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第3章
第184話 腹を切る
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僕がその証明書を見せられた後、暗い顔をしていると、響子さんが物凄く狼狽えていた。
「と、斗舛さん?何か気に障りました?」
「こんなの要らない。なくたっていいんです。例えもう乙女じゃなくても。なんかこんなのがまかり通っているのって、僕が種馬に見られているのかなって悲しかったんだ」
はっとなった響子さんがその場に泣き崩れた。
「私、大変なことを?斗舛様が乙女しかと思って。わ、わたしの歳じゃもう経験していると思われているんじゃないのって?あんなにアプローチを掛けても明日香さん以外の黒服に見向きもしないからてっきり。ううう。死んでお詫び申し上げます」
咄嗟に懐からナイフを出し、お腹に突き刺そうとした。
僕は咄嗟にその腕をつかんで、手刀を叩き込み腕からナイフを落とさせた。
「死なせて下さい。斗升様のお役に立てぬ愚かな女に生きる意味は有りません!私は、確かに貴方と添い遂げたい!子を産みたいと思いをしますが、2世とかか関係なかったの!ただ、命を救ってくれた白馬に乗った王子様に恋い焦がれただけなの。ごめんなさい!こんな女に言い寄られてめいわ・・・」
僕はその先を唇で塞いで言わせなかった。
モゴモゴしていたけど関係ない。
ギュっと抱きしめた。
気が付かなかった。
僕が2世で、僕の子はとてつもない能力を得る可能性から、僕の子を身籠れば安泰な生活が待っている。
僕の人となりを見ず、ただ種馬として見て誘惑したり抱いてと擦り寄ってくる女が多かった。
黒服さん達もそんな目で僕を見ていると、距離をおいてしまった。
1人だけいたんだ。
夜這いをかけてきたのが。
もちろん黒服さんからは解任されたけど・・・でも響子さんは違った。
僕は恥ずかしくなった。
純粋に想ってくれている女性をそんな目で見ていたと。
今思えば常に僕の進む先のトラブルを排除したり、汗をかくとタオルを差し出してくれたり、異変が起こると真っ先に僕の盾になる位置に動いていた。
格好良い女の人だった。
確か21歳だったか?妙齢の色気の物凄い美人さんだ。
「ごめんなさい。僕は響子さんのことをちゃんと見ていなかった・・・僕のことを種馬にしか見ていない他の女と同列に感じていたんだ。こんな美人でできる女の人がそれ以外で僕に近付く理由はないって思い込んでいたんだ。これからも僕の傍にいて支えて下さい!」
響子さんはまた泣いた。
今度は嬉しいと言ってくれた。
僕はどうすれば良いのか分からず、彼女にしてくださいと言われ、うんと言ってしまった。
すると、ピタリと涙が止まり、皆とハイタッチをし始めたんだ。
唖然としていたら、床に転がったままのナイフが目に入った。
危ないなぁと拾ったら、なんかおかしかった。
その、刃が引っ込むんだ。
床をツンツンすると、引っ込んだり飛び出したりと、バネ仕掛けで刃は潰してあるなまくらだった・・・
ジト目で皆の方を見ると、全員僕から目を逸らした・・・
「と、斗舛さん?何か気に障りました?」
「こんなの要らない。なくたっていいんです。例えもう乙女じゃなくても。なんかこんなのがまかり通っているのって、僕が種馬に見られているのかなって悲しかったんだ」
はっとなった響子さんがその場に泣き崩れた。
「私、大変なことを?斗舛様が乙女しかと思って。わ、わたしの歳じゃもう経験していると思われているんじゃないのって?あんなにアプローチを掛けても明日香さん以外の黒服に見向きもしないからてっきり。ううう。死んでお詫び申し上げます」
咄嗟に懐からナイフを出し、お腹に突き刺そうとした。
僕は咄嗟にその腕をつかんで、手刀を叩き込み腕からナイフを落とさせた。
「死なせて下さい。斗升様のお役に立てぬ愚かな女に生きる意味は有りません!私は、確かに貴方と添い遂げたい!子を産みたいと思いをしますが、2世とかか関係なかったの!ただ、命を救ってくれた白馬に乗った王子様に恋い焦がれただけなの。ごめんなさい!こんな女に言い寄られてめいわ・・・」
僕はその先を唇で塞いで言わせなかった。
モゴモゴしていたけど関係ない。
ギュっと抱きしめた。
気が付かなかった。
僕が2世で、僕の子はとてつもない能力を得る可能性から、僕の子を身籠れば安泰な生活が待っている。
僕の人となりを見ず、ただ種馬として見て誘惑したり抱いてと擦り寄ってくる女が多かった。
黒服さん達もそんな目で僕を見ていると、距離をおいてしまった。
1人だけいたんだ。
夜這いをかけてきたのが。
もちろん黒服さんからは解任されたけど・・・でも響子さんは違った。
僕は恥ずかしくなった。
純粋に想ってくれている女性をそんな目で見ていたと。
今思えば常に僕の進む先のトラブルを排除したり、汗をかくとタオルを差し出してくれたり、異変が起こると真っ先に僕の盾になる位置に動いていた。
格好良い女の人だった。
確か21歳だったか?妙齢の色気の物凄い美人さんだ。
「ごめんなさい。僕は響子さんのことをちゃんと見ていなかった・・・僕のことを種馬にしか見ていない他の女と同列に感じていたんだ。こんな美人でできる女の人がそれ以外で僕に近付く理由はないって思い込んでいたんだ。これからも僕の傍にいて支えて下さい!」
響子さんはまた泣いた。
今度は嬉しいと言ってくれた。
僕はどうすれば良いのか分からず、彼女にしてくださいと言われ、うんと言ってしまった。
すると、ピタリと涙が止まり、皆とハイタッチをし始めたんだ。
唖然としていたら、床に転がったままのナイフが目に入った。
危ないなぁと拾ったら、なんかおかしかった。
その、刃が引っ込むんだ。
床をツンツンすると、引っ込んだり飛び出したりと、バネ仕掛けで刃は潰してあるなまくらだった・・・
ジト目で皆の方を見ると、全員僕から目を逸らした・・・
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