【悪魔喜・天使泣】ソフィアのえにっき――地獄と天国→戦場をダウナー妖精とおでかけ♪【完結済】

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第3話――とうめいめいろ

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……私の名前はソフィア。
……叡智って意味。
……古い言葉ではアイオーン。
……あんまりかわいくない?
……私もそう思う。


 ここはいつもの夢の国。
 妖精の女の子が、悪魔のヨハンと天使のミリアムと出会って――
 しばらく経った頃のお話。


 ある朝のこと。
 ソフィアの家のすぐ近くから、能天気な歌声が聞こえてくる。

   母ちゃんのためなら♪ えーんやこら♪
   もうひとつオマケに♪ えーんやこら♪
   メスガキのためなら♪ えーんやこら♪
   こいつは俺の奢りだ♪ えーんやこら♪

 例によってヨハンが歌を口ずさんだ。
 悪魔の貴公子らしく、歌詞は前半しか正しくない。
 彼は落とし穴を掘っている。
 ソフィアは翔べるから、そんな罠は無意味だというのに。
 誰が見えている地雷を踏みに行くものか。
 いつもながら、この悪魔の行動は理解に苦しむ。
 そもそも、その言動を解釈しようとすること――それ自体が罠か。
「これぞ妖精ホイホイだ――俺様ってばうん、マジ悪魔♪」
 泥だらけのヨハンは、満足そうに腰へ両手をあてて背中を反らせる。
 そこへ、
「性懲りもなく悪いことを!」という清楚な声がした。
 天使のミリアムだ。
 彼女を見た瞬間、ヨハンは悲鳴を上げる。
「チェンジ! 今は巨乳天使の気分じゃないぃいい!」
「今日こそ天罰を与えます!」
「チェンジ! メスガキの妖精を呼んで来てぇええ!」
「悔い改めなさい!」
「やめて! 天秤でぶたないで!」
 悪魔らしい下品で不遜な物言いだった。
 天使は天使らしく、ヨハンの妄言に耳を貸さなかった。
 以前、地上に堕天させられてからというもの。
 以来、ことあるごと――ミリアムは悪事を止めるために。
 こうして介入してくるようになった。


 この間のこと。
 森の大木の下で昆虫たちの相撲大会が催された。
「東、コナラのオオクワガタ――西、クヌギのオオカブト」
 魔法の軍配を片手に、行司を務めるソフィア。
「この一番にて本日の打ち止め」
 ミリアムがそこへやって来て言う。
「私は堕天したのではありません――そう、これはきっと女神様の試練です。悪を打ち破れという、女神様の思し召しに相違ありません」
「はっけよい」
「堕天使が――バカンス中のクレイジーサイコ女神の代弁か! 不遜も極まれりだ! こっちに連れてきた甲斐があるってもんだ」
「のこった」
 ソフィアは天使と悪魔を無視して、軍配を上げる。
「もう承知しませんよ!」
「ヒャッハー!」
 場外でも相撲がはじまった。
「双方、取り疲れましたるゆえ――二番後、取りなおし」
 その後の勝負も結局は水入となった。


 そして今。
 新たな一番。
「さあ、そのショベルを寄越しなさいな! 没収です!」
「やだやだ、やーだ!」
「こんな不健全な大穴は埋めてやります!」
「どすこい!」
「あなたの墓穴として、有効利用してごらんにいれましょう」
 ヨハンとショベルを奪い合うミリアム。
「のこった! のこった!」
 天使は顔を真っ赤にした。
 彼女は悪魔が握るショベルの柄に両手をかけて力をこめる。
 落とし穴の縁まで、ミリアムはヨハンを押し出そうとしていた。
「いっけね」
「ああ!」
 そのとき2人の足がもつれてしまった。
 うっかりか、これも必然というべきか。
「物言い!」
 さきほどから悪魔はまともに話そうとしない。
 ヨハンとミリアムは落とし穴へ真っ逆さま。
 ミリアムの悲痛な声が穴の底から響く。
「また! またしても悪魔の穢れがぁああ!」
「第3話でもノルマ達成だ!」
「おだまんなさい――もう!」
 ヨハンを下敷きにして、奈落に落ちていくミリアムは嘆息を漏らした。
 落とし穴の横には、2人が奪い合ったショベルだけが残された。


 しばらくして。
 外へ遊びに出た〝ちびドラ〟が家の周りを飛んでいた。
「……?」
〝ちびドラ〟は家の前にあった大穴と、その横に落ちていたショベルを見つけた。
 友だちの変わった様子に気がついて、ソフィアも出てくる。
「なにこれ?」
 大穴を見ると――奇妙な魔法の力を感じた。
「……」
 彼女は横に落ちているショベルを見た。
 天使と悪魔、それぞれの魔力の残滓が漂う。
 穴の底からは、彼らの気配が漏れている。
 それは微かで――どうやらここは見かけよりずっと深いようだ。
 一見すると、たんに土を掘り返しただけだが。
 ソフィアは魔力の痕跡を辿る。
 そのついでに指先から光の線を照射した。
 その反射波を捉えて距離を測る。
 約5秒かかった。
「ん」
 妖精の少女が珍しく瞠目した。
……あり得ない。
……地殻よりも深い。
……別次元と繋がっている。
 彼女が観測したところ、穴の深さは大地の底を貫通した先へ。
 それどころか、地上から月まで往復した距離と同じくらいだ。
……だいたい48万マイル?
 明らかにこの世の摂理に反している。
 いかにヨハンが悪魔でも、こんなことは不可能ではないか。
……これは。
 何らかの理由で、天使と悪魔が落ちたときに事故が起きたのか。
 とにかく。
 天使の光の力、悪魔の闇の力。
 これらがぶつかったせいだろう。
……まさか混沌相克?
……初めて見た。
 光と闇が混ざることを混沌。
 両者がぶつかることを、ソフィアは相克と表現した。
 普通の人は、この異常な現象を見れば引き返す。
 人間ならそうする――それが自然だ。
 ところがこの妖精の少女は違う。
 彼女は〝不思議なもの〟を見逃すような性分ではない。
 それが目の前にあるならばなおさら。
「ふーん」
 ソフィアは大穴へ無造作に近づく。
〝ちびドラ〟もそれについていくつもりだった。
 彼女は振り返って止める。
「あなたは留守番――不測の事態への蓋然性を高める保険。いい? 前にもそれで助けてもらったから」
「……」
〝ちびドラ〟は不満そうだ。
 しかし、幼い飛竜はわかっていた。
 この妖精の少女は言い出したら聞かない、と。
「いざとなったら、大きくなってもいい――名前を呼ぶから」
 ソフィアは言った。
〝ちびドラ〟は渋々その場で待つことに。
「いい子」


 ソフィアが落とし穴に潜っていくと。
 途中で空間が反転してしまう。
 いいや、反転なんてなまぬるい。
 上と下と右と左と前と後ろが渾然一体となり。
 過去と現在と未来は、それぞれのページが折り重なった。
 時空と事象のカオスがごちゃ混ぜに。
 周りを見ると――これまで旅をしてきた風景が見えた。
〝ちびドラ〟の背に乗って空を飛ぶ。
……過去?
 悪魔のヨハンに地獄のディスコを案内された。
……うるさかった。
 天使のミリアムと、天国での問答。
……まぶしかった。
 どこかは覚えていないが――夜空から戦場に降りた。
……これは思い出。
 豪華客船をハイジャックして南国に出かけた。
……まあまあ楽しかった。
 その中には彼女に見覚えのない景色も。
 そこに映ったソフィアは、世界の中心にいた。
……ここは知ってる。
 大きな樹から下がった〝卵〟を割るところだ。
……?
 そんな〝思い出〟はない――ということは。
……未来。
……未来も楽しいの?
 全てが最初と最後をひっくり返っていく。
 その上、ねじって無理やり繋げられる。
 こうして表も裏もなくなってしまう。
……メビウスの輪。
……偶然?
……意図的?
 認識できるあらゆる空間の概念。
 それらが出鱈目に還元されていく――言葉にならない感覚。
 気持ちが悪い。
「……」
 ソフィアはずっと落ちていく。
 穴の底まで。


 どれくらい経ったか。
……体感で471と半日。
……計算上は11315時間。
……ん。
……合ってる。
……問題ない。
 ようやく大穴の底にソフィアはたどり着いた。
 そこは透明な〝広場〟だった。
 ビーカーやフラスコのような。
 実験器具を大きくしたドーム状の空間だ。
 外は漆黒の闇と点在する光の粒。
 ガラス自体が柔らかく光を帯びている。
 おかげで周りはよく見えた。
「……」
 ソフィアは無言で、足元で這いつくばっている悪魔を見た。
「お? やっと来たか」
 ヨハンは妖精の気配に気づいて立ち上がった。
「説明しよう! デデン♪」
「頼んでない」
 ソフィアはいつもの怜悧な口調で言った。
「ノリが悪いぞ――まあいい。そんじゃこれから〝ルール〟を言うぜ」
「……」
 氷でできたルビーの瞳に睨まれながら、ヨハンは説明を続ける。
「ここは〝とうめいめいろ〟だ。迷路だが、入口も出口もない――上を見てみ?」
 ヨハンが指を立てて視線を誘導した。
「天井が塞がってる」
「そういうこった――3人ともそろったからな。続けるぞ? ここから出るには〝3つの鍵〟が要るんだ。鍵は迷路のどこかに転がってるから、勝手に探してくれ。いいか?」
「ん」
 ソフィアはいつものように曖昧に答えた。
 要はこの迷路で〝3つの鍵〟を集めればいい。
……鍵?
 ひとつ気になった。
「鍵穴は?」
 彼女の疑問にヨハンは笑みを見せた。
「3つめのある場所だぜ――よく気づいたな。ご褒美に最初のやつをくれてやる」
 そう言ってポケットから鍵を出して投げた。
 ソフィアのところに近づくと、鍵は魔法の力で小さくなっていき。
「……」
 彼女の手のひらに収まった。
 それには墨を塗ったような――悪魔の翼の印が彫ってある。
……同じのを集めるってこと?
「……」
「おい! 今、ダサいって思っただろっ!? かっこいいのに! ひどい!」
 この悪魔は何を考えているのか、何も考えていないのか。
……後者。
 なぜかわからないが、ソフィアはそうだろうと確信できた。
 最後にヨハンは、
「お前さんがクリアしねえと、俺も出られねぇ! 任せたぜ! どろん♪」と言って、煙とともに姿を隠して消えた。
「ふーん」
 ソフィアは〝新しい遊び〟に否応なく付き合うことに。


 迷路からの脱出に必要な鍵、残りの2つを探す。
 そのためには、まず現状を把握しなければ。
 ヨハンは〝ルール〟だと前置きした。
 その上で迷路のどこかにあると言っていた。
 彼も悪魔の端くれだ。
〝ルール〟という以上、誇りにかけてそこに嘘はない――はずだ。
……意外と正直者?
……悪魔のくせに。
……つまり無能ってこと。
 鍵は迷路のどこかにある。
 ならばルールに則って、隠し場所を見つければいい。
……簡単。
……ひと口で食べられるケーキみたいに。
 ソフィアは周りを見る。
……広さは、長さはどれくらい?
 迷路の攻略は実のところ難しくない。
 片手を壁から離さず進めばいい。
 ただ、ここには入口と出口もない。
 その過程で見つかればよし。
 迷路の総延長にもよるが、時間さえかければ人間でも攻略できる。
 しかし、
「効率が悪い」とソフィアは正攻法を却下した。
 ヨハンが課したルールの中に〝魔法を使ってはいけない〟とはなかった。
 逆に言うなら〝魔法は使っていい〟ことになる――詭弁ではない。
 遊びのルールとは最初に明示されたものが全てだ。
「……」
 ソフィアは指を2度鳴らした。
 背中の翅から舞う鱗粉が空気に漂い、周りと混ざりながら広がっていく。
「これでよし」
 ソフィアは頷いた。
 しばらく待てば、空気と混ざった妖精の粉が空間の全てを満たす。
 それで地図はできる。
 少なくとも現在地を見失うこと、道に迷うことはなくなった。
「終わった」
 ソフィアは最初のドーム状の広場から移動をはじめた。


 魔法の地図によると、迷路の全体像は正方形に近い。
 鍵があるとすればその4隅が怪しい。
 確率は半分と半分。
 あの意地と根性がひねくれて、逆さまにねじれた悪魔の好みそうな仕掛け。
……でも引っかかる。
……まだなにかあるの?
……まあ、いいか。
 ソフィアは最初の隅にたどり着いた。
 そこで異変を見つけた。
 ただし鍵ではなく、しゃがみ込んで泣いている天使――ミリアムだ。
「翼を片方、盗まれてしまいました」
「あ、そう」
「ちょっと! 悪魔に翼を片方盗まれた可哀そうな天使、この私に対して――哀れみはないのですか? 人でなし!」
「妖精だもん」
 彼女に人間の情を求めるのは間違いだ。
 ミリアムは咳払いをして、両手で目の周りをこすって立ち上がった。
「あの破廉恥悪魔に会いましたか?」
「ん――ここから出るには鍵を3つ集めろって言われた」
 ソフィアは渡された現物を見せた。
「え? それって――私もここで同じものを見つけましたよ」
 ミリアムは先ほど拾ったという鍵を出す。
 ソフィアが受け取ったものとそっくり。
 つまり残りはひとつ。
「順調」
 ソフィアは魔法の地図を広げて現在地に印をつけた。
 調べる候補はあと3箇所だ。
「飛んで行けばすぐですね――あっ」
 ミリアムは片翼だけとなった自分の背中を見た。
 このままでは彼女は歩くしかない。
「協力する?」
「はい」
 ソフィアの提案にミリアムは力強く頷いた。
「ちょっとだけ力を貸してあげる」
 そう言って、妖精の少女は両手を大きく広げた。
 もうひとつ魔法を披露してくれるようだ。
 翅から鱗粉を集めて形を整える。
 みるみるうちに、それは天使の片翼を成していく。
 最後の仕上げに指を鳴らす。
 すぐにそれは8倍の大きさとなった。
 形もサイズもミリアムの元の翼と寸分たがわない。
「まあ、なんて器用な――あなたの魔法は素晴らしいですね。帰ったら、どうお礼をしましょうか。今は、あいにく持ち合わせがないので」
 ソフィアは頷く。
「いい――利息の17パーセントで手を打つから」
「……えっ!?」
「貸すって言ったもん」
「あんまりです……」
「法定上限の少し下」
「この世は間違ってます」
「ん」
 妖精の少女に人の情はやはりない。
「わかった――13パーセントにおまけする」
 あまりにも容赦に乏しい妥協に、ミリアムは目を丸くした。
「ああ! あなたまで世俗に穢れるなんて――おのれ悪魔め、よくも純真な妖精に悪影響を!」
 そこへ。
 隠れて2人のやりとりを見守っていた影がいた。
 思わず透明な壁から顔を覗かせてしまう。
「いや、それ俺のせいじゃな――いっけね、台詞を間違えた」
 ヨハンは言い淀んだ。
 悪魔の若者はすぐに取り繕って、ポーズを決めながら現れた。
「ヒャッハー! 今度こそ俺様が勝って――巨乳天使でパフパフだぜ!」
 道化じみた振る舞いを無視して、ソフィアは言う。
「隠れず普通に付いてきたら?」
「それもそうだな――じゃあ行こうぜ、お嬢ちゃんたち!」
「勝手に仕切らないでください! 元凶のくせに!」


 3人は飛んで迷路の先へと進む。
 移動中もヨハンはうるさかった。
「諦めるんなら今のうちだ」
 そう挑発しては、
「やかましいです! あっちへおゆきなさい!」とミリアムに追い払われる。
「ぴえん」
 まったく懲りず、ソフィアにも話しかけてくる。
「迷ってるうちは出られないぜ――あ、やっべ。これネタバレだ」
 ヨハンの物言いにソフィアは冷徹に返す。
「道に迷うのはいつも人間――私といっしょにしないで」
「迷子になるのは――甘ったれた哲学者の特権だって? ぬへへ」
 彼は妖精の少女の答えに笑った。
 なぜか嬉しそうに。
 悪魔から離れたがったミリアムが先行して、次の角で手招きをした。
「この先です!」


 今回は鍵が手に入らなかった。
 次の場所へと移動するところで、ヨハンが欠伸をしながら言う。
「ちょっといいか?」
「どうせ駄目って言っても、勝手に喋るんでしょう」
「飽きちゃった♪」
 彼は2人のそばを離れ始める。
「脱出するときに戻ってくるぜ――俺を置いていくなよ! 絶対に置いていくなよ? 前フリじゃねえからな! どろん♪」
 ヨハンがいなくなって。
 ソフィアとミリアムは静かに迷路を攻略していく。
「なんとしても、あの悪魔をここに置き去りにしましょう」
「悪魔を相手に悪だくみ?」
「いいえ――これは奸計にあらず。正義の、女神様の代執行です!」
「その建前はもういい」
 次の隅っこもハズレだった。
 確率的にはあり得ることだ。
 次へ。
 ところが、最後の角にたどり着いたというのに――鍵はなかった。
……おかしい。
……もともとだけど。
 ここに至るまで、迷路の経路はほとんど網羅したはず。
 明らかに袋小路に繋がっているような場所。
 行き止まりが見えている場所は避けてきた。
 あるいは、そんなところまで確認しなければいけないのか?
「いちど、状況を整理しませんか?」
 ミリアムが提案した。
「ん」
 ソフィアも頷く。
「あの悪魔は最初になんと言っていましたか? どこで、あなたは会いましたか? 他になにかおかしな点は……?」
 ソフィアは、最初にこの迷路に降りてきたときのことを話す。
 ここは〝とうめいめいろ〟
 入口と出口はない。
 脱出には3つの鍵が要る。
 鍵は迷路のどこかにある。
 自分ももう出られない。
 最後にヨハンから最初の鍵を渡された。
「待って下さい――4隅にあるというのは?」
「私の憶測」
「なるほど――2分の1の確率を、あの悪魔が弄んでいると。そう考えたのですね」
「ん」
「鍵を見せて頂いても? 私が拾ったものには印が刻んでありました」
 ソフィアは言われたとおりにした。
「これは! 見て下さい――悪魔の翼の印がついています」
「それが?」
 ソフィアが訊くと、ミリアムはあらためて自分が拾った鍵を取り出した。
「こちらを確認なさい――私が拾った鍵の印を。天使の翼が刻まれています」
「つまり?」
「私には正しい鍵を拾わせて、あなたにはあえて悪魔の鍵を渡した――妖精の鍵の存在を悟られないように、どこかへ隠したんです」
「迷路にはなかった」
 ソフィアはそう指摘した。
 それから、だんだん相手の言いたいことがわかった。
 天使が先回りして補足を紡ぐ。
「そこです――悪魔は言ったでしょう。ここには入口も出口もなく〝鍵は迷路のどこかにある〟〝自分ももう出られない〟ならば、私やあなたと同様に、悪魔も迷路の一部なんです」
「ん」
「迷路のどこかとは、迷路の4隅ではなく――私たちのことだったんです。つまり彼は、もうひとつを隠し持っているに違いありません」
「それが私の?」
「ええ――きっと」


 最初からヨハンは2つの鍵を持っていた。
 そのうちのひとつ――悪魔の鍵を渡して。
 妖精の鍵を隠し持っているということは。
「取り返してみせろ――そういうこと?」
 2人はヨハンに振り回されていたようだ。
 迷路の攻略に迷路を巡る必要などなかった。
 性格が悪い――そこが悪魔の所以か。
「なんて底意地の悪い真似を――もう許せません!」
 ソフィアとミリアムはヨハンの居場所を突き止めることにした。
「こんどこそ鉄槌を下しましょう」
「力を合わせて?」
「はい!」
 ミリアムは張り切っている。
「多分、ここ」
 ソフィアは魔法の地図を浮かび上がらせて、光の線で印をつけた。
 そこは最初にヨハンと出会った、ドーム状の広場。
……なにがしたいの?
……私の鍵を持っているのはなぜ?
……いっしょにいれば、全部そろってたのに。
……あのとき、実は迷路から出られた?
 ソフィアはヨハンの真意がわからなかった。
 ミリアムは最後のひとつを取り戻せば、この迷路から出られると思っている。
〝ルール〟のことを考えれば正しいだろう。
 ただ、引っかかる。
 ヨハンがソフィアに悪魔の鍵を渡したことだ。
 彼は3つの鍵が要ると言った。
 持ち主が対応する鍵を持てば、この迷路から出られるのか。
 ならば、最初にソフィアに正しい鍵を渡せばすむ。
 そもそも、ミリアムが鍵を拾えるようにしていた。
 なにもかもおかしい。
……なにを考えているの?
……それともなにも考えていないの?
……本当に?
 ソフィアは前と同じ疑問にもうひとつ継ぎ足した。
 再び会えば、答えがわかるような気がする。


 広場に佇むヨハンを見つけた。
「!」
 ミリアムは翼から天使の羽を1枚だけ抜く。
 その羽を魔法で加工しはじめる。
 剣を作った彼女はいきなり斬りかかる。
 後ろからの不意打ちをヨハンはあっさり躱した。
「悪魔にそんな手が通じると思ったか?」
 彼の声が冷たい。
 いつもの享楽的な――道化の振る舞いがない。
……ヒャッハーって言わないんだ。
……別に聞きたくないけど。
 あるいは決戦に臨んで――ようやく本気を出したということか。
 ミリアムは片手に剣、片手に天秤を持った。
 彼女は再び構えをとって、ヨハンが振り向くのを待っている。
……それでいい。
……戦うなら。
……天使らしく。
 ソフィアは両者を見た。
 ミリアムは天使にしては直情径行だ。
 しかし、さきほどの話しぶりといい――猪武者というわけでもない。
 普段の空回りは、悪魔にペースを乱された結果か。
「最後の警告です――鍵をお渡しなさい」
 ミリアムの言葉に、ヨハンは真っ向から逆らう。
「やなこった! ベロベロバー!」
 そう答えると、ヨハンもまたミリアムと同じことをした。
 自分の翼から1枚の羽を抜いたのだ。
 ただし、それはカラスよりも真っ黒な羽。
 生み出されたのは剣ではなく拳銃だった。
 魔法の銃――モデルは1911型と呼ばれている。
「わざわざ38口径にしたんだぜ――オフデューティの舞踏会なら、セクシーにキメなきゃ野暮だもんな」
 特注のカスタムモデルの拳銃を手にしたヨハン。
 彼は強化スライドを少し引いて、装填を確認した。
 銃身はフィーディングランプまで滑らかなクロムメッキ加工されて、輝いている。
 その先端には細かい擦り傷が刻まれていた。
 命中精度の要となるブッシングと擦れた痕だろう。
 ほとんどの射撃手が問題にしない箇所まで手が入っている。
 スライドストップのピンも高精度なものに替えたそうだ。
……説明が長い。
……銃なんて、どれも同じ。
……弾が出るだけ。
 そもそも、いくら改造しても――結局は使い手の力量が戦いの趨勢を決める。
 守りの力に重きを置く天使が、破壊を至上とする悪魔に勝てるのか。
 または、悪魔の撃つ拳銃の弾が――天使の防御を貫けるのか。
 はたして。


「!」
 ミリアムの剣には迷いがなかった。
 その証拠に、逆の手で持った天秤は動かない。
 天使が問う。
「どうして、あなたは悔い改めないのですか! よりにもよって女神様の兄たる、天使の長が堕天など――道理に反しませんかっ!? なにより、あなたがいなくなって以来、女神様はいつもお嘆きあそばしているんですよ! あの庭園で!」
「ここでブラコン・サイコ女神の話はやめろ! 戦いの蜜が不味くなる!」
 悪魔が一蹴した。
 ヨハンは打ち下ろされた剣を銃の横で受けとめて、それを滑らせた。
 ミリアムの顔に銃口が向く。
「くっ!」
 彼女は咄嗟に躱した。
 一瞬の交錯と一合の攻防。
「女神様――ヴィクトリア様はあなたをお赦しになりたいと仰せです――お聞き入れなさいっ!」
「俺だけが赦されて昇天したら地獄はどうなる! 亡者どもや不細工なピエロ――奴らを見捨てろってのか!」
 勢いが付いたまま両者の位置が入れ替わった。
「そうは申しておりません! ただ、私は――」
「お前さんは天使、俺は悪魔だ――さあ、義務を果たそうぜ!」
 わずかに2人の間合いが開いた。
 ヨハンは体ごと横に向いて、半身の姿勢をとった。
 拳銃を包むように胸の前で手を組む。
 珍しい構えのまま、恐ろしい速射を披露する。
「ババンバ、バンバンバン♪ アー、ビバ・ノンノン♪」
 連続した射撃だというのに、弾丸はほぼ同じ軌道で飛翔していく。
 ソフィアの数え方が正しければ――1秒間に9発も撃った。
 ミリアムは剣を振るって、魔法の弾丸を全て無効化してしまう。
 打ち落とし、逸らし、いなした。
 天使の背後の壁や地面に弾が――放射状に広がって着弾した。
 耳障りなガラスの音。
 どちらも人間を凌駕した技を披露した。
 ヨハンの拳銃の弾が尽きてスライドが後端で止まった。
「隙あり!」
 同時にミリアムが剣を突き出す。
 剣がついにヨハンを捉えるところだった。
「……」
 彼は弾が尽きた拳銃の銃身と、フレームの間で刀身を挟むように受けた。
「!」
「つめてえな♪ アハハン♪」
 ヨハンが間抜けな歌声とともに、手首を捻ってミリアムから剣を奪う。
 同時に、空の弾倉がグリップから飛んだ。
 虚しい金属音がガラスの広場に響く。
 彼はミリアムの剣を奪うと、魔法で新しい弾倉に変えた。
「アー、ビバビバ♪」
 手元を見ず、対戦相手から視線を切らないよう――スライドを手で引く。
 再装填の音が殺傷力の復活を告げた。
 訓練され尽くした早業だ。
 拳銃の弾倉を交換したヨハン。
 いっぽう、ミリアムは武器を奪われた。
「早くかかってこい――終わったらパフパフの刑もよろしくな♪」
 悪魔が天使を挑発した。
 必殺の隙を突いたというのに――彼に正攻法は通じなかった。
「やむを得ません……」
 ミリアムは天秤を捨てた。
「……」
 それを見てソフィアは瞬いた。
……ん。
 天秤は天使の公明正大さを象徴する。
 ある意味で武器や翼を凌駕する――不可欠なものだろうに。
 悪魔が喜んだ。
「そうそう――天使だって、やりたいようにやっていい。ここにいる間はな」
 ミリアムは2本の剣を作って、ヨハンに斬りかかる。
 これならば、片方を奪われたとしても攻撃が継続できるということか。
「面白くなってきただろ? さあ、踊ろうぜ!」
 ヨハンは相変わらず、拳銃ひとつで立ち回っていた。
 悪魔の力ならば、魔法でもっと強力な武器を具現化できるはずだが。
……自動小銃――アサルトライフル。
……散弾銃―――ショットガン。
……擲弾筒―――グレネード・ランチャー。
……無反動砲――ロケット・ランチャー。
……なんでも。
「いーいもんだ♪」
 彼は相変わらずだ。
 ふざけた歌を口ずさみながらも――最初に出した武器で戦う。
 正義の象徴を捨てて、武器を増やしたミリアムと対照的だ。
「このぉ!」
「アハハン♪」
……あ。
……これは駄目。
 ソフィアの視線が不意に2人から外れた。
 戦闘から目を背けたのではない。
 別のことに気を取られたらしい。
 焦点のぼやけた手前の景色では、相変わらずの光景がつづく。
 ヨハンとミリアムの戦いが激しさを増す。
「あの娘かな♪」
 道化のふざけた歌声が遠くなっていった。
 跳弾――削れた剣の破片。
 それらがいたるところへ飛び交う。
 その影響で、ガラスの壁に少しずつ傷が生まれたことに気づいた。
 ソフィアだけが。
 目の前に夢中のヨハンとミリアムは、それどころではない。


 小さい傷だったところが、今では明らかに歪なヒビを浮かべて光を反射する。
 このままでは、迷路全体に波及するかもしれない。
……迷路が壊れたら、私たちは出られる?
……違う――そんな〝ルール〟はなかった。
 自問自答したソフィアはもっと深く考える。
 もはや、天使と悪魔の戦いは――思索という深淵にとって蚊帳の外だ。
 ただしあまり時間はない。
 2人が戦うせいで、どんどん迷路にヒビが入っていく。

……天使と悪魔が戦うのは自然?
……彼女が勝てば鍵を奪える。
……それで迷路から出られると。
……それが〝ルール〟
……そのルールは本当に正しい?

「全部わかった――どうすればいいのか」
 ソフィアは呟いた。
「浪花節でも、うなろかな♪」
 この〝とうめいめいろ〟に入って起きた出来事の全て。
 それらがヒントだった。

〝迷ってるうちは出られないぜ――あ、やっべ。これネタバレだ〟

 あれは本当に種明かしだったのだ。
 最初は、ヨハンがソフィアに鍵を渡したこと。
 次はミリアムとの出会い、そして協力。
 悪魔の茶々。
 この戦い。
 解決するためには〝正しい手続き〟を踏めばいい。
 ただし逆から順番に。
……それだけ。
……簡単なこと。
 ソフィアは指を2度鳴らした。
 その瞬間、ミリアムに与えた魔法の翼が妖精の粉となった。
「アー、ビバ・ビバ♪」
 天使の片翼が少しずつ空間に溶けて霧散する。
「おっと」
 ヨハンは拳銃の引き金にかけた人差し指を伸ばして、銃口を真上に向けた。
 それからミリアムの魔法の剣も溶けていく。
「ソフィア! あなたは何を考えているのですか! ここで勝てなければ――」
「無意味」
 ミリアムの抗議を、ソフィアの氷柱よりも冷たい言葉の矛が貫いた。
「戦いは一時しのぎ――問題の先送り。解決の遠回り」
「……?」
「……♪」
 天使と悪魔は妖精の言葉を待った。
〝叡智〟の裁定が下るのを。
「周りを見ればいい」
 ソフィアに促されて。
 ヨハンとミリアムはヒビだらけとなった――ガラスの迷路を見回していく。
 ソフィアは天使に向かって訊く。
「覚えてる? 私たちが迷路の一部だと、あなたは言った」
「はい――」
「それが間違い――この迷路は私たち自身。ここで戦っても、自分を傷つけるだけ。そうでしょ?」
 最後の疑問は悪魔に向けて。
 ヨハンはすっとぼける。
「さあな」
「……」
「……」
 とにかく、2人にも今の惨状がわかったようだ。
 そしてこの戦いの無意味さも。
「私にも責任の一端がある」
 それからソフィアはミリアムのそばへ。
 妖精の少女は戦いを中断した2人の間に割り込む。
「貸して」
 ソフィアが手を出した。
「――どうぞ」
 ミリアムが天使の翼が刻まれた小さい鍵を渡す。
 ソフィアは悪魔の翼が刻まれた鍵を取り出した。
 その2つを、
「これで合ってる?」と訊きながら、ヨハンに差し出した。
 同じ問題の答えがいつでもAとは限らない。

……考えるのをやめちゃ駄目。
……まだ途中だから。

〝ルール〟では3つの鍵を集めることだけ指示された。
 そこでは〝ソフィアが集める〟とは定められていない。
 また、ヨハンは最後に鍵穴の場所をこう言った。
〝3つめの鍵がある場所だ〟と。
 ならば、最短経路はただひとつ。
 ヨハンにそれぞれの鍵を渡せばいい。
 悪魔から奪うのではなく。
 ソフィアは妖精として、天使や悪魔には出せない答えを出した。
 2元論に縛られた者へのカウンターとして。
 奔放で自由自在にどこまでも翔ぶ自分らしく。
 どちらにも公平だから――どちらにも厳しくなれる。


「光と闇が力でぶつかり合うと――混沌相克が起きる。それが間違いの元。この迷路がどうして出来たかわかる? 思い出して」
「……」
 ミリアムが無言で見守っている。
「へへ」
 ヨハンは笑みをこぼした。
 弾倉を無造作に落として、スライドを素早く引く。
 薬室の弾を抜いてから引き金を絞る。
 カチン。
 撃鉄がその奥にある撃針を叩いた――空の薬室めがけて。
 戦いの火蓋を閉じた音。
 ソフィアとミリアムに見られながら、最後に自ら武器を捨てた。
 愛用している1911型のカスタム拳銃を手放す。
 両手で2つの鍵を受け取るために。
「やるじゃん――妖精のメスガキちゃん」
「ん」
 ソフィアは満足そうに頷いた。
 妖精の少女から2つを受け取ったヨハンは、自分の首から下げていた最後のひとつを取り出した。
 妖精の翅が刻印された――ソフィアの鍵だ。
 そして。
「俺の負けだヒャッハー! 帰ろうぜ――お嬢ちゃんたち」
 意外すぎるほど素直に敗北を認めた。

   ラウンダバウトを周るんだ
   巡る言葉が君をNの次元へ
   夜明けまでいられるように
   朝には車の音が谷間に響く
   しゃがんで地面を掬っても
   いつも砂を結局とりこぼす
   答えを出してもそんなもん
   怖がる君たちから離れない
   何百万年だってそうするよ

 ヨハンが歌にのせて、悪魔の力で3つの鍵を合成しはじめる。
「これは――」
 ミリアムは瞠目した。
 彼が用いているのは悪魔の力だけではない。
 片方は確かに闇の属性を感じる。
 しかし、その反対に――自分と同質の光の属性もある。
 ミリアムは戦っている間に悔い改めるよう諫言した。
 もしかしたら、はじめからその必要などなかったのか。
 ヨハンは地獄に君臨し、天地創造の女神を打倒しようと目論んでいる。
 そのために軍団を組織していると思っていたのに。
 ただ、もしもそれが正しいなら。
 今までヨハンの存在を、なぜ全能の女神が許していたのかがわからない。
 それに、以前の彼は悪魔のまま――天国に入り込んできたではないか。
「……」
 ミリアムは答えを知りたくなると同時に、聞くのが怖くなった。
「……」
 結局のところ、彼女は沈黙を選んでしまった。
「!」
 天使の乙女の考えをよそに、ヨハンは3つの鍵を合成した。
 夜より暗く昼より眩しい球体が3人を包んでいった。
 寝ているときに瞼の裏に浮かぶ光――丹光と呼ばれる現象に近い。

……そんなの錯覚。
……人間はすぐ神秘的な意味づけをしたがる。
……だから騙されちゃう。

 3人の体が浮かぶ。
 上へ――大穴の外を目指して。
 足元の眼下で、ガラスの迷路が粉々に砕け散っていった。
 メビウスの輪のように繋げられた――出鱈目な過去と現在と未来。
 それらのページが、規則正しく並んでいく。
 混ざりあって絡んだカオスの空間もほどけて元通り。
 上は上、下は下。
 右は右、左は左。
 前は前、後ろは後ろ。
 全てが。
 ただし、それは本当に正しいのか。
 ソフィアには答えが出せない。
 今はまだ。
……いずれ未来でわかる。
……そうなる予感がするの。


「……」
 気がつくとソフィアは自分の家の前にいた。
 終わってみると、自分たちがどこへ行って何をしてきたのか。
 どうやってここまで帰ってきたのか――記憶がおぼろげだ。
 何か、大事なことを知ったような気がするのだが。
……まあ、いいか。
 家の前にヨハンが掘った大穴はなく。
 墓標のようにショベルがその場に突き立てられていた。
 家の中では、待ちくたびれてお昼寝をしていた〝ちびドラ〟がいた。
 午後の日差しを浴びられる特等席に。
「薄情者」
 ソフィアは自分もひと休みすることにした。

 窓の向こうでは、ミリアムに追いかけ回されるヨハン。
「なんだかわかりませんが! あなたに無性に腹が立ちます!」
「たんま! 暴力反対!」
「そこになおりなさい!」
「ひぇえええ!」
 どうやら、2人ともソフィアと同じようだ。
 あの迷路で何が起きたのかが曖昧になったのだろう。
 ミリアムはヨハンを掴まえると締める。
 プロレス技をかけられた悪魔が、情けない悲鳴を上げる。
「いててててて! それやばい、まじヤバ谷園のムリ茶漬け! 俺様の漆黒ダークなガイアにもっと輝けって囁いてくれる翼が! コブラツイストで! 曲がっちゃいけない方に曲がってる! いくら巨乳でも、やって良いことと悪いことがあるだろ!」
「やって良いことと、悪いことの区別がつかなくなったので――このままです!」
 そういえば、ミリアムは天秤をどこかで捨てた気がする。
「そうだ、寝技! 寝技で気持ちよく昇天させて!」
 ヨハンは見苦しく――天使の背中を何度も叩いて、降参の合図を送っている。
 かつて公明正大だった彼女はそれを全力で無視した。

とうめいめいろ





次回予告

再び帝国陸軍のハーレークイン小隊――これは特務准尉のソフィアの記録。
戦争が終わった後でも、この国は問題だらけだった……
突発的な軍事衝突で、無能な上官をこっそり派手に始末するヨハン。
貴族の政略結婚に巻き込まれてしまう、伯爵令嬢のミリアム。
そして戦争の火種にテルミットとナパームを注ごうとする軍の一部。
陰謀を止めるために、仲間を失いながらソフィアたちは戦い続ける。
ところが、決戦の前にソフィアは初めてヨハンの命令を拒絶した!?
次回〝ラヂオのこくはく〟をお楽しみに。
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