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狼の獣人さんは、何も言わずに私をじっと見つめている。その金色の瞳はあまりにも鋭く、まるで心の奥まで見透かされそうだ。私は少しだけ身がすくむのを感じたが、彼の瞳の奥に、敵意や悪意がないことに気づいた。そこにあるのは、純粋な興味と、ほんの少しの戸惑い。
彼の視線が、私の手元にある、焼き立てのパンの籠へと注がれている。その時、静かな店内に、くぅ、と可愛らしい音が響いた。音の出どころは、目の前の大きな獣人さんのお腹からだった。
その音を聞いた瞬間、私の緊張はふっと解けていった。見た目は少し怖そうだけれど、ただ、パンの香りに誘われてやってきた、お腹を空かせたお客さんなんだ。
私は自然と笑みを浮かべて、籠の中から一番ふっくらと焼き上がった「陽だまりロール」を一つ、彼に差し出した。
「よかったら、どうぞ。試作品なんです」
彼は一瞬、驚いたように目を見開いた。そして、私の手とパンを交互に見た後、ためらうように、そっとその大きな手でパンを受け取った。ごつごつとした指先が、私の指にほんの少しだけ触れる。ひんやりとしていた。
彼は無言のまま、パンをまじまじと見つめている。そして、意を決したように、大きな口を開けてがぶりと一口。
その瞬間、彼の険しい表情が、はっきりと変わった。驚きに見開かれた金色の瞳。そして、固く結ばれていた口元が、ほんの少しだけ、和らいだ。
彼は夢中になって、あっという間にパンを一つ食べ終えてしまった。そして、名残惜しそうに自分の手を見つめている。
私はもう一つ、パンを彼に差し出した。彼はまた驚いた顔をしたが、今度は少しだけ素直にそれを受け取った。二つ目のパンを、今度はゆっくりと、味わうように食べている。その横顔は、最初に感じた威圧感が嘘のように、どこか穏やかに見えた。
パンを食べ終えると、彼は懐から革の袋を取り出し、中から銅貨を数枚、カウンターの上に置いた。代金のつもりらしい。
「あの、試作品なので、お代は……」
私が言い終わる前に、彼はくるりと背を向け、何も言わずに店から出ていってしまった。嵐のように現れて、嵐のように去っていく人だった。カウンターの上に残された銅貨を手に取ると、まだ彼の体温が残っているような気がした。
(名前も聞けなかったな……でも、パン、気に入ってくれたみたいでよかった)
不思議な出会いに、私の胸は温かくなっていた。
翌朝。私は早起きして、パンを焼いた。工房中に広がる幸せな香りが、開店の合図だ。昨日エララさんが作ってくれた「陽だまり」の看板を、店の入り口に掛ける。
「ユイさん、開店おめでとう!」
店のドアを開けると同時に、エララさんが満面の笑みで立っていた。その腕には、朝露に濡れた美しい花々がたくさん抱えられている。
「開店祝いよ。お店の中に飾ってちょうだい」
「わあ、綺麗……! ありがとうございます、エララさん!」
エララさんは、店の中に花を飾り付けながら、自分のことのように喜んでくれた。
「本当に素敵なお店になったわね。このパンの香り、町の端まで届いているんじゃないかしら」
「そうだと嬉しいんですけど」
私たちが話していると、店の外から元気な声が聞こえてきた。
「パン屋さんだ!」「いいにおーい!」
ハーフリングの三つ子、ピップくん、ポップくん、ペップくんが、開店一番乗りのお客さんとして駆け込んできた。
「お姉ちゃん、昨日のお礼のパン、すっごく美味しかった! 今日も買いに来たんだ!」
「ありがとう。今日はもっとたくさん種類があるわよ」
三人は目を輝かせながら、棚に並んだパンを眺めている。甘いクリームが入ったパンや、チョコレートを練り込んだパンを、それぞれ嬉しそうに選んでいった。
「毎日買いに来るね!」
そう言って元気に去っていく三人の後ろ姿を見送りながら、私はパン屋になってよかったと、心から思った。
開店初日は、想像以上にたくさんのお客さんが来てくれた。エララさんや三つ子たちが、町で宣伝してくれたのかもしれない。
「このパン、食べると体がぽかぽかしてくるわね」
「なんだか、優しい気持ちになれるパンだねえ」
「うちの子供が、ここのパンじゃないと嫌だって聞かないんだよ」
お客さんたちは口々に、パンの感想を伝えてくれる。私の生命魔法が、パンを通じて、みんなの心と体に良い影響を与えているのがわかって、胸がいっぱいになった。
お昼過ぎには、ボルギンさんがやってきた。
「例の硬いやつ、あるか」
私は、ナッツとドライフルーツがぎっしり詰まった「勇気のライ麦パン」を彼に渡した。彼はそれをいくつか無言で掴むと、代金をカウンターに置いて、また風のように去っていく。彼の仕事の合間の、ささやかな楽しみになってくれたら嬉しいな。
夕方になって、店内に置かれたテーブル席で、フェンウィック先生が優雅にお茶を飲んでいた。彼は新しく焼いた「夢見るクロワッサン」を片手に、静かに読書を楽しんでいる。
「このクロワッサンは、実に軽やかで、夢のような食感ですな。ささやき小麦の特性が、見事に引き出されている」
先生は、いつも的確で素敵な言葉でパンを褒めてくれる。私にとっては、一番の批評家であり、応援団だ。
お客さんの波も落ち着き、そろそろ店じまいをしようかと考えていた、その時だった。昨日と同じように、店のドアが静かに開いた。
そこに立っていたのは、やはり、あの銀色の狼の獣人さんだった。
彼は今日も無言で店に入ってくると、カウンターの前に立った。そして、ごそごそと何かを取り出すと、それを無言で私に差し出した。
それは、森で採れたのだろうか、見たこともない、赤くて艶やかな木の実だった。甘酸っぱい、良い香りがする。
「……これ」
昨日とは違い、彼が初めて、私に向かって言葉を発した。低くて、少しだけ掠れた、落ち着いた声だった。
「……パンの、礼だ」
どうやら、昨日のパンのお礼に、これを持ってきてくれたらしい。不器用だけれど、とても誠実な人なんだということが伝わってくる。
「ありがとうございます。すごく嬉しいです。美味しそうな木の実ですね」
私が微笑んでそれを受け取ると、彼は少しだけ視線を逸らした。そして、昨日と同じように、棚に並んだ「陽だまりロール」を、じっと見つめている。
私は陽だまりロールを一つ、袋に入れて彼に手渡した。彼が差し出した銅貨を受け取りながら、私は勇気を出して尋ねてみた。
「あの、もしよかったら、お名前を教えていただけませんか?」
彼は一瞬、驚いたように私を見た。そして、少しだけ間を置いてから、ぽつりと、短く答えた。
「……ルゥフ」
「ルゥフさん、ですね。私はユイです。この木の実、ありがとうございました。明日、この実を使って新しいパンを焼いてみますね」
私の言葉に、ルゥフさんはほんの少しだけ、金色の目を細めたように見えた。彼は何も言わずに頷くと、パンの入った袋を手に、静かに店を出ていった。
私は、彼がくれた赤い木の実を眺めた。生命魔法をかざしてみると、この実が、食べた人の気持ちを少しだけ前向きにさせる力を持っていることがわかった。
(この実と、クリームチーズを合わせたら、美味しいデニッシュができそう)
新しいパンのアイデアが、次々と浮かんできた。ルゥフさんのおかげだ。明日、彼がまた来てくれた時に、このパンを渡せたらいいな。
工房に戻り、さっそく試作の準備を始めた。ルゥフさんにもらった木の実を丁寧に洗い、生地の発酵具合を確かめる。この穏やかで、満たされた時間。これこそが、私が本当に求めていた日常だった。
工房の外で、また誰かが店の前に立つ気配がした。もう閉店時間だけれど、パンを買いに来てくれたのだろうか。私は手を止め、ドアの方へ視線を移した。
彼の視線が、私の手元にある、焼き立てのパンの籠へと注がれている。その時、静かな店内に、くぅ、と可愛らしい音が響いた。音の出どころは、目の前の大きな獣人さんのお腹からだった。
その音を聞いた瞬間、私の緊張はふっと解けていった。見た目は少し怖そうだけれど、ただ、パンの香りに誘われてやってきた、お腹を空かせたお客さんなんだ。
私は自然と笑みを浮かべて、籠の中から一番ふっくらと焼き上がった「陽だまりロール」を一つ、彼に差し出した。
「よかったら、どうぞ。試作品なんです」
彼は一瞬、驚いたように目を見開いた。そして、私の手とパンを交互に見た後、ためらうように、そっとその大きな手でパンを受け取った。ごつごつとした指先が、私の指にほんの少しだけ触れる。ひんやりとしていた。
彼は無言のまま、パンをまじまじと見つめている。そして、意を決したように、大きな口を開けてがぶりと一口。
その瞬間、彼の険しい表情が、はっきりと変わった。驚きに見開かれた金色の瞳。そして、固く結ばれていた口元が、ほんの少しだけ、和らいだ。
彼は夢中になって、あっという間にパンを一つ食べ終えてしまった。そして、名残惜しそうに自分の手を見つめている。
私はもう一つ、パンを彼に差し出した。彼はまた驚いた顔をしたが、今度は少しだけ素直にそれを受け取った。二つ目のパンを、今度はゆっくりと、味わうように食べている。その横顔は、最初に感じた威圧感が嘘のように、どこか穏やかに見えた。
パンを食べ終えると、彼は懐から革の袋を取り出し、中から銅貨を数枚、カウンターの上に置いた。代金のつもりらしい。
「あの、試作品なので、お代は……」
私が言い終わる前に、彼はくるりと背を向け、何も言わずに店から出ていってしまった。嵐のように現れて、嵐のように去っていく人だった。カウンターの上に残された銅貨を手に取ると、まだ彼の体温が残っているような気がした。
(名前も聞けなかったな……でも、パン、気に入ってくれたみたいでよかった)
不思議な出会いに、私の胸は温かくなっていた。
翌朝。私は早起きして、パンを焼いた。工房中に広がる幸せな香りが、開店の合図だ。昨日エララさんが作ってくれた「陽だまり」の看板を、店の入り口に掛ける。
「ユイさん、開店おめでとう!」
店のドアを開けると同時に、エララさんが満面の笑みで立っていた。その腕には、朝露に濡れた美しい花々がたくさん抱えられている。
「開店祝いよ。お店の中に飾ってちょうだい」
「わあ、綺麗……! ありがとうございます、エララさん!」
エララさんは、店の中に花を飾り付けながら、自分のことのように喜んでくれた。
「本当に素敵なお店になったわね。このパンの香り、町の端まで届いているんじゃないかしら」
「そうだと嬉しいんですけど」
私たちが話していると、店の外から元気な声が聞こえてきた。
「パン屋さんだ!」「いいにおーい!」
ハーフリングの三つ子、ピップくん、ポップくん、ペップくんが、開店一番乗りのお客さんとして駆け込んできた。
「お姉ちゃん、昨日のお礼のパン、すっごく美味しかった! 今日も買いに来たんだ!」
「ありがとう。今日はもっとたくさん種類があるわよ」
三人は目を輝かせながら、棚に並んだパンを眺めている。甘いクリームが入ったパンや、チョコレートを練り込んだパンを、それぞれ嬉しそうに選んでいった。
「毎日買いに来るね!」
そう言って元気に去っていく三人の後ろ姿を見送りながら、私はパン屋になってよかったと、心から思った。
開店初日は、想像以上にたくさんのお客さんが来てくれた。エララさんや三つ子たちが、町で宣伝してくれたのかもしれない。
「このパン、食べると体がぽかぽかしてくるわね」
「なんだか、優しい気持ちになれるパンだねえ」
「うちの子供が、ここのパンじゃないと嫌だって聞かないんだよ」
お客さんたちは口々に、パンの感想を伝えてくれる。私の生命魔法が、パンを通じて、みんなの心と体に良い影響を与えているのがわかって、胸がいっぱいになった。
お昼過ぎには、ボルギンさんがやってきた。
「例の硬いやつ、あるか」
私は、ナッツとドライフルーツがぎっしり詰まった「勇気のライ麦パン」を彼に渡した。彼はそれをいくつか無言で掴むと、代金をカウンターに置いて、また風のように去っていく。彼の仕事の合間の、ささやかな楽しみになってくれたら嬉しいな。
夕方になって、店内に置かれたテーブル席で、フェンウィック先生が優雅にお茶を飲んでいた。彼は新しく焼いた「夢見るクロワッサン」を片手に、静かに読書を楽しんでいる。
「このクロワッサンは、実に軽やかで、夢のような食感ですな。ささやき小麦の特性が、見事に引き出されている」
先生は、いつも的確で素敵な言葉でパンを褒めてくれる。私にとっては、一番の批評家であり、応援団だ。
お客さんの波も落ち着き、そろそろ店じまいをしようかと考えていた、その時だった。昨日と同じように、店のドアが静かに開いた。
そこに立っていたのは、やはり、あの銀色の狼の獣人さんだった。
彼は今日も無言で店に入ってくると、カウンターの前に立った。そして、ごそごそと何かを取り出すと、それを無言で私に差し出した。
それは、森で採れたのだろうか、見たこともない、赤くて艶やかな木の実だった。甘酸っぱい、良い香りがする。
「……これ」
昨日とは違い、彼が初めて、私に向かって言葉を発した。低くて、少しだけ掠れた、落ち着いた声だった。
「……パンの、礼だ」
どうやら、昨日のパンのお礼に、これを持ってきてくれたらしい。不器用だけれど、とても誠実な人なんだということが伝わってくる。
「ありがとうございます。すごく嬉しいです。美味しそうな木の実ですね」
私が微笑んでそれを受け取ると、彼は少しだけ視線を逸らした。そして、昨日と同じように、棚に並んだ「陽だまりロール」を、じっと見つめている。
私は陽だまりロールを一つ、袋に入れて彼に手渡した。彼が差し出した銅貨を受け取りながら、私は勇気を出して尋ねてみた。
「あの、もしよかったら、お名前を教えていただけませんか?」
彼は一瞬、驚いたように私を見た。そして、少しだけ間を置いてから、ぽつりと、短く答えた。
「……ルゥフ」
「ルゥフさん、ですね。私はユイです。この木の実、ありがとうございました。明日、この実を使って新しいパンを焼いてみますね」
私の言葉に、ルゥフさんはほんの少しだけ、金色の目を細めたように見えた。彼は何も言わずに頷くと、パンの入った袋を手に、静かに店を出ていった。
私は、彼がくれた赤い木の実を眺めた。生命魔法をかざしてみると、この実が、食べた人の気持ちを少しだけ前向きにさせる力を持っていることがわかった。
(この実と、クリームチーズを合わせたら、美味しいデニッシュができそう)
新しいパンのアイデアが、次々と浮かんできた。ルゥフさんのおかげだ。明日、彼がまた来てくれた時に、このパンを渡せたらいいな。
工房に戻り、さっそく試作の準備を始めた。ルゥフさんにもらった木の実を丁寧に洗い、生地の発酵具合を確かめる。この穏やかで、満たされた時間。これこそが、私が本当に求めていた日常だった。
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