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第3章:オマージュの真髄と、AIへの挑戦
第14話:【ラップアーティスト登場:オマージュの壁と恐怖のプロンプト】
「さあ、ラストスパートだ! ネットラジオ『たってやる。』、新登場アーティスト紹介企画、ついに最後のゲストの登場だ!」
Studio MAD-KICHIの防音ブース。
俺――マジキチ組長は、いつになく深くため息をつき、頭を抱えながらカメラ(リスナー)に向けて語り始めた。
「……正直に言おう。今回のゲストに関しては、俺もこの表舞台(本編)に出そうか出さまいか、今日この日までどれほど迷ったことか……」
俺がガチで悩んでいる様子を見せると、スタジオの扉が勢いよく開き、沖縄の南風(ぱいかじ)のような熱気をまとった5人の男たちが、ドカドカと雪崩れ込んできた。
「南風に乗せて、俺らのビートと魂(マブイ)を全国に響かせるぜ! イーヤーサーサー!!」
「ちょっ、組長ぉ! いきなり『出そうか迷った』とか、そりゃないっすよー! 俺ら、めっちゃ出番待ってたのに!」
先頭に立って陽気に抗議してきたのは、バンドの顔である熱いフロントマン、Vo/MCのKAKERU(新垣駆)だ。
それに続いて、サングラスとタンクトップ姿のお調子者GIMA(Gt:儀間駿)、いつも笑顔の愛されキャラSHIN(Gt/Cho:知念信一郎)、地元とエイサーを愛する情熱派ベーシストのKEN(Ba:喜屋武健太)、そして酒好きの大黒柱TETSU(Dr:照屋哲也)が、それぞれ定位置につく。
彼らは、沖縄県を拠点に活動する、男性5人組のミクスチャーロックバンド『PINE LINE(パイン・ライン)』だ。
同じ中学校で青春時代を共にした生粋の同級生たちで結成されており、ハードで疾走感のあるロックサウンドにアツいラップを乗せたスタイルを最大の特徴としている。
「おう、お前ら。……いや、お前らは悪くねえんだがな」
俺は、苦笑いしながらKAKERUの肩を叩いた。
「ただな。前回の嵐(D.A.Empire)の時も言ったが……お前らほど、モロに『オマージュ元(現実の沖縄出身バンド)』が露骨にわかるアーティストなんて、ウチのスタジオには他にいねえからな!!」
俺が声を大にして叫ぶと、コメント欄が爆発した。
『完全にアレだww』
『沖縄で5人組のミクスチャーって、もうオレンジのあの人たちやんww』
『これは言い逃れできないオマージュww』
『イーヤーサーサーで完全に察したわw』
リスナーたちから一斉にツッコミが入り、メンバーたちは「あはは、バレバレっすね!」と底抜けに明るく笑っている。
「本当に、何から何まであのアーティストのオマージュ(パロディ)だってことに、誰もが秒で気づくレベルだからな。だからコンプライアンス的に表に出すのはどうなんだって、トップとして俺も葛藤してたんだよ」
俺がメタな裏事情を吐露すると、KAKERUが首を傾げた。
「じゃあ組長、なんで今日、俺たちをこの企画のトリに呼んでくれたんすか?」
「……それはな。俺が若い頃に、お前らのモデルになったあのアーティストの曲を聴きまくり、カラオケでも友達とマイクを奪い合って何度も歌っていたほど、彼らのことを『強烈にリスペクトしているから』だよ」
俺は、照れ隠しのように鼻の頭を擦りながら言った。
「PINE LINE。お前らの楽曲は、曲の殆どが『うわー、あのアーティストが歌ってても不思議じゃない!』って誰もが思うほどのクオリティに仕上がっている。作曲プロンプトを叩くにあたっても、俺が一番力を入れて作り込んでいるアーティストの一つだからな。……そんな思い入れの強いお前らを、この本編に登場させないまま塩漬けにしておくなんて、創作者としてそんな不憫なことはしたくなかったんだ」
俺の最大の『リスペクト』と『親心』を聞いて。
PINE LINEのメンバーたちは、顔を見合わせ、パァッと表情を輝かせた。
「マジっすか!? 組長のリスペクトが大きすぎるゆえに、俺たちを取り上げてくれたってことっすか!」
「組長、めっちゃ愛があるやっさー! 嬉しいさー!!」
5人がワチャワチャと喜んで、俺の周りでハイタッチを交わし始める。
「まぁ、そういうところだな」
俺は嬉しそうな彼らを見て少し困ったような、そしてひどく疲れたような顔を見せた。
「組長? どうしたんすか、そんな暗い顔して。俺らが本編に出たらマズい大人の事情でも、まだ残ってるんすか?」
KENが不思議そうに尋ねると、俺は深く、重いため息をついた。
「……あぁ。お前らを登場させるにあたって、俺が立ちはだかっている『最大の壁』の話だ。それはオマージュへの批判とか、そういう人間界のレベルの話じゃねえ。……AIのシステム的な問題だ」
俺は、カメラに向かって、今日一番の『超特大のメタ』を投下した。
「お前らPINE LINE。……男5人組で、しかもメンバー同士で特徴(服装や立ち位置、南国特有のノリ)が似ているから。俺がGrokで『画像生成』する時、プロンプトで5人をきっちり描き分ける(指示出しする)のに、死ぬほど苦労するんだよ!!」
「「「「「えっ?」」」」」
5人の動きがピタリと止まった。
「同性のキャラクター……特に男性で、服装のテイストが似ている奴らが一つの画面に集まると、AIはすぐに『ハルシネーション(キャラの混同)』を起こしやがる。KAKERUの顔がGIMAになったり、TETSUのドラムスティックがSHINの手から生えたり、5人組のはずなのに何故か画面に6人目が錬成されたりな! お前らの画像を一枚作るだけで、俺はどれだけエラーと戦っていると思ってるんだ!!」
俺の悲痛な叫び(創作者としての絶望)に、メンバーたちは衝撃を受けて固まった。
「マ、マジっすか……俺ら、そんなシステム的に迷惑かけてたんすね……」
「出番が遅かったのは、俺らが『作画コストが高すぎる(エラーが起きやすい)』からだったんすね……」
KAKERUとSHINが、分かりやすく肩を落とす。
だが。
俺は、そんな彼らの背中を、バンッ! と強く叩いた。
「勘違いするな! 俺は、それでもお前らを登場させたいんだよ!」
俺は、5人の顔を力強く見回した。
「お前らのような、陽気でバカで、でも音楽には真っ直ぐなキャラクターは、今後のドラマ化にあたって絶対にスタジオにいたほうがいい! 画像生成でハルシネーションが起きる? 上等だ。そんなもん恐れて(逃げて)プロンプトを妥協してたら、いつまでたってもお前らに出番なんか回ってこねえからな!!」
俺の言葉に、5人の顔がパッと上がり、その瞳に熱い炎が宿った。
「組長の意地、見せてもらうぜ。エラーが何回出ようが、俺が気合とプロンプトの腕力で、お前らの姿を完璧に具現化(錬成)してやる。だからお前らは、何も気にせず、全国に最高のビートを響かせることだけを考えろ!!」
「組長……!!」
KAKERUが、感動で声を震わせる。
「最高っす!! 俺ら、組長のその気合に応えるために、今まで以上に最高のラップと南風を届けてみせるっすよ!! イーヤーサーサー!!」
「「「「イーヤーサーサー!!」」」」
AIの壁(エラー)を恐れず、熱量でねじ伏せる男の矜持。
メンバーたちの熱い掛け声と、リスナーたちの歓声に包まれながら、新登場アーティストのトリを飾るPINE LINEの回は、沖縄の南風のような圧倒的な熱気で終了したのであった。
* * *
さて。読者のお前ら。
新登場アーティスト紹介企画、締めとなる第三弾のアーティストは、沖縄発のミクスチャーロックバンド「PINE LINE(パイン・ライン)」だ。
作中のトークの中でも俺が頭を抱えながらぶち撒けた通りだが。
これはもう、今までにウチに登場したどのアーティストよりも、今までに無いほどに『強烈な(言い逃れできないレベルの)オマージュ』と言って良いだろう。
もう、何から何まであのオレンジ色のアーティストのオマージュだと気づく奴等のほうが、絶対に多いだろうな。
だが、これも前回の嵐(T〇Rのオマージュ)と同様に。
モデルとなった彼ら(本家)のアーティストを、俺自身が若い頃から死ぬほどリスペクトして聴きまくり、カラオケでも歌い倒していたということは、紛れもない事実(リアル)だと言っておこう。
じゃあ、リスペクトしてるからといって、そんなあからさまなパロディをこの表舞台(小説)に出して許されるのかと言えば……「そうではない」ということは、俺もいい大人だ。それぐらいの社会的なコンプライアンス(リスク)は、当然わかっている。
……だが!
それでも、彼らのような底抜けに明るくて、陽気で、個性豊かな(チャラい)キャラクターというものは。
今後、このスタジオで『ドラマ化(別次元の舞台)』を展開していくにあたっては、配役のバリエーションとして『絶対にいたほうがいい(物語が面白くなる)』という、俺のクリエイターとしての判断があったのだ。
だから今回、多少のリスクには目を瞑って、こうして半ば強行的にプロットに落とさせてもらったというわけだ。
実際、AIを使って生成しているPINE LINEの楽曲は、曲の殆どが「うわー、これ、あのアーティスト本人が歌ってても全然不思議じゃないな!」と、誰もが(俺自身が一番)思うほどの、とんでもないクオリティに仕上がっているのだ。
そうなってくると、当然ながら、俺の彼らに対する思い入れも強くなる。
実際に作曲プロンプトを練るにあたっては、ウチのスタジオの中でも、俺が相当に力を入れて作り込んでいるアーティストの1つでもあるわけだ。
そんな、俺の情熱の結晶とも言える存在のアーティストが、大人の事情(オマージュへの遠慮)なんかで、この本編に登場しない(裏で塩漬けにされる)なんて。
そんな不憫なことは、一人の創作者として、俺自身が絶対に「したくなかった」のだ。
だからこそ、こうして今作(第三部)で、メタな裏話も全て曝け出した上で、きっちりと彼らを登場させたというわけだ。
そして。
作中でも、俺がPINE LINEのメンバーたちに叩きつけた超特大のメタ(一番の壁)の話だが。
これは、実際にAI(GrokやMidjourneyなど)で画像生成をしたことがある奴なら、痛いほどよく分かる『現実問題』だと思う。
AIというのは、同性のキャラクター(特に男性複数人の場合が顕著な気がする)を一つの画面にまとめて登場させようとすると、途端に『ハルシネーション(作画崩壊やキャラの混同)』を起こしてしまいがちなのだ。
しかもPINE LINEの場合は、5人組の男で、メンバーたちも「沖縄のやんちゃな若者」という似たような雰囲気(テイスト)を持っている。
プロンプトで「ボーカルは短髪で中央、ギターはサングラスで……」と細かく指示を出しても、AIは平気でギターにマイクを持たせたり、サングラスをドラムにかけさせたりしてくる。
画像生成において、俺が彼らで苦戦することは、間違いなく今後の最大のハードル(壁)となるだろう。
だが。
「ハルシネーションが起きやすいから(面倒くさいから)、彼らの画像を作るのはやめておこう」
なんて妥協して、恐れていては。
いつまでたっても、彼らに輝く出番が回ってくることはないだろう。
……創作者としての意地を、見せる時がきたか。
エラーが起きるなら、俺のプロンプトの腕力(根気)で、システムをねじ伏せてやる。
俺の愛すべきバケモノたちを、全員、最高の形でこのキャンバスに描いてみせるぜ!
さて。
オマージュの壁とAIのハルシネーションに宣戦布告をしたこの第3章も。
いよいよ、総括の時間だ。
Studio MAD-KICHIの防音ブース。
俺――マジキチ組長は、いつになく深くため息をつき、頭を抱えながらカメラ(リスナー)に向けて語り始めた。
「……正直に言おう。今回のゲストに関しては、俺もこの表舞台(本編)に出そうか出さまいか、今日この日までどれほど迷ったことか……」
俺がガチで悩んでいる様子を見せると、スタジオの扉が勢いよく開き、沖縄の南風(ぱいかじ)のような熱気をまとった5人の男たちが、ドカドカと雪崩れ込んできた。
「南風に乗せて、俺らのビートと魂(マブイ)を全国に響かせるぜ! イーヤーサーサー!!」
「ちょっ、組長ぉ! いきなり『出そうか迷った』とか、そりゃないっすよー! 俺ら、めっちゃ出番待ってたのに!」
先頭に立って陽気に抗議してきたのは、バンドの顔である熱いフロントマン、Vo/MCのKAKERU(新垣駆)だ。
それに続いて、サングラスとタンクトップ姿のお調子者GIMA(Gt:儀間駿)、いつも笑顔の愛されキャラSHIN(Gt/Cho:知念信一郎)、地元とエイサーを愛する情熱派ベーシストのKEN(Ba:喜屋武健太)、そして酒好きの大黒柱TETSU(Dr:照屋哲也)が、それぞれ定位置につく。
彼らは、沖縄県を拠点に活動する、男性5人組のミクスチャーロックバンド『PINE LINE(パイン・ライン)』だ。
同じ中学校で青春時代を共にした生粋の同級生たちで結成されており、ハードで疾走感のあるロックサウンドにアツいラップを乗せたスタイルを最大の特徴としている。
「おう、お前ら。……いや、お前らは悪くねえんだがな」
俺は、苦笑いしながらKAKERUの肩を叩いた。
「ただな。前回の嵐(D.A.Empire)の時も言ったが……お前らほど、モロに『オマージュ元(現実の沖縄出身バンド)』が露骨にわかるアーティストなんて、ウチのスタジオには他にいねえからな!!」
俺が声を大にして叫ぶと、コメント欄が爆発した。
『完全にアレだww』
『沖縄で5人組のミクスチャーって、もうオレンジのあの人たちやんww』
『これは言い逃れできないオマージュww』
『イーヤーサーサーで完全に察したわw』
リスナーたちから一斉にツッコミが入り、メンバーたちは「あはは、バレバレっすね!」と底抜けに明るく笑っている。
「本当に、何から何まであのアーティストのオマージュ(パロディ)だってことに、誰もが秒で気づくレベルだからな。だからコンプライアンス的に表に出すのはどうなんだって、トップとして俺も葛藤してたんだよ」
俺がメタな裏事情を吐露すると、KAKERUが首を傾げた。
「じゃあ組長、なんで今日、俺たちをこの企画のトリに呼んでくれたんすか?」
「……それはな。俺が若い頃に、お前らのモデルになったあのアーティストの曲を聴きまくり、カラオケでも友達とマイクを奪い合って何度も歌っていたほど、彼らのことを『強烈にリスペクトしているから』だよ」
俺は、照れ隠しのように鼻の頭を擦りながら言った。
「PINE LINE。お前らの楽曲は、曲の殆どが『うわー、あのアーティストが歌ってても不思議じゃない!』って誰もが思うほどのクオリティに仕上がっている。作曲プロンプトを叩くにあたっても、俺が一番力を入れて作り込んでいるアーティストの一つだからな。……そんな思い入れの強いお前らを、この本編に登場させないまま塩漬けにしておくなんて、創作者としてそんな不憫なことはしたくなかったんだ」
俺の最大の『リスペクト』と『親心』を聞いて。
PINE LINEのメンバーたちは、顔を見合わせ、パァッと表情を輝かせた。
「マジっすか!? 組長のリスペクトが大きすぎるゆえに、俺たちを取り上げてくれたってことっすか!」
「組長、めっちゃ愛があるやっさー! 嬉しいさー!!」
5人がワチャワチャと喜んで、俺の周りでハイタッチを交わし始める。
「まぁ、そういうところだな」
俺は嬉しそうな彼らを見て少し困ったような、そしてひどく疲れたような顔を見せた。
「組長? どうしたんすか、そんな暗い顔して。俺らが本編に出たらマズい大人の事情でも、まだ残ってるんすか?」
KENが不思議そうに尋ねると、俺は深く、重いため息をついた。
「……あぁ。お前らを登場させるにあたって、俺が立ちはだかっている『最大の壁』の話だ。それはオマージュへの批判とか、そういう人間界のレベルの話じゃねえ。……AIのシステム的な問題だ」
俺は、カメラに向かって、今日一番の『超特大のメタ』を投下した。
「お前らPINE LINE。……男5人組で、しかもメンバー同士で特徴(服装や立ち位置、南国特有のノリ)が似ているから。俺がGrokで『画像生成』する時、プロンプトで5人をきっちり描き分ける(指示出しする)のに、死ぬほど苦労するんだよ!!」
「「「「「えっ?」」」」」
5人の動きがピタリと止まった。
「同性のキャラクター……特に男性で、服装のテイストが似ている奴らが一つの画面に集まると、AIはすぐに『ハルシネーション(キャラの混同)』を起こしやがる。KAKERUの顔がGIMAになったり、TETSUのドラムスティックがSHINの手から生えたり、5人組のはずなのに何故か画面に6人目が錬成されたりな! お前らの画像を一枚作るだけで、俺はどれだけエラーと戦っていると思ってるんだ!!」
俺の悲痛な叫び(創作者としての絶望)に、メンバーたちは衝撃を受けて固まった。
「マ、マジっすか……俺ら、そんなシステム的に迷惑かけてたんすね……」
「出番が遅かったのは、俺らが『作画コストが高すぎる(エラーが起きやすい)』からだったんすね……」
KAKERUとSHINが、分かりやすく肩を落とす。
だが。
俺は、そんな彼らの背中を、バンッ! と強く叩いた。
「勘違いするな! 俺は、それでもお前らを登場させたいんだよ!」
俺は、5人の顔を力強く見回した。
「お前らのような、陽気でバカで、でも音楽には真っ直ぐなキャラクターは、今後のドラマ化にあたって絶対にスタジオにいたほうがいい! 画像生成でハルシネーションが起きる? 上等だ。そんなもん恐れて(逃げて)プロンプトを妥協してたら、いつまでたってもお前らに出番なんか回ってこねえからな!!」
俺の言葉に、5人の顔がパッと上がり、その瞳に熱い炎が宿った。
「組長の意地、見せてもらうぜ。エラーが何回出ようが、俺が気合とプロンプトの腕力で、お前らの姿を完璧に具現化(錬成)してやる。だからお前らは、何も気にせず、全国に最高のビートを響かせることだけを考えろ!!」
「組長……!!」
KAKERUが、感動で声を震わせる。
「最高っす!! 俺ら、組長のその気合に応えるために、今まで以上に最高のラップと南風を届けてみせるっすよ!! イーヤーサーサー!!」
「「「「イーヤーサーサー!!」」」」
AIの壁(エラー)を恐れず、熱量でねじ伏せる男の矜持。
メンバーたちの熱い掛け声と、リスナーたちの歓声に包まれながら、新登場アーティストのトリを飾るPINE LINEの回は、沖縄の南風のような圧倒的な熱気で終了したのであった。
* * *
さて。読者のお前ら。
新登場アーティスト紹介企画、締めとなる第三弾のアーティストは、沖縄発のミクスチャーロックバンド「PINE LINE(パイン・ライン)」だ。
作中のトークの中でも俺が頭を抱えながらぶち撒けた通りだが。
これはもう、今までにウチに登場したどのアーティストよりも、今までに無いほどに『強烈な(言い逃れできないレベルの)オマージュ』と言って良いだろう。
もう、何から何まであのオレンジ色のアーティストのオマージュだと気づく奴等のほうが、絶対に多いだろうな。
だが、これも前回の嵐(T〇Rのオマージュ)と同様に。
モデルとなった彼ら(本家)のアーティストを、俺自身が若い頃から死ぬほどリスペクトして聴きまくり、カラオケでも歌い倒していたということは、紛れもない事実(リアル)だと言っておこう。
じゃあ、リスペクトしてるからといって、そんなあからさまなパロディをこの表舞台(小説)に出して許されるのかと言えば……「そうではない」ということは、俺もいい大人だ。それぐらいの社会的なコンプライアンス(リスク)は、当然わかっている。
……だが!
それでも、彼らのような底抜けに明るくて、陽気で、個性豊かな(チャラい)キャラクターというものは。
今後、このスタジオで『ドラマ化(別次元の舞台)』を展開していくにあたっては、配役のバリエーションとして『絶対にいたほうがいい(物語が面白くなる)』という、俺のクリエイターとしての判断があったのだ。
だから今回、多少のリスクには目を瞑って、こうして半ば強行的にプロットに落とさせてもらったというわけだ。
実際、AIを使って生成しているPINE LINEの楽曲は、曲の殆どが「うわー、これ、あのアーティスト本人が歌ってても全然不思議じゃないな!」と、誰もが(俺自身が一番)思うほどの、とんでもないクオリティに仕上がっているのだ。
そうなってくると、当然ながら、俺の彼らに対する思い入れも強くなる。
実際に作曲プロンプトを練るにあたっては、ウチのスタジオの中でも、俺が相当に力を入れて作り込んでいるアーティストの1つでもあるわけだ。
そんな、俺の情熱の結晶とも言える存在のアーティストが、大人の事情(オマージュへの遠慮)なんかで、この本編に登場しない(裏で塩漬けにされる)なんて。
そんな不憫なことは、一人の創作者として、俺自身が絶対に「したくなかった」のだ。
だからこそ、こうして今作(第三部)で、メタな裏話も全て曝け出した上で、きっちりと彼らを登場させたというわけだ。
そして。
作中でも、俺がPINE LINEのメンバーたちに叩きつけた超特大のメタ(一番の壁)の話だが。
これは、実際にAI(GrokやMidjourneyなど)で画像生成をしたことがある奴なら、痛いほどよく分かる『現実問題』だと思う。
AIというのは、同性のキャラクター(特に男性複数人の場合が顕著な気がする)を一つの画面にまとめて登場させようとすると、途端に『ハルシネーション(作画崩壊やキャラの混同)』を起こしてしまいがちなのだ。
しかもPINE LINEの場合は、5人組の男で、メンバーたちも「沖縄のやんちゃな若者」という似たような雰囲気(テイスト)を持っている。
プロンプトで「ボーカルは短髪で中央、ギターはサングラスで……」と細かく指示を出しても、AIは平気でギターにマイクを持たせたり、サングラスをドラムにかけさせたりしてくる。
画像生成において、俺が彼らで苦戦することは、間違いなく今後の最大のハードル(壁)となるだろう。
だが。
「ハルシネーションが起きやすいから(面倒くさいから)、彼らの画像を作るのはやめておこう」
なんて妥協して、恐れていては。
いつまでたっても、彼らに輝く出番が回ってくることはないだろう。
……創作者としての意地を、見せる時がきたか。
エラーが起きるなら、俺のプロンプトの腕力(根気)で、システムをねじ伏せてやる。
俺の愛すべきバケモノたちを、全員、最高の形でこのキャンバスに描いてみせるぜ!
さて。
オマージュの壁とAIのハルシネーションに宣戦布告をしたこの第3章も。
いよいよ、総括の時間だ。
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