過去から来た忍者を拾ったら、料理上手すぎる完璧奥さんでした

及川証 (アカシ)

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お芋多めの肉じゃがを

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「待っていてください秋人さん!今からうんと美味しい肉じゃがを作ります!」

 「うん、楽しみ」

 その一言に、雪白は「ぱあっ」と顔を輝かせた。

「任せてください!」

 腕まくりをしてキッチンに立つ。

 「トントン」と食材を切る音。
 「コトコト」と煮ていく音が秋人の心を癒していく。

 目の前には雪白の姿。

 自分のために作ってくれるご飯。

 幸せが2倍、いや、それ以上に秋人の中で膨らんでいく。

「できましたよ秋人さん!」

 山盛りの肉じゃがが入った大皿がテーブルの中心に置かれる。

 「ホカホカ」と湯気が立ち込め、その下に覗かせるのはじゃが芋や人参。

 彩りのさやいんげんは別に茹でたのであろう色鮮やかだ。
 
 2人はお互いに「いただきます」と手を合わせる。

 最初に箸を伸ばすのはやはりメインである肉じゃが。

 じゃが芋を半分に切り秋人は口に入れる。

 「ほっくり」と甘じょっぱい味が口に広がる。

 出汁の旨味と味が、ほくほくの芋に染み込んでいる。

 王道ながらに美味い。

 人参、豚肉、葛切り。

 アクセントのさやいんげんも「シャキッ」といいアクセントになっている。

 秋人は肉じゃがの中で一番好きなのはじゃが芋。

 気がつけばじゃが芋だけを食べ、よく家族に注意されていたほど芋が好きなのだ。

「おかわりいい?」
 
「勿論!沢山作りましたから、いっぱい食べてください!」

 差し出される器を雪白は笑顔で受け取った。

「そういえば」

 席に戻ると雪白は思い出したように秋人に疑問を投げかけた。

「よくあれだけの写真集められましたね。いつも真っ直ぐ帰って来てくれるのに」

「これに関しては雪白の人脈のおかげ」

「私ですか?」

「うん」

 秋人は数日前の出来事を話す。

 ―――

「あら?雪白ちゃんの夫ちゃんじゃない」

「えっと、確か宮城さんと一緒にいる……」

「あらヤダ、自己紹介した事なかったわね。渡辺良子よ!いつも雪白ちゃんにお世話になってるわ!」

「黄昏秋人です。雪白も楽しそうなので、見かけたら話し相手になってください」

 元気よく挨拶をする主婦の1人、渡辺良子に秋人は頭を下げる。

「困ったことがあったらいつでも相談に乗るわよ!」

 茶目っ気たっぷりにウィンクをする渡辺に秋人は顎に手を当て考える。

「噂、とかって詳しいですか?」

「そうね、噂には敏感よ。……なにかあったの?」

「じつは―――」

 秋人が早乙女の話をした途端、渡辺の目の色が変わる。

「良くない噂は聞いてるわ。主婦チームに任せなさい!」

 その表情は「面白そう」という表情だったが、秋人にとってはとても頼もしい笑みだった。

 ―――

「と、言うことがありまして」

「渡辺さん、噂話大好きですからねえ」

 食後の玄米茶を淹れながら雪白は納得する。

「ここまで凄いとは思わなかったけど。……敵に回したら怖いね、渡辺さん」

「ですよお?主婦さん達はたくましいですから!」

 雪白は微笑み秋人の湯呑みに玄米茶の最後の1滴を注ぐのだった。

 
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