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三万の軍勢が泥の中で芋虫のように這いずり回る光景は、圧巻の一言だった。
私が展開した超大規模重力結界「絶対領域」の威力は、私の想像を遥かに超えていた。
聖なる種の鼓動が、私の脈動と完全に同調し、大地そのものを支配下に置いている。
エドワードが何かを叫んでいるが、重力の壁に阻まれて、その声は惨めな喘ぎ声にしか聞こえない。
「シロ、もう行きましょう。あんな汚らしいもの、いつまでも眺めていたら目が腐ってしまうわ」
私はシロの銀色の首筋を優しく叩いた。
シロは王太子の顔面に、これ以上ないほど軽蔑に満ちた鼻息を浴びせかける。
それだけで突風が巻き起こり、エドワードの豪勢なマントが泥水の中に深く沈んでいった。
私たちは優雅に反転し、黄金色に輝き始めた辺境の地へと引き返す。
結界の有効範囲を出た瞬間、空気の密度が劇的に変化した。
暗黒騎士団の拠点、黒石の城が夕日に照らされ、不気味な黒から神々しい紫黒色へと色を変えている。
城門の前には、ギルバートをはじめとする騎士たちが、呆然とした表情で立ち尽くしていた。
彼らの目には、私という存在がもはや人間には映っていないのだろう。
「……サラ。お前は、本当に一人で終わらせてきたのか」
ギルバートが、震える声で問いかけてくる。
私はシロから軽やかに飛び降り、ドレスの裾を払った。
「終わらせてなどいませんわ。彼らには、一週間の地獄を楽しんでもらうだけです」
「一週間……。あの重力の中で、生き延びられるのか?」
「私の魔力が、彼らの肉体を強制的に活性化させています。餓死することも、心停止することも許しませんわ」
私の言葉に、騎士たちの間に戦慄が走る。
それは慈悲などではない。
死ぬことさえ許されず、永遠に続くかのような圧砕の苦しみを味わわせる、究極の拷問だ。
「さあ、物騒な話はここまで。ギルバート、約束の『浮遊庭園』の建設を始めましょうか」
「今からか? 大軍を退けた直後だぞ。少しは休んだらどうだ」
「退屈な散歩をしてきただけですわ。力が有り余って、じっとしていられませんの」
私は城の中庭の中央に立ち、錫杖を高く掲げた。
体内の種が、歓喜の産声を上げる。
私の背後に、巨大な白金の魔法陣が幾重にも重なり、空を埋め尽くした。
「地を離れ、天を仰げ。我の庭園に、重力は不要なり」
私が錫杖を地面に突き立てると、城の敷地の半分を占める巨大な岩盤が、轟音を立てて浮上を開始した。
岩盤の底からは、滝のように土砂がこぼれ落ち、代わりに透き通った水晶の根が伸びていく。
騎士たちが腰を抜かし、崩落を恐れて逃げ惑う。
だが、その心配は無用だ。
私の制御下にある岩盤は、羽毛よりも軽やかに、地上百メートルの位置でぴたりと静止した。
「……信じられん。城の一部が、空を飛んでいる……」
ギルバートが、空を見上げて呆然と呟く。
私は浮遊する岩盤に向かって、魔力の糸を伸ばした。
それは光の階段となり、地上と天空を繋ぐ。
「ここに、世界中の奇跡を集めた植物を植えますわ。毒を浄化し、魔力を生み出す、真の楽園です」
私は階段を上り、浮遊する大地へと足を踏み入れた。
そこはまだ、ただの土の塊に過ぎない。
だが、私が一歩歩くごとに、足元から白銀の芝生が広がり、クリスタルで出来た樹木が急速に成長していく。
樹木の枝には、夜空の星を閉じ込めたような輝きを放つ果実が実る。
「シロ、ここがあなたの新しい家よ。好きなだけ走り回っていいわ」
シロは歓喜の遠吠えを上げ、空中の楽園を駆け巡る。
その足跡からは、さらに色鮮やかな花々が咲き乱れ、芳醇な香りが大気を満たした。
城下町で見守っていた民たちが、空に現れた奇跡に気づき、次々と跪き始める。
彼らにとって、私はもはや聖女という枠を超え、この地を統べる創造神そのものだった。
私は庭園の端に立ち、眼下に広がる荒野を見下ろした。
遠く、泥の中でもがく王国軍の気配を感じる。
あそこには絶望しかない。
そして、ここには無限の希望と、圧倒的な力がある。
「サラ、お前はどこまで高く行くつもりだ」
いつの間にか背後にいたギルバートが、苦笑しながら尋ねる。
「どこまでも、ですよ。私を捨てたことを、あの男が心底呪うほどの高みまで」
私は空中に浮かぶ果実を一つもぎ、彼の口に押し込んだ。
果実が弾け、極上の魔力がギルバートの五臓六腑に染み渡る。
彼の瞳に、私と同じ冷徹で強大な光が宿るのを確認し、私は満足げに微笑んだ。
庭園の隅では、魔力に惹かれた精霊たちが、淡い光を放ちながら踊り始めている。
王国では絶滅したはずの光精霊。
彼らが私の周囲に集い、ドレスの裾を愛おしそうに撫でる。
「あら、あなたたちも仲間になりたいの? 歓迎するわ。でも、不届き者が来たら容赦なく追い払ってね」
精霊たちは歌うような羽音を立てて、私の周りを旋回する。
私は空中の椅子に深く腰掛け、黄金色に染まる地平線を眺めた。
王国から逃げ出し、この辺境に辿り着いてからまだ日は浅い。
それなのに、私の手の中にはすでに一国を滅ぼし、新たな世界を創るほどの力が満ちている。
かつて、エドワードのために祈っていた日々が、遠い前世の出来事のように感じられた。
あの頃の私は、なんて狭い世界で、なんてちっぽけな幸せを願っていたのだろう。
「……馬鹿らしい」
私は自分を嘲笑い、手の中の錫杖を弄んだ。
その時、地上から一人の伝令が、血相を変えて階段を駆け上がってきた。
「ユ、サラ様! 大変です! 王国から……いえ、王国の民たちが、数万人規模でこちらに向かってきています!」
「民が? 兵士ではなく?」
「はい! 飢えと病に耐えかねた人々が、聖女様の光を求めて、国境の壁を壊して雪崩れ込んでいます!」
伝令の報告に、ギルバートが顔を強張らせる。
数万の難民。
それは、いかなる軍隊よりも対処が難しい、厄介な重荷だ。
だが、私はくすくすと喉を鳴らして笑った。
「ちょうどいいわ。庭園の手入れをする人手が欲しかったところですもの」
「サラ、数万人だぞ? 食料も、住居もどうするつもりだ」
「ギルバート、忘れたのですか? 私が誰であるかを」
私は立ち上がり、庭園の全魔力を大地へと流し込んだ。
「家がないなら、大地から生やせばいい。食べ物がないなら、森に実らせればいい」
私の意思に呼応し、浮遊庭園の真下にある荒野が、猛烈な勢いで変貌を開始した。
土が盛り上がり、白亜の壁を持つ美しい家々が、まるで植物のように地面から生えてくる。
汚染されていた川は一瞬で清流となり、広大な農地には黄金の麦が波打つ。
「歓迎しましょう。私を捨てた王を見限り、私を選んだ賢き民たちを」
私は空中で錫杖を振りかざし、国境へと続く道に、光の道標を刻んだ。
難民たちがその光を目にし、歓喜の声を上げるのが、ここからでも聞こえてくるようだった。
一方、そのすぐ傍では、重力に押し潰された兵士たちが、無様に泥を舐めている。
救われる者と、見捨てられる者。
その鮮明な対比こそが、私が彼らに与える最大の復讐。
「さあ、忙しくなるわね。ギルバート、新しい国民の受け入れ準備、任せましたわよ」
私は彼にウィンクを投げ、精霊たちと共に庭園の奥へと消えた。
私が展開した超大規模重力結界「絶対領域」の威力は、私の想像を遥かに超えていた。
聖なる種の鼓動が、私の脈動と完全に同調し、大地そのものを支配下に置いている。
エドワードが何かを叫んでいるが、重力の壁に阻まれて、その声は惨めな喘ぎ声にしか聞こえない。
「シロ、もう行きましょう。あんな汚らしいもの、いつまでも眺めていたら目が腐ってしまうわ」
私はシロの銀色の首筋を優しく叩いた。
シロは王太子の顔面に、これ以上ないほど軽蔑に満ちた鼻息を浴びせかける。
それだけで突風が巻き起こり、エドワードの豪勢なマントが泥水の中に深く沈んでいった。
私たちは優雅に反転し、黄金色に輝き始めた辺境の地へと引き返す。
結界の有効範囲を出た瞬間、空気の密度が劇的に変化した。
暗黒騎士団の拠点、黒石の城が夕日に照らされ、不気味な黒から神々しい紫黒色へと色を変えている。
城門の前には、ギルバートをはじめとする騎士たちが、呆然とした表情で立ち尽くしていた。
彼らの目には、私という存在がもはや人間には映っていないのだろう。
「……サラ。お前は、本当に一人で終わらせてきたのか」
ギルバートが、震える声で問いかけてくる。
私はシロから軽やかに飛び降り、ドレスの裾を払った。
「終わらせてなどいませんわ。彼らには、一週間の地獄を楽しんでもらうだけです」
「一週間……。あの重力の中で、生き延びられるのか?」
「私の魔力が、彼らの肉体を強制的に活性化させています。餓死することも、心停止することも許しませんわ」
私の言葉に、騎士たちの間に戦慄が走る。
それは慈悲などではない。
死ぬことさえ許されず、永遠に続くかのような圧砕の苦しみを味わわせる、究極の拷問だ。
「さあ、物騒な話はここまで。ギルバート、約束の『浮遊庭園』の建設を始めましょうか」
「今からか? 大軍を退けた直後だぞ。少しは休んだらどうだ」
「退屈な散歩をしてきただけですわ。力が有り余って、じっとしていられませんの」
私は城の中庭の中央に立ち、錫杖を高く掲げた。
体内の種が、歓喜の産声を上げる。
私の背後に、巨大な白金の魔法陣が幾重にも重なり、空を埋め尽くした。
「地を離れ、天を仰げ。我の庭園に、重力は不要なり」
私が錫杖を地面に突き立てると、城の敷地の半分を占める巨大な岩盤が、轟音を立てて浮上を開始した。
岩盤の底からは、滝のように土砂がこぼれ落ち、代わりに透き通った水晶の根が伸びていく。
騎士たちが腰を抜かし、崩落を恐れて逃げ惑う。
だが、その心配は無用だ。
私の制御下にある岩盤は、羽毛よりも軽やかに、地上百メートルの位置でぴたりと静止した。
「……信じられん。城の一部が、空を飛んでいる……」
ギルバートが、空を見上げて呆然と呟く。
私は浮遊する岩盤に向かって、魔力の糸を伸ばした。
それは光の階段となり、地上と天空を繋ぐ。
「ここに、世界中の奇跡を集めた植物を植えますわ。毒を浄化し、魔力を生み出す、真の楽園です」
私は階段を上り、浮遊する大地へと足を踏み入れた。
そこはまだ、ただの土の塊に過ぎない。
だが、私が一歩歩くごとに、足元から白銀の芝生が広がり、クリスタルで出来た樹木が急速に成長していく。
樹木の枝には、夜空の星を閉じ込めたような輝きを放つ果実が実る。
「シロ、ここがあなたの新しい家よ。好きなだけ走り回っていいわ」
シロは歓喜の遠吠えを上げ、空中の楽園を駆け巡る。
その足跡からは、さらに色鮮やかな花々が咲き乱れ、芳醇な香りが大気を満たした。
城下町で見守っていた民たちが、空に現れた奇跡に気づき、次々と跪き始める。
彼らにとって、私はもはや聖女という枠を超え、この地を統べる創造神そのものだった。
私は庭園の端に立ち、眼下に広がる荒野を見下ろした。
遠く、泥の中でもがく王国軍の気配を感じる。
あそこには絶望しかない。
そして、ここには無限の希望と、圧倒的な力がある。
「サラ、お前はどこまで高く行くつもりだ」
いつの間にか背後にいたギルバートが、苦笑しながら尋ねる。
「どこまでも、ですよ。私を捨てたことを、あの男が心底呪うほどの高みまで」
私は空中に浮かぶ果実を一つもぎ、彼の口に押し込んだ。
果実が弾け、極上の魔力がギルバートの五臓六腑に染み渡る。
彼の瞳に、私と同じ冷徹で強大な光が宿るのを確認し、私は満足げに微笑んだ。
庭園の隅では、魔力に惹かれた精霊たちが、淡い光を放ちながら踊り始めている。
王国では絶滅したはずの光精霊。
彼らが私の周囲に集い、ドレスの裾を愛おしそうに撫でる。
「あら、あなたたちも仲間になりたいの? 歓迎するわ。でも、不届き者が来たら容赦なく追い払ってね」
精霊たちは歌うような羽音を立てて、私の周りを旋回する。
私は空中の椅子に深く腰掛け、黄金色に染まる地平線を眺めた。
王国から逃げ出し、この辺境に辿り着いてからまだ日は浅い。
それなのに、私の手の中にはすでに一国を滅ぼし、新たな世界を創るほどの力が満ちている。
かつて、エドワードのために祈っていた日々が、遠い前世の出来事のように感じられた。
あの頃の私は、なんて狭い世界で、なんてちっぽけな幸せを願っていたのだろう。
「……馬鹿らしい」
私は自分を嘲笑い、手の中の錫杖を弄んだ。
その時、地上から一人の伝令が、血相を変えて階段を駆け上がってきた。
「ユ、サラ様! 大変です! 王国から……いえ、王国の民たちが、数万人規模でこちらに向かってきています!」
「民が? 兵士ではなく?」
「はい! 飢えと病に耐えかねた人々が、聖女様の光を求めて、国境の壁を壊して雪崩れ込んでいます!」
伝令の報告に、ギルバートが顔を強張らせる。
数万の難民。
それは、いかなる軍隊よりも対処が難しい、厄介な重荷だ。
だが、私はくすくすと喉を鳴らして笑った。
「ちょうどいいわ。庭園の手入れをする人手が欲しかったところですもの」
「サラ、数万人だぞ? 食料も、住居もどうするつもりだ」
「ギルバート、忘れたのですか? 私が誰であるかを」
私は立ち上がり、庭園の全魔力を大地へと流し込んだ。
「家がないなら、大地から生やせばいい。食べ物がないなら、森に実らせればいい」
私の意思に呼応し、浮遊庭園の真下にある荒野が、猛烈な勢いで変貌を開始した。
土が盛り上がり、白亜の壁を持つ美しい家々が、まるで植物のように地面から生えてくる。
汚染されていた川は一瞬で清流となり、広大な農地には黄金の麦が波打つ。
「歓迎しましょう。私を捨てた王を見限り、私を選んだ賢き民たちを」
私は空中で錫杖を振りかざし、国境へと続く道に、光の道標を刻んだ。
難民たちがその光を目にし、歓喜の声を上げるのが、ここからでも聞こえてくるようだった。
一方、そのすぐ傍では、重力に押し潰された兵士たちが、無様に泥を舐めている。
救われる者と、見捨てられる者。
その鮮明な対比こそが、私が彼らに与える最大の復讐。
「さあ、忙しくなるわね。ギルバート、新しい国民の受け入れ準備、任せましたわよ」
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