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宝箱のようなお重
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「カァー!」
程なくして戻ってきた黒糖饅頭一家に「お疲れさまです皆さん」と言う雪白は、四角い何かが包まれている風呂敷を取り出した。
「ハラリ」と包みを解くと、そこに出てきたのは黒塗りの重箱。
「お重弁当箱久々だ」
「昔は運動会や花見、海水浴場によく持っていきましたね。これはそのお重です!」
「持ってきたんだ」
よく見ると所々に傷や、見覚えのある花の絵が。
秋人は懐かしそうに蓋を撫でると、「ほわり」と中身の温度が重箱の蓋から伝わる。
そして美味しそうな匂いに秋人の腹の虫が鳴った。
それを聞いた雪白は「ふふ」っと笑った。
「食べましょうか。黒糖饅頭さん達も」
その言葉に「待ってました」と言わんばかりに、黒糖饅頭一家は両翼を広げた。
蓋を開けると先に目がいくのは茶色い物。唐揚げに煮付け。
一見地味な色だが、それが美味しいのが分かっている。
ゆえに、自然と目がいってしまうのだ。
もちろん緑はレタス、白はポテトサラダ。赤はプチトマトと彩りも100点満点のお重箱。
しかし、これはまだ1段目である。
次の段にはちらし寿司。
一番目立つのは蓮根を花のように切ったもの。
グリンピースが葉のように配置され、底の部分はびっしりの錦糸玉子と刻みのりと酢飯。
ずっしりと重い段ではあるが2人とカラス達となら難なく食べられるだろう。
そして最後の段―――
「饅頭だ」
白と茶色、2色のまんじゅうが交互に詰められていた。
「甘味も欲しいですからね!お饅頭なら温かくても美味しいですし!」
「雪白、天才」と拍手を送る秋人に雪白は「いやー」と照れくさそうに頭をかく。
そんな中、雪白の袖を黒糖饅頭の子達が「早く!」と言わんばかりに引っ張った。
「今日はせっかくのお花見ですからね。皆さん好きなものをどうぞ!」
その言葉を「待ってました!」と言わんばかりに黒糖饅頭一家は嬉しそうに鳴き声を上げる。
雪白は紙皿にちらし寿司とおかずを綺麗に盛り、皆に渡す。
そして秋人の「いただきます」の言葉で皆好きなものを頬張った。
「美味しいですか?」
満足そうに「うん、美味しい」と言う秋人の言葉とカラス達の鳴き声が重なる。
「雪白も頭巾取って食べよう?」
「外で外すの久しぶりです」
雪白はゆっくりと忍び頭巾を脱いだ。
漆黒の黒髪、整った顔立ちに琥珀色の瞳。
アイドルと言われれば納得しそうな顔がその姿を現す。
忍者、カラスという不審な人として遠巻きに見ていた人達もその姿に息を呑んだ。
「雪白のお重はやっぱり宝箱みたいだ」
「そんな大げさですよ秋人さーん!」
そんな視線は全く気にせず秋人達はお重弁当に舌鼓を打ち、桜の花を愛でるのだった。
「―――原石だわ。いいえ、それ以上」
そんな1人の女性の不穏な声は誰の耳にも届くことなく春風に消えていった。
程なくして戻ってきた黒糖饅頭一家に「お疲れさまです皆さん」と言う雪白は、四角い何かが包まれている風呂敷を取り出した。
「ハラリ」と包みを解くと、そこに出てきたのは黒塗りの重箱。
「お重弁当箱久々だ」
「昔は運動会や花見、海水浴場によく持っていきましたね。これはそのお重です!」
「持ってきたんだ」
よく見ると所々に傷や、見覚えのある花の絵が。
秋人は懐かしそうに蓋を撫でると、「ほわり」と中身の温度が重箱の蓋から伝わる。
そして美味しそうな匂いに秋人の腹の虫が鳴った。
それを聞いた雪白は「ふふ」っと笑った。
「食べましょうか。黒糖饅頭さん達も」
その言葉に「待ってました」と言わんばかりに、黒糖饅頭一家は両翼を広げた。
蓋を開けると先に目がいくのは茶色い物。唐揚げに煮付け。
一見地味な色だが、それが美味しいのが分かっている。
ゆえに、自然と目がいってしまうのだ。
もちろん緑はレタス、白はポテトサラダ。赤はプチトマトと彩りも100点満点のお重箱。
しかし、これはまだ1段目である。
次の段にはちらし寿司。
一番目立つのは蓮根を花のように切ったもの。
グリンピースが葉のように配置され、底の部分はびっしりの錦糸玉子と刻みのりと酢飯。
ずっしりと重い段ではあるが2人とカラス達となら難なく食べられるだろう。
そして最後の段―――
「饅頭だ」
白と茶色、2色のまんじゅうが交互に詰められていた。
「甘味も欲しいですからね!お饅頭なら温かくても美味しいですし!」
「雪白、天才」と拍手を送る秋人に雪白は「いやー」と照れくさそうに頭をかく。
そんな中、雪白の袖を黒糖饅頭の子達が「早く!」と言わんばかりに引っ張った。
「今日はせっかくのお花見ですからね。皆さん好きなものをどうぞ!」
その言葉を「待ってました!」と言わんばかりに黒糖饅頭一家は嬉しそうに鳴き声を上げる。
雪白は紙皿にちらし寿司とおかずを綺麗に盛り、皆に渡す。
そして秋人の「いただきます」の言葉で皆好きなものを頬張った。
「美味しいですか?」
満足そうに「うん、美味しい」と言う秋人の言葉とカラス達の鳴き声が重なる。
「雪白も頭巾取って食べよう?」
「外で外すの久しぶりです」
雪白はゆっくりと忍び頭巾を脱いだ。
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アイドルと言われれば納得しそうな顔がその姿を現す。
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そんな視線は全く気にせず秋人達はお重弁当に舌鼓を打ち、桜の花を愛でるのだった。
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