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狙われたのは
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「黄昏君、君にお客様が来てるよ」
「お客様?」
仕事中、田中部長に声をかけられ秋人は首をかしげる。
「なんでもアイドル関係の人らしいんだけど……」
「アイドルの関係者」という田中部長の言葉に周囲がざわめく。
皆、2人の会話を「聞き逃すまい」と耳を傾ける。
それに気づいた田中部長はあからさまなため息を吐いた。
「黄昏君、待たせてるから早く行こうか」
「はい」
オフィスから出ていく2人の姿が見えなくなると社員は仕事そっちのけで話し始めた。
「けっ、顔だけだろ?」
「確かに黄昏さん顔いいし……ありえなくもないわね」
妬む者、黄色い悲鳴を上げる者で溢れかえる。
―――ただ1人を除いて。
(秋人の嫁さん目的……じゃねえよな?)
遠藤はデスクに置かれたままの秋人のスマホを手に取った。
―――
「はじめまして。私、芸能事務所、星砂社長で早乙女美香ともうします」
「どうも、黄昏秋人です」
差し出された名刺を受け取り秋人は自身の名刺を取り出し彼女、早乙女美香に渡す。
「うん、あなたも磨けば光るものがありそうね……」
顎に手を当て笑みを浮かべる早乙女。
秋人はその視線に居心地が悪い。
「芸能事務所、星砂さんはアイドル会社として有名どころ……その社長が何故、黄昏君を?」
田中部長も疑問を持つのは当たり前だろう。
正直に問うと早乙女は笑みを浮かべながら田中部長にも名刺を差し出す。
「正確に言うと秋人さんのお連れの雪白さんをと考えているんです」
「……雪白を?」
なぜ呼ばれたのか察しがついた秋人の声は低くなる。
「あの子を事務所に入れる気はない?」
「お断りします」
「あら?それは本人に聞かないと。アナタが決める事じゃないんじゃない?」
確かにそうだ。彼女の言う事は正しい。
しかし
「本人がそうしたいと言うならそれでいい。ですが、彼は絶対に首を縦には振りませんよ」
「絶対に」そう言う秋人の笑みは「当然」と自信にあふれるものだった。
「いいわ。一度合わせてちょうだい」
それを「宣戦布告」と捉えた彼女も笑みを浮かべる。
それは「逃がす気はない」という含みのある表情だった。
(雪白を見せ物にはさせたくない。いや、させない)
無表情ながらあふれる感情は拳に。
爪が食い込み秋人の手のひらにはうっすらと血がにじんだ。
「お客様?」
仕事中、田中部長に声をかけられ秋人は首をかしげる。
「なんでもアイドル関係の人らしいんだけど……」
「アイドルの関係者」という田中部長の言葉に周囲がざわめく。
皆、2人の会話を「聞き逃すまい」と耳を傾ける。
それに気づいた田中部長はあからさまなため息を吐いた。
「黄昏君、待たせてるから早く行こうか」
「はい」
オフィスから出ていく2人の姿が見えなくなると社員は仕事そっちのけで話し始めた。
「けっ、顔だけだろ?」
「確かに黄昏さん顔いいし……ありえなくもないわね」
妬む者、黄色い悲鳴を上げる者で溢れかえる。
―――ただ1人を除いて。
(秋人の嫁さん目的……じゃねえよな?)
遠藤はデスクに置かれたままの秋人のスマホを手に取った。
―――
「はじめまして。私、芸能事務所、星砂社長で早乙女美香ともうします」
「どうも、黄昏秋人です」
差し出された名刺を受け取り秋人は自身の名刺を取り出し彼女、早乙女美香に渡す。
「うん、あなたも磨けば光るものがありそうね……」
顎に手を当て笑みを浮かべる早乙女。
秋人はその視線に居心地が悪い。
「芸能事務所、星砂さんはアイドル会社として有名どころ……その社長が何故、黄昏君を?」
田中部長も疑問を持つのは当たり前だろう。
正直に問うと早乙女は笑みを浮かべながら田中部長にも名刺を差し出す。
「正確に言うと秋人さんのお連れの雪白さんをと考えているんです」
「……雪白を?」
なぜ呼ばれたのか察しがついた秋人の声は低くなる。
「あの子を事務所に入れる気はない?」
「お断りします」
「あら?それは本人に聞かないと。アナタが決める事じゃないんじゃない?」
確かにそうだ。彼女の言う事は正しい。
しかし
「本人がそうしたいと言うならそれでいい。ですが、彼は絶対に首を縦には振りませんよ」
「絶対に」そう言う秋人の笑みは「当然」と自信にあふれるものだった。
「いいわ。一度合わせてちょうだい」
それを「宣戦布告」と捉えた彼女も笑みを浮かべる。
それは「逃がす気はない」という含みのある表情だった。
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無表情ながらあふれる感情は拳に。
爪が食い込み秋人の手のひらにはうっすらと血がにじんだ。
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