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第3章.バイブレーション茶道部【桃瀬春子】
第46話.六畳間の来訪者!?(Part2)
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「お、おい、緑川!なんのつもりだ!タチの悪い冗談はやめろ!」
……いや、この状況だと、”勃ちのいい”冗談になるのか?///
って、んなつまんねー事を言ってる場合ではないが……
……
俺の呼びかけに対して言葉が返ってくる事はなく、彼女は依然として無防備に、仰向けに寝そべったままであった。
……え?嘘だろ?
マジかコイツ……もしかして、本気なのか!?
……いや、いや、そんな事あるわけねーだろ!///
俺が、あの”緑川楓”のカラダを、好き放題できるなんて、そんな事があっていいわけ……///
……ごくりっ///
い、いかん、いかん!
落ち着け、青山和哉!
惑わされるな、こういうわけのわからん時こと、兎にも角にも落ち着いて対処するんだ。
「……おい!お前まさか、本気なのか?……抵抗する気が無いなら、お望み通りほんとに襲っちまうぞ!いいんだな!……やっぱ止めるっつーなら今のうちだぞ!」
……
……むむ、これでも返答は無しか。
まったく、ほんとに頑固なヤツだなぁ。
しかたねー、ボロが出るまで、もう少し押してみるか……
「……緑川、反応しないなら、マジでヤるからな!いいんだな!……俺はヤると言ったらヤる男だぞ、おい!」
……
やはり、どうしたって反応は無い。
となると、かくなる上は……
はぁー、っと大きな溜息をついてから重い腰を上げた俺は、彼女が横になっているベッドの上に上がり、仰向けになっている彼女のその身体の真上に覆い被さるような形で、四つん這いの体勢となった。
俺の顔と向き合う緑川の顔は、目を瞑り、頬を染め、下唇を軽く噛み締めている、図らずともそんな扇情的な表情をしていた。
ギシギシと軋みをあげながら変形するベッドのスプリングのその感覚から、例え目を瞑ったままの状態であっても、自分が今現在置かれている状況は理解しているであろうに、それでもなお、緑川は抵抗する素振りを一切見せていない。
その、俺のカラダの直下で無防備なカラダを晒す彼女を目の当たりにし、否応なしに、俺の中で抑え込んでいる雄としての衝動が沸々と込み上げてくる。
……あともう一押しで”爆発”しかねない、そんな状態へと誘われていく。
……ごくりっ///
「……緑川、お前、今の状況が理解ってんのか?」
……
しかし、返事は無い。
「緑川、コレが最後の確認だ……このまま抵抗しないなら、今から俺はお前に手を出す……どれだけ泣こうが喚こうが、俺は止まれないと思うし、止まるつもりもない。ヤるからには、ヤる。思いっきり、容赦なくヤる。……コレは、お前自身が招いた”結果”だからな。因果応報ってやつだ……だから、腹は括ってもらうぞ、いいな……」
そこまで言葉に出したところで、俺は奥歯を噛み締めながら下腹部にグッと力を込めて身構える。
何故そんな行動をとったのかというと、よくあるパターンだと、ここら辺りで『やっぱりイヤー!』みたいな感じで、緑川が股間を蹴り上げてくるのではないかと予想したからだ。
……
が、俺のその未来予想図は外れたようで、緑川の無反応は依然として継続したままであった。
彼女の身体は、微動だにしていなかったのである。
いや、正確に言うと、彼女は微動だにはしていた。
四つん這いの体勢でベッドに押し付けている俺の両の手の間で、彼女の肩はプルプルと小刻みに震えていたからだ。
……たくっ、強がりやがって。
何が”覚悟してきた”だ、まんまビビってんじゃねーかよ。
が、先程”手を出す”と口に出して宣言した手前、俺だって今更後に引くつもりはない。
俺は、ベッドに押し付けていた右手を上げ、彼女の顔へ向けて差し伸ばす。
”覚悟”しろよ、緑川。
俺のは人一倍、刺激的だぞ……
コツン!
「っっっ!!!痛っ!!!ちょっ、いきなり何するのよ!」
「何って、青山和哉渾身の”デコピン”だが!」
ふっ、昔から妹をサンドバッグにして鍛錬を積んできた俺の必殺技だ、そりゃあさぞ痛いことだろうよ。
赤くなったオデコの一点を擦りながら、恨めしそうな目で俺を睨みつけてくる緑川。
「くっ……なんて威力のデコピンなの、めちゃくちゃ痛いんだけど!これ、絶対オデコ赤くなってるでしょ!なんて事してくれてんのよ!」
「……お前が余りにも馬鹿なこと言い出すもんだからさ、ついカッとなっちまったんだよ」
「はぁ!?馬鹿ですって!?」
「だってそうだろ、自分のカラダを好きにしていいなんて、そんな提案をするヤツは大馬鹿者だろうが!」
「……で、でも、このシチュエーションにおいて、女に手を出してくるのが男として”普通”の行動だと思うんだけど///私の考えは間違っているかしら……///」
間違っては、いないと思う。
特に、このノクターンノベルズの世界においては、様式美とさえ言えよう。
「……だがな緑川、残念ながらお前のその見立てには、1つ決定的な”誤算”が存在しているぞ」
「誤算、ですって?」
「それはな……俺が”紳士”だということだ!」
「……はい?」
俺は、四つん這いになっていた体勢やめ、改めてベッドに腰掛け直して話を続ける。
「俺は生粋の”ジェントルマン”だからな、女の弱みにつけ込んで手を出すような、そんな下劣な行為には一切興味が無いってこった。いやむしろ、弱って傷ついているレディーがいたら、救いの手を差し伸べてあげるのが紳士たる俺のモットーであってだな……」
仰向けで横になっていた状態から上体を起こして座りの姿勢になった緑川は、ジト目で俺の顔を見つめながら口を開く。
「……いや、それ、嘘よね」
「ぬ?」
「あなたが紳士たがら手を出してこないなんて、そんなのデタラメよ!」
「ぬぬ!?なにを根拠にそんな断定を……」
「そんなの、あそこに並んでるオカズコレクションの傾向が、”真実”を物語ってるじゃない!レイプ,輪姦,凌辱,援交,パパ活,催眠,洗脳,時間停止,透明人間,常識改変,監禁,拘束,肉便器、性奴隷,人間牧場,性処理当番,少子化対策子作り法……そして脅迫!この性癖のラインナップのどこが”紳士的”だって言うのよ!」
「ぬぬぬっ!!!」
「……ああ、なるほど、分かったわ、じゃあなんでそんなあなたが私に手を出してこないのか」
「ぬぬぬ……?」
「その理由を言い当ててあげましょうか。……あなたはね、行動に移さないんじゃない、移せないだけなのよ!どう、違うかしら?」
「ぬぬぬぬぬっ!!!」
「今現在、あなたは性癖どストライクの、そんな夢のようなシチュエーションの渦中にいる。そして、こんな圧倒的に自分優位な状況にも関わらず、あなたはそのチャンスを自ら放棄しようとしている。それは何故かって?答えは簡単よ……要するに、あなたって”チキン”なんでしょw」
「ぐふっっ!!!」
残念ながら、当にその通りである。
俺が”紳士”なんてことは、当然有り得ない話であった。
なんせ本物の紳士だったら、気絶している女のケツ穴のシワの数を数えたり、乳輪と今川焼のサイズを比べたりなど、応急処置を差し置いてそんなバカな真似を実行するはずがないからだ。
「紳士振るのは建前で、女性に手を出す度胸が無い自分自身に対しての言い訳なんでしょ。さっき言ってた第三者目線で楽しむって話も、結局は当事者になる覚悟も気概も無いってだけの話なんじゃないの、ソレって」
グサッ!
くっ……コイツ、痛い所をを的確に攻撃してきやがる……
「はぁー、手を出してくるかと思って警戒していた相手が、まさかただの”骨無しチキン”だったとは、これぞ当に杞憂ねw襲う度胸も無いんじゃ、そりゃあ手を出してこないわけよねw」
この野郎、ド正論だからって好き勝手言ってくれるじゃねーか……
ていうか、んな”当たり屋”みたいな事をいきなりカマされて、今回の件に関しては完全に俺が被害者なんじゃねーか?
ここまで一方的に言われっぱなしでよぉ、流石に黙ったままというのも癪だな。
売り言葉に買い言葉だ、少しコチラからも言わせてもらおうじゃあないか……
「ふん!そもそも、お前なんかに手を出そうと思うほど、こちとら女には困っとらんわ、ボケ!」
「なっ!?”なんか”ってなによ!あなたなんかにそんな風に言われる筋合いなんて無いんですけど!」
「んなこと言ったらコッチこそ、お前なんかにチキン呼ばわりされる筋合いなんてねーよ!」
「あっ!また”なんか”って言ったわね!」
「おう、何度だって言ってやらぁ!お前”なんか”にはなぁ、頼まれたって手を出さねーよ、バーカ!」
「くっ、なんて癪に障る男なの……ていうかあなた、手を出さないって言ってるくせに、さっき私のオデコに思いっきりデコピンしてきたじゃない!アレ、めちゃくちゃ痛かったんだけど!」
「アレはな、意地っ張りな頑固者のアタマを冷やしてやろうと放った、言わば”愛のムチ”ってやつであってだな、むしろ感謝して欲しいぐらいだぜ」
「愛っ!?キモっ!別にあなたからそんなもの提供されたくないんですけど!今からその”ありがた迷惑”をお返ししてあげるわ!ほら、そのオデコを大人しく差し出しなさい!」
「やなこった!お前なんかに差し出すような安いデコは持ち合わせておらんのでなぁ!」
「はぁ!?それこそコッチのセリフなんですけど!いいから大人しくその汚いデコを差し出しなさいよ!」
完全にムキになっている緑川は、俺のデコに目掛けて勢い任せに右手を突き出してきた。
デコピンを回避すべく、俺は左手で彼女の右手の手首をとっさに掴んで抑え込む。
「ちよっと、気安く掴まないでよ!離しなさい!」
「ふんっ、ヤラれてたまるかってんだ!」
俺の手を振り解こうと、無理矢理に腕に力を込める緑川。
「お、おいっ!待てっ!やめろって!うわっ!!!」
緑川の手首を掴んでいた左手が力負けし、その反動で体勢が崩される。
彼女の方へ向け前のめりに突伏しそうになった俺は、とっさにフリーだった右手を前に突き出してまい……
むにゅっ。
あろうことか、緑川のHカップを鷲掴みにしてしまった。
うおおっ!!!♡
な、なんてボリューミーな楽しみお乳なんでしょ♡
ブレザー越しではあったが、その乳のパフォーマンスは圧巻であった。
円香の”F”ももちろん凄いこさ凄いが、2カップ上の”H”のその圧倒的質量たるや、いやはや別格も別格。
その爆乳を実感し、頭ではなく心が理解してしまう。
やはり、乳はデカければデカい方がいいな、と。
「きゃっ!///」
彼女の口から、意外にもそんな可愛らしいリアクションの声が漏れた。
その反応を受けてハッと我に返った俺は、彼女のHカップを掴んだままとなっていた右の手を急いで離す。
「あ、わ、わりぃ、今のは、その、わざとじゃなくてだな、その……///」
しどろもどろになって目を泳がせながら弁明する俺から顔を背けて、緑川も口を開く。
「……だ、大丈夫よ、わざとじゃないことは分かってるから///こっちこそ、変な声出しちゃってごめんなさい……///」
「……///」
「……///」
き、気まずい……///
「……あー、なんか、お前とくだらねー言い合いをしてたら喉が渇いちまったな///ちょっくら飲み物取ってくるから、お前は俺のオカズコレクションでも物色しながら待っててくれ///」
「え、ええ、分かったわ……///」
なんとも表現し難い、このムズムズとした恥ずかしさを誤魔化そうと、そんな理由をつけて俺はそそくさと部屋を出て階段へと向かう。
ふわふわと浮ついた足取りで階段を駆け下りた俺は、冷蔵庫があるキッチンへ向かう前に、先ずは脱衣室へと向かった。
それはもちろん、円香の未洗濯おパンティーを回収して堪能しようとしたから、というわけではなく、この機会に一度、洗面所で顔を洗っておきたかったのだ。
今の俺には何よりも、クールダウンが必要だった。
蛇口から出る冷水を、掌で作った”器”にためてから顔面に強めに打ちつける。
ビシャビシャと顔を雑に濡らすその冷やかな感触が、今の俺にとってはなんとも心地よい。
そんな荒い洗顔を5回6回と繰り返した後、タオルを手に取って顔を拭く。
ふぅーー。
正直、危うかった……
聖人君子ぶるつもりはない。
あとほんのもう一押しで、俺は緑川に手を出していたことだろう。
今だってアタマの中は、緑川楓という女のカラダを弄ぶ妄想で一杯一杯なのだ。
あのHカップを、好きなように揉みしだけた……
あのデカ乳輪に、思う存分吸いつけた……
あのスカートをめくりあげれば、パンツだって拝めた……
更にそのパンツを脱がせれば、あのパイパンのマンコだって……
いや、眺めるだけじゃない、ヤろうと思えば、できたんだ。
俺の肉棒で、彼女の膣内の”味”を知ることだって、きっとできたはずだ……
……ごくりっ。
だけど、それでも、俺はヤらなかった。
いや、ヤれなかった。
それは、ほんの1%だけ、微かに”ヤらない”という気持ちに心が傾いたからだ。
その脆い均衡を破り、明暗を分けた最後の1%は、俺自身の内に眠る、僅かばかりのしょうもない”プライド”だった。
女の弱みにつけ込んでまで無理矢理に手を出すという行為が、ただ性に合わなかったというだけの、そんな些細な”意地”。
ソレが、思春期男子の歪んだ欲情を、紙一重のところで踏み留まらせるに至った、というだけの話だった。
別に確固たる信念があったとか、そんな風にカッコつけるつもりはない。
ただ、一時の欲望に流され、そんな風にして女に手を出してしまったら、夏希や円香に対するこの”想い”を、アイツらに恋をしてきたこれまでの自分自身を、なんだか否定してしまうような気がして、俺は手が出せなかっただけなんだ。
……多分、男として、賢くない選択だとは思う。
あんな絶世の美少女のカラダを好きに味わえる好機を棒に振ってまで守りたいモノが、自己満足のくだらない”見栄”なんて……そんなの、客観的に見て、とんだ馬鹿野郎だと思う。
でも、残念ながら青山和哉という男は、そんな大馬鹿野郎だったというわけだ。
……きっと、生涯ずっと、後悔し続けることになるとは、もちろん分かっている。
『あの時、緑川のカラダを好きにできたのに、どうして俺は……』
『あの時、緑川とヤっておけばよかったのに、なんで俺は……』
……これから先の人生において、ふとした時に、そんな後悔の念が押し寄せてくるに違いない。
けど、だとしてもだ。
間違っていると分かっていながら、それでも俺は自分で選んだんだ。
そう、コレが俺の、どうしたって変えられない、”生き方”ってやつだから……
譲れないんだよ、どうしても、コレだけは。
だって俺は、夏希に恋をした自分を、円香を愛している自分を、否定する事だけはしたくないから……
だから、緑川に手を出すにしたって、今回みたいに無理矢理にではなく、ちゃんと正規の手順を踏んでお互いに合意の上でだな……
……
って、待てよ、冷静に考えるまでもなく、そもそも俺と緑川が正規ルートで結ばれるなんて、そんな事有り得なくねーか?
かたや、江口杉学園ナンバーワン美少女。
かたや、江口杉学園抱かれたくない男ランキング1位(暫定)。
……うん、全くもって有り得ないよな。
釣り合ってないどころか、対極もいいところだ。
……いやしかし、となると、つまり今回のこのチャンスを逃すと、俺はもう2度と緑川のあのデカ乳輪にしゃぶりつけないという事が確定してしまうのか……
……
いや、それは惜しい!!!
めちゃくちゃ惜しい!!!
このまま大人しく引き下がる事が、急に惜しくなってきたんだが!!!
なんか変に気取って、自分語りの痛いポエムを長々と垂れ流してすみませんでした!
プライドも意地も、正直そんなもの1ミリも持ち合わせておりません!
”譲れない”なんて、まったくの嘘です!
ちょっとカッコつけたくて、なんかそれっぽい言葉を並べてみたかっただけなんです!
本心は、あのデカ乳輪を味わいたくて味わいたくて、辛抱たまりません!
……いやそもそも今回の件に関しては、俺の心持ちがどうこうという話だけでないんだ。
緑川だって『覚悟してきた』って言ってたわけで、それだって広義では十分に”合意”と捉えられるはずだ……
つまり、ぶっちゃけコレって、ヤっちゃっても全然問題無い事案なんじゃねーのか、おい!
だよなぁ!そうだよなぁ!ヤっちゃっていいよなぁ!
弱みにつけ込んで、襲っちまっても構わねぇよなぁ!
なんたって俺は、他でもなくこの作品の”主人公様”なんだぜ!
多少無理矢理だったとしてもよぉ、ヒロインのデカ乳輪にしゃぶりついても許される立場のはずだよなぁ!
どうせ同じアホならよぉ、ヤらなきゃ損だろ!
むふっ♡
そうと決まれば、楓ちゃんのドスケベクソデカ乳輪を、今から思う存分しゃぶりつくしますぞ~、でゅふふ♡
と、自らを半ばヤケになりながら焚き付け、俺の中の邪な”覚悟”が決まりかけた当にその時……
ピロン♪と、ポケットからRINEの通知音が鳴った。
条件反射よろしく手に取ったスマホに目を落とすと、ソレは円香からのメッセージであった。
『お兄ちゃん、作戦会議をドタキャンしちゃってゴメンね!お詫びに、今日の晩ごはんはお兄ちゃんの大好きな円香特製の愛情たっぷり”ふわとろオムライス”を作ってあげるから許してね♡』
……はぁー、まったく、ほんとタイミングの悪いヤツだ。
せっかくヒートアップしてきたところだったのに、一気に興が削がれちまったじゃねーかよ……
『お兄ちゃん、あなたは今、”ふわとろ”という言葉から、”ふわとろオマンコ”を連想しましたね……そうです、コレがメンタリズムです!』
……イラッ。
クソつまらんメッセージを送ってきたにも関わらず、おそらくは画面の向こうで憎たらしいドヤ顔をキメているであろう妹のウザい姿を想像し、無性に腹が立つ。
『今夜は、ふわとろオムライスと一緒に、円香のふわとろオマンコも味わっちゃう?♡なんつってw♡』
……イラッ。
面白くもねーしめんどくせーから、とりあえず返信はせずに既読スルーにしておこう。
なんなら、これ以上不快な思いをしないように、今日1日ブロックしておくのが賢明な判断だな。
はぁー、そろそろ飲み物を回収して部屋に戻るか……
円香のクソみたいな横槍をモロに食らい、完全にしらけきった俺は、本来の目的を果たすべくキッチンへと向かった。
冷蔵庫の中から、円香が愛飲しているリブトンのミルクティーとレモンティーの紙パックを取り出し、それと個包装のストロー2本を手に持って、緑川の待つ自室へ向け階段を足早に上る。
2階に上がった俺は、自室の扉を開く前に、廊下で一度立ち止まり深呼吸をする。
スゥーハァー、スゥーハァー
……よし、大丈夫だ。
危うく道を踏み外しかけたが、円香から送られてきたクソつまらんメッセージのおかげ?でどうにか冷静さを取り戻せたようだ。
アイツの底無しのウザさも、たまには役にたつもんだな……
ガチャ。
「すまん緑川、待たせたな。ミルクティーとレモンティー,どっちがいい?」
「じゃあ、レモンティーを頂いてもいいいかしら」
「はいよ」
「ありがとう」
……
「って、なんでお前は人のパソコンを勝手に使っとるんじゃー!!!」
「だって、言ってたじゃない、俺のオカズコレクションを物色して待ってろって。あなたのことだし、どうせこのパソコンの中身だってオカズだらけなんでしょ」
確かに、用途はオナニーに特化しているけども。
「だからって、人様のパソコンを勝手に開くな!……ん?ていうか、どうやってパスワードを突破したんだ?」
「さっき、円香からドタキャンについての謝罪のRINEが届いたから、返信ついでに聞いてみたら、あっさりパスワードを教えてくれたわよ」
「あんにゃろー、また余計な事を……」
「このパソコンの中の方が、むしろあっちの棚に並んでいるラインナップよりも、更にヤバいモノが隠されてたりしてね……」
やたらとワクワクした面持ちで、モニターを見つめる緑川。
ダメだコイツ、好奇心の獣に毒されてやがる……
「例えばそうね……このフォルダーとかいかにも怪しそうじゃない?」
カチカチ。
ま、マズい!その中には!
「ちょっ、待て!ソコはダメだ!」
「あら、どうやらビンゴだったようねw……ん?」
そのフォルダーの中にある複数のフォルダーの内の1つに、マウスカーソルが重なったところで、ピタリと手が止まった緑川。
そのフォルダーの名前は、【kaede】。
「kaede……私の名前……?」
そう、そのフォルダーは、紛れもなく俺が作製した、緑川楓専用のオカズフォルダーであった。
……いや、この状況だと、”勃ちのいい”冗談になるのか?///
って、んなつまんねー事を言ってる場合ではないが……
……
俺の呼びかけに対して言葉が返ってくる事はなく、彼女は依然として無防備に、仰向けに寝そべったままであった。
……え?嘘だろ?
マジかコイツ……もしかして、本気なのか!?
……いや、いや、そんな事あるわけねーだろ!///
俺が、あの”緑川楓”のカラダを、好き放題できるなんて、そんな事があっていいわけ……///
……ごくりっ///
い、いかん、いかん!
落ち着け、青山和哉!
惑わされるな、こういうわけのわからん時こと、兎にも角にも落ち着いて対処するんだ。
「……おい!お前まさか、本気なのか?……抵抗する気が無いなら、お望み通りほんとに襲っちまうぞ!いいんだな!……やっぱ止めるっつーなら今のうちだぞ!」
……
……むむ、これでも返答は無しか。
まったく、ほんとに頑固なヤツだなぁ。
しかたねー、ボロが出るまで、もう少し押してみるか……
「……緑川、反応しないなら、マジでヤるからな!いいんだな!……俺はヤると言ったらヤる男だぞ、おい!」
……
やはり、どうしたって反応は無い。
となると、かくなる上は……
はぁー、っと大きな溜息をついてから重い腰を上げた俺は、彼女が横になっているベッドの上に上がり、仰向けになっている彼女のその身体の真上に覆い被さるような形で、四つん這いの体勢となった。
俺の顔と向き合う緑川の顔は、目を瞑り、頬を染め、下唇を軽く噛み締めている、図らずともそんな扇情的な表情をしていた。
ギシギシと軋みをあげながら変形するベッドのスプリングのその感覚から、例え目を瞑ったままの状態であっても、自分が今現在置かれている状況は理解しているであろうに、それでもなお、緑川は抵抗する素振りを一切見せていない。
その、俺のカラダの直下で無防備なカラダを晒す彼女を目の当たりにし、否応なしに、俺の中で抑え込んでいる雄としての衝動が沸々と込み上げてくる。
……あともう一押しで”爆発”しかねない、そんな状態へと誘われていく。
……ごくりっ///
「……緑川、お前、今の状況が理解ってんのか?」
……
しかし、返事は無い。
「緑川、コレが最後の確認だ……このまま抵抗しないなら、今から俺はお前に手を出す……どれだけ泣こうが喚こうが、俺は止まれないと思うし、止まるつもりもない。ヤるからには、ヤる。思いっきり、容赦なくヤる。……コレは、お前自身が招いた”結果”だからな。因果応報ってやつだ……だから、腹は括ってもらうぞ、いいな……」
そこまで言葉に出したところで、俺は奥歯を噛み締めながら下腹部にグッと力を込めて身構える。
何故そんな行動をとったのかというと、よくあるパターンだと、ここら辺りで『やっぱりイヤー!』みたいな感じで、緑川が股間を蹴り上げてくるのではないかと予想したからだ。
……
が、俺のその未来予想図は外れたようで、緑川の無反応は依然として継続したままであった。
彼女の身体は、微動だにしていなかったのである。
いや、正確に言うと、彼女は微動だにはしていた。
四つん這いの体勢でベッドに押し付けている俺の両の手の間で、彼女の肩はプルプルと小刻みに震えていたからだ。
……たくっ、強がりやがって。
何が”覚悟してきた”だ、まんまビビってんじゃねーかよ。
が、先程”手を出す”と口に出して宣言した手前、俺だって今更後に引くつもりはない。
俺は、ベッドに押し付けていた右手を上げ、彼女の顔へ向けて差し伸ばす。
”覚悟”しろよ、緑川。
俺のは人一倍、刺激的だぞ……
コツン!
「っっっ!!!痛っ!!!ちょっ、いきなり何するのよ!」
「何って、青山和哉渾身の”デコピン”だが!」
ふっ、昔から妹をサンドバッグにして鍛錬を積んできた俺の必殺技だ、そりゃあさぞ痛いことだろうよ。
赤くなったオデコの一点を擦りながら、恨めしそうな目で俺を睨みつけてくる緑川。
「くっ……なんて威力のデコピンなの、めちゃくちゃ痛いんだけど!これ、絶対オデコ赤くなってるでしょ!なんて事してくれてんのよ!」
「……お前が余りにも馬鹿なこと言い出すもんだからさ、ついカッとなっちまったんだよ」
「はぁ!?馬鹿ですって!?」
「だってそうだろ、自分のカラダを好きにしていいなんて、そんな提案をするヤツは大馬鹿者だろうが!」
「……で、でも、このシチュエーションにおいて、女に手を出してくるのが男として”普通”の行動だと思うんだけど///私の考えは間違っているかしら……///」
間違っては、いないと思う。
特に、このノクターンノベルズの世界においては、様式美とさえ言えよう。
「……だがな緑川、残念ながらお前のその見立てには、1つ決定的な”誤算”が存在しているぞ」
「誤算、ですって?」
「それはな……俺が”紳士”だということだ!」
「……はい?」
俺は、四つん這いになっていた体勢やめ、改めてベッドに腰掛け直して話を続ける。
「俺は生粋の”ジェントルマン”だからな、女の弱みにつけ込んで手を出すような、そんな下劣な行為には一切興味が無いってこった。いやむしろ、弱って傷ついているレディーがいたら、救いの手を差し伸べてあげるのが紳士たる俺のモットーであってだな……」
仰向けで横になっていた状態から上体を起こして座りの姿勢になった緑川は、ジト目で俺の顔を見つめながら口を開く。
「……いや、それ、嘘よね」
「ぬ?」
「あなたが紳士たがら手を出してこないなんて、そんなのデタラメよ!」
「ぬぬ!?なにを根拠にそんな断定を……」
「そんなの、あそこに並んでるオカズコレクションの傾向が、”真実”を物語ってるじゃない!レイプ,輪姦,凌辱,援交,パパ活,催眠,洗脳,時間停止,透明人間,常識改変,監禁,拘束,肉便器、性奴隷,人間牧場,性処理当番,少子化対策子作り法……そして脅迫!この性癖のラインナップのどこが”紳士的”だって言うのよ!」
「ぬぬぬっ!!!」
「……ああ、なるほど、分かったわ、じゃあなんでそんなあなたが私に手を出してこないのか」
「ぬぬぬ……?」
「その理由を言い当ててあげましょうか。……あなたはね、行動に移さないんじゃない、移せないだけなのよ!どう、違うかしら?」
「ぬぬぬぬぬっ!!!」
「今現在、あなたは性癖どストライクの、そんな夢のようなシチュエーションの渦中にいる。そして、こんな圧倒的に自分優位な状況にも関わらず、あなたはそのチャンスを自ら放棄しようとしている。それは何故かって?答えは簡単よ……要するに、あなたって”チキン”なんでしょw」
「ぐふっっ!!!」
残念ながら、当にその通りである。
俺が”紳士”なんてことは、当然有り得ない話であった。
なんせ本物の紳士だったら、気絶している女のケツ穴のシワの数を数えたり、乳輪と今川焼のサイズを比べたりなど、応急処置を差し置いてそんなバカな真似を実行するはずがないからだ。
「紳士振るのは建前で、女性に手を出す度胸が無い自分自身に対しての言い訳なんでしょ。さっき言ってた第三者目線で楽しむって話も、結局は当事者になる覚悟も気概も無いってだけの話なんじゃないの、ソレって」
グサッ!
くっ……コイツ、痛い所をを的確に攻撃してきやがる……
「はぁー、手を出してくるかと思って警戒していた相手が、まさかただの”骨無しチキン”だったとは、これぞ当に杞憂ねw襲う度胸も無いんじゃ、そりゃあ手を出してこないわけよねw」
この野郎、ド正論だからって好き勝手言ってくれるじゃねーか……
ていうか、んな”当たり屋”みたいな事をいきなりカマされて、今回の件に関しては完全に俺が被害者なんじゃねーか?
ここまで一方的に言われっぱなしでよぉ、流石に黙ったままというのも癪だな。
売り言葉に買い言葉だ、少しコチラからも言わせてもらおうじゃあないか……
「ふん!そもそも、お前なんかに手を出そうと思うほど、こちとら女には困っとらんわ、ボケ!」
「なっ!?”なんか”ってなによ!あなたなんかにそんな風に言われる筋合いなんて無いんですけど!」
「んなこと言ったらコッチこそ、お前なんかにチキン呼ばわりされる筋合いなんてねーよ!」
「あっ!また”なんか”って言ったわね!」
「おう、何度だって言ってやらぁ!お前”なんか”にはなぁ、頼まれたって手を出さねーよ、バーカ!」
「くっ、なんて癪に障る男なの……ていうかあなた、手を出さないって言ってるくせに、さっき私のオデコに思いっきりデコピンしてきたじゃない!アレ、めちゃくちゃ痛かったんだけど!」
「アレはな、意地っ張りな頑固者のアタマを冷やしてやろうと放った、言わば”愛のムチ”ってやつであってだな、むしろ感謝して欲しいぐらいだぜ」
「愛っ!?キモっ!別にあなたからそんなもの提供されたくないんですけど!今からその”ありがた迷惑”をお返ししてあげるわ!ほら、そのオデコを大人しく差し出しなさい!」
「やなこった!お前なんかに差し出すような安いデコは持ち合わせておらんのでなぁ!」
「はぁ!?それこそコッチのセリフなんですけど!いいから大人しくその汚いデコを差し出しなさいよ!」
完全にムキになっている緑川は、俺のデコに目掛けて勢い任せに右手を突き出してきた。
デコピンを回避すべく、俺は左手で彼女の右手の手首をとっさに掴んで抑え込む。
「ちよっと、気安く掴まないでよ!離しなさい!」
「ふんっ、ヤラれてたまるかってんだ!」
俺の手を振り解こうと、無理矢理に腕に力を込める緑川。
「お、おいっ!待てっ!やめろって!うわっ!!!」
緑川の手首を掴んでいた左手が力負けし、その反動で体勢が崩される。
彼女の方へ向け前のめりに突伏しそうになった俺は、とっさにフリーだった右手を前に突き出してまい……
むにゅっ。
あろうことか、緑川のHカップを鷲掴みにしてしまった。
うおおっ!!!♡
な、なんてボリューミーな楽しみお乳なんでしょ♡
ブレザー越しではあったが、その乳のパフォーマンスは圧巻であった。
円香の”F”ももちろん凄いこさ凄いが、2カップ上の”H”のその圧倒的質量たるや、いやはや別格も別格。
その爆乳を実感し、頭ではなく心が理解してしまう。
やはり、乳はデカければデカい方がいいな、と。
「きゃっ!///」
彼女の口から、意外にもそんな可愛らしいリアクションの声が漏れた。
その反応を受けてハッと我に返った俺は、彼女のHカップを掴んだままとなっていた右の手を急いで離す。
「あ、わ、わりぃ、今のは、その、わざとじゃなくてだな、その……///」
しどろもどろになって目を泳がせながら弁明する俺から顔を背けて、緑川も口を開く。
「……だ、大丈夫よ、わざとじゃないことは分かってるから///こっちこそ、変な声出しちゃってごめんなさい……///」
「……///」
「……///」
き、気まずい……///
「……あー、なんか、お前とくだらねー言い合いをしてたら喉が渇いちまったな///ちょっくら飲み物取ってくるから、お前は俺のオカズコレクションでも物色しながら待っててくれ///」
「え、ええ、分かったわ……///」
なんとも表現し難い、このムズムズとした恥ずかしさを誤魔化そうと、そんな理由をつけて俺はそそくさと部屋を出て階段へと向かう。
ふわふわと浮ついた足取りで階段を駆け下りた俺は、冷蔵庫があるキッチンへ向かう前に、先ずは脱衣室へと向かった。
それはもちろん、円香の未洗濯おパンティーを回収して堪能しようとしたから、というわけではなく、この機会に一度、洗面所で顔を洗っておきたかったのだ。
今の俺には何よりも、クールダウンが必要だった。
蛇口から出る冷水を、掌で作った”器”にためてから顔面に強めに打ちつける。
ビシャビシャと顔を雑に濡らすその冷やかな感触が、今の俺にとってはなんとも心地よい。
そんな荒い洗顔を5回6回と繰り返した後、タオルを手に取って顔を拭く。
ふぅーー。
正直、危うかった……
聖人君子ぶるつもりはない。
あとほんのもう一押しで、俺は緑川に手を出していたことだろう。
今だってアタマの中は、緑川楓という女のカラダを弄ぶ妄想で一杯一杯なのだ。
あのHカップを、好きなように揉みしだけた……
あのデカ乳輪に、思う存分吸いつけた……
あのスカートをめくりあげれば、パンツだって拝めた……
更にそのパンツを脱がせれば、あのパイパンのマンコだって……
いや、眺めるだけじゃない、ヤろうと思えば、できたんだ。
俺の肉棒で、彼女の膣内の”味”を知ることだって、きっとできたはずだ……
……ごくりっ。
だけど、それでも、俺はヤらなかった。
いや、ヤれなかった。
それは、ほんの1%だけ、微かに”ヤらない”という気持ちに心が傾いたからだ。
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……きっと、生涯ずっと、後悔し続けることになるとは、もちろん分かっている。
『あの時、緑川のカラダを好きにできたのに、どうして俺は……』
『あの時、緑川とヤっておけばよかったのに、なんで俺は……』
……これから先の人生において、ふとした時に、そんな後悔の念が押し寄せてくるに違いない。
けど、だとしてもだ。
間違っていると分かっていながら、それでも俺は自分で選んだんだ。
そう、コレが俺の、どうしたって変えられない、”生き方”ってやつだから……
譲れないんだよ、どうしても、コレだけは。
だって俺は、夏希に恋をした自分を、円香を愛している自分を、否定する事だけはしたくないから……
だから、緑川に手を出すにしたって、今回みたいに無理矢理にではなく、ちゃんと正規の手順を踏んでお互いに合意の上でだな……
……
って、待てよ、冷静に考えるまでもなく、そもそも俺と緑川が正規ルートで結ばれるなんて、そんな事有り得なくねーか?
かたや、江口杉学園ナンバーワン美少女。
かたや、江口杉学園抱かれたくない男ランキング1位(暫定)。
……うん、全くもって有り得ないよな。
釣り合ってないどころか、対極もいいところだ。
……いやしかし、となると、つまり今回のこのチャンスを逃すと、俺はもう2度と緑川のあのデカ乳輪にしゃぶりつけないという事が確定してしまうのか……
……
いや、それは惜しい!!!
めちゃくちゃ惜しい!!!
このまま大人しく引き下がる事が、急に惜しくなってきたんだが!!!
なんか変に気取って、自分語りの痛いポエムを長々と垂れ流してすみませんでした!
プライドも意地も、正直そんなもの1ミリも持ち合わせておりません!
”譲れない”なんて、まったくの嘘です!
ちょっとカッコつけたくて、なんかそれっぽい言葉を並べてみたかっただけなんです!
本心は、あのデカ乳輪を味わいたくて味わいたくて、辛抱たまりません!
……いやそもそも今回の件に関しては、俺の心持ちがどうこうという話だけでないんだ。
緑川だって『覚悟してきた』って言ってたわけで、それだって広義では十分に”合意”と捉えられるはずだ……
つまり、ぶっちゃけコレって、ヤっちゃっても全然問題無い事案なんじゃねーのか、おい!
だよなぁ!そうだよなぁ!ヤっちゃっていいよなぁ!
弱みにつけ込んで、襲っちまっても構わねぇよなぁ!
なんたって俺は、他でもなくこの作品の”主人公様”なんだぜ!
多少無理矢理だったとしてもよぉ、ヒロインのデカ乳輪にしゃぶりついても許される立場のはずだよなぁ!
どうせ同じアホならよぉ、ヤらなきゃ損だろ!
むふっ♡
そうと決まれば、楓ちゃんのドスケベクソデカ乳輪を、今から思う存分しゃぶりつくしますぞ~、でゅふふ♡
と、自らを半ばヤケになりながら焚き付け、俺の中の邪な”覚悟”が決まりかけた当にその時……
ピロン♪と、ポケットからRINEの通知音が鳴った。
条件反射よろしく手に取ったスマホに目を落とすと、ソレは円香からのメッセージであった。
『お兄ちゃん、作戦会議をドタキャンしちゃってゴメンね!お詫びに、今日の晩ごはんはお兄ちゃんの大好きな円香特製の愛情たっぷり”ふわとろオムライス”を作ってあげるから許してね♡』
……はぁー、まったく、ほんとタイミングの悪いヤツだ。
せっかくヒートアップしてきたところだったのに、一気に興が削がれちまったじゃねーかよ……
『お兄ちゃん、あなたは今、”ふわとろ”という言葉から、”ふわとろオマンコ”を連想しましたね……そうです、コレがメンタリズムです!』
……イラッ。
クソつまらんメッセージを送ってきたにも関わらず、おそらくは画面の向こうで憎たらしいドヤ顔をキメているであろう妹のウザい姿を想像し、無性に腹が立つ。
『今夜は、ふわとろオムライスと一緒に、円香のふわとろオマンコも味わっちゃう?♡なんつってw♡』
……イラッ。
面白くもねーしめんどくせーから、とりあえず返信はせずに既読スルーにしておこう。
なんなら、これ以上不快な思いをしないように、今日1日ブロックしておくのが賢明な判断だな。
はぁー、そろそろ飲み物を回収して部屋に戻るか……
円香のクソみたいな横槍をモロに食らい、完全にしらけきった俺は、本来の目的を果たすべくキッチンへと向かった。
冷蔵庫の中から、円香が愛飲しているリブトンのミルクティーとレモンティーの紙パックを取り出し、それと個包装のストロー2本を手に持って、緑川の待つ自室へ向け階段を足早に上る。
2階に上がった俺は、自室の扉を開く前に、廊下で一度立ち止まり深呼吸をする。
スゥーハァー、スゥーハァー
……よし、大丈夫だ。
危うく道を踏み外しかけたが、円香から送られてきたクソつまらんメッセージのおかげ?でどうにか冷静さを取り戻せたようだ。
アイツの底無しのウザさも、たまには役にたつもんだな……
ガチャ。
「すまん緑川、待たせたな。ミルクティーとレモンティー,どっちがいい?」
「じゃあ、レモンティーを頂いてもいいいかしら」
「はいよ」
「ありがとう」
……
「って、なんでお前は人のパソコンを勝手に使っとるんじゃー!!!」
「だって、言ってたじゃない、俺のオカズコレクションを物色して待ってろって。あなたのことだし、どうせこのパソコンの中身だってオカズだらけなんでしょ」
確かに、用途はオナニーに特化しているけども。
「だからって、人様のパソコンを勝手に開くな!……ん?ていうか、どうやってパスワードを突破したんだ?」
「さっき、円香からドタキャンについての謝罪のRINEが届いたから、返信ついでに聞いてみたら、あっさりパスワードを教えてくれたわよ」
「あんにゃろー、また余計な事を……」
「このパソコンの中の方が、むしろあっちの棚に並んでいるラインナップよりも、更にヤバいモノが隠されてたりしてね……」
やたらとワクワクした面持ちで、モニターを見つめる緑川。
ダメだコイツ、好奇心の獣に毒されてやがる……
「例えばそうね……このフォルダーとかいかにも怪しそうじゃない?」
カチカチ。
ま、マズい!その中には!
「ちょっ、待て!ソコはダメだ!」
「あら、どうやらビンゴだったようねw……ん?」
そのフォルダーの中にある複数のフォルダーの内の1つに、マウスカーソルが重なったところで、ピタリと手が止まった緑川。
そのフォルダーの名前は、【kaede】。
「kaede……私の名前……?」
そう、そのフォルダーは、紛れもなく俺が作製した、緑川楓専用のオカズフォルダーであった。
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