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第35話 神聖騎士団
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地面が激しく震動し、騎士や兵士たちがバランスを崩してよろめく。
そして彼らの背後にある、荘厳な騎士団の建物の壁に、ミシミシ、と音を立ててヒビが入った。
「な……なんだ!? 地震か!?」
「いや、揺れているのはここだけだぞ!」
「な……なんだ!? 地震か!?」
「いや、揺れているのはここだけだぞ!」
騎士たちが、混乱に陥る。
その、恐怖に引きつる彼らの前に、ディノッゾの背後から、すっと一人の女性が進み出た。
きらびやかな白いマント。皇帝陛下直属の聖騎士だけが纏うことを許された、気品ある制服。
そう、セスティーナが現れた。
「せ、せ、セスティーナ様!?」
騎士たちの顔が、驚愕と、そして絶望で真っ青に染め上がる。なぜ、皇国の至宝が、こんな場所に。そして、なぜ、あのオッサンの背後から……!?
セスティーナは、氷のように冷たい目で、震え上がる騎士たちを見下ろした。
「……あなたたち、今、神の御名において、何と?」
その声は、静かだったが故に、絶対的な恐怖を伴っていた。
「この方を、どなたと心得るのですか」
彼女は、ディノッゾを一瞥し、そして再び騎士たちに視線を戻した。
「その者たちは、先のサイクロプス討伐における、重要参考人です。身柄は、皇帝直属の聖騎士である、この私が預かります。貴方たちに、異論を唱える権限はありません」
皇帝直属。その、あまりにも重い言葉の前に、騎士たちはもはや何も言えなかった。
だが、隊長らしき男は、土下座する代わりに、忌々しげに舌打ちをした。
彼は、掴んでいた兄妹の腕を離していたが、セスティーナの方に向かって、乱暴にその背中を突き飛ばした。
体力が尽きていた二人は、なすすべもなく地面を転がる。
隊長は、そんな二人と、彼らを庇うセスティーナを侮蔑の目で一瞥すると、吐き捨てた。
「……小娘が勘違いをしおって。今にきっと、神罰が下るだろう!神聖騎士団を敵に回したことを思い知らせてやる」 注)末尾に解説
そして、部下たちに顎をしゃくった。
「行くぞ」
その騎士に引き散られていれり兵士たちは、ディノッゾたちに背を向けると、何事もなかったかのように去っていった。
ディノッゾは、そんな彼らの背中など、もはや見ていなかった。
彼の足元で続いていた不気味な震動は、いつの間にか、嘘のようにぴたりと止んでいたが、彼は二人を助け起こすべく駆け寄った。
注)神聖騎士団
神聖オルトリア皇国において、女神アルテミスを崇める教会の権威を背景に活動する特別な騎士団。皇帝直属の聖騎士、国所属の騎士団とは異なる立ち位置にあり、その強大な武力と宗教的権威から、通常の騎士団からは畏敬と同時に、その横柄な態度から反感を持たれていることもある。
国に協力関係にあるも、国に仕える組織ではなく、教会の独立組織。
そして彼らの背後にある、荘厳な騎士団の建物の壁に、ミシミシ、と音を立ててヒビが入った。
「な……なんだ!? 地震か!?」
「いや、揺れているのはここだけだぞ!」
「な……なんだ!? 地震か!?」
「いや、揺れているのはここだけだぞ!」
騎士たちが、混乱に陥る。
その、恐怖に引きつる彼らの前に、ディノッゾの背後から、すっと一人の女性が進み出た。
きらびやかな白いマント。皇帝陛下直属の聖騎士だけが纏うことを許された、気品ある制服。
そう、セスティーナが現れた。
「せ、せ、セスティーナ様!?」
騎士たちの顔が、驚愕と、そして絶望で真っ青に染め上がる。なぜ、皇国の至宝が、こんな場所に。そして、なぜ、あのオッサンの背後から……!?
セスティーナは、氷のように冷たい目で、震え上がる騎士たちを見下ろした。
「……あなたたち、今、神の御名において、何と?」
その声は、静かだったが故に、絶対的な恐怖を伴っていた。
「この方を、どなたと心得るのですか」
彼女は、ディノッゾを一瞥し、そして再び騎士たちに視線を戻した。
「その者たちは、先のサイクロプス討伐における、重要参考人です。身柄は、皇帝直属の聖騎士である、この私が預かります。貴方たちに、異論を唱える権限はありません」
皇帝直属。その、あまりにも重い言葉の前に、騎士たちはもはや何も言えなかった。
だが、隊長らしき男は、土下座する代わりに、忌々しげに舌打ちをした。
彼は、掴んでいた兄妹の腕を離していたが、セスティーナの方に向かって、乱暴にその背中を突き飛ばした。
体力が尽きていた二人は、なすすべもなく地面を転がる。
隊長は、そんな二人と、彼らを庇うセスティーナを侮蔑の目で一瞥すると、吐き捨てた。
「……小娘が勘違いをしおって。今にきっと、神罰が下るだろう!神聖騎士団を敵に回したことを思い知らせてやる」 注)末尾に解説
そして、部下たちに顎をしゃくった。
「行くぞ」
その騎士に引き散られていれり兵士たちは、ディノッゾたちに背を向けると、何事もなかったかのように去っていった。
ディノッゾは、そんな彼らの背中など、もはや見ていなかった。
彼の足元で続いていた不気味な震動は、いつの間にか、嘘のようにぴたりと止んでいたが、彼は二人を助け起こすべく駆け寄った。
注)神聖騎士団
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国に協力関係にあるも、国に仕える組織ではなく、教会の独立組織。
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