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13話目 舌の肥えた都市、アルファポリス
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テーブルには、ウエイターがひっきりなしに運んでくる料理が端から端まで並べられていた。口を付けるたび、その全てが今まで食べたおいしかった料理ランキングを更新していく。(物を食べたのは初めてであるが)
アルファポリスに着て、俺とサターシャがふらりと入った店はどうやら大当たりだったようだ。
「すごいです! この料理、本当においしい」
「サターシャもそう思うか? これだけの味、さぞかし有名な店なんだろうな」
妙味に手が止まらなかったのは、どうやら俺だけではなかったらしい。サターシャは自分が頼んだピザを平らげ、俺が注文した分にまで手を伸ばしていた。
ピザ、パスタ、前菜は勿論の事、サラダや水に至るまでおいしく感じてしまう。だがしかし、ひとつ疑問が残る。
「なんでこの店がガラガラなんだ?」
これだけの店ならば、店前に長蛇の列を作りそうなもの。しかし、店内には俺達と一組の客しかいなかった。先程街をぶらついた時、満席であった店も少なくはなかったと言うのに。
「さあ、もしかしたら時間的なものなのかも。この世界の人達が食事を取る時間と今の時間がずれているとかじゃないですかね?」
「いや、他の店に人は入っていたよ。……あれ?」
ふと目をやると、俺達の他の唯一の客。一組の男女が席を立つ様子が目に入った。そのまま会計をしている様に見えるが、おかしい。彼らのテーブルに並べられた料理にはあまり手を付けてないように見えるが。
会計をしながら、その男女が話し合う内容が折れの耳にまで聞こえてきた。
「もう、だからやめようって言ったじゃない」
「まあ、たまには冒険したくもなるんだよ。ちゃんとした店で飲み直そうぜ?」
「お金はまだしも時間の無駄よ。今度からはお気に入り登録の少ない店には行かないわよ」
え?
まさか、この料理に不満があるのか?
会話を聞いていたのはサターシャも同じだったようだ。
「小説家になろうの高級店でもこれだけおいしいものは出てきませんでした。あの二人は本当に口に合わなかったんでしょうか?」
「気になるな。他の店に入って確かめてみようか」
食事を済ませた俺達は、軽く腹ごなしがてら街をぶらつき、目に入った店に舌鼓を打った。一件目よりも二件目の方が、二軒目よりも三件目の方が、三件目よりも四軒目の方が、遥かに俺達を感動させた。
結論から言って、アルファポリスで俺達が訪れた飲食店にはハズレがひとつも存在しなかった。
当たり前である。それらは全てプロの店であったのだから。
アルファポリスに着て、俺とサターシャがふらりと入った店はどうやら大当たりだったようだ。
「すごいです! この料理、本当においしい」
「サターシャもそう思うか? これだけの味、さぞかし有名な店なんだろうな」
妙味に手が止まらなかったのは、どうやら俺だけではなかったらしい。サターシャは自分が頼んだピザを平らげ、俺が注文した分にまで手を伸ばしていた。
ピザ、パスタ、前菜は勿論の事、サラダや水に至るまでおいしく感じてしまう。だがしかし、ひとつ疑問が残る。
「なんでこの店がガラガラなんだ?」
これだけの店ならば、店前に長蛇の列を作りそうなもの。しかし、店内には俺達と一組の客しかいなかった。先程街をぶらついた時、満席であった店も少なくはなかったと言うのに。
「さあ、もしかしたら時間的なものなのかも。この世界の人達が食事を取る時間と今の時間がずれているとかじゃないですかね?」
「いや、他の店に人は入っていたよ。……あれ?」
ふと目をやると、俺達の他の唯一の客。一組の男女が席を立つ様子が目に入った。そのまま会計をしている様に見えるが、おかしい。彼らのテーブルに並べられた料理にはあまり手を付けてないように見えるが。
会計をしながら、その男女が話し合う内容が折れの耳にまで聞こえてきた。
「もう、だからやめようって言ったじゃない」
「まあ、たまには冒険したくもなるんだよ。ちゃんとした店で飲み直そうぜ?」
「お金はまだしも時間の無駄よ。今度からはお気に入り登録の少ない店には行かないわよ」
え?
まさか、この料理に不満があるのか?
会話を聞いていたのはサターシャも同じだったようだ。
「小説家になろうの高級店でもこれだけおいしいものは出てきませんでした。あの二人は本当に口に合わなかったんでしょうか?」
「気になるな。他の店に入って確かめてみようか」
食事を済ませた俺達は、軽く腹ごなしがてら街をぶらつき、目に入った店に舌鼓を打った。一件目よりも二件目の方が、二軒目よりも三件目の方が、三件目よりも四軒目の方が、遥かに俺達を感動させた。
結論から言って、アルファポリスで俺達が訪れた飲食店にはハズレがひとつも存在しなかった。
当たり前である。それらは全てプロの店であったのだから。
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