「枯れた聖女」と追放された私、実は伝説の調合師でした

旅する書斎(☆ほしい)

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第8話 庭に迷い込んだ「トカゲ」が、実は終焉の竜だった件

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「エル様、お一人で庭園の奥へ行かれるのは危険です! 護衛の騎士を最低でも小隊規模、いえ、中隊規模で連れて行ってください!」

朝食の後片付けをしていたミーナが、洗濯籠を放り出して私の前に立ちはだかった。
彼女の栗色の髪が逆立っているかのように見えるほどの剣幕だ。
私の着ているドレスの裾を掴んで離そうとしない。

「大げさね、ミーナ。あそこのお庭は、先日私が少しお掃除したばかりじゃない。とっても静かで、綺麗な場所になったのよ?」
「それが問題なんです! あの『沈黙の庭園』が、今や世界中の高位魔物や精霊たちが『極上のマナスポットだ!』と噂して集まってくる聖地になりつつあるという報告が……!」
「あら、賑やかでいいじゃない。お友達が増えるのは歓迎よ」
「お友達のレベルが国家転覆級なんですってば! ああもう、エル様ったら!」

ミーナの制止を笑顔でかわし、私はテラスから軽やかに飛び降りた。
ふわりと重力が消失し、着地音すら立てずに芝生の上に降り立つ。
今の私には、風の精霊たちが勝手に空気を固めて足場を作ってくれるため、階段など必要ない。
背後でミーナが「ああっ、また物理法則を無視して!」と叫んでいるが、私は小さく手を振って歩き出した。

目指すは、城の北側に広がる『元・沈黙の庭園』だ。
以前は死の瘴気に満ちた呪界だったが、私が釜で少し混ぜ混ぜしてお掃除した結果、今ではこの領地で一番の癒やしスポットになっている。

庭園に足を踏み入れると、濃厚な花の香りが全身を包み込んだ。
視界を埋め尽くすのは、白銀の花弁を持つ『天界の薔薇』の大群生。
一輪で城が買える伝説の花が、雑草のごとく咲き乱れ、風に揺れてダイヤモンドダストのような光の粉を撒き散らしている。
その中心を流れる小川は、噴水から湧き出た『神の雫』そのものだ。
せせらぎの音を聞くだけで精神汚染が浄化され、川霧を吸い込むだけで寿命が十年単位で延びると言われている。

「うん、いい空気。やっぱりここは落ち着くわ」

私は川のほとりにある、お気に入りの平らな岩に腰を下ろした。
バスケットから取り出したのは、水筒に入れたハーブティーと、昨日焼きすぎて余ってしまったパンだ。
例の、一口で騎士団を神聖騎士団へと進化させてしまった『生命のパン』である。
人間が食べるにはカロリー(魔力的な意味で)が高すぎるため、小鳥や森の動物たちにあげようと思って持ってきたのだ。

「さあ、みんないらっしゃい。おやつよ」

パンをちぎって放る。
すると、茂みの奥からリスやウサギたちが顔を出した。
……いや、よく見るとリスの背中には小さな翼が生えているし、ウサギの額には立派な角がある。
彼らがパン屑を一齧りするたびに、ポンッ! という小気味良い音と共に身体が発光し、一回り大きく成長していく。
どうやらこの森の生態系は、私のパンによって著しい進化――というよりは突然変異――を遂げているらしい。
まあ、元気が一番だ。

「ふふ、よく食べるわね。たくさんあるから、喧嘩しないで」

のどかな昼下がり。
小川のせせらぎと、謎の進化生物たちの咀嚼音に耳を傾けながら、私はハーブティーを啜る。
至福の時間だ。
王都にいた頃の、地下牢のような部屋でカビの生えたパンを齧っていた日々が、遠い前世の記憶のように思える。

ズ……ン。

ふと、地面が微かに震えた気がした。
気のせいかと思ったが、すぐに二度目の振動が伝わってくる。

ズズ……ン。

コップの中のハーブティーが波紋を描く。
動物たちが一斉に食事を止め、耳をピンと立てて茂みの奥へと逃げ去っていった。
一瞬にして訪れる静寂。
鳥のさえずりさえ消え失せ、風すらも怯えたように止まった。

「あら? みんな、どうしたのかしら」

私が不思議に思って首を傾げた、その時だ。

ガサガサガサッ……メキメキメキッ!

庭園の奥、樹齢数百年はあろうかという巨木が、爪楊枝のようにへし折られた。
森の闇を引き裂いて現れたのは、巨大な影。
それは、生物としての規格を遥かに超えていた。

「グルゥゥゥゥゥ…………ッ」

重低音の唸り声が、物理的な圧力となって空気を叩く。
現れたのは、全身が紅蓮の鱗に覆われた、巨大なトカゲ……のような生き物だった。
体長は優に二十メートルを超えているだろうか。
背中には剣山のような刺々しい突起が並び、その隙間からはマグマのような赤熱した光が漏れ出している。
巨大な顎からは、硫黄の臭いと焦熱の吐息が漏れ、地面の草花を一瞬で炭化させていく。
その双眸は、燃え盛る火口そのもののように赤く、底知れない破壊の意志を宿していた。

もしここにガイル団長がいたら、泡を吹いて卒倒し、こう叫んだに違いない。
『出た! 千年に一度目覚め、大陸一つを灰燼に帰す厄災の化身! 神話級魔獣《終焉の竜》ラグナロクだ!!』と。
だが、残念ながらここにいるのは、錬金術以外には疎い私だけだ。

「まあ、大きなトカゲさん」

私はパンを持ったまま、のんきに声をかけた。
普通なら恐怖で腰を抜かす場面かもしれない。
けれど、私の目は、その恐ろしい外見の奥にあるものを見ていた。
彼の赤い瞳の奥で、何かが怯えている。
体内に蓄積しすぎた過剰な火の魔力が、彼自身の制御を離れて暴走し、内臓を焼き続けているのだ。
あの唸り声は、威嚇ではない。
「熱い、苦しい、助けてくれ」という悲鳴だ。

「グルアァァァァァッ!!」

竜が大きく口を開けた。
喉の奥で、核爆発に匹敵するエネルギーが収束していく。
この一撃が放たれれば、公爵領どころか、隣国まで含めて地図から消滅するだろう。
だが、私にはそれが、お腹を空かせた子供が泣き叫んでいるようにしか見えなかった。

「よしよし、可哀想に。お腹が空いて、イライラしちゃったのね」

私は立ち上がり、ふわりとスカートを翻した。
竜の眼前にまで歩み寄る。
灼熱の吐息が私の髪を揺らすが、私の身体を覆う魔力膜が熱を完全に遮断しているので、春風程度の心地よさしか感じない。

「グルッ……!?」

竜が驚愕したように、その巨体をビクリと震わせた。
自らが放つ絶対的な「死」のオーラをものともせず、無防備に近づいてくる極小の存在。
その理不尽な光景に、破壊の化身の思考がフリーズしたようだ。
口の中に溜まっていたブレスが、行き場を失ってプスンと黒煙を上げて消えた。

「はい、これをお食べ。消化にいい特製パンよ」

私はバスケットに残っていたパンを、無造作に竜の鼻先へ放り投げた。
それは美しい放物線を描き、巨大な顎の中へと吸い込まれていく。
竜は反射的にそれを飲み込んだ。

ゴクリ。

巨大な喉が動く。
一瞬の静寂。
そして――。

ドォォォォォォォォォォォォンッ!!!!!

庭園の中央で、太陽が爆発したかのような閃光が走った。
衝撃波が森の木々をなぎ倒し、遥か上空の雲を一瞬で消し飛ばして、抜けるような蒼穹を露出させる。
竜の全身から、体内に溜まっていた黒い瘴気と不純な火気が、凄まじい勢いで噴き出したのだ。

「ギャオオオオオオオオッ!!」

竜が天を仰いで絶叫する。
だが、その声色は苦痛ではない。
歓喜だ。
パンに含まれていた『神の雫』と私の魔力が、竜の細胞の一つ一つに浸透し、暴走していた火の魔力を完全に中和・浄化していく。
紅蓮色だった鱗が、みるみるうちに脱皮するように剥がれ落ちていく。
下から現れたのは、プラチナのように白銀に輝く、神々しい鱗だった。

シュワァァァ……。

光が収まると、そこには一回り小さくなった(といっても十メートルはあるが)、美しい白銀の竜が座っていた。
禍々しい角はクリスタルのように透明になり、背中の突起からは虹色のオーロラが立ち昇っている。
かつての破壊神の面影はどこにもない。
あるのは、神の座に連なる『聖竜』としての威厳と、清浄な気配だけだ。

「キュ、キュゥゥゥン……!」

大陸の覇者が、捨てられた子犬のような甘い鳴き声を上げた。
彼はその巨大な頭を下げ、私の足元に擦り付けてきた。
ザリザリとした鱗の感触がくすぐったい。
その瞳は、もはや狂気ではなく、底なしの忠誠と心酔、そして「もっとちょうだい」という強烈な食欲に満ちている。

「あらあら、甘えん坊さんね。そんなに美味しかった?」

私が鼻先を撫でてやると、竜はうっとりと目を細め、喉の奥でゴロゴロと雷鳴のような音を鳴らした。
しっぽがブンブンと振られ、その風圧だけで周囲の木々が薙ぎ倒されていく。
あ、いけない。庭木が。

「エルっ!!」

そこへ、雷のような怒号が響いた。
城の方角から、銀色の閃光が疾走してくる。
ゼノス様だ。
その後ろから、ガイル団長率いる騎士団が、死に物狂いの形相で追いかけてくるのが見えた。

「無事か! 今、とてつもない魔力反応が……!」

ゼノス様が、抜刀した状態で私の前に滑り込んだ。
その全身から放たれる冷気は、周囲の空気を一瞬で凍結させるほど鋭い。
彼は私を背に庇い、目の前の巨大生物を睨みつけた。

「……下がっていろ、エル。貴様、何者だ。私の庭で、私の女に何をしている」

ゼノス様の背後に、城壁をも越える巨大な銀狼の幻影が顕現した。
世界最強の神獣としての威圧(プレッシャー)が、物理的な質量を持って竜を押し潰しにかかる。
空が割れ、黒い雷がバチバチと走る。

「あ、ゼノス様。お散歩ですか?」
「散歩どころではない! 結界が破られた反応があったのだ! ……ガイル、これは何の魔物だ!」

追いついてきたガイル団長が、白銀の竜を見て、膝から崩れ落ちた。
彼の目は極限まで見開かれ、顎が外れそうになっている。

「あ、あ、ありえません……! あの形状、あの波動……! 間違いなく『終焉の竜』ラグナロクです! し、しかし、伝承にある姿とは色が……それに、あの神聖な気配は一体……!?」
「終焉の竜だと? あの、歴史書に載っている厄災か」

ゼノス様が眉をひそめ、訝しげに竜を見る。
そこには、私に撫でられてデレデレに溶けている、巨大なトカゲがいるだけだ。
竜はゼノス様の殺気に気づくと、ビクリと身体を震わせ、私の後ろに隠れようと頭を突っ込んできた。
いや、隠れられてないから。頭しか隠れてないから。

「キュウウゥ……」
「……おい。ふざけているのか」

ゼノス様のこめかみに青筋が浮かぶ。
彼は剣を下ろし、呆れ果てたように私を振り返った。

「エル。説明しろ。なぜ、人類の敵であるはずの破壊神が、お前の足元で腹を見せて転がっているのだ」
「えっと、お腹が空いていたみたいだったので、残っていたパンをあげたんです。そうしたら、急に大人しくなって」
「パン……。あの、騎士団を人間辞めさせた、例のパンか」

ゼノス様が頭を抱えた。

「毒(腐った魔力)を以て毒(暴走する魔力)を制す、というわけか……。いや、制しすぎだろう。種族が変わっているぞ」
「だって、可哀想だったんですもの。ほら、見てください。この子、とっても可愛い顔をしてますよ」

私が竜の顎の下を撫でると、竜は恍惚の表情で舌を出し、ハッハッと息をした。
その舌先からこぼれた涎が地面に落ちると、そこから一瞬にして『蘇生草』という超レア薬草が生えてくる。
もはや、存在自体がパワースポットだ。

「……エル。お前の『可愛い』の基準は、とっくの昔に崩壊しているな」

ゼノス様は深いため息をついたが、すぐにその瞳が鋭く細められた。
彼は私と竜の間に割って入ると、竜の鼻先を氷の剣でコンと叩いた。

「ギャンッ!?」
「調子に乗るなよ、トカゲ風情が。 エルに触れていいのは、この世界で私だけだ。 その汚い鼻先を、二度と彼女の肌に寄せるな」

ドス黒い殺気。
それは、人類の敵に向けるものではなく、恋敵に向ける嫉妬の炎だった。
神獣としての格の違いを見せつけられ、竜は「ひいいっ!」という顔で縮こまり、お腹を出して完全服従のポーズをとった。

「ほら、ゼノス様。そんなにいじめないであげてください。せっかくお友達になれたんですから」
「友達だと? こんな規格外の生物を城に置くつもりか」
「ダメですか? 番犬代わりにちょうどいいと思うんですけど」
「……番犬」

ゼノス様が遠くを見る目になった。
ガイル団長たちは、もはや理解を放棄して、集団で空を見上げて祈りを捧げている。

「はぁ……。お前の望みなら仕方ない。だが、飼育係はガイルたちにやらせろ。お前が世話をする必要はない」
「ふふ、ありがとうございます! そうだ、名前をつけないとね」

私は竜のつぶらな(直径一メートルはあるが)瞳を覗き込んだ。
白銀に輝く身体。
神々しいオーラ。
そして、この人懐っこさ。

「うん、決めたわ。『ポチ』にしましょう!」

「「「ポチィィィィィッ!!??」」」」

ゼノス様と騎士団の声が綺麗にハモった。
竜――ポチは、その名前が気に入ったのか、嬉しそうに「ワンッ!(のような咆哮)」と吠え、衝撃波で城の窓ガラスを数枚割った。

「ギュオオオオオンッ!!(訳:ポチです! よろしくお願いします!)」

「……もう好きにしろ。どうせ私の常識など、お前の前では紙切れ同然なのだろう」

ゼノス様は諦めたように肩をすくめると、私を強く抱き寄せた。
そして、ポチに見せつけるように、私の唇を奪った。
深く、濃厚なキス。
竜の前だろうと、騎士たちの前だろうと、彼は止まらない。
むしろ、「これは俺のものだ」と誇示するかのように、その舌は執拗に私を求めてくる。

「んっ……ゼノス様、みんな見て……」
「見せればいい。このトカゲにも、誰が本当の飼い主か、骨の髄まで教え込んでやる」

彼の腕の中で溶かされながら、私はぼんやりと思った。
ああ、平和だなあ、と。
私の足元では、世界を滅ぼすと恐れられた終焉の竜が、幸せそうに尻尾を振って、二人(と一匹)の愛の巣を見守っていた。

          *

その頃、遥か南の王国では、未曾有のパニックが発生していた。

「ほ、報告します! 北方の魔力観測所より、緊急警報! 『終焉の竜』ラグナロクの反応を感知しました!」

王城の会議室に、伝令の兵士が転がり込んできた。
その報告を聞いた瞬間、居並ぶ貴族たちは顔色を失い、椅子から転げ落ちた。

「な、何だと!? ラグナロクだと!? あの、おとぎ話に出てくる破壊神か!?」
「終わった……。この国はもう終わりだ! あんなものが目覚めれば、大陸ごと消し飛ぶぞ!」

王太子ジュリアスが、腐りかけた身体を引きずりながら、机を叩いて叫んだ。

「ええい、うるさい! 聖女リンはどうした! 彼女の力で、竜を鎮めるのだ!」

「む、無理よぉぉぉっ!!」

部屋の隅で、リンが頭を抱えて泣き叫んでいた。
彼女の顔は恐怖で歪み、化粧が涙でドロドロに溶け落ちている。

「あんな化け物、私なんかにどうこうできるわけないじゃない! マナの波動を感じただけで、内臓が破裂しそうなのよ! いやぁぁっ! 逃げる! 私、国を捨てて逃げるわ!」

「ま、待てリン! 貴様、私を見捨てる気か!」
「うるさいっ! 泥船に乗って死ぬのはごめんだわ!」

リンはドレスの裾をまくり上げ、裸足で会議室から逃走した。
残されたジュリアスは、絶望に顔を歪め、窓の外を見つめた。
北の空が、ありえないほどの輝きに満ちている。
それは、竜が吐き出す破壊の炎の光なのか、それとも――。

「誰か……誰か助けてくれ……! エル……エルさえいれば……!」

彼は知らなかった。
彼らが恐れおののく破壊の神が、今まさに「お手」と「お座り」を覚えさせられ、ドッグフード代わりの高級パンをねだっているなどとは。
ジュリアスの悲痛な叫びは、迫りくる破滅の足音にかき消され、誰の耳にも届くことはなかった。
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