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19.獲物と生餌
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アンリ・オランジュ男爵ははっきり言って愚か者だ。
武芸と勇猛さにおいて若い頃は抜きんでていたが、中年になった今は爵位を鼻にかけ鍛錬をやめた肥えた愚鈍な男に成り下がった。
領地の経営は王家から派遣した間諜を兼ねた使用人に任せきりで、自ら経営に手を出さないどころか学ぼうとしない。息子のシーア・オランジュが王立学園で文官科と経営科で学んだからこそ、なんとか生活の資金を賄えている。また、嫁いだ娘シルヴィアからの援助もある。
しかし愚かな故に、彼に接触する反女王派の末端を把握しやすかった。そこから辿って現在の主要貴族の目星はついている。
また、神殿で稀人達の衣装や小物を調える時に呼んだ商会との繋がりからも洗い出していた。
神殿で稀人召喚を唆した神官もだ。アデルという若い神官だった。
今までオランジュ男爵の目立つが杜撰な言動で隠されていた一派の目星をつけることができたのは、今般の召喚事件のお陰だ。
召喚を行った神官達は、まさに憑き物が落ちたように心底悔いていたので、取り調べはするすると進んだ。
神官達は、彼らを唆した貴族達の目的を知ると震えあがった。
成人になっても神殿に残り神に仕えることを選んだ神官の多くは、神学をはじめとする学問に没頭したい者がほとんどで、俗世の欲に免疫がない。
そんな彼らが召喚の儀を行った目的は、ただひとつ。
聖女不在の神殿の不完全さを強く説かれたからだった。
炙り出した女王反対派の過激な有力貴族は、シラニー公爵とジルダイン伯爵の他にイズハン侯爵、ガイゼン侯爵、センダール伯爵、シラウン伯爵、ジシア子爵。
稀人召喚の発表もしていないのに面会を求めてきた者の一部だ。
他の貴族達はザイディー曰く「うまく使われている感じだった」
「利権に目がくらんだ欲が隠しきれていなかった」とダイル。「稀人に気に入られれば近いうちに重鎮になれるとか、金もうけができるとか思いこんでいるのが見え見えだった」
五人は神官達の証言からも、商会との繋がりとも矛盾しない。シラニー公爵とジルダイン伯爵は裏で資金を援助したり、指示を出したりしながら巧妙に身を隠しているらしい。
あとは、それらの貴族をいかに、どの稀人にぶつけるかだ。
ジウン達がぐったりしながら選択したのは、以下四人だ。
マイ、アカリ、レイ、シノブ。
ミサも入るだろうと思っていたが
「あんなバカ丸出しを表に出させるか」とジウンが吐き捨てた。
他のヒロイン達には庭園の散歩を許可し、偶然を装って攻略対象五人に会わせた。ラン以外の稀人達は、わたくしが「絶対に会わせない」と言ったはずの攻略対象との邂逅に有頂天になったらしい。
ランは怯えて逃げ去ったという。後で謝罪しなければ。だから「誰とも結婚しない」などと言ったのかもしれない。
「しかし、シラウン伯爵はミサと会いたがっていた」ジリアンが眉を顰める。
「いやいや、あの娘は誰にも会わせてはいかんだろう」眉間に皺を寄せたエグゼルが続ける。
「下品で破廉恥な言動をするのに、無邪気さを装ってて気味が悪い。ニヤつきながら同情を引こうとしていた」とジウン。
「ベタベタ触ってきて、引きはがそうとしたらわざとらしく転んだ」ダイルが首を振る。
「あの上目遣いの瞬きはゾッとしたな」ザイディーの言葉に全員がうんうんと頷く。
「妙に甘ったるい声も気味が悪かった」とエグゼル。
「シジア伯爵に限っては、ミサを自分のものにしたいよう口ぶりだったがな。その辺を利用して揺さぶれないか?」ジウンが提案する。
「ミサは中年には興味はないだろう。ジリアンによろけたふりで抱き着いてニヤついていたよ」ザイディーが人の悪い笑顔で言う。ジリアンは心底嫌そうな顔をする。
このままではミサの悪口大会になりそうなので、話を強引に進めたい。
「みなさんいいお年ですし、利権と令息の妻に迎えたい意向がありそうですね。なにしろ聖女は一人いればいいのですから、残った方を令息と婚姻させれば王家からなんらかの恩恵が与えられるか、または昔のように背徳の遊びができると思っていらっしゃるような口ぶりでした」
「シャイロ、わかっているか?」ジウンが厳しい声で詰め寄る。
「七人のうち誰かが聖女の座に就く。そして女王戴冠を廃止にする。そのためには、シャイロを亡き者にする必要があるということを」
妹に甘い兄達は第三の計画に真っ向反対している。
「でもね、兄上?そうしないと何も進まないのですよ?」
「何をするかわからんことをどう防ぐのだ?」ダイルがうめく。
「我が王家の"影"の腕の見せ所でしょうね」落ち着いたサイディーの言い分はわたくしを代弁してくれている。
「あなたの身は私が守ります」
わたくしはザイディーを見て微笑んだ。
ここでわたくしはランから聞いた『エルダー王国の花聖女と十二人の守護者』のおおまかな内容を説明した。
「聞けば聞くほどあり得ませんね」
ジリアンが厳しい顔で言う。
「学園で恋愛沙汰を起こすなんて前代未聞です」
エグゼルが首を振る。
「しかも王族相手や婚約者がいる相手に?正気か?」
ダイルがあきれ果てたように言う。
「恋愛は遊びじゃありませんよ」
この冬に結婚予定のエグゼルにとっては嫌な話なのだろう。
「何年も親交を深めた相手を、たった一年くらいで捨てる男も大概だな」
ジウン兄上、それは『ハナシュゴ』のあなたもですよ。
「わたくしは"金に汚いケチ王女"だそうです」
みんなどっと笑う。ひどい。
「女王反対派はそう思っているかもな」
ダイル兄上、ひどいです。
ふくれっつらをしてしまったわたくしをなだめるようにザイディーがわたくしの手に自分の手を優しく重ねる。
「女王反対派は中央政権から外されていますし、収支報告書をまともに読まずに増税と援助を求めていますからね。領地を健全に運営できずに売却した家も多いですし、中央から監査が入って指導措置や一時没収された家もありますから」
逆恨みもいいところだ。
「しかし」
ダイルがわたくしを見て微笑む。
「シャイロが感情をあからさまに出すようになったのは嬉しいな」
ジウンも頷く。
「学園生活で少しは年相応になるかと思ったが、ますます堅苦しい無表情になって、このままではザイディーに愛想をつかされるかと思ったよ」
重ねられたザイディーの手に力がこもって、軽く握られる。
「ここ数年は、行く必要もない学園に時間をとられるのが辛かったですか?」
わたくしの顔を覗き込むザイディーに頬が熱くなるのを感じる。
「私は頼ってくれないのが辛かったですよ?学園以外の時間は政務室に籠りきりで。少しだけこの事件に感謝してしまいそうです」
「わたくし、結婚までに色々片付けておきたくて…」
思わず言い訳に力が入る。
ジウンが笑って手を振る。
「今は女王反対派を潰すことに全力を振り切ろう。いくつかの爵位を取り潰す分、後が色々やりやすくなるだろうから」
そうなのだ。何をしようにも反対派に焚きつけられた勢力の横槍が邪魔だったのだ。
「さあ、どうやって炙り出すか。狩りの計画を立てようじゃないか」
ダイルが立ち上がってニヤリと笑う。
「私達は生餌であり猟犬だ。生餌を放って獲物を藪から出し、猟犬が仕留めるわけだ」
ジウンの言葉に皆が立ち上がる。
武芸と勇猛さにおいて若い頃は抜きんでていたが、中年になった今は爵位を鼻にかけ鍛錬をやめた肥えた愚鈍な男に成り下がった。
領地の経営は王家から派遣した間諜を兼ねた使用人に任せきりで、自ら経営に手を出さないどころか学ぼうとしない。息子のシーア・オランジュが王立学園で文官科と経営科で学んだからこそ、なんとか生活の資金を賄えている。また、嫁いだ娘シルヴィアからの援助もある。
しかし愚かな故に、彼に接触する反女王派の末端を把握しやすかった。そこから辿って現在の主要貴族の目星はついている。
また、神殿で稀人達の衣装や小物を調える時に呼んだ商会との繋がりからも洗い出していた。
神殿で稀人召喚を唆した神官もだ。アデルという若い神官だった。
今までオランジュ男爵の目立つが杜撰な言動で隠されていた一派の目星をつけることができたのは、今般の召喚事件のお陰だ。
召喚を行った神官達は、まさに憑き物が落ちたように心底悔いていたので、取り調べはするすると進んだ。
神官達は、彼らを唆した貴族達の目的を知ると震えあがった。
成人になっても神殿に残り神に仕えることを選んだ神官の多くは、神学をはじめとする学問に没頭したい者がほとんどで、俗世の欲に免疫がない。
そんな彼らが召喚の儀を行った目的は、ただひとつ。
聖女不在の神殿の不完全さを強く説かれたからだった。
炙り出した女王反対派の過激な有力貴族は、シラニー公爵とジルダイン伯爵の他にイズハン侯爵、ガイゼン侯爵、センダール伯爵、シラウン伯爵、ジシア子爵。
稀人召喚の発表もしていないのに面会を求めてきた者の一部だ。
他の貴族達はザイディー曰く「うまく使われている感じだった」
「利権に目がくらんだ欲が隠しきれていなかった」とダイル。「稀人に気に入られれば近いうちに重鎮になれるとか、金もうけができるとか思いこんでいるのが見え見えだった」
五人は神官達の証言からも、商会との繋がりとも矛盾しない。シラニー公爵とジルダイン伯爵は裏で資金を援助したり、指示を出したりしながら巧妙に身を隠しているらしい。
あとは、それらの貴族をいかに、どの稀人にぶつけるかだ。
ジウン達がぐったりしながら選択したのは、以下四人だ。
マイ、アカリ、レイ、シノブ。
ミサも入るだろうと思っていたが
「あんなバカ丸出しを表に出させるか」とジウンが吐き捨てた。
他のヒロイン達には庭園の散歩を許可し、偶然を装って攻略対象五人に会わせた。ラン以外の稀人達は、わたくしが「絶対に会わせない」と言ったはずの攻略対象との邂逅に有頂天になったらしい。
ランは怯えて逃げ去ったという。後で謝罪しなければ。だから「誰とも結婚しない」などと言ったのかもしれない。
「しかし、シラウン伯爵はミサと会いたがっていた」ジリアンが眉を顰める。
「いやいや、あの娘は誰にも会わせてはいかんだろう」眉間に皺を寄せたエグゼルが続ける。
「下品で破廉恥な言動をするのに、無邪気さを装ってて気味が悪い。ニヤつきながら同情を引こうとしていた」とジウン。
「ベタベタ触ってきて、引きはがそうとしたらわざとらしく転んだ」ダイルが首を振る。
「あの上目遣いの瞬きはゾッとしたな」ザイディーの言葉に全員がうんうんと頷く。
「妙に甘ったるい声も気味が悪かった」とエグゼル。
「シジア伯爵に限っては、ミサを自分のものにしたいよう口ぶりだったがな。その辺を利用して揺さぶれないか?」ジウンが提案する。
「ミサは中年には興味はないだろう。ジリアンによろけたふりで抱き着いてニヤついていたよ」ザイディーが人の悪い笑顔で言う。ジリアンは心底嫌そうな顔をする。
このままではミサの悪口大会になりそうなので、話を強引に進めたい。
「みなさんいいお年ですし、利権と令息の妻に迎えたい意向がありそうですね。なにしろ聖女は一人いればいいのですから、残った方を令息と婚姻させれば王家からなんらかの恩恵が与えられるか、または昔のように背徳の遊びができると思っていらっしゃるような口ぶりでした」
「シャイロ、わかっているか?」ジウンが厳しい声で詰め寄る。
「七人のうち誰かが聖女の座に就く。そして女王戴冠を廃止にする。そのためには、シャイロを亡き者にする必要があるということを」
妹に甘い兄達は第三の計画に真っ向反対している。
「でもね、兄上?そうしないと何も進まないのですよ?」
「何をするかわからんことをどう防ぐのだ?」ダイルがうめく。
「我が王家の"影"の腕の見せ所でしょうね」落ち着いたサイディーの言い分はわたくしを代弁してくれている。
「あなたの身は私が守ります」
わたくしはザイディーを見て微笑んだ。
ここでわたくしはランから聞いた『エルダー王国の花聖女と十二人の守護者』のおおまかな内容を説明した。
「聞けば聞くほどあり得ませんね」
ジリアンが厳しい顔で言う。
「学園で恋愛沙汰を起こすなんて前代未聞です」
エグゼルが首を振る。
「しかも王族相手や婚約者がいる相手に?正気か?」
ダイルがあきれ果てたように言う。
「恋愛は遊びじゃありませんよ」
この冬に結婚予定のエグゼルにとっては嫌な話なのだろう。
「何年も親交を深めた相手を、たった一年くらいで捨てる男も大概だな」
ジウン兄上、それは『ハナシュゴ』のあなたもですよ。
「わたくしは"金に汚いケチ王女"だそうです」
みんなどっと笑う。ひどい。
「女王反対派はそう思っているかもな」
ダイル兄上、ひどいです。
ふくれっつらをしてしまったわたくしをなだめるようにザイディーがわたくしの手に自分の手を優しく重ねる。
「女王反対派は中央政権から外されていますし、収支報告書をまともに読まずに増税と援助を求めていますからね。領地を健全に運営できずに売却した家も多いですし、中央から監査が入って指導措置や一時没収された家もありますから」
逆恨みもいいところだ。
「しかし」
ダイルがわたくしを見て微笑む。
「シャイロが感情をあからさまに出すようになったのは嬉しいな」
ジウンも頷く。
「学園生活で少しは年相応になるかと思ったが、ますます堅苦しい無表情になって、このままではザイディーに愛想をつかされるかと思ったよ」
重ねられたザイディーの手に力がこもって、軽く握られる。
「ここ数年は、行く必要もない学園に時間をとられるのが辛かったですか?」
わたくしの顔を覗き込むザイディーに頬が熱くなるのを感じる。
「私は頼ってくれないのが辛かったですよ?学園以外の時間は政務室に籠りきりで。少しだけこの事件に感謝してしまいそうです」
「わたくし、結婚までに色々片付けておきたくて…」
思わず言い訳に力が入る。
ジウンが笑って手を振る。
「今は女王反対派を潰すことに全力を振り切ろう。いくつかの爵位を取り潰す分、後が色々やりやすくなるだろうから」
そうなのだ。何をしようにも反対派に焚きつけられた勢力の横槍が邪魔だったのだ。
「さあ、どうやって炙り出すか。狩りの計画を立てようじゃないか」
ダイルが立ち上がってニヤリと笑う。
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