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ため息
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――その頃。 何も知らない雪白は腕時計を見る。
使い古されたそれは安物だが大事に長年使われていることが分かる物だ。
「あらあらあら!雪白さんじゃない!」
「宮城さん!」
「この前教えてもらった唐揚げ、美味しかったわあ!」
「それはよかったです」と笑みを浮かべ、雪白は宮城と会話を始める。
「それでね、他にもレシピ教えてほしいのよー」
「でしたらこれからスーパーにお買い物に行きませんか?」
「いいわね、ちょうど行こうとしてたのよ!ここはやっぱりあのスーパーね」
「ですね」
「24時間営業二ニコスーパー」と2人はテンション高めにハイタッチを交わした。
―――
「今日はキノコシチューだ」
舞茸の芳醇な香りが顔を近づけなくとも伝わる。
「今日はキノコの特売だったので!宮城さんと行ったんですよー」
「いただきます」と2人はスプーンで大ぶりに切られたキノコをすくう。
熱々のキノコ。そして染み込んだコクのあるシチューが溢れ出す。
シチュー、素朴ながらも具材をふんだんに使ったご馳走である。
「美味しい」
「よかったです!……秋人さんなんか血の匂いがします。怪我、しました?」
そう言われ秋人は「チクッ……」と手のひらが痛むのに気づき手を広げる。
「秋人さんっ、なんでこんな怪我っ?!」
「気づかなかった」
「今消毒液と絆創膏を―――」
秋人に背を向け歩き出そうとする雪白の背中を抱きしめる。
まるで「行かないで」と言わんばかりにしっかり腰に手を回され雪白は首をかしげる。
「秋人、さん??」
「雪白はアイドルになりたい?」
「まずは主語をお願いします秋人さん」
本当にそうである。
―――
「ああ、花見の時の視線はその人でしたか」
理由を聞き理解した雪白はうなずく。
「花見の時なの?目を付けられてたの」
「なーんか品定め?みたいな視線は感じてました。殺気ではなかったので気にしてはなかったんです」
「早く言ってよ」と秋人は「じとー」と雪白を見ると「すみません」と苦笑しながら返された。
雪白本人は特に気にしてない様子で言う危機感のなさに秋人は無意識に声のトーンが下がる。
「あまり1人になるような事はしないで。送り迎えもいいから」
低い声で言う秋人に雪白は「いいえ、送り迎えはやめません」と真っ直ぐ秋人を見て断る。
「そこらへんの人に負けるような忍者じゃありませんし!」
もっともな答えに「でも……」と秋人は食い下がる。
「もしもの心配は秋人さんです!万が一変な人に声をかけられたら無視して逃げるんですよ!あ、マキビシいります?」
マキビシ、それは敵を足止めに使う小さなトゲの集合体である。
「周りの人も危ないからそれはいらない」と秋人は返すものの、やはり雪白の事は心配で、不安のため息を吐く。
その時、雪白のスマホのバイブが鳴る。
秋人はその音に気づかずまたシチューに手を伸ばした。
使い古されたそれは安物だが大事に長年使われていることが分かる物だ。
「あらあらあら!雪白さんじゃない!」
「宮城さん!」
「この前教えてもらった唐揚げ、美味しかったわあ!」
「それはよかったです」と笑みを浮かべ、雪白は宮城と会話を始める。
「それでね、他にもレシピ教えてほしいのよー」
「でしたらこれからスーパーにお買い物に行きませんか?」
「いいわね、ちょうど行こうとしてたのよ!ここはやっぱりあのスーパーね」
「ですね」
「24時間営業二ニコスーパー」と2人はテンション高めにハイタッチを交わした。
―――
「今日はキノコシチューだ」
舞茸の芳醇な香りが顔を近づけなくとも伝わる。
「今日はキノコの特売だったので!宮城さんと行ったんですよー」
「いただきます」と2人はスプーンで大ぶりに切られたキノコをすくう。
熱々のキノコ。そして染み込んだコクのあるシチューが溢れ出す。
シチュー、素朴ながらも具材をふんだんに使ったご馳走である。
「美味しい」
「よかったです!……秋人さんなんか血の匂いがします。怪我、しました?」
そう言われ秋人は「チクッ……」と手のひらが痛むのに気づき手を広げる。
「秋人さんっ、なんでこんな怪我っ?!」
「気づかなかった」
「今消毒液と絆創膏を―――」
秋人に背を向け歩き出そうとする雪白の背中を抱きしめる。
まるで「行かないで」と言わんばかりにしっかり腰に手を回され雪白は首をかしげる。
「秋人、さん??」
「雪白はアイドルになりたい?」
「まずは主語をお願いします秋人さん」
本当にそうである。
―――
「ああ、花見の時の視線はその人でしたか」
理由を聞き理解した雪白はうなずく。
「花見の時なの?目を付けられてたの」
「なーんか品定め?みたいな視線は感じてました。殺気ではなかったので気にしてはなかったんです」
「早く言ってよ」と秋人は「じとー」と雪白を見ると「すみません」と苦笑しながら返された。
雪白本人は特に気にしてない様子で言う危機感のなさに秋人は無意識に声のトーンが下がる。
「あまり1人になるような事はしないで。送り迎えもいいから」
低い声で言う秋人に雪白は「いいえ、送り迎えはやめません」と真っ直ぐ秋人を見て断る。
「そこらへんの人に負けるような忍者じゃありませんし!」
もっともな答えに「でも……」と秋人は食い下がる。
「もしもの心配は秋人さんです!万が一変な人に声をかけられたら無視して逃げるんですよ!あ、マキビシいります?」
マキビシ、それは敵を足止めに使う小さなトゲの集合体である。
「周りの人も危ないからそれはいらない」と秋人は返すものの、やはり雪白の事は心配で、不安のため息を吐く。
その時、雪白のスマホのバイブが鳴る。
秋人はその音に気づかずまたシチューに手を伸ばした。
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