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第6話
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森を抜けたのは、昼を少し回った頃だった。空の太陽は二つの月と違ってこっちの世界でも変わらず眩しいらしい。俺の目にはちと刺激が強ぇが、それ以上に気に食わねぇのは街道に差し掛かってからの空気だ。開けた空と開けた地面ってのは、やたらと背中が痒くなる。狙撃の癖が抜けねぇ。誰もいない、何もない、だけど全然落ち着かねぇ。つまりは、危険の匂いってやつだ。
「王都まではあとどのくらいだ?」
「この道をまっすぐです。日が落ちる前には、外壁にたどり着けると思います」
「ふぅん、つまり今が一番だるい時間ってわけか。敵も出ねぇ、スリルもねぇ、ただ歩くだけの苦行ってやつだ」
「……贅沢な悩みですね」
横目でレナが呆れた顔してこっちを見てくる。そういう反応、嫌いじゃねぇ。むしろ、会話の潤滑油ってやつだ。誰もが黙って歩き続けりゃ、それこそ精神が腐ってくる。
「お前はどうなんだ。あのドラゴンの残骸見て、何を感じた?」
「……恐怖。あと、敬意。それと、少しだけ興奮」
「悪くねぇ。戦場で感情が死んじまった奴は、ただの死体だ。生きてる奴は、いつだって揺れる。その揺れをどう使うかで、勝敗は決まる」
「あなたは……揺れないんですか?」
「揺れるさ。戦場じゃ、誰だってガクブルだ。ただな、違うのは、それを他人に見せるかどうかだ。俺は見せねぇ。それだけの話だ」
「……それって、強さなんですか?」
「違ぇよ。弱さの裏返しだ。誰にも見せたくねぇ弱さを、隠し続けた結果が、こうなっただけだ」
レナは何か言いかけて、やめた。そういう選択、俺は評価する。安易に慰めの言葉を吐くくらいなら、黙ってろってのが俺のルールだ。
その時、視界の端に何かが揺れた。道路脇の草むら、ただの風じゃねぇ。重みがある。獣か、それとも……
「動くな。レナ、しゃがめ」
「また……敵ですか?」
「そうだな。俺の第六感が言ってる。“野郎が潜んでやがる”ってな」
俺はゆっくりと腰を落とし、片膝をついてジャッジメントを構えた。右手でスライドを少し引き、薬室に一発、ドラゴン弾を確認。よし、戦える。
「……出てこい。出てこねぇなら、このまま草ごと焼き払うぞ?」
沈黙。だが確実に、そこに何かがいる。なら、こっちから迎えに行ってやるしかねぇ。トリガーに指をかけた瞬間――
「待て待て! 撃つな! 民間人だ!」
草むらから飛び出してきたのは、ボロ布をまとった痩せた男。髪は藁みてぇに汚れてて、目の焦点も定まってねぇ。が、武器は持ってねぇ。つーか、持てるような体じゃねぇ。栄養失調か、毒か、魔力枯渇か。どれにしても、まともじゃねぇ。
「……あんた、誰だ? なんでこんなとこに隠れてやがる?」
「追われてた……あ、あいつらに……!」
「“あいつら”? 誰だ?」
「村の方角から来た……黒いマントの集団……兵士じゃねぇ、盗賊か、いや、魔物……もう、わかんねぇ……」
混乱してやがる。だが、キーワードは拾えた。黒マント、村襲撃、非人間的な動き、ってとこか。
「レナ。近くに村があるのか?」
「……はい。ここから南東に少し入った場所に、リンガル村って集落があったはずです。試験地図にも載ってました。小規模ですが……」
「ふぅん。そこの村で何かあったってわけか」
「向かいますか?」
「当然だろ。“戦いの匂い”がする。そいつは、今の俺にとっちゃ最高の案内人ってわけだ」
「……人が死んでるかもしれませんよ?」
「それがどうした。俺が生きてる限り、誰が死のうと関係ねぇ。だが、俺の“獲物”がそこにいるってんなら、話は別だ」
レナは顔をしかめたが、それ以上何も言わなかった。根は優しいんだろうが、今の俺にそんな倫理観は必要ねぇ。
「よし、おい。お前はここで寝てろ。死にたくなけりゃ動くな。下手に動けば、二発目は警告じゃ済まねぇからな」
「わ、わかった……わかりました……!」
男を置いて、俺たちは南東へと向かった。街道を外れ、森の枝道を進む。草の背丈が高くなり、空が見えなくなってくると、次第に空気が濃くなる。重い、どす黒い、鉄と血の匂いが混ざった空気。これは――戦場の匂いだ。
「レナ。前方、煙が見える。村は近いな」
「はい。……でも、あの煙、ただの焚き火じゃない。建物が燃えてる……!」
「ようやく“お出迎え”か。俺の拳銃も退屈してたところだ。今からショータイムだ。拍手の準備はいいか?」
「ふざけてる場合じゃ――!」
「ふざけちゃいねぇよ。俺はいつだって真剣さ。命懸けのジョークってのは、笑えねぇからこそ面白ぇんだ」
森を抜けた瞬間、視界に広がったのは地獄絵図だった。瓦礫と化した家屋、倒れた村人の死体、焼け焦げた畑、泣き叫ぶ女と子供、そいつらを囲んでるのは……人型の影。だが、どいつもこいつも顔がなかった。まるで仮面を被ってるような無表情、黒ずんだ肌、赤く光る目。
「……人間じゃねぇな。アンデッドか? いや、“変異種”ってとこか」
「な、何を……あの人たちは、生きて……?」
「“人”だったってだけだ。今はもう、ただの敵だ。情けをかける暇があるなら、引き金を引け。……そういう世界なんだろ、ここは?」
ジャッジメントを構える。ターゲットは八体。目の前で村人を取り囲んで、何かを呟いてやがる。
「詠唱……? いや、違ぇな。呪詛か。発動前に全部潰す」
「ま、待って、どうする気――!」
「問答無用だ」
俺は走った。草を蹴飛ばし、瓦礫を飛び越え、一直線に奴らの群れへ突っ込む。レナの声はもう聞こえねぇ。耳の中で鳴ってるのは、血の音と、引き金にかけた指の震えだけだ。
「弾道視覚、起動。射線、クリア」
一体目、脳天。バン。
二体目、心臓。バン。
三体目、足を撃って崩れさせ、頭を踏み潰す。
「次、次、次ィッ!」
四体目、距離三メートル、跳躍から空中射撃。喉元貫通。
五体目、斜め後ろ、レナが狙われてた。スライディングで割り込み、至近距離で腹に五連発。
「こっちは女を守る趣味があるんでな、覚えて帰れ」
残り三体。俺を中心に囲む形でじりじり詰めてくる。だが、そいつらが間抜けなのは、戦場で包囲に意味があるのは“数”が勝ってるときだけってことを知らねぇってことだ。
「グレネード、投擲」
腰のグレネードを引き抜き、ピンを抜いてから、真上に向けて放る。視線が一瞬上を向いた。その隙だ。
「お前らの欠点は、想像力の欠如だな。銃だけが武器じゃねぇ」
俺は奴らの足元にあった燃えかけの木材を蹴り飛ばし、煙で視界を奪いながらそのまま距離を詰め、グレネードが爆ぜたタイミングで二体の胸を撃ち抜いた。
最後の一体は俺の存在に気付き、詠唱を始めた。
「遅ぇんだよ!」
足元にあった石を掴み、そのまま顔面に叩きつける。ぐしゃっと潰れる音が耳に心地よく響いた。続けざまに拳銃でトドメを一発。
「終了。全員、キルコンファーム完了だ」
煙の中、レナが駆け寄ってくるのが見えた。その顔に浮かんでるのは、恐怖でも敬意でもなく――ただの、言葉にできねぇ表情だった。何かがぶっ壊れたような、でも見惚れてるような。
「……これが、あなたの戦い方……」
「ああ。これが俺のやり方だ。“引き金が正義”ってのは、伊達じゃねぇ」
「王都まではあとどのくらいだ?」
「この道をまっすぐです。日が落ちる前には、外壁にたどり着けると思います」
「ふぅん、つまり今が一番だるい時間ってわけか。敵も出ねぇ、スリルもねぇ、ただ歩くだけの苦行ってやつだ」
「……贅沢な悩みですね」
横目でレナが呆れた顔してこっちを見てくる。そういう反応、嫌いじゃねぇ。むしろ、会話の潤滑油ってやつだ。誰もが黙って歩き続けりゃ、それこそ精神が腐ってくる。
「お前はどうなんだ。あのドラゴンの残骸見て、何を感じた?」
「……恐怖。あと、敬意。それと、少しだけ興奮」
「悪くねぇ。戦場で感情が死んじまった奴は、ただの死体だ。生きてる奴は、いつだって揺れる。その揺れをどう使うかで、勝敗は決まる」
「あなたは……揺れないんですか?」
「揺れるさ。戦場じゃ、誰だってガクブルだ。ただな、違うのは、それを他人に見せるかどうかだ。俺は見せねぇ。それだけの話だ」
「……それって、強さなんですか?」
「違ぇよ。弱さの裏返しだ。誰にも見せたくねぇ弱さを、隠し続けた結果が、こうなっただけだ」
レナは何か言いかけて、やめた。そういう選択、俺は評価する。安易に慰めの言葉を吐くくらいなら、黙ってろってのが俺のルールだ。
その時、視界の端に何かが揺れた。道路脇の草むら、ただの風じゃねぇ。重みがある。獣か、それとも……
「動くな。レナ、しゃがめ」
「また……敵ですか?」
「そうだな。俺の第六感が言ってる。“野郎が潜んでやがる”ってな」
俺はゆっくりと腰を落とし、片膝をついてジャッジメントを構えた。右手でスライドを少し引き、薬室に一発、ドラゴン弾を確認。よし、戦える。
「……出てこい。出てこねぇなら、このまま草ごと焼き払うぞ?」
沈黙。だが確実に、そこに何かがいる。なら、こっちから迎えに行ってやるしかねぇ。トリガーに指をかけた瞬間――
「待て待て! 撃つな! 民間人だ!」
草むらから飛び出してきたのは、ボロ布をまとった痩せた男。髪は藁みてぇに汚れてて、目の焦点も定まってねぇ。が、武器は持ってねぇ。つーか、持てるような体じゃねぇ。栄養失調か、毒か、魔力枯渇か。どれにしても、まともじゃねぇ。
「……あんた、誰だ? なんでこんなとこに隠れてやがる?」
「追われてた……あ、あいつらに……!」
「“あいつら”? 誰だ?」
「村の方角から来た……黒いマントの集団……兵士じゃねぇ、盗賊か、いや、魔物……もう、わかんねぇ……」
混乱してやがる。だが、キーワードは拾えた。黒マント、村襲撃、非人間的な動き、ってとこか。
「レナ。近くに村があるのか?」
「……はい。ここから南東に少し入った場所に、リンガル村って集落があったはずです。試験地図にも載ってました。小規模ですが……」
「ふぅん。そこの村で何かあったってわけか」
「向かいますか?」
「当然だろ。“戦いの匂い”がする。そいつは、今の俺にとっちゃ最高の案内人ってわけだ」
「……人が死んでるかもしれませんよ?」
「それがどうした。俺が生きてる限り、誰が死のうと関係ねぇ。だが、俺の“獲物”がそこにいるってんなら、話は別だ」
レナは顔をしかめたが、それ以上何も言わなかった。根は優しいんだろうが、今の俺にそんな倫理観は必要ねぇ。
「よし、おい。お前はここで寝てろ。死にたくなけりゃ動くな。下手に動けば、二発目は警告じゃ済まねぇからな」
「わ、わかった……わかりました……!」
男を置いて、俺たちは南東へと向かった。街道を外れ、森の枝道を進む。草の背丈が高くなり、空が見えなくなってくると、次第に空気が濃くなる。重い、どす黒い、鉄と血の匂いが混ざった空気。これは――戦場の匂いだ。
「レナ。前方、煙が見える。村は近いな」
「はい。……でも、あの煙、ただの焚き火じゃない。建物が燃えてる……!」
「ようやく“お出迎え”か。俺の拳銃も退屈してたところだ。今からショータイムだ。拍手の準備はいいか?」
「ふざけてる場合じゃ――!」
「ふざけちゃいねぇよ。俺はいつだって真剣さ。命懸けのジョークってのは、笑えねぇからこそ面白ぇんだ」
森を抜けた瞬間、視界に広がったのは地獄絵図だった。瓦礫と化した家屋、倒れた村人の死体、焼け焦げた畑、泣き叫ぶ女と子供、そいつらを囲んでるのは……人型の影。だが、どいつもこいつも顔がなかった。まるで仮面を被ってるような無表情、黒ずんだ肌、赤く光る目。
「……人間じゃねぇな。アンデッドか? いや、“変異種”ってとこか」
「な、何を……あの人たちは、生きて……?」
「“人”だったってだけだ。今はもう、ただの敵だ。情けをかける暇があるなら、引き金を引け。……そういう世界なんだろ、ここは?」
ジャッジメントを構える。ターゲットは八体。目の前で村人を取り囲んで、何かを呟いてやがる。
「詠唱……? いや、違ぇな。呪詛か。発動前に全部潰す」
「ま、待って、どうする気――!」
「問答無用だ」
俺は走った。草を蹴飛ばし、瓦礫を飛び越え、一直線に奴らの群れへ突っ込む。レナの声はもう聞こえねぇ。耳の中で鳴ってるのは、血の音と、引き金にかけた指の震えだけだ。
「弾道視覚、起動。射線、クリア」
一体目、脳天。バン。
二体目、心臓。バン。
三体目、足を撃って崩れさせ、頭を踏み潰す。
「次、次、次ィッ!」
四体目、距離三メートル、跳躍から空中射撃。喉元貫通。
五体目、斜め後ろ、レナが狙われてた。スライディングで割り込み、至近距離で腹に五連発。
「こっちは女を守る趣味があるんでな、覚えて帰れ」
残り三体。俺を中心に囲む形でじりじり詰めてくる。だが、そいつらが間抜けなのは、戦場で包囲に意味があるのは“数”が勝ってるときだけってことを知らねぇってことだ。
「グレネード、投擲」
腰のグレネードを引き抜き、ピンを抜いてから、真上に向けて放る。視線が一瞬上を向いた。その隙だ。
「お前らの欠点は、想像力の欠如だな。銃だけが武器じゃねぇ」
俺は奴らの足元にあった燃えかけの木材を蹴り飛ばし、煙で視界を奪いながらそのまま距離を詰め、グレネードが爆ぜたタイミングで二体の胸を撃ち抜いた。
最後の一体は俺の存在に気付き、詠唱を始めた。
「遅ぇんだよ!」
足元にあった石を掴み、そのまま顔面に叩きつける。ぐしゃっと潰れる音が耳に心地よく響いた。続けざまに拳銃でトドメを一発。
「終了。全員、キルコンファーム完了だ」
煙の中、レナが駆け寄ってくるのが見えた。その顔に浮かんでるのは、恐怖でも敬意でもなく――ただの、言葉にできねぇ表情だった。何かがぶっ壊れたような、でも見惚れてるような。
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