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夫婦鼓
望月
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「先に報せた通り、蔵に《望月》がないことが分かったのは今から五日前」
練絹の几帳の前に正座して、難しい顔の老女はいかにも物憂げだった。
風のない、晴れた昼下がり。蔀を上げた庇の間は、少々寒くはあっても陽が差して明るい。丸くなって、尻尾に鼻先を埋めて一眠りしたくなる。
そんな穏やかな屋内にまで謎の黒雲が音もなく漂う、その奇妙さと言ったらなかった。家人の表情の暗さはこの雲のせいでもあるのではないかと思いつつ、美葛は刀自の話の続きに耳を傾ける。
「この屋敷の倣いで、朝には必ず、蔵の鳴物たちを一通り拭き清める。その日も、いつものように、役目の女たちが鍵を開けて入った。ところが、名鼓中の名鼓がいつもの棚にない。誰も彼も慌てたの何の……」
後で食べようと思って土に埋めておいた鼠を他の狐にこっそり盗られてしまったときは、それは諦めるしかない。しかし錠を下ろした蔵の中から鼓が一つ消えてしまったときは、まあ仕方ないかで済ませるわけにはいかないらしかった。
几帳の裏から微かに衣擦れの音が聞こえた。誰か潜んでいる。といっても、当人に潜んでいるつもりはないに違いない。この屋敷の主、琴音姫だ。失われた鼓のことを彼女も気に掛けているのだろう。
なるほど聞いていた通りねと美葛は思った。身分ある姫君はおいそれと人前に姿を現わさない。ただ、そういうものだと弁えてはいても、実際そこにいるのに隠れたままというのは実に妙な具合だった。
ふいに表で怒鳴り合う声が響いた。寒さに苛立った破落戸たちの間で何かの小競り合いがあったらしい。
下衆どもが、と刀自が低く呟いた。
「あんまり物々しくて驚いたろう。《望月》が消えたのは盗人が入ったからに違いないと言う者があってな。もしそれが本当なら、他の鳴物まで盗まれてしまってはかなわん。打てる手は何でも打てと命じたのよ」
「それで表の有様ですか。厳ついのばかり、無駄にたくさん集めたものですね」
ばっさりきっぱり、もゆらが断じた。見知り合いとはいえ少なくとも五十は年上だろう相手に対しても、童女は遠慮なく物を言う。後ろにいる美葛は何だかはらはらし通しだ。
「聞けば、野良法師だとか呪師だとか、妖しげな術を使う連中もかなりお呼び寄せになったとか」
「それもやはり、打てる手は打て、とな。護摩を焚くのやら呪符を焼くのやら、亀の甲を炙るのやら百草を燻すのやら、都にこんなのがいたかと思うようなのばかり、ほんに色々やって来て、色々して帰った」
「そして何の験もなかった、と」
「情けない事よ」
刀自は皺の目立つ首を力なく振った。
もゆらの後ろに座って大人しく話を聞きながら、美葛は漂う黒雲の正体が分かったような気がした。隣の真咲に肩を寄せて囁く。
「黒い雲が見えるって言ったでしょう。あれ、今の話に出た呪師たちのせいかも」
「というと、つまり? 分からん。どういう意味だ」
「草の汁でも、濁った水でもそうだけど、どんどん足していくと何でも黒っぽくなるでしょう」
「……ああ、そうか。術を使う連中が好き勝手に念を凝らしたせいで生まれたのが、その黒雲だと」
そういうこと、と美葛は頷いた。一つの土地であれこれ術を混ぜたせいでここまで黒く淀んだのに違いない。
囁き合う美葛と真咲を刀自がちらりと窺った。それにしても、と白い眉の下の小さな目を瞬いた。
「妙泉尼様が直々にお越しくださるものと思って、姫様と楽しみにしておったのに」
「せっかく文を寄越してくださったのに申し訳ありません。お師匠様、今どうしても身体が空かないのです。当分、皆様と清水やらどこやらの中宿りでお目にかかることもないと思います」
「参詣する暇もないほどとはの。説法や講話の席に招かれて?」
「そんな所です。けれど刀自、どうかご安心を。助っ人を連れて参りましたから。驚くなかれ嗤うなかれ、常陸国の狐の化身を名乗る女とその連れです」
もゆらが脇に退いてこちらを示した。刀自と目が合った美葛は大いに狼狽えた。いつもなら尻尾でも出してやれただろうに、妙泉尼の法力で人の姿に留め置かれた今の彼女にはそれができない。らしい所など欠片もない。咄嗟に、何がそうさせたものか、美葛は里の子が遊びでするように片手で狐を作ってみせた。
「こ、こんにちは。美葛と申します」
隣の真咲が、すべてを仕切り直すかのように大きな咳払いをした。
「常陸国は信太の里から参りました。俺は炭焼きの真咲と申します。刀自殿、伏せておくのもあれなんで先に申し上げますと、俺もこいつも、ようは罪人みたいなもんでして」
「何と」
刀自が僅かに身を固くした。几帳の裏からもまた衣擦れが聞こえた。
ただ、後ろ頭を掻く真咲に、いくらかすまなそうな様子はあっても縮こまる気配はまったくない。微笑んでさえいた。
「市町で悪さしたのを妙泉尼様に見咎められて、ここへはその罪滅ぼしをするようにと遣わされたんです。おかしなのが来たもんだとお思いでしょうが、どうか一つ、施しとでも割り切っていただいて、できるだけのことをやらせていただけねえでしょうか」
お願いいたします、と頭を下げた。
綺麗な身形には程遠いし、言葉遣いにも荒いところがある。それなのに、と美葛は思う。目鼻立ちのせいなのか、それともどっしりとした佇まいのせいなのか、真咲は不思議と相手の目と心を惹き付ける。
ある種の捨て置けなさや慕わしさを感じさせる、と言えばいいのかもしれない。旅の間もそれで随分と楽ができたものだ。どこの国の里にいつ立ち寄ってみても、声を掛けた相手は誰も彼も、人好きのする真咲に手を差し伸べてくれないということはなかった。
今も、刀自は真咲の言葉に戸惑いこそすれ、悪い感じは受けなかったように美葛には見えた。
隠しておくつもりはなかったのですが、ともゆらが後を引き継いだ。
「当人が申し上げた通りです。罪業滅却がこれらの望み。遠慮は要りません。鼓を探して都中をひたすら歩き回らせるもよし。夜っぴて蔵を見張らせるもよし。何なら消えた鼓に関わらないことでも構いません。刀自、どうか好きに使ってやってください」
美葛は不安な顔を真咲と見合わせた。一体何をさせられるのだろう。
ややあって、思案顔の刀自が口を開くより先に、ひどく重たい溜息が聞こえた。
「だったらお願い」
ずっと黙っていた姫君が口をきいた。か細くて辛そうな響きだった。
動く衣の裾が几帳の綻びに覗いた。慌てて腰を浮かせた刀自が止める暇もなかった。現れたのは、今の美葛とそう変わらない、十五六といった年頃に見える大人しげな娘だった。琴音の顔は青白く、なぜか両手で耳を押さえていた。
「この泣き声を、今すぐに止めて」
練絹の几帳の前に正座して、難しい顔の老女はいかにも物憂げだった。
風のない、晴れた昼下がり。蔀を上げた庇の間は、少々寒くはあっても陽が差して明るい。丸くなって、尻尾に鼻先を埋めて一眠りしたくなる。
そんな穏やかな屋内にまで謎の黒雲が音もなく漂う、その奇妙さと言ったらなかった。家人の表情の暗さはこの雲のせいでもあるのではないかと思いつつ、美葛は刀自の話の続きに耳を傾ける。
「この屋敷の倣いで、朝には必ず、蔵の鳴物たちを一通り拭き清める。その日も、いつものように、役目の女たちが鍵を開けて入った。ところが、名鼓中の名鼓がいつもの棚にない。誰も彼も慌てたの何の……」
後で食べようと思って土に埋めておいた鼠を他の狐にこっそり盗られてしまったときは、それは諦めるしかない。しかし錠を下ろした蔵の中から鼓が一つ消えてしまったときは、まあ仕方ないかで済ませるわけにはいかないらしかった。
几帳の裏から微かに衣擦れの音が聞こえた。誰か潜んでいる。といっても、当人に潜んでいるつもりはないに違いない。この屋敷の主、琴音姫だ。失われた鼓のことを彼女も気に掛けているのだろう。
なるほど聞いていた通りねと美葛は思った。身分ある姫君はおいそれと人前に姿を現わさない。ただ、そういうものだと弁えてはいても、実際そこにいるのに隠れたままというのは実に妙な具合だった。
ふいに表で怒鳴り合う声が響いた。寒さに苛立った破落戸たちの間で何かの小競り合いがあったらしい。
下衆どもが、と刀自が低く呟いた。
「あんまり物々しくて驚いたろう。《望月》が消えたのは盗人が入ったからに違いないと言う者があってな。もしそれが本当なら、他の鳴物まで盗まれてしまってはかなわん。打てる手は何でも打てと命じたのよ」
「それで表の有様ですか。厳ついのばかり、無駄にたくさん集めたものですね」
ばっさりきっぱり、もゆらが断じた。見知り合いとはいえ少なくとも五十は年上だろう相手に対しても、童女は遠慮なく物を言う。後ろにいる美葛は何だかはらはらし通しだ。
「聞けば、野良法師だとか呪師だとか、妖しげな術を使う連中もかなりお呼び寄せになったとか」
「それもやはり、打てる手は打て、とな。護摩を焚くのやら呪符を焼くのやら、亀の甲を炙るのやら百草を燻すのやら、都にこんなのがいたかと思うようなのばかり、ほんに色々やって来て、色々して帰った」
「そして何の験もなかった、と」
「情けない事よ」
刀自は皺の目立つ首を力なく振った。
もゆらの後ろに座って大人しく話を聞きながら、美葛は漂う黒雲の正体が分かったような気がした。隣の真咲に肩を寄せて囁く。
「黒い雲が見えるって言ったでしょう。あれ、今の話に出た呪師たちのせいかも」
「というと、つまり? 分からん。どういう意味だ」
「草の汁でも、濁った水でもそうだけど、どんどん足していくと何でも黒っぽくなるでしょう」
「……ああ、そうか。術を使う連中が好き勝手に念を凝らしたせいで生まれたのが、その黒雲だと」
そういうこと、と美葛は頷いた。一つの土地であれこれ術を混ぜたせいでここまで黒く淀んだのに違いない。
囁き合う美葛と真咲を刀自がちらりと窺った。それにしても、と白い眉の下の小さな目を瞬いた。
「妙泉尼様が直々にお越しくださるものと思って、姫様と楽しみにしておったのに」
「せっかく文を寄越してくださったのに申し訳ありません。お師匠様、今どうしても身体が空かないのです。当分、皆様と清水やらどこやらの中宿りでお目にかかることもないと思います」
「参詣する暇もないほどとはの。説法や講話の席に招かれて?」
「そんな所です。けれど刀自、どうかご安心を。助っ人を連れて参りましたから。驚くなかれ嗤うなかれ、常陸国の狐の化身を名乗る女とその連れです」
もゆらが脇に退いてこちらを示した。刀自と目が合った美葛は大いに狼狽えた。いつもなら尻尾でも出してやれただろうに、妙泉尼の法力で人の姿に留め置かれた今の彼女にはそれができない。らしい所など欠片もない。咄嗟に、何がそうさせたものか、美葛は里の子が遊びでするように片手で狐を作ってみせた。
「こ、こんにちは。美葛と申します」
隣の真咲が、すべてを仕切り直すかのように大きな咳払いをした。
「常陸国は信太の里から参りました。俺は炭焼きの真咲と申します。刀自殿、伏せておくのもあれなんで先に申し上げますと、俺もこいつも、ようは罪人みたいなもんでして」
「何と」
刀自が僅かに身を固くした。几帳の裏からもまた衣擦れが聞こえた。
ただ、後ろ頭を掻く真咲に、いくらかすまなそうな様子はあっても縮こまる気配はまったくない。微笑んでさえいた。
「市町で悪さしたのを妙泉尼様に見咎められて、ここへはその罪滅ぼしをするようにと遣わされたんです。おかしなのが来たもんだとお思いでしょうが、どうか一つ、施しとでも割り切っていただいて、できるだけのことをやらせていただけねえでしょうか」
お願いいたします、と頭を下げた。
綺麗な身形には程遠いし、言葉遣いにも荒いところがある。それなのに、と美葛は思う。目鼻立ちのせいなのか、それともどっしりとした佇まいのせいなのか、真咲は不思議と相手の目と心を惹き付ける。
ある種の捨て置けなさや慕わしさを感じさせる、と言えばいいのかもしれない。旅の間もそれで随分と楽ができたものだ。どこの国の里にいつ立ち寄ってみても、声を掛けた相手は誰も彼も、人好きのする真咲に手を差し伸べてくれないということはなかった。
今も、刀自は真咲の言葉に戸惑いこそすれ、悪い感じは受けなかったように美葛には見えた。
隠しておくつもりはなかったのですが、ともゆらが後を引き継いだ。
「当人が申し上げた通りです。罪業滅却がこれらの望み。遠慮は要りません。鼓を探して都中をひたすら歩き回らせるもよし。夜っぴて蔵を見張らせるもよし。何なら消えた鼓に関わらないことでも構いません。刀自、どうか好きに使ってやってください」
美葛は不安な顔を真咲と見合わせた。一体何をさせられるのだろう。
ややあって、思案顔の刀自が口を開くより先に、ひどく重たい溜息が聞こえた。
「だったらお願い」
ずっと黙っていた姫君が口をきいた。か細くて辛そうな響きだった。
動く衣の裾が几帳の綻びに覗いた。慌てて腰を浮かせた刀自が止める暇もなかった。現れたのは、今の美葛とそう変わらない、十五六といった年頃に見える大人しげな娘だった。琴音の顔は青白く、なぜか両手で耳を押さえていた。
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