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第5章:単身赴任で甲賀を調略しよう!
真面目にヤヴァい!
しおりを挟む「敵は2人。やっておしまいなさい!」
なんか時代劇のようなセリフと共に、短弓の援護で小刀を持った連中が体当たりしてきた。
俺も仕方なく腰の後ろに交差して吊るしてある二刀をシャキンと両腕で抜きはらう。ダマスカス鋼的な刃を冬木が丹念に作っていたやつだ。
日本人からすれば日本刀の方がきれいだと思うんだが、そこは奴の趣味だ。俺の趣味を押し付けるのはヲタク失格だ。
奴らを軽いステップでいなしながら、次から次へと手首や首筋、アキレス腱を切断していく。
ごめんね。君たち、修行いっぱいしたんでしょ。だから痛くしないようにクリティカル攻撃できないんです。許してね。
俺が7人を相手に遊んでいる間に、敵の頭目を相手にアゲハが死闘を繰り広げていた。
あいつ、つぇえな。
速さでは俺とタメを張る程のアゲハ。いや嘘だけどね。そのくらい通常人と思えない体術。
それについていけるスピード。
なに奴?
ちょっと見とれているすきに、俺の右足に重傷を負った甲賀忍が鎖鎌の鎖を使って腕を絡ませてきた。
腕を斬り落とそうとしたが、鎖帷子着込んでいやがる。
左手に『焙烙玉』だと? 破裂するとやべえ。
アゲハが苦無を投げて来る。
炮烙玉が吹き飛ばされた。
ありがとな。あとでたっぷり、頭ぽんぽんしてやる。
しかし。
隙を見せたアゲハに襲い掛かる、女頭目。
腹に蹴りを受けて吹き飛ばされるアゲハ。
大人になってもライト級な体が、崖に背中からぶつかる。
距離を詰めて来る頭目。
アゲハは忍刀を失ったのか、逆手で苦無を持つのみ。
俺はサクッと足元の甲賀忍に止めを刺し地面を蹴る。
間に合ってくれ!
蹴った地面が、ボコッっと凹む。
崖の斜面を利用して駆け上がり、敵の背後に出る。背面跳び。
左の刀で敵の利き腕、右手で首筋を狙う。
ひゅん!
しゅ!
なに?
避けただと?
ひと飛びで数m距離を取る頭目。
「やるわね。私に傷をつけたのはあなたが最初よ。誇りなさいっ!」
掌についた傷を舐めながら俺へ攻撃を仕掛けて来た。
アゲハと戦っていた時よりも、はるかに素早い機動で襲い掛かる敵。
技術も高い。
直進して突っ込まず、曲線を描いて突っ込んでくる。
だがな。
俺って、糞坊主の被害者の会代表な訳。一人しかいないけど。
めまいと共に、周囲の景色が止まっていく。
あの素早く見えた敵も、ナマケモノ並みの速さに見える。
こう。足を引っかけてっと。
ついでに胸を確認する。
チッ、ボンキュッボンではない。
楯状火山程度か。
めまいが収まり、周りが俺だけが動ける空間から通常空間に戻った。
これやると頭痛がすごいから、あんまやんない。
「な、なにをしたの??」
「見えなかったとは驚きだ。貧乳少女」
顔を真っ赤にしつつも、いつの間にか自分の知らない内に尻もち状態になっていた姿勢から立ち上がり、俺を睨みつけて戦闘態勢に。でもその手には既に武器はない。さっきひょいとつまんで崖に捨てた。高級そうじゃなかったからな。
貧乳少女は今更、武器がないのに気づく。
しかし前がはだけているのには気づかない。悪いのでクイッっとあごをあげてそれを教えてあげる。
面白い程の赤面ぶり。
「お、憶えていらっしゃい。今日の所は勘弁してあげるわ!」
お決まりの負け惜しみセリフ、頂きました~。
もうちょっと発育してからまたおいで。
彼女は腕に仕込んでいたらしい細い綱を灌木に巻き付けながら、カモシカのように崖を走り去った。
「アゲハ、大丈夫か?」
俺は倒れているアゲハの背中をさすりながら抱き起す。
俺と違って常人だからな。結構HPを削られたはず。
「大丈夫です。ご主人様に抱っこされればすぐに治っちゃいますです」
いつものアゲハスマイル。
「そうか、ではもう大丈夫……」
しかしアゲハのスマイルマークがぼとぼとと地面に落ちていく。
これは相当ヤヴァい。
顔が真っ青だ。
俺の顔も真っ青に違いない。
一刻も早く、医者に見せねば。
この時代の医者がどれだけのことが出来るかは知らないが、ここにいれば確実に死ぬ。
俺はアゲハをお姫様抱っこして、ちょっとだけまともになってきている道をクロスカントリーバイク並みの速さで和田城へ向かった。
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