122 / 197
第2章
第122話 黒服
しおりを挟む
タクシーに揺られていたが、お昼少し前になり宿泊研修が行われている海洋センターに到着した。
タクシーと言ってもセダンじゃなく、ワゴン車だ。
1人では装備を外せなかったので、装備を背負った状態で乗るのにそれ位の大きさの車が必要だった。
ずっと寝ていて、タクシーのおっちゃんに起こされた。
眠い目を擦りながら僕がタクシーを降りると、黒服の人達に囲まれて銃を突きつけられた。
「なっ!」
と唸るも、そのまま建物の1つに連行されてしまったが意味が分からない。
喋ろうとするも口に指を当てられ、喋らせてくれなかった。
振り向くとタクシーのおっちゃんも手を上げており、何処かに連行されていった。
よく分からないけど巻き込んでごめんね。
一瞬ゴリ押しで周りの黒服を蹴散らそうかと思ったけど、疲れからか気力が湧かない。
僕は何とかなると思うけど、タクシーのおっちゃんは無事では済まないと言うのもあり、今は大人しく従う。
何故か武装解除はされていない。
しかし・・・お腹減ったな。
皆に会いたいです。
そうしていると会議ができそうな部屋に通され、そのまま席へと案内される。
そして着座を促されたけど、それは学校とか会社とかでよく見掛ける折りたたみ式のパイプ椅子・・座るのを躊躇った。
今の僕は200kgを超えているはずだから、座ったら多分ひしゃげる。
「掛けなさい」
1人の黒服がサングラスを外して1言告げる。
よく見ると黒服は皆若い。
今喋ったのは女だ。
顔は中性的で声もハスキーで男女の区別が付き難いけど、自己主張の激しい胸の膨らみが如実に女だと知らしめていた。
「いや、これ座ったら椅子がひしゃげるんで。状況がよく分かりませんが着替えさせて貰えませんか?バトルスーツは結構疲れるんです。無理ならせめて背中の浪漫砲を外したいんです」
「よかろう。こちらも君が武装していると落ち着かないからね。背中のコーマン砲とやらを外し給え」
・
・
・
高慢(コーマン)じゃなくて浪漫(ロマン)なんだけど!と突っ込むのは止そう。
しかし、誰も手伝ってくれない。
取り敢えず鞘ごと剣を外してカバンを降ろす。
「どうしたのだ?外さないのか?」
「いや、誰も手伝ってくれないんだなぁと。これ1人じゃ脱着出来ないんで、誰か手伝って貰えませんか?」
女と思われる黒服が1名と、男女不明なのが1名背後に回る。
「確か30キロはあり重いので気を付けて下さい」
僕の指示で装備を外して行く。
篭手も外したりすると、多少楽になった。
「ふう。あのう、何か食べる物無いですか?1日近く何も食べていなくて」
徐ろにカバンからカロリーメイトを出してきた。
「私のおやつで良ければ食べなさい。今は持ち合わせがこれしかないから」
僕に話し掛けている黒服のリーダー と思われる女性が頷くと、2人の黒服が部屋を出て行った。
感情がこもっていない口調なので、心情がよく分からない。
その後僕がカロリーメイトを食べていると、先程出て行った黒服の1人が戻ってきて、ペットボトルのお茶を背後から僕の目の前に無言で置いた。
驚きよりも、お茶を見てのどが渇いていたと思い出し、夢中で飲み干す。
ゴクゴクゴクゴク。
自分が食べて飲んでいるのを目の前の女性は黙ってみていた。
うん、少し恥ずかしい・・・
よく見ると中々綺麗な女性だから。
あのラビリンスでは、手持ちの食べ物や飲み物はカーヴァントに預けていて、意図せずにラビリンスから放り出されたので何も持っていないに等しい。
手持ちのカバンには小型の予備武器やカードホルダー等が有るが、ラビリンス内でゲットした物は巨大なカバンと共にカーヴァントへ預けている。
僕が食べ終わると目の前の女性はコホンと可愛らしい?咳払いをしてから話を始めたのだった。
タクシーと言ってもセダンじゃなく、ワゴン車だ。
1人では装備を外せなかったので、装備を背負った状態で乗るのにそれ位の大きさの車が必要だった。
ずっと寝ていて、タクシーのおっちゃんに起こされた。
眠い目を擦りながら僕がタクシーを降りると、黒服の人達に囲まれて銃を突きつけられた。
「なっ!」
と唸るも、そのまま建物の1つに連行されてしまったが意味が分からない。
喋ろうとするも口に指を当てられ、喋らせてくれなかった。
振り向くとタクシーのおっちゃんも手を上げており、何処かに連行されていった。
よく分からないけど巻き込んでごめんね。
一瞬ゴリ押しで周りの黒服を蹴散らそうかと思ったけど、疲れからか気力が湧かない。
僕は何とかなると思うけど、タクシーのおっちゃんは無事では済まないと言うのもあり、今は大人しく従う。
何故か武装解除はされていない。
しかし・・・お腹減ったな。
皆に会いたいです。
そうしていると会議ができそうな部屋に通され、そのまま席へと案内される。
そして着座を促されたけど、それは学校とか会社とかでよく見掛ける折りたたみ式のパイプ椅子・・座るのを躊躇った。
今の僕は200kgを超えているはずだから、座ったら多分ひしゃげる。
「掛けなさい」
1人の黒服がサングラスを外して1言告げる。
よく見ると黒服は皆若い。
今喋ったのは女だ。
顔は中性的で声もハスキーで男女の区別が付き難いけど、自己主張の激しい胸の膨らみが如実に女だと知らしめていた。
「いや、これ座ったら椅子がひしゃげるんで。状況がよく分かりませんが着替えさせて貰えませんか?バトルスーツは結構疲れるんです。無理ならせめて背中の浪漫砲を外したいんです」
「よかろう。こちらも君が武装していると落ち着かないからね。背中のコーマン砲とやらを外し給え」
・
・
・
高慢(コーマン)じゃなくて浪漫(ロマン)なんだけど!と突っ込むのは止そう。
しかし、誰も手伝ってくれない。
取り敢えず鞘ごと剣を外してカバンを降ろす。
「どうしたのだ?外さないのか?」
「いや、誰も手伝ってくれないんだなぁと。これ1人じゃ脱着出来ないんで、誰か手伝って貰えませんか?」
女と思われる黒服が1名と、男女不明なのが1名背後に回る。
「確か30キロはあり重いので気を付けて下さい」
僕の指示で装備を外して行く。
篭手も外したりすると、多少楽になった。
「ふう。あのう、何か食べる物無いですか?1日近く何も食べていなくて」
徐ろにカバンからカロリーメイトを出してきた。
「私のおやつで良ければ食べなさい。今は持ち合わせがこれしかないから」
僕に話し掛けている黒服のリーダー と思われる女性が頷くと、2人の黒服が部屋を出て行った。
感情がこもっていない口調なので、心情がよく分からない。
その後僕がカロリーメイトを食べていると、先程出て行った黒服の1人が戻ってきて、ペットボトルのお茶を背後から僕の目の前に無言で置いた。
驚きよりも、お茶を見てのどが渇いていたと思い出し、夢中で飲み干す。
ゴクゴクゴクゴク。
自分が食べて飲んでいるのを目の前の女性は黙ってみていた。
うん、少し恥ずかしい・・・
よく見ると中々綺麗な女性だから。
あのラビリンスでは、手持ちの食べ物や飲み物はカーヴァントに預けていて、意図せずにラビリンスから放り出されたので何も持っていないに等しい。
手持ちのカバンには小型の予備武器やカードホルダー等が有るが、ラビリンス内でゲットした物は巨大なカバンと共にカーヴァントへ預けている。
僕が食べ終わると目の前の女性はコホンと可愛らしい?咳払いをしてから話を始めたのだった。
2
あなたにおすすめの小説
転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた
ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。
遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。
「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。
「異世界転生に興味はありますか?」
こうして遊太は異世界転生を選択する。
異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。
「最弱なんだから努力は必要だよな!」
こうして雄太は修行を開始するのだが……
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~
TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ!
東京五輪応援します!
色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる