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地下水道の中は、想像していた以上にひどい場所だった。
足元では濁った水が絶えず音を立てて流れ、壁一面を覆う緑色の苔がぬめりと光っている。
天井からは一定のリズムで冷たい雫が滴り落ち、時折、首筋を濡らして不快だった。
そして何より、鼻を突き刺すような強烈な匂いが充満している。
カビと汚泥、それに何かが腐敗したような匂いが混じり合い、息をするのも辛いほどだ。
「う……」
私は思わず鼻をつまんでしまった。
「すまないな、ミサ殿。このような場所にお連れしてしまって」
クラウスさんが、本当に申し訳なさそうな顔で言った。
「大丈夫です……。でも、ここは、すごい汚れっぷりですね……」
私の言葉に、三人は少し意外そうな顔をした。
無理もない。普通の女性なら、悲鳴を上げてその場にへたり込んでもおかしくない状況だ。
でも、私の心は奇妙なほど静かだった。
目の前に広がるこの惨状は、絶望ではなく挑戦状に見える。
掃除したい。
この、汚くて、臭くて、じめじめした場所を、隅々まで綺麗にしてしまいたい。
その思いがむくむくと湧き上がってくる。
「ミサ様は、肝が据わっていらっしゃるのですね」
イザベラさんが、心から感心したように言った。
「いえ、そんなことは……」
私にとっては、目の前に広がるこの光景は、ただの「掃除するべき場所」にしか見えていないのだ。
「よし、進むぞ。地図によれば、ここから南へ向かい、三番目の水路を東だ」
ゲオルグさんが、掲げた松明の炎を頼りに先導してくれる。
私たちは、汚れた水に足を取られないよう、慎重に進んでいった。
水底にはぬるりとした感触があり、一歩進むごとに足が少し沈む。
「きゅん……」
私の足元で、シロが不安そうな声を上げた。
シロも、この場所の淀んだ空気が苦手なのだろう。
私はシロをそっと抱き上げた。
「大丈夫だよ、シロ。すぐに終わらせるからね」
私の腕の中で、シロは少しだけ安心したように、小さな体を丸めた。
地下水道は、まるで迷路のようだった。
いくつもの水路が複雑に交差し、同じような景色が続いている。
もし一人だったら、間違いなく道に迷っていただろう。
ゲオルグさんの方向感覚の鋭さには、本当に助けられた。
「しかし、静かだな。モンスターの一匹も出てこない」
クラウスさんが、警戒を怠らない様子で周囲を見回しながら言った。
「ええ。ですが、油断はできませんわ。この瘴気の濃さ……。奥へ進むほど、危険な魔物が潜んでいる可能性があります」
イザベラさんの言う通り、奥へ進むにつれて、空気がどんどん重くなっていくのを感じる。
瘴気、というらしい。
私にとっては、ただの「ひどい汚れの気配」でしかないけれど、普通の術士には、もっと違うものに見えているのかもしれない。
しばらく進むと、少し開けた場所に出た。
円形の広場のようになっていて、中央には大きな排水溝が口を開けている。
そして、その排水溝の周りで、何かがうごめいていた。
「あれは……」
ゲオルグさんが、低く唸る。
それは、スライムのような、不定形のモンスターだった。
でも、普通のスライムとは明らかに違う。
体は汚れた泥水のように濁っていて、あちこちから気味の悪い触手のようなものを伸ばしている。
数も、十体以上はいるだろうか。
『カースド・マッド』
鑑定してみると、そんな名前が表示された。
呪われた泥。その名の通り、体から常に弱い呪いの瘴気を発しているらしい。
「くそっ、厄介なのが出てきたな!」
クラウスさんが、素早く剣を抜いた。
「ミサ殿は、下がっていてくれ! ここは俺たちが!」
そう言うと、クラウスさんとゲオルグさんは、カースド・マッドの群れに突っ込んでいった。
イザベラさんも、杖を構えて詠唱を始める。
「炎よ、渦巻け! ファイアストーム!」
イザベラさんの杖から放たれた巨大な炎の渦が、カースド・マッドたちを飲み込んだ。
ジュウウウッ、と激しい音を立てて、泥の体が蒸発していく。
すごい。これが、本物の攻撃魔法なんだ。
クラウスさんとゲオルグさんも、負けてはいない。
クラウスさんの剣が銀色の軌跡を描き、カースド・マッドの一体を両断する。
だが、泥の体はすぐに再生し、ねばつく触手を伸ばして反撃してきた。
ゲオルグさんの大剣は一体を叩き潰すが、周囲の仲間がすぐにその隙間を埋めてくる。
二人の剣が閃くたびに、カースド・マッドたちは次々と斬り裂かれていくが、数が減らない。
排水溝から、次から次へと新しい個体が湧き出てくるのだ。
「ちっ、埒が明かんな!」
ゲオルグさんが、悪態をついた。
その時、一体のカースド・マッドが、騎士さんたちの防御をすり抜けて、私の方へ向かってきた。
「ミサ殿、危ない!」
クラウスさんが叫ぶ。
でも、私は不思議と、怖くはなかった。
汚いものが、こっちに来る。
だったら、綺麗にしてあげればいい。
私は、迫ってくるカースド・マッドに、そっと手をかざした。
「浄化」
私の手から放たれた柔らかな光が、カースド・マッドを包み込む。
すると、信じられないことが起きた。
濁っていたカースド・マッドの体が、みるみるうちに透き通っていく。
呪いの瘴気が霧散し、泥の色が抜けていくのが見えた。
そして、最後には、ぷるぷると震える、ただの綺麗なスライムに変わってしまった。
『カースド・マッドの呪いを浄化しました』
『ノーマル・スライムに変化しました』
システムログにも、そう表示されている。
浄化されたスライムは、私を見上げると、ぽよん、と一度だけ跳ねた。
そして、そのまま排水溝の中へと帰っていった。
まるで、お礼を言っているみたいだった。
「な……」
「今のは、一体……」
クラウスさんたちも、目の前の光景が信じられないといった様子で、固まっている。
私は、構わずに、残りのカースド・マッドたちにも、次々と『浄化』スキルをかけていった。
光に包まれたカースド・マッドは、一瞬で無害なスライムに変わり、大人しく排水溝へ戻っていく。
あれだけ苦戦していたのが嘘のように、広場はあっという間に静かになった。
「……ミサ殿。君は、一体何者なんだ……?」
クラウスさんが、呆然とした様子で私に尋ねた。
「何者、と言われても……。ただ、掃除をしただけです」
「掃除、だと……? あれが……?」
三人は、まだ信じられないといった顔をしている。
「あなたの『浄化』という力……。ただ穢れを払うだけではないのですね。モンスターにかかった呪いすらも、解いてしまうとは……。常識では考えられませんわ」
イザベラさんが、興奮した様子で早口に言った。
その目は、まるで珍しい研究対象を見るかのように、キラキラと輝いている。
なんだか、少し居心地が悪い。
「と、とにかく、先に進みましょう。目的の場所は、もうすぐのはずです」
私は、話を逸らすように言った。
私たちは、再び薄暗い通路を進んでいく。
カースド・マッドがいた広場を抜けると、瘴気の濃さが、さらに増したのが分かった。
空気が、肌にまとわりつくように重い。
そして、ついに、私たちはその場所へとたどり着いた。
通路の行き止まり。壁にはめ込まれた、古びた石の扉。
神託の鏡で見た、あの場所だ。
扉の中央には、黒く濁った宝玉が埋め込まれている。
ドクン、ドクン、と、まるで邪悪な心臓のように、不気味に脈動していた。
そして、その宝玉から、もわり、と濃密な黒い瘴気が、絶えず溢れ出している。
地下水道に充満している瘴気の、発生源はここだ。
「これが、呪いの元凶……」
クラウスさんが、息を飲んだ。
「近づくだけで、精神が蝕まれそうだ。ミサ殿、本当に大丈夫か?」
ゲオルグさんが、心配そうに私を気遣ってくれる。
「大丈夫です」
私は、きっぱりと答えた。
大丈夫。だって、これは、今までで一番汚れている「大物」だ。
これを綺麗にできると思ったら、むしろ、わくわくしてくるくらいだ。
私は、シロをそっと地面に降ろした。
「シロ、少しだけ待っててね。すぐに、ここを綺麗にするから」
「きゅん!」
シロは、健気に応援するように鳴いてくれた。
私は、深呼吸を一つして、扉の前に立った。
そして、黒い宝玉に、ゆっくりと両手を伸ばす。
触れる寸前、今までで一番強い抵抗を感じた。
まるで、見えない壁があるみたいだ。
そして、頭の中に、直接邪悪な声が響いてきた。
『……クルナ……ワガ……ネムリヲ……サマタゲルナ……』
これが、呪いの声なのだろうか。
でも、そんなものに、私は負けない。
私は、その見えない壁を突き破るように、宝玉に両手を押し当てた。
ずん、と全身に衝撃が走る。
そして、凄まじい量の穢れが、私の体の中に流れ込んできた。
「ぐっ……!」
思わず、膝が折れそうになる。
「ミサ殿!」
「ミサ様!」
後ろで、三人が叫んでいるのが聞こえる。
でも、私は手を離さなかった。
ここで負けたら、王都の人たちを救えない。
それに、こんなに汚いものを、このままにしておくなんて、私のプライドが許さない。
「浄化!」
私は、ありったけの力を振り絞って、スキルを発動させた。
足元では濁った水が絶えず音を立てて流れ、壁一面を覆う緑色の苔がぬめりと光っている。
天井からは一定のリズムで冷たい雫が滴り落ち、時折、首筋を濡らして不快だった。
そして何より、鼻を突き刺すような強烈な匂いが充満している。
カビと汚泥、それに何かが腐敗したような匂いが混じり合い、息をするのも辛いほどだ。
「う……」
私は思わず鼻をつまんでしまった。
「すまないな、ミサ殿。このような場所にお連れしてしまって」
クラウスさんが、本当に申し訳なさそうな顔で言った。
「大丈夫です……。でも、ここは、すごい汚れっぷりですね……」
私の言葉に、三人は少し意外そうな顔をした。
無理もない。普通の女性なら、悲鳴を上げてその場にへたり込んでもおかしくない状況だ。
でも、私の心は奇妙なほど静かだった。
目の前に広がるこの惨状は、絶望ではなく挑戦状に見える。
掃除したい。
この、汚くて、臭くて、じめじめした場所を、隅々まで綺麗にしてしまいたい。
その思いがむくむくと湧き上がってくる。
「ミサ様は、肝が据わっていらっしゃるのですね」
イザベラさんが、心から感心したように言った。
「いえ、そんなことは……」
私にとっては、目の前に広がるこの光景は、ただの「掃除するべき場所」にしか見えていないのだ。
「よし、進むぞ。地図によれば、ここから南へ向かい、三番目の水路を東だ」
ゲオルグさんが、掲げた松明の炎を頼りに先導してくれる。
私たちは、汚れた水に足を取られないよう、慎重に進んでいった。
水底にはぬるりとした感触があり、一歩進むごとに足が少し沈む。
「きゅん……」
私の足元で、シロが不安そうな声を上げた。
シロも、この場所の淀んだ空気が苦手なのだろう。
私はシロをそっと抱き上げた。
「大丈夫だよ、シロ。すぐに終わらせるからね」
私の腕の中で、シロは少しだけ安心したように、小さな体を丸めた。
地下水道は、まるで迷路のようだった。
いくつもの水路が複雑に交差し、同じような景色が続いている。
もし一人だったら、間違いなく道に迷っていただろう。
ゲオルグさんの方向感覚の鋭さには、本当に助けられた。
「しかし、静かだな。モンスターの一匹も出てこない」
クラウスさんが、警戒を怠らない様子で周囲を見回しながら言った。
「ええ。ですが、油断はできませんわ。この瘴気の濃さ……。奥へ進むほど、危険な魔物が潜んでいる可能性があります」
イザベラさんの言う通り、奥へ進むにつれて、空気がどんどん重くなっていくのを感じる。
瘴気、というらしい。
私にとっては、ただの「ひどい汚れの気配」でしかないけれど、普通の術士には、もっと違うものに見えているのかもしれない。
しばらく進むと、少し開けた場所に出た。
円形の広場のようになっていて、中央には大きな排水溝が口を開けている。
そして、その排水溝の周りで、何かがうごめいていた。
「あれは……」
ゲオルグさんが、低く唸る。
それは、スライムのような、不定形のモンスターだった。
でも、普通のスライムとは明らかに違う。
体は汚れた泥水のように濁っていて、あちこちから気味の悪い触手のようなものを伸ばしている。
数も、十体以上はいるだろうか。
『カースド・マッド』
鑑定してみると、そんな名前が表示された。
呪われた泥。その名の通り、体から常に弱い呪いの瘴気を発しているらしい。
「くそっ、厄介なのが出てきたな!」
クラウスさんが、素早く剣を抜いた。
「ミサ殿は、下がっていてくれ! ここは俺たちが!」
そう言うと、クラウスさんとゲオルグさんは、カースド・マッドの群れに突っ込んでいった。
イザベラさんも、杖を構えて詠唱を始める。
「炎よ、渦巻け! ファイアストーム!」
イザベラさんの杖から放たれた巨大な炎の渦が、カースド・マッドたちを飲み込んだ。
ジュウウウッ、と激しい音を立てて、泥の体が蒸発していく。
すごい。これが、本物の攻撃魔法なんだ。
クラウスさんとゲオルグさんも、負けてはいない。
クラウスさんの剣が銀色の軌跡を描き、カースド・マッドの一体を両断する。
だが、泥の体はすぐに再生し、ねばつく触手を伸ばして反撃してきた。
ゲオルグさんの大剣は一体を叩き潰すが、周囲の仲間がすぐにその隙間を埋めてくる。
二人の剣が閃くたびに、カースド・マッドたちは次々と斬り裂かれていくが、数が減らない。
排水溝から、次から次へと新しい個体が湧き出てくるのだ。
「ちっ、埒が明かんな!」
ゲオルグさんが、悪態をついた。
その時、一体のカースド・マッドが、騎士さんたちの防御をすり抜けて、私の方へ向かってきた。
「ミサ殿、危ない!」
クラウスさんが叫ぶ。
でも、私は不思議と、怖くはなかった。
汚いものが、こっちに来る。
だったら、綺麗にしてあげればいい。
私は、迫ってくるカースド・マッドに、そっと手をかざした。
「浄化」
私の手から放たれた柔らかな光が、カースド・マッドを包み込む。
すると、信じられないことが起きた。
濁っていたカースド・マッドの体が、みるみるうちに透き通っていく。
呪いの瘴気が霧散し、泥の色が抜けていくのが見えた。
そして、最後には、ぷるぷると震える、ただの綺麗なスライムに変わってしまった。
『カースド・マッドの呪いを浄化しました』
『ノーマル・スライムに変化しました』
システムログにも、そう表示されている。
浄化されたスライムは、私を見上げると、ぽよん、と一度だけ跳ねた。
そして、そのまま排水溝の中へと帰っていった。
まるで、お礼を言っているみたいだった。
「な……」
「今のは、一体……」
クラウスさんたちも、目の前の光景が信じられないといった様子で、固まっている。
私は、構わずに、残りのカースド・マッドたちにも、次々と『浄化』スキルをかけていった。
光に包まれたカースド・マッドは、一瞬で無害なスライムに変わり、大人しく排水溝へ戻っていく。
あれだけ苦戦していたのが嘘のように、広場はあっという間に静かになった。
「……ミサ殿。君は、一体何者なんだ……?」
クラウスさんが、呆然とした様子で私に尋ねた。
「何者、と言われても……。ただ、掃除をしただけです」
「掃除、だと……? あれが……?」
三人は、まだ信じられないといった顔をしている。
「あなたの『浄化』という力……。ただ穢れを払うだけではないのですね。モンスターにかかった呪いすらも、解いてしまうとは……。常識では考えられませんわ」
イザベラさんが、興奮した様子で早口に言った。
その目は、まるで珍しい研究対象を見るかのように、キラキラと輝いている。
なんだか、少し居心地が悪い。
「と、とにかく、先に進みましょう。目的の場所は、もうすぐのはずです」
私は、話を逸らすように言った。
私たちは、再び薄暗い通路を進んでいく。
カースド・マッドがいた広場を抜けると、瘴気の濃さが、さらに増したのが分かった。
空気が、肌にまとわりつくように重い。
そして、ついに、私たちはその場所へとたどり着いた。
通路の行き止まり。壁にはめ込まれた、古びた石の扉。
神託の鏡で見た、あの場所だ。
扉の中央には、黒く濁った宝玉が埋め込まれている。
ドクン、ドクン、と、まるで邪悪な心臓のように、不気味に脈動していた。
そして、その宝玉から、もわり、と濃密な黒い瘴気が、絶えず溢れ出している。
地下水道に充満している瘴気の、発生源はここだ。
「これが、呪いの元凶……」
クラウスさんが、息を飲んだ。
「近づくだけで、精神が蝕まれそうだ。ミサ殿、本当に大丈夫か?」
ゲオルグさんが、心配そうに私を気遣ってくれる。
「大丈夫です」
私は、きっぱりと答えた。
大丈夫。だって、これは、今までで一番汚れている「大物」だ。
これを綺麗にできると思ったら、むしろ、わくわくしてくるくらいだ。
私は、シロをそっと地面に降ろした。
「シロ、少しだけ待っててね。すぐに、ここを綺麗にするから」
「きゅん!」
シロは、健気に応援するように鳴いてくれた。
私は、深呼吸を一つして、扉の前に立った。
そして、黒い宝玉に、ゆっくりと両手を伸ばす。
触れる寸前、今までで一番強い抵抗を感じた。
まるで、見えない壁があるみたいだ。
そして、頭の中に、直接邪悪な声が響いてきた。
『……クルナ……ワガ……ネムリヲ……サマタゲルナ……』
これが、呪いの声なのだろうか。
でも、そんなものに、私は負けない。
私は、その見えない壁を突き破るように、宝玉に両手を押し当てた。
ずん、と全身に衝撃が走る。
そして、凄まじい量の穢れが、私の体の中に流れ込んできた。
「ぐっ……!」
思わず、膝が折れそうになる。
「ミサ殿!」
「ミサ様!」
後ろで、三人が叫んでいるのが聞こえる。
でも、私は手を離さなかった。
ここで負けたら、王都の人たちを救えない。
それに、こんなに汚いものを、このままにしておくなんて、私のプライドが許さない。
「浄化!」
私は、ありったけの力を振り絞って、スキルを発動させた。
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