婚約者は想像と違います

いつき

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13才だ

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シルが13才になって、子供が出来る体になったらしい。
私の時と同じで祝いの席がもうけられた。
女性の体の仕組みも最近は勉強しているし、シルも夜伽の勉強は始まっているそうだ。
私との子作りについてどう思っているか気になるが、勇気が無くて聞けない。
義務ではあるが、嫌々はしたくないがしたくない訳でもない。
そんな事を考えていたら恥ずかしくて、ろくに祝ってやれなかった。

 今日はシルの初めての夜会だ。
エスコートをしたかったが王家は入口からして別にされている。
カイがまだ婚約者を作ってなくて本当に良かった。
お陰で他の男にエスコートされる姿を見なくてすむ。

入場してすぐにシルを見つけた。
…出来るだけパーティーに参加させないようにしよう。
学園の男がシルを見すぎだ。
もともと気さくで話しやすいシルに好意をもつ者は多い。
それで今日の様な姿で笑顔など振りまいたら、間違いを起こしてもおかしくない!
公爵家はもともと表に出たがらないし大丈夫だろう。
今日を乗り気って見せる。
誰にも触らせるものか。

シルが始めにデビューの挨拶来た。
終わったら隣に座る予定だが。
なるべく人目から隠したくて椅子を後ろに隠してもらった。
 
挨拶が終わるとファーストダンス。
練習でのシルを思い出すと心配だ。
他の男にあんな顔見せたくないし踊らせたくない。

始めに私とシルだけが踊る。
二曲目にデビューした者同士がペアになって、私とシルを囲んで輪になる。
問題がこの先だ。
ペアを自由に変えれる。
社交の場面であり、出会いの場だからだ。
シルに私以外と出会って欲しくない!

「シルお願いが有る。」

「何ですか?」

「ダンスが始まったら私だけを見て、他に視線を移さないで欲しい。」

「いいですよ。」

完璧な王子を演じて見せるから 私だけを見てくれ…

二曲目が終わった。
パートナー代えにシルが動こうとするが離さなかった。
少し不思議そうにしてたがそのまま踊ってくれた。
このままシルを連れて、すぐにでも退場したいがダンス中では目立ちすぎる。
曲が途切れて休憩に入る時まで我慢だ。
さすがに四曲目に入ると、文句が有りそうな顔になったが笑顔で無視だ。

休憩に入った。

「殿下、先程の踊りとても素敵でした。よろしければ次は…」

「すまないが、シルが疲れたようなので。休ませてくる。楽しくて無理をさせてしまったようだ。皆楽しんで帰ってくれ。」

 危なく捕まりかけたが逃げ切れた。

 
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