勇者だけど幼女使いと言われていますが何か?

KeyBow

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第1章  入試篇

第34話  ソニア

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 下に降りると、先日ユリアと一緒にいたギルドのおねえさん達が既に食堂のテーブルに座っており、ユリアを待ち構えていた。

「もう、ユリアったら遅いぞ。いくら愛しのフォルクス君が帰って来たがはいえ、待たせ過ぎ!」

「うん。ごめんごめん。フォル君の女にしてって頼んでいたから遅くなったの」

「えっ?」

「冗談ですよ、冗談に決まっていますよ。ね!妹さんの話をし始めていて、込み入った話になり時間が掛りそうなので下に行ってからって話になったんですよ。ユリアさんもそんな戯言を言って皆をからかわないように!」

「フォル君、私、本気なのよ。その前にソニアの話をしなければいけないよね。」

 ユリアの焦点が合っておらず、焦燥感が見て取れた。ギルドではフォルクスに会えた安心感か、気が張っていたのか、よく分からなかったが、少し落ち着きがない程度で特に異変を感じなかった。

 フォルクスはユリアが発した言葉の意味を理解しきれなかった。その為聞かなかった事にしようとした。あまりにも急な展開に思考が追いつかなかったのだ。

 皆に席に座るように促し、席に座るとユリアが妹の話をし始めた。

「妹はね、今は14歳で、間もなく15歳になるの。魔法学校の二次試験に進めなくて、その、一族の恥晒しとして性奴隷として売られるの。魔法学校に入学できなかったらそうなるのよ。例年の試験なら問題なかったのだけれども、試験方法が変わってしまって、あの子は落ちてしまったの。弁当を食べきれなくて。フォル君達が出発した直後に相談に来たの。あの日はショックで言えなかったって。私は監督責任を問われ、里から来る誰かの子を孕ませられ、産まなきゃなの。ううう」

「今はどうしているんですか?」

「ソニアはこの宿に泊まらせているの。で、この子よ」

 ギルドの職員の影に隠れる形でそこにいた一人のエルフの少女が、オドオドしながら小さく手を上げていた。

「あんた、私の隣りにいたよね?まさかあんたが落ちたの?」

「それって、4位って事だよな?確かに見覚えがあるよ。シーラの隣りにいたよな。それに君の所の弁当は2つも買ったぞ。何があったんだ?誰のチームが脱落したかまでは気にしてなかったな」

「あいつしかいなかったの。早々に女の子4人を仲間にしていて、私はあぶれてしまっていたの。そこに入れてもらう以外なかったの。フォルクスさん達の所に頼みに行こうとしたら既に遅かったの。私やだよ、性奴隷になんかなりたくないよ。姉さんも私のせいで誰かの子を孕まなきゃなんて嫌だ。誰か助けて」

 フォルクスは何となくだがソニアに見覚えが有った。ユリアになんか似てるなー位にしか見ていなかった。ユリアに似ているがユリアを少し丸顔にして、更に少し幼くした感じだ。ただかなりの美少女の為、後数年もすればかなりの美女になるというのは何となく分かった。スタイルは少し控えめだとは言っても、胸は大き過ぎず小さ過ぎず、程良い上品な大きさだ。あくまでフォルクスの好みのサイズでの話である。髪は肩で切り揃えられていて、ユリアとソニアが二人で並んでいると、確かにソニアとユリアは姉妹なんだなぁと分かる程によく似ている。また、2年後ならこの2人を巡り戦争が起こっても不思議ではない予感がしていた。

「ねえ、フォルクス。彼女を助けてあげられない?毎日おっぱいを触わっても良いから。あんたおっぱい好きよね?」

「シーラがそんなふうにしてまで頼んでくるなんて、ソニアさんの事を気に入ったのかい?確かにあの魔法展示の待ち時間に仲良くしていたようだけど。そうだな、助けるのは問題なく出来るし、別に誰かのおっぱいを触わるような報酬が無くてもやるよ。誤解を招くから変な事を言わない!ほら、ユリアさん達が引いているじゃないか!ったく俺を何だと思ってるんだよ」

 小さい声で、誰かがおっぱい星人と揶揄していたが、スルーしたが、シーラが真面目に聞いた

「問題ないって?ほんとに?」

「確か魔法での個人1位の者には従者を付けて貰えるって聞いているぞ。従者に出来るのは異性で有る以外は条件は無いよな。従者も一次試験を突破さえしていて希望し、実費を払えば合格者として生徒になれるんだったよな?従者として、基本的には僕と行動を共にする事を強要したら拒否出来ない制約が有る程度だろ。僕の従者扱いなら問題ない筈だよな?卒業の時の成績はランク外になってしまう筈だけど、ひょっとしてそれだと問題があったりする?」

「宜しいのですか?卒業さえ出来れば問題は有りませんし、その、フォルクスさんになら抱かれても本望ですよ!その、姉共々」

「ちょっと待って?どう言う事?」

「知らないのですか?従者とは名ばかりで、実質は奴隷なんですよ。だから、大抵は夜のお勤めの相手を指定し、そうさせてます。だから、ソニアを手篭めにしても誰も咎めませんし、もしめでたく身籠れば強者の母子として国から手厚く保護をされます」

「ふう、分かった。分かった。この世界はどうかしているとしかいえないよな。はあ。ソニアさん、安心して下さい。手篭めになんかしませんから。ちゃんと仲間として迎え入れます。もしソニアさんを抱くとしたら、お互いを尊敬し、愛していると感じた時にですよ。ほら、僕って個人ランク1位でしょ!大丈夫だから泣かないで。ねっ、大丈夫だから。シーラから頼まれたし、例え頼まれなくても無償で助けるから。誰を従者にすれば良いか悩んでいたから丁度良いんだよ。上手く立ち回りら、格好良いところを見せますから、絶対に二次試験を見に来てくださいね」

「ありがとうフォル君。ソニアは私のサポートとして連れて行くわ。良かった!これで嫌いな奴に犯され、望まない子を身篭らなくても良いのね!大好き!先程伝えた通りに私の全てを貴方に捧げます。」

「ユリアさん、そんな大袈裟な。まだ僕自身が合格していないんですよ。まあ、多分というか絶対に大丈夫だけど。えっとユリアさん、顔を上げてください。貴女に泣き顔は似合いませんよ。聡明でにこやかないつもの僕のユリアさんに戻って下さい。ユリアさん自身を僕に捧げなくても大丈夫だから。今はパニックになっていて、変な事を言ってるだけでしょうから、まずは落ち着こうね」

「あのー、フォルクスさん、エルフはそんな簡単な種族じゃないんですよ。ユリアさんは既に自らの魂に刻んでしまっていますから。私はユリアさんを受け入れますわ」

「ソニアを助けてってお願いしたのは私なんだから、仕方がないのよ。私もユリアさんを受け入れます」

「私も問題ないぞ。彼女を助けてやってくれ」

 ラティスも返事をし、リズとべソンも頷いていた。

 フォルクスはユリアが全てを捧げる必要がないと、捧げる事を拒否したが、ユリアが私に魅力が無くて受け入れてくれないんだと泣いてしまった。

「分かったから、分かったから落ち着こうね」

「じゃあ、エルフの誓いを受け入れてくれるんですね?」

「うん、分かったから。ユリアさんも僕の大切な女性にすれば元気になってくれますか?」

「はい!フォルクス様のユリアです。ついでに妹も貰って下さい」

「うーん、分ったから、もうこの話はこれまで。続きは試験の後でね。ソニアさんも困るでしょう!それに何はともあれ、全ては試験が終わり合格してからの話ですよ」

 フォルクスはうっとりと見詰めるソニアとユリアの視線に気が付かなかった。今は思わぬ話になったこの状況から一旦逃げたかったから、適当にあしらったつもりだった。あくまでつもりである。

 お腹がかなり減っていたし、旅から帰ってきたばかりの為疲れていたのもあり、出された食事をすぐに食べ、フォルクス達は早々に食べ部屋に引き上げたのだった。だがしかし、人はそれを逃げたと言い、事態を更にややこしくするだけにしかならない。だがフォルクスは乗り切った!何とかなった!と思い込んでいたのであった。
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