異世界ロマンはスカイダイビングから！

第４章

街に

　皆驚いていたが咄嗟に反応したのはアモネスだった。当夜を抱きしめ頭を撫でる。
　何を言っているか分からないので皆がオロオロしている。

　当夜は己の行動に、結果に苦悩していた。
　よりによって敵とはいえ女を殺したのだ。
　殺したのは二人だった。
　男を殺しても心は傷まない。実際数万を殺しても全く傷まなかった。一瞬大量に殺した事の反動でおかしかったがすぐに元に戻ったのだ。
　魔術師の中に女性が２０名、男性が４０名程いて、男の魔術師は１０人程死んでいた。

当夜「俺とんでも無い事しちゃった。女性を手に掛けた。女を殺したよ。殺したんだよ。ああああああああああがああああ」

　こんな感じだ。

　街に着いても同じなのだ。
　取り敢えず確保してもらった部屋に連れて行き服を脱がす。ケイトは当夜の体に異常が無いか確認するも異常がなさそうだ。シャクラがお風呂を沸かしていた。魔力が既に宮廷魔術師を超えていて、魔力は十分だ。


　皆で当夜を風呂に入れている。ずっと呟いている。そして泣く。
　皆は何となく分かった。魔術師の若い女の死体を見たからだ。
　当夜は極端に女性を大事にする。どんな女性にも優しいのだ。一方的に攻め入ってきた相手とはいえ女性を大切にする当夜が若い女性を殺したのだ。心が折れたのだと。一休みすれば治すだろう？疲れているのであろうと感じていた。

　皆が当夜を洗っているとふと当夜が正気に戻った

当夜「ええええええ！なんで…皆が裸！はうううやばいよ！」

　当夜の【気】が変わったのを皆が感じ、当夜のある所が元気になりそれを見てしまったものだから皆顔を真っ赤にして慌てて風呂を出ていく。

　当夜は欲情してしまったのだ。今はもう健康な男子だ。当たり前の反応だ。
　当夜は戦場で自らが倒していて捕らえた者を治療しシャクラ達と号流してからの事を覚えていない。
　気がついたら皆に裸で洗われていたのだ。
　マリーを出して煩悩を吸ってもらった。実はマリーは当夜の煩悩を糧に成長している。今は中学生位の顔だが、それについて当夜は気がついていない。

　当夜は女を殺したんだよなと少し俯いて嘆き一言「悪いな」それだけ言うと頬を思いっきり叩き風呂を上がったのだ。

　そして皆にもう大丈夫と言い、何かを食べる仕草をして食堂で食事をしてから部屋に戻りしばしの休息を取ったのであった。皆が服を着ているで安心した。