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第47話 恩人の記憶と最後の賭け
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セスティーナに強引に渡された土産のおかげで、重傷者も命だけは繋ぎ留めることができた。
だが、状況はまだ何も好転していない。閉じ込められた生存者は、9名。そして、このダンジョンの奥には、A級クラスの魔物が、無数にうろついている。
(……ダンジョンエラーか)
ディノッゾの脳裏に、今更ながら一年前の記憶が蘇った。
あの不思議な男、ジェスロと旅をしていた時だ。彼の後輩であるニーナが、呆れたように話していたのを思い出す。
『先輩(ジェスロ)ったら、初心者ダンジョンに入っただけで、エラーを起こして、ゴブリンキングを呼び出しちゃうんだもの。本当に、規格外なんだから』
(……なるほどな。俺も、同じことをやらかしたってわけか)
彼はギルドでのセスティーナとの会話も思い出していた。
『ドラゴンの戦いに攻撃参加をしたとみなされ、膨大な経験値が入ったのではないかと思います』
そして、冒険者たちの間でまことしやかに囁かれる、もう一つの噂。
レベルが低い時に格上の強い奴を倒すと、経験値がかなり入る。中でも、最後の一撃(ラストアタック)を決めた者は、単なる戦闘参加者の数倍にもなると。
貴族の間でやっているらしい。高ランクの魔物の四肢を切り落とし、死なないよう治療しレベルを上げたい者の前に連れてきて、剣を突き立て殺すのだとか。
全てのピースがディノッゾの頭の中で、一つの結論を導き出した。
俺とリリアはドラゴンのラストアタックで、あり得ないほどのレベルアップを果たした。
そのせいでこのダンジョンが暴走した。
つまり自分のせいだ・・・
そして今、この子供たちを救う方法は一つしかない。
「おい、お前ら!」
ディノッゾはポーションで多少動けるようになったり、怪我のなかった5人の子供たちに声をかけた。
「ぼさっと突っ立ってねえで、あの牛野郎が落としたドロップ品を探せ! 使えそうなもんは全部かき集めろ!」
リーダーのように指示を出すと、彼はリリアに向き直った。
「リリア、こいつらを頼む。ちょっと待ってろ」
「えっ?ディノーどこへ?」
リリアの制止も聞かずディノッゾは一人、ダンジョンの奥へと進んでいった。
数分後。
子供たちが何が何だか分からないままアイテムを回収し終えた頃、ディノッゾが戻ってきた。
その肩には、とんでもないものを担いで。
「……うそ」
誰かが、ひゅっと息を呑んだ。
彼が担いでいたのは、オーガを遥かに凌ぐ大きさの単眼の巨人。
そう、サイクロプスだった。
だがその姿は異様だった。両手両足が根元から無残に引きちぎられ、もはや抵抗する力もなく、ただ呻き声を上げているだけ。
傷口を焼いて止血をしていた。
ディノッゾはその巨体を子供たちの前にどさりと投げ出した。
そして一番近くにいた、少年の震える手を掴むと、その手に落ちていた錆びた剣を握らせた。
「おい、坊主」
ディノッゾの目は、真剣だった。
「こいつにとどめを刺せ」
その瞬間、皆が唖然となった。
だが、状況はまだ何も好転していない。閉じ込められた生存者は、9名。そして、このダンジョンの奥には、A級クラスの魔物が、無数にうろついている。
(……ダンジョンエラーか)
ディノッゾの脳裏に、今更ながら一年前の記憶が蘇った。
あの不思議な男、ジェスロと旅をしていた時だ。彼の後輩であるニーナが、呆れたように話していたのを思い出す。
『先輩(ジェスロ)ったら、初心者ダンジョンに入っただけで、エラーを起こして、ゴブリンキングを呼び出しちゃうんだもの。本当に、規格外なんだから』
(……なるほどな。俺も、同じことをやらかしたってわけか)
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そして、冒険者たちの間でまことしやかに囁かれる、もう一つの噂。
レベルが低い時に格上の強い奴を倒すと、経験値がかなり入る。中でも、最後の一撃(ラストアタック)を決めた者は、単なる戦闘参加者の数倍にもなると。
貴族の間でやっているらしい。高ランクの魔物の四肢を切り落とし、死なないよう治療しレベルを上げたい者の前に連れてきて、剣を突き立て殺すのだとか。
全てのピースがディノッゾの頭の中で、一つの結論を導き出した。
俺とリリアはドラゴンのラストアタックで、あり得ないほどのレベルアップを果たした。
そのせいでこのダンジョンが暴走した。
つまり自分のせいだ・・・
そして今、この子供たちを救う方法は一つしかない。
「おい、お前ら!」
ディノッゾはポーションで多少動けるようになったり、怪我のなかった5人の子供たちに声をかけた。
「ぼさっと突っ立ってねえで、あの牛野郎が落としたドロップ品を探せ! 使えそうなもんは全部かき集めろ!」
リーダーのように指示を出すと、彼はリリアに向き直った。
「リリア、こいつらを頼む。ちょっと待ってろ」
「えっ?ディノーどこへ?」
リリアの制止も聞かずディノッゾは一人、ダンジョンの奥へと進んでいった。
数分後。
子供たちが何が何だか分からないままアイテムを回収し終えた頃、ディノッゾが戻ってきた。
その肩には、とんでもないものを担いで。
「……うそ」
誰かが、ひゅっと息を呑んだ。
彼が担いでいたのは、オーガを遥かに凌ぐ大きさの単眼の巨人。
そう、サイクロプスだった。
だがその姿は異様だった。両手両足が根元から無残に引きちぎられ、もはや抵抗する力もなく、ただ呻き声を上げているだけ。
傷口を焼いて止血をしていた。
ディノッゾはその巨体を子供たちの前にどさりと投げ出した。
そして一番近くにいた、少年の震える手を掴むと、その手に落ちていた錆びた剣を握らせた。
「おい、坊主」
ディノッゾの目は、真剣だった。
「こいつにとどめを刺せ」
その瞬間、皆が唖然となった。
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