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第12話
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さまよい温泉が次にたどり着いたのは趣のある場所だった。
丘の上に立つ古い音楽ホールが町の象徴となっている。
石畳の坂道が続き、窓辺に花が飾られた家々が並ぶ。
その町は週末に開かれる演奏会や、ホールから漏れ聞こえてくる練習の音色が日々の暮らしに溶け込んでいた。
空気そのものがどこか音楽的な響きを持っているかのようだ。
巴はその音楽ホールへと続く坂道の途中にある、小さな公園の一角にクリーム色のキッチンカーを停めた。
ここからならホールの荘厳な姿と町並みを一望できる。
彼女は流れるような手つきで開店の準備を進めていった。
その所作はまるで一つの楽曲を奏でるように、始めから終わりまで淀みがない。
豆を挽く音、お湯が沸く音、デッキを広げる音。
それらの生活音が遠くから聞こえるピアノやバイオリンの音色と混じり合い、この場所だけの特別なハーモニーを生み出していく。
ぬしはもちろん、自分の檜風呂が世界の中心だ。
初めての音楽に満ちた環境にも彼の日常のリズムは一切乱れない。
湯船に浸かり満足げに目を細めるその姿は、どんな名指揮者よりも確固たるテンポを刻んでいた。
午後も遅い時間、一人の青年が音楽ホールの方からやつれた様子で歩いてきた。
歳は二十代前半だろうか。
演奏会用のものなのか少し窮屈そうな黒いジャケットを着ている。
その手は神経質そうに何度もズボンの縫い目をなぞり、その表情には才能ある若者特有の焦りとプレッシャーが色濃く浮かんでいた。
青年は何かに追われるように早足だったが、ふとこの場にそぐわないキッチンカーの存在に気がつき足を止めた。
彼の目は値踏みするように看板を眺め、そしてデッキの奥で悠然と湯に浮かぶぬしの姿に、不思議そうな表情で釘付けになった。
やがて彼は吸い寄せられるようにカウンターへとやってきた。
「……コーヒーを、一杯」
その声は極度の緊張と疲労で細くかさついていた。
「はい、かしこまりました」
巴は青年の様子を注意深く見つめた。
絶えず小さく動く指先はまるで鍵盤を叩いているかのようだ。
彼の頭の中ではきっと複雑な楽譜が休むことなく鳴り響いているのだろう。
「お客様。頭の中がたくさんの音符でいっぱいになっているようですね。完璧な演奏を目指していらっしゃる」
巴が穏やかにそう告げると青年はびくりと肩を震わせ、驚いたように巴の顔を見た。
「ですが、その完璧な楽譜にお客様ご自身の心が置き去りになっているようにお見受けします」
その言葉は青年の胸の奥に深く突き刺さったようだった。
彼は反論もできず、ただ悔しそうに唇を噛んだ。
「足湯はいかがでしょう。今日は薔薇の花びらを浮かべております。その豊かで優しい香りが、張り詰めた心の弦を少しだけ緩めてくれるかもしれません」
「……そんなもので、何かが変わるとは思えません」
青年はそう言った。
しかしその声にはもう先程までの刺々しさはない。
むしろ藁にもすがるような弱々しさが滲んでいた。
「変わらないかもしれません。ですが、ほんの少しだけ休むことはできるはずです」
青年はしばらくの間、巴の顔とデッキの上の足湯を交互に見ていた。
そして諦めたように小さく頷いた。
巴は青年をデッキの椅子へと案内した。
彼は大事そうにしていた楽譜のファイルをそっと隣の椅子に置き、ぎこちない動作で湯に足を入れた。
湯に触れた薔薇の花びらから甘く華やかな香りがふわりと立ち上る。
「……ああ」
思わず漏れたその深い溜息と共に、青年の強張っていた肩の力がほんの少しだけ抜けたのが分かった。
淹れたてのコーヒーを差し出すと青年は黙ってそれを受け取った。
そしてしばらくの間何も言わず、ただぼんやりとぬしを眺めていた。
ぬしは相変わらずただそこにいるだけだ。
時折気持ちよさそうに、きゅる、と喉を鳴らす。
それは楽譜には決して書けない、不規則で素朴な音。
その何の意図もない、ただそこにあるだけの音と存在が、青年の完璧な音階とリズムで構築された世界を優しく揺さぶり始めていた。
やがて青年がぽつりと語り始めた。
「……弾けないんです」
その声は絶望の色を帯びていた。
「来週リサイタルがあるんです。コンクールで優勝して掴んだ大きなチャンス。なのに一番の見せ場になるはずの難しいパッセージが、どうしても指が動かない。練習すればするほど体が、心が石のように固まっていく」
「先生には君の演奏には魂がないと言われました。技術だけでは人の心は打てないと。……分かっているんです。でもどうすれば魂を込められるのかなんて、僕にはもう分からない」
その苦しみは完璧を求めて自分自身を追い詰め、やがて動けなくなってしまったかつての巴の姿と痛々しいほどに重なった。
巴は何も言わなかった。
ただ彼の言葉を一つ一つ受け止める。
「音楽は好きでした。子供の頃はただピアノを弾くのが楽しくて仕方がなかった。でもいつからだろう。音楽が僕にとって他人からの評価を得るための道具になってしまったのは」
青年の視線がずっとぬしに注がれている。
その時、どこからか飛んできた一羽のメジロがぬしの大きな背中にちょこんと止まった。
ぬしはそれを気にする素振りも見せず泰然としている。
メジロはしばらくその温かい場所で羽を休めると、ちゅる、と一声鳴いてまた空へと飛び去っていった。
その光景を青年は瞬きも忘れたかのように見つめていた。
「……あのカピバラは」と彼が言った。「何のためにそこにいるんですか」
「何のためでもありません。ぬしはただ、そこにいるだけです」
「ただ、いるだけ……」
青年はその言葉を噛みしめるように繰り返した。
「……そうか」
彼は何かを見つけたように呟いた。
「僕の音楽には余白がなかったんだ。楽譜に書かれた音符を一音たりとも間違えずに、完璧なテンポで弾くことばかり考えていた。でも音楽って本当は音と音の間の、何もない時間にも意味がある。聴く人が息をするための間が必要なんだ」
彼の目がぬしに向けられていた。
「あのカピバラのように。ただそこにいて、周りの生き物が勝手に羽を休めていくような。そういう何もしない、ただ受け入れるだけの時間が、僕の音楽には決定的に足りなかったんだ」
彼の表情が、まるで長年解けなかった難解な和音が美しい解決を見たかのように、ふっと和らいだ。
彼は足湯から出ると丁寧に足を拭き、深く深く息を吸い込んだ。
薔薇とコーヒーと檜の香りが彼の乾いた心に優しく染み渡っていく。
「……ありがとうございました」
彼は立ち上がると巴に向かって深々と頭を下げた。
「少しだけ弾けるような気がします。完璧な演奏じゃなくて、僕自身の今の不完全な音楽を」
会計を済ませた彼は楽譜のファイルを来た時よりもずっと優しい手つきで抱え、音楽ホールの方へと戻っていった。
その足取りはもう何かに追われるように追い詰められてはいなかった。
一人になった巴は空になったカップを片付けながら、自分の旅の意味をまた一つ深く理解した気がした。
このカフェはさまよえる人々のための止まり木なのだ。
そしてその止まり木で人々は何かを得るのではなく、むしろ何かを手放していく。
完璧であること、役に立つこと、意味があること。
そういう自分を縛り付けていた重い荷物をそっと下ろしていく。
巴はお気に入りのタオルケットの上で穏やかな寝息を立てているぬしを、愛おしそうに見つめた。
この世界で一番何にもならない相棒が、そのことを言葉もなく教えてくれている。
丘の上の音楽ホールに夕暮れの優しい光が当たり、窓ガラスをあたたかなオレンジ色に染めていた。
その光景を巴は満ち足りた気持ちでいつまでも見つめていた。
丘の上に立つ古い音楽ホールが町の象徴となっている。
石畳の坂道が続き、窓辺に花が飾られた家々が並ぶ。
その町は週末に開かれる演奏会や、ホールから漏れ聞こえてくる練習の音色が日々の暮らしに溶け込んでいた。
空気そのものがどこか音楽的な響きを持っているかのようだ。
巴はその音楽ホールへと続く坂道の途中にある、小さな公園の一角にクリーム色のキッチンカーを停めた。
ここからならホールの荘厳な姿と町並みを一望できる。
彼女は流れるような手つきで開店の準備を進めていった。
その所作はまるで一つの楽曲を奏でるように、始めから終わりまで淀みがない。
豆を挽く音、お湯が沸く音、デッキを広げる音。
それらの生活音が遠くから聞こえるピアノやバイオリンの音色と混じり合い、この場所だけの特別なハーモニーを生み出していく。
ぬしはもちろん、自分の檜風呂が世界の中心だ。
初めての音楽に満ちた環境にも彼の日常のリズムは一切乱れない。
湯船に浸かり満足げに目を細めるその姿は、どんな名指揮者よりも確固たるテンポを刻んでいた。
午後も遅い時間、一人の青年が音楽ホールの方からやつれた様子で歩いてきた。
歳は二十代前半だろうか。
演奏会用のものなのか少し窮屈そうな黒いジャケットを着ている。
その手は神経質そうに何度もズボンの縫い目をなぞり、その表情には才能ある若者特有の焦りとプレッシャーが色濃く浮かんでいた。
青年は何かに追われるように早足だったが、ふとこの場にそぐわないキッチンカーの存在に気がつき足を止めた。
彼の目は値踏みするように看板を眺め、そしてデッキの奥で悠然と湯に浮かぶぬしの姿に、不思議そうな表情で釘付けになった。
やがて彼は吸い寄せられるようにカウンターへとやってきた。
「……コーヒーを、一杯」
その声は極度の緊張と疲労で細くかさついていた。
「はい、かしこまりました」
巴は青年の様子を注意深く見つめた。
絶えず小さく動く指先はまるで鍵盤を叩いているかのようだ。
彼の頭の中ではきっと複雑な楽譜が休むことなく鳴り響いているのだろう。
「お客様。頭の中がたくさんの音符でいっぱいになっているようですね。完璧な演奏を目指していらっしゃる」
巴が穏やかにそう告げると青年はびくりと肩を震わせ、驚いたように巴の顔を見た。
「ですが、その完璧な楽譜にお客様ご自身の心が置き去りになっているようにお見受けします」
その言葉は青年の胸の奥に深く突き刺さったようだった。
彼は反論もできず、ただ悔しそうに唇を噛んだ。
「足湯はいかがでしょう。今日は薔薇の花びらを浮かべております。その豊かで優しい香りが、張り詰めた心の弦を少しだけ緩めてくれるかもしれません」
「……そんなもので、何かが変わるとは思えません」
青年はそう言った。
しかしその声にはもう先程までの刺々しさはない。
むしろ藁にもすがるような弱々しさが滲んでいた。
「変わらないかもしれません。ですが、ほんの少しだけ休むことはできるはずです」
青年はしばらくの間、巴の顔とデッキの上の足湯を交互に見ていた。
そして諦めたように小さく頷いた。
巴は青年をデッキの椅子へと案内した。
彼は大事そうにしていた楽譜のファイルをそっと隣の椅子に置き、ぎこちない動作で湯に足を入れた。
湯に触れた薔薇の花びらから甘く華やかな香りがふわりと立ち上る。
「……ああ」
思わず漏れたその深い溜息と共に、青年の強張っていた肩の力がほんの少しだけ抜けたのが分かった。
淹れたてのコーヒーを差し出すと青年は黙ってそれを受け取った。
そしてしばらくの間何も言わず、ただぼんやりとぬしを眺めていた。
ぬしは相変わらずただそこにいるだけだ。
時折気持ちよさそうに、きゅる、と喉を鳴らす。
それは楽譜には決して書けない、不規則で素朴な音。
その何の意図もない、ただそこにあるだけの音と存在が、青年の完璧な音階とリズムで構築された世界を優しく揺さぶり始めていた。
やがて青年がぽつりと語り始めた。
「……弾けないんです」
その声は絶望の色を帯びていた。
「来週リサイタルがあるんです。コンクールで優勝して掴んだ大きなチャンス。なのに一番の見せ場になるはずの難しいパッセージが、どうしても指が動かない。練習すればするほど体が、心が石のように固まっていく」
「先生には君の演奏には魂がないと言われました。技術だけでは人の心は打てないと。……分かっているんです。でもどうすれば魂を込められるのかなんて、僕にはもう分からない」
その苦しみは完璧を求めて自分自身を追い詰め、やがて動けなくなってしまったかつての巴の姿と痛々しいほどに重なった。
巴は何も言わなかった。
ただ彼の言葉を一つ一つ受け止める。
「音楽は好きでした。子供の頃はただピアノを弾くのが楽しくて仕方がなかった。でもいつからだろう。音楽が僕にとって他人からの評価を得るための道具になってしまったのは」
青年の視線がずっとぬしに注がれている。
その時、どこからか飛んできた一羽のメジロがぬしの大きな背中にちょこんと止まった。
ぬしはそれを気にする素振りも見せず泰然としている。
メジロはしばらくその温かい場所で羽を休めると、ちゅる、と一声鳴いてまた空へと飛び去っていった。
その光景を青年は瞬きも忘れたかのように見つめていた。
「……あのカピバラは」と彼が言った。「何のためにそこにいるんですか」
「何のためでもありません。ぬしはただ、そこにいるだけです」
「ただ、いるだけ……」
青年はその言葉を噛みしめるように繰り返した。
「……そうか」
彼は何かを見つけたように呟いた。
「僕の音楽には余白がなかったんだ。楽譜に書かれた音符を一音たりとも間違えずに、完璧なテンポで弾くことばかり考えていた。でも音楽って本当は音と音の間の、何もない時間にも意味がある。聴く人が息をするための間が必要なんだ」
彼の目がぬしに向けられていた。
「あのカピバラのように。ただそこにいて、周りの生き物が勝手に羽を休めていくような。そういう何もしない、ただ受け入れるだけの時間が、僕の音楽には決定的に足りなかったんだ」
彼の表情が、まるで長年解けなかった難解な和音が美しい解決を見たかのように、ふっと和らいだ。
彼は足湯から出ると丁寧に足を拭き、深く深く息を吸い込んだ。
薔薇とコーヒーと檜の香りが彼の乾いた心に優しく染み渡っていく。
「……ありがとうございました」
彼は立ち上がると巴に向かって深々と頭を下げた。
「少しだけ弾けるような気がします。完璧な演奏じゃなくて、僕自身の今の不完全な音楽を」
会計を済ませた彼は楽譜のファイルを来た時よりもずっと優しい手つきで抱え、音楽ホールの方へと戻っていった。
その足取りはもう何かに追われるように追い詰められてはいなかった。
一人になった巴は空になったカップを片付けながら、自分の旅の意味をまた一つ深く理解した気がした。
このカフェはさまよえる人々のための止まり木なのだ。
そしてその止まり木で人々は何かを得るのではなく、むしろ何かを手放していく。
完璧であること、役に立つこと、意味があること。
そういう自分を縛り付けていた重い荷物をそっと下ろしていく。
巴はお気に入りのタオルケットの上で穏やかな寝息を立てているぬしを、愛おしそうに見つめた。
この世界で一番何にもならない相棒が、そのことを言葉もなく教えてくれている。
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