしているし、アレクシアは珍しく興奮しながら堪能している。
そしてみーこは悲鳴をあげていた。
「ムリムリムリムリ!駄目!ダメだよ!おかあああさあああん!」
ロデオに乗っている位乗り心地が悪いんだよ・・・
5分ほどでその場に着いた。
かたで息をしつつ、ラッチーとグヌルスリが1つ目の化け物と戦っていた。
ラッチーの片腕はだらりとなり血まみれだ。
グヌルスリは座り込んでおり、手をサイクロプスに向けて魔法を放っていた。
レイラが僕に向けて頷いてきたので、手を振り肯定した。
レイラがラッチーの所に行き、ゼッチィーニとモーモンがグヌルスリを助けに行く。
ラッチーはレイラがこちらに蹴り飛ばしてきたのと、グヌルスリはライカンスロープが連れてきた。
また、僕の護衛はジョーイだ。
ノイラス、バラモーラも戦線に加わり、徐々に押して行く。
ムミムナが2体を治療しているのと、友里愛にはバラモーラを押し返したらこちらに戻すようにお願いをした。
そして状況を打破するのにビッグマンティスを合成しようと2枚を重ねたのだった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
979
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる