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第二部
13:治安維持のお仕事
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接近禁止令が出されたジャスパーは夕食後、ノアの執務室に連行されていた。
しれっとモニカと一緒に別棟に帰ろうとしていたところを捕縛されたらしい。
不服そうに自分を見下ろす彼に、ノアはまた多くなため息をついた。
「仕事。説明してもいい?」
「どうぞ」
「じゃあその、いかにも不服ですって目をやめて欲しいな」
「不服なので仕方がありません」
「…はぁ…。もういいよ。これ、とりあえず目を通しておいて」
ノアは引き出しから書類を取り出すと、面倒くさそうにそれを手渡す。
その内容は先日起きた銀行強盗に関するもの。
ノアが言うには、この残党を敵発するために力を貸して欲しいを王都の騎士団が相談してきたそうだ。
「旧公国系の犯罪組織が糸を引いているらしい。残党の指名手配書もばら撒かれてるのに見つからないから、多分どこかに隠れているんだと思う」
「…物騒な話ですね。それなら尚のこと姫様のそばを離れたくはないんですが」
「そう、物騒なんだ。だから来週末、旧公国系の団体を一斉に捜索する。その打ち合わせとかあるから、明日からは僕と騎士団の屯所に通ってね」
「はい、無視ぃ!!別にいいけどぉ!!これ、ノア様が指揮を取るんですか?!ノア様の指揮だと取り逃しそうですね!!」
「それ、絶対バカにしてるよね?別にいいけど。指揮を取るのは騎士団だ。だけど、僕は一応これでも兄上から王都の騎士団の統括を任されていてね。現場に出ないわけにもいかないんだ」
「なるほど、それで…」
ノアに似つかわしくない仕事だと思っていたが、そういうことかとジャスパーは納得した。
「で?なんで俺なんですか?」
「悪党を捕まえるのに、君ほどの腕前の者がいれば安心だろ?君に関しては社交界でも結構噂になっているしね」
「あの噂好きのご令嬢たちのせいでしょうか」
「それだけじゃないよ。最近の君は夜会についてきてもどこか隙がないというか、神経を尖らせていたからね。だからなかなかの手練れではないかと目をつけられたというわけさ」
モニカに近づく男を片っ端から警戒していたせいだ。自業自得だとノアは肩をすくめた。
そう言う彼に対し、それは仕方がない事情があったのだとジャスパーは口を尖らせる。
「…俺の剣は姫様を守るための剣なのですが」
「そう言わずに頼むよ。モニカも街にはよく出かけてるし、こういう治安維持の仕事は巡りめぐってモニカを守ることにもつながるって考えられない?」
机に肘をつき、可愛く首を傾げておねだりするノアに、ジャスパーはなんとも言えない気持ちになった。
この年でこの仕草をして不快にならないのが逆に怖い。
「…ブライアンさんとノア様ってどっちがどっちなんですか?」
二人して王道の可愛い系とツンデレの可愛い系。どちらも可愛らしいタイプの男だ。
これが互いしかいない場面ではどう変わるのか、少し気になる。
「んー?秘密かな。というかあんまり興味ないでしょ?」
「少しはあります。だから聞いたんですけど」
「それはブライアンが攻められる方なら、モニカと彼が二人でいても安心できるからってこと?」
上目遣いでニコッと笑いかけてくるノアに、ジャスパーは寒気がした。本当に鋭い男だ。
「君にとってのお姫様は僕らにとってはただの妹でしかないから、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ」
「…読心術でも会得してるんですか、ノア様は。なんか怖い」
「君がわかりやすいだけだよ」
色々と見透かされて気恥ずかしいのか、ジャスパーは書類で顔を隠す。
そんな彼にノアは嬉しそうに笑みをこぼした。
「可愛いね、君たちは」
「バカにしてるんですか?」
「まあ、少しだけ」
「ひでぇ」
しれっとモニカと一緒に別棟に帰ろうとしていたところを捕縛されたらしい。
不服そうに自分を見下ろす彼に、ノアはまた多くなため息をついた。
「仕事。説明してもいい?」
「どうぞ」
「じゃあその、いかにも不服ですって目をやめて欲しいな」
「不服なので仕方がありません」
「…はぁ…。もういいよ。これ、とりあえず目を通しておいて」
ノアは引き出しから書類を取り出すと、面倒くさそうにそれを手渡す。
その内容は先日起きた銀行強盗に関するもの。
ノアが言うには、この残党を敵発するために力を貸して欲しいを王都の騎士団が相談してきたそうだ。
「旧公国系の犯罪組織が糸を引いているらしい。残党の指名手配書もばら撒かれてるのに見つからないから、多分どこかに隠れているんだと思う」
「…物騒な話ですね。それなら尚のこと姫様のそばを離れたくはないんですが」
「そう、物騒なんだ。だから来週末、旧公国系の団体を一斉に捜索する。その打ち合わせとかあるから、明日からは僕と騎士団の屯所に通ってね」
「はい、無視ぃ!!別にいいけどぉ!!これ、ノア様が指揮を取るんですか?!ノア様の指揮だと取り逃しそうですね!!」
「それ、絶対バカにしてるよね?別にいいけど。指揮を取るのは騎士団だ。だけど、僕は一応これでも兄上から王都の騎士団の統括を任されていてね。現場に出ないわけにもいかないんだ」
「なるほど、それで…」
ノアに似つかわしくない仕事だと思っていたが、そういうことかとジャスパーは納得した。
「で?なんで俺なんですか?」
「悪党を捕まえるのに、君ほどの腕前の者がいれば安心だろ?君に関しては社交界でも結構噂になっているしね」
「あの噂好きのご令嬢たちのせいでしょうか」
「それだけじゃないよ。最近の君は夜会についてきてもどこか隙がないというか、神経を尖らせていたからね。だからなかなかの手練れではないかと目をつけられたというわけさ」
モニカに近づく男を片っ端から警戒していたせいだ。自業自得だとノアは肩をすくめた。
そう言う彼に対し、それは仕方がない事情があったのだとジャスパーは口を尖らせる。
「…俺の剣は姫様を守るための剣なのですが」
「そう言わずに頼むよ。モニカも街にはよく出かけてるし、こういう治安維持の仕事は巡りめぐってモニカを守ることにもつながるって考えられない?」
机に肘をつき、可愛く首を傾げておねだりするノアに、ジャスパーはなんとも言えない気持ちになった。
この年でこの仕草をして不快にならないのが逆に怖い。
「…ブライアンさんとノア様ってどっちがどっちなんですか?」
二人して王道の可愛い系とツンデレの可愛い系。どちらも可愛らしいタイプの男だ。
これが互いしかいない場面ではどう変わるのか、少し気になる。
「んー?秘密かな。というかあんまり興味ないでしょ?」
「少しはあります。だから聞いたんですけど」
「それはブライアンが攻められる方なら、モニカと彼が二人でいても安心できるからってこと?」
上目遣いでニコッと笑いかけてくるノアに、ジャスパーは寒気がした。本当に鋭い男だ。
「君にとってのお姫様は僕らにとってはただの妹でしかないから、そんなに警戒しなくても大丈夫だよ」
「…読心術でも会得してるんですか、ノア様は。なんか怖い」
「君がわかりやすいだけだよ」
色々と見透かされて気恥ずかしいのか、ジャスパーは書類で顔を隠す。
そんな彼にノアは嬉しそうに笑みをこぼした。
「可愛いね、君たちは」
「バカにしてるんですか?」
「まあ、少しだけ」
「ひでぇ」
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