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第29話 オペレーション・デフラグ
作戦決行は、月も隠れる真夜中だった。
古い修道院は深い静寂と闇に包まれている。しかしその地下では、この国の裏経済を牛耳る莫大な富が眠っているはずだ。レオン様率いる五十名の騎士団精鋭部隊は、音もなく修道院を包囲していく。
私は王宮の作戦室で、魔法の水晶に映し出された修道院の俯瞰映像をじっと見つめていた。私の隣には皇帝アルベルト陛下が腕を組み、静かに戦況を見守っている。その金の瞳は揺らぐことなく、ただ前だけを見据えていた。
「ミカ、準備はいいか」
「はい、陛下。いつでも」
私は目を閉じ、スキルを最大限に集中させた。私の意識は王宮の肉体を離れ、遠く離れた修道院の地下深くへと潜っていく。石造りの壁、分厚い扉、複雑な地下通路。その全てが私の頭の中に、完璧な三次元の設計図として再構築されていった。
(……すごい。地下は思った以上に広大だわ。まるで蟻の巣みたい)
そして私は見つけた。地下五階層。その最深部に厳重な魔法の結界で守られた、巨大な鋼鉄の扉。間違いない。あれがアッシュフォード家の金庫だ。
しかし同時に私は、いくつかの不審な点にも気づいていた。
「レオン様、聞こえますか」
私は魔法の通信機を使い、現場のレオン様と意識を繋ぐ。
『ああ、はっきり聞こえるぞ、ミカ』
彼の冷静な声が、頭の中に響いた。その声だけで、現場の士気の高さが伝わってくる。
「突入前に警告します。地下通路には無数の罠が仕掛けられています。物理的な落とし穴や毒矢だけではありません。騎士団の魔力に反応して発動する魔法の罠も多数確認できます」
『……なるほど。さすがは影の一族、か。用意周到だな』
「はい。ですがご安心を。全ての罠の位置と種類は特定済みです。私がリアルタイムでナビゲートします。絶対に罠にはかからせません」
『頼りにしている』
レオン様の合図と共に、騎士たちが一斉に修道院の地下へと突入した。私の頭の中の設計図と、水晶に映る彼らの動きが完全にシンクロする。
「レオン様! 次の角を右です。左の壁に感圧式の罠があります。壁から一メートル以上離れて進んでください」
『了解した! 全員、壁から離れろ!』
「三番隊、止まれ。その先の床の色が違う部分。あれは幻影魔法です。実際には深い落とし穴になっています。右手の壁沿いを進んでください」
私の的確な指示で、騎士たちはまるで未来を予知しているかのように、次々と巧妙な罠を回避していった。その光景は、まさに神業だった。
(……順調すぎる)
しかし私は、一抹の不安を感じていた。罠は巧妙だ。だが、あまりにも教科書通りすぎる。まるで、こちらが罠を見破ることを前提に配置されているかのようだ。これは、ただの時間稼ぎなのではないか。本当の狙いは、別にあるのでは……。
私の不安が的中したのは、騎士たちが地下三階層まで到達した時だった。
「――ミカ! どういうことだ!」
レオン様の焦った声が響いた。
「通路が消えた。壁になっている!」
「なんですって!?」
私の頭の中の設計図では、そこは確かに通路のはずだった。しかし水晶に映る映像では、騎士たちの目の前は分厚い石の壁で塞がれている。
(……やられた! この修道院そのものが、巨大な可変式のダンジョンだったんだわ!)
敵は、こちらの侵入を感知した瞬間、地下の構造を魔法で変化させたのだ。私の持っている設計図は、もう古いバージョンの役立たずのデータになってしまった。
「くそっ! これでは進めない!」
レオン様が壁を殴りつけた。彼の冷静さが、初めて揺らいでいる。
「落ち着いてください、レオン様。もう一度、全区画を再スキャンします。数分だけ時間をください」
私は再び意識を集中させる。しかし今度は、先ほどとは訳が違った。敵はこちらのスキャンを妨害するため、強力なジャミング魔法を展開し始めたのだ。情報のノイズが嵐のように吹き荒れ、頭が割れるように痛い。意味のない文字列の羅列が、私の脳を焼き切ろうと襲いかかってくる。
「ミカ! 無理をするな!」
私の苦痛を察したのか、陛下が私の肩を強く掴んだ。
「君に何かあれば、作戦などどうでもいい!」
その必死な声。彼の体温が、私の意識をかろうじて繋ぎとめてくれる。しかし、私はここで諦めるわけにはいかなかった。レオンたちが危険なダンジョンのど真ん中に取り残されているのだ。
(負けるもんか。私の『整理整頓』を、なめるな)
私は歯を食いしばり、スキルの出力を最大にまで引き上げた。ノイズの向こう側にある真実の構造を、無理やりこじ開けるように解析していく。それは混沌とした情報の海の中から、たった一つの意味のあるデータを探し出す、壮絶な戦いだった。
そして。
「……見つけました」
私は血の味がする口の中で、呟いた。
「敵のコントロールルームの場所を。そして、そこへ至る隠し通路を」
敵はダンジョンの構造を変化させることに集中するあまり、自分たちの司令室の防御が手薄になっていたのだ。灯台下暗し。私は新しいルートをレオン様に伝えた。騎士たちは私のナビゲートを信じ、迷わず隠し通路へと進んでいく。
そして、ついに彼らは鋼鉄の巨大な扉の前にたどり着いた。アッシュフォード家の影の金庫。そして、おそらくこのダンジョンの中枢でもある場所だ。
「……ミカ。ここまで導いてくれて、感謝する」
レオン様の声が聞こえる。その声には、疲労の色と、そして揺るぎない決意が滲んでいた。
「ここからは、俺たちの仕事だ」
「レオン様……」
「必ず生きて帰る。そして君に改めて礼を言わせてくれ」
その言葉を最後に、通信が途切れた。おそらく扉の強力な結界が、魔法の通信を遮断したのだろう。
作戦室に、重い沈黙が落ちる。水晶には、ただ固く閉ざされた鋼鉄の扉が映っているだけだ。この先で何が起こっているのか、もう私には知る術がない。
「……信じよう、ミカ」
陛下が私の震える肩を優しく抱いた。
「レオンと、我らが騎士団を。そして、君が繋いだ希望を」
その温かい胸の中で、私はただひたすらに祈ることしかできなかった。
どうか、皆、無事でいて。そしてレオン様、あなたのその言葉、ちゃんと直接聞かせてくださいね、と。
古い修道院は深い静寂と闇に包まれている。しかしその地下では、この国の裏経済を牛耳る莫大な富が眠っているはずだ。レオン様率いる五十名の騎士団精鋭部隊は、音もなく修道院を包囲していく。
私は王宮の作戦室で、魔法の水晶に映し出された修道院の俯瞰映像をじっと見つめていた。私の隣には皇帝アルベルト陛下が腕を組み、静かに戦況を見守っている。その金の瞳は揺らぐことなく、ただ前だけを見据えていた。
「ミカ、準備はいいか」
「はい、陛下。いつでも」
私は目を閉じ、スキルを最大限に集中させた。私の意識は王宮の肉体を離れ、遠く離れた修道院の地下深くへと潜っていく。石造りの壁、分厚い扉、複雑な地下通路。その全てが私の頭の中に、完璧な三次元の設計図として再構築されていった。
(……すごい。地下は思った以上に広大だわ。まるで蟻の巣みたい)
そして私は見つけた。地下五階層。その最深部に厳重な魔法の結界で守られた、巨大な鋼鉄の扉。間違いない。あれがアッシュフォード家の金庫だ。
しかし同時に私は、いくつかの不審な点にも気づいていた。
「レオン様、聞こえますか」
私は魔法の通信機を使い、現場のレオン様と意識を繋ぐ。
『ああ、はっきり聞こえるぞ、ミカ』
彼の冷静な声が、頭の中に響いた。その声だけで、現場の士気の高さが伝わってくる。
「突入前に警告します。地下通路には無数の罠が仕掛けられています。物理的な落とし穴や毒矢だけではありません。騎士団の魔力に反応して発動する魔法の罠も多数確認できます」
『……なるほど。さすがは影の一族、か。用意周到だな』
「はい。ですがご安心を。全ての罠の位置と種類は特定済みです。私がリアルタイムでナビゲートします。絶対に罠にはかからせません」
『頼りにしている』
レオン様の合図と共に、騎士たちが一斉に修道院の地下へと突入した。私の頭の中の設計図と、水晶に映る彼らの動きが完全にシンクロする。
「レオン様! 次の角を右です。左の壁に感圧式の罠があります。壁から一メートル以上離れて進んでください」
『了解した! 全員、壁から離れろ!』
「三番隊、止まれ。その先の床の色が違う部分。あれは幻影魔法です。実際には深い落とし穴になっています。右手の壁沿いを進んでください」
私の的確な指示で、騎士たちはまるで未来を予知しているかのように、次々と巧妙な罠を回避していった。その光景は、まさに神業だった。
(……順調すぎる)
しかし私は、一抹の不安を感じていた。罠は巧妙だ。だが、あまりにも教科書通りすぎる。まるで、こちらが罠を見破ることを前提に配置されているかのようだ。これは、ただの時間稼ぎなのではないか。本当の狙いは、別にあるのでは……。
私の不安が的中したのは、騎士たちが地下三階層まで到達した時だった。
「――ミカ! どういうことだ!」
レオン様の焦った声が響いた。
「通路が消えた。壁になっている!」
「なんですって!?」
私の頭の中の設計図では、そこは確かに通路のはずだった。しかし水晶に映る映像では、騎士たちの目の前は分厚い石の壁で塞がれている。
(……やられた! この修道院そのものが、巨大な可変式のダンジョンだったんだわ!)
敵は、こちらの侵入を感知した瞬間、地下の構造を魔法で変化させたのだ。私の持っている設計図は、もう古いバージョンの役立たずのデータになってしまった。
「くそっ! これでは進めない!」
レオン様が壁を殴りつけた。彼の冷静さが、初めて揺らいでいる。
「落ち着いてください、レオン様。もう一度、全区画を再スキャンします。数分だけ時間をください」
私は再び意識を集中させる。しかし今度は、先ほどとは訳が違った。敵はこちらのスキャンを妨害するため、強力なジャミング魔法を展開し始めたのだ。情報のノイズが嵐のように吹き荒れ、頭が割れるように痛い。意味のない文字列の羅列が、私の脳を焼き切ろうと襲いかかってくる。
「ミカ! 無理をするな!」
私の苦痛を察したのか、陛下が私の肩を強く掴んだ。
「君に何かあれば、作戦などどうでもいい!」
その必死な声。彼の体温が、私の意識をかろうじて繋ぎとめてくれる。しかし、私はここで諦めるわけにはいかなかった。レオンたちが危険なダンジョンのど真ん中に取り残されているのだ。
(負けるもんか。私の『整理整頓』を、なめるな)
私は歯を食いしばり、スキルの出力を最大にまで引き上げた。ノイズの向こう側にある真実の構造を、無理やりこじ開けるように解析していく。それは混沌とした情報の海の中から、たった一つの意味のあるデータを探し出す、壮絶な戦いだった。
そして。
「……見つけました」
私は血の味がする口の中で、呟いた。
「敵のコントロールルームの場所を。そして、そこへ至る隠し通路を」
敵はダンジョンの構造を変化させることに集中するあまり、自分たちの司令室の防御が手薄になっていたのだ。灯台下暗し。私は新しいルートをレオン様に伝えた。騎士たちは私のナビゲートを信じ、迷わず隠し通路へと進んでいく。
そして、ついに彼らは鋼鉄の巨大な扉の前にたどり着いた。アッシュフォード家の影の金庫。そして、おそらくこのダンジョンの中枢でもある場所だ。
「……ミカ。ここまで導いてくれて、感謝する」
レオン様の声が聞こえる。その声には、疲労の色と、そして揺るぎない決意が滲んでいた。
「ここからは、俺たちの仕事だ」
「レオン様……」
「必ず生きて帰る。そして君に改めて礼を言わせてくれ」
その言葉を最後に、通信が途切れた。おそらく扉の強力な結界が、魔法の通信を遮断したのだろう。
作戦室に、重い沈黙が落ちる。水晶には、ただ固く閉ざされた鋼鉄の扉が映っているだけだ。この先で何が起こっているのか、もう私には知る術がない。
「……信じよう、ミカ」
陛下が私の震える肩を優しく抱いた。
「レオンと、我らが騎士団を。そして、君が繋いだ希望を」
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