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第3章.バイブレーション茶道部【桃瀬春子】
第47話.六畳間の来訪者!?(Part3)
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「ねぇ青山君……まさかこのフォルダー名の【kaede】って、私のことなの?」
……
緑川のそんなド直球な質問に対して、俺は否定できなかった。
「やっぱりそうなのね……」
沈黙を肯定と捉えた彼女は、軽蔑の感情を含んだジト目で俺の顔を一瞥すると、再びモニターへと視線を戻した。
「いったい、この中に何が……あっ!まさか!あのビルの屋上での一件を盗撮してた動画とかじゃないでしょうね!ソレを使って、いずれ私を脅迫するつもりなんじゃ……」
この状況で抵抗するだけ無駄である事を悟っている俺は、
緑川がそのフォルダーを展開する姿を黙って見届ける。
カチカチ。
「……ん?コレだけ?」
『もっと大量のデータがあるかと思ってたのに』とでも言いたげな表情を浮かべる彼女の見つめる先には、1つのJPGファイルの画像データが。
そう、そのフォルダーの中には、その1つの画像データのみが保存されている状態だった。
その予想外な状況に戸惑いを露わにしつつも、彼女はその唯一保存されていた画像データを開く。
カチカチ。
「……コレって」
画面に表示されたのは、もちろん緑川楓の写真であった。
が、あのビルの屋上での例の一件を盗撮した写真などではなく、体育館の壇上でスピーチを行なっている、いかにも”品行方正”といった出で立ちの制服姿の彼女の写真であった。
サイズが小さく、解像度が粗めの、そんな写真。
今現在の彼女よりも幾分かは幼く見える、そんな写真。
どうせ質問される事は分かりきっているので、ここは潔く俺の方から白状しておくとしよう……
「……ソレは、あれだ、俺たちが高1の時の、つまり2年前のお前の写真だ。おそらく、英語のスピーチコンテストで発表している時の写真だと思う」
「確かに、1年生の時に私が学年代表で選出されて、壇上で発表した事もあったわね。なるほど、その時の……って、”おそらく”って、コレ、あなたが撮影した写真じゃないの?
「ああ、俺が撮った写真じゃない」
「じゃあ、なんであなたがこんな写真を持ってるのよ?」
「いや、それはだな……」
「ここまできて、今更誤魔化そうとしないでよ。ほら、観念して白状しなさい」
「……怒るなよ」
「ん?怒る?よくわかんないけど、とにかく怒ったりしないから言ってみなさいよ」
「……学校案内のパンフレットだ」
「……パンフレット?」
「だから、その……去年円香が中3だった時に貰ってきた、江口杉の学校案内のパンフレットだよ。ソレがたまたまリビングの机の上に置いてあるのを見つけて……んで、なんの気無しに、暇つぶし程度に目を通してみたら、偶然お前の写真が載ってるページを見つけて……///」
「……で?」
冷めた視線でモニターを見つめたまま、彼女はそんな素っ気ないリアクションを返してくる。
……お、怒ってる、のか?
やっぱり、親しくもない異性に勝手に自分の写真を所持されているなんて、面白い話ではないよな。
しかしこうなってしまった以上、せめて正直に話そう……
「……それで、『やった、緑川の写真じゃん!ラッキー!』ってなって、嬉しくて、ついそのページをスキャンして保存してしまったってわけなんだが……///」
……
「わ、悪気は無かったんだ。ただ……お前が余りにも可愛かったから、その、つい魔が差しちまって///……すまん!」
……
「……ぷっ……ぷぷぷっ……ぷぷっ」プルプル
ん?
「ぷ、ぷふぅっ、あははははははは!」
!?
「お、おい、緑川!?」
そのなんとも気不味かった沈黙を破ったのは、他でもなく、緑川の”爆笑”であった。
「あははははははは!」
机に突伏するように、腹を抱えながら文字通りの大爆笑をかます緑川。
「なんだ?何をそんなに笑って……」
てっきり怒られるもんだと思って観念していたところに彼女のこの反応だったので、俺自身流石に戸惑いを禁じ得ない。
「あはははは!ははは、はは……はぁー、はぁー、ご、ごめんなさいwでも、余りにも可笑しくってwふふふw」
笑いすぎて涙まで見せる彼女は、目を擦りながら呼吸を整えて、なんとか話を続ける。
「はぁー、はぁー、ふふwてっきり、とんでもない盗撮動画が出てくるかと身構えてたのに、まさかあんな画質の悪いしょーもない写真を大切に保存してるなんて、そんなの、あんまりでしょw」
「……動画もなにも、そもそも俺は例のあの日、撮影はできなかったんだ。スマホの調子が悪くて、上手くカメラアプリが起動しなくてな。まぁ、そう言われたって、素直に信じられる話じゃないかもしれんが……」
「いや、分かったわ、あなたが盗撮はしてなかったって信じてあげるw」
「ほんとか?」
「だって、そんな良質なオカズを入手できてたら、こんな低画質のちんまい写真を大切に保存しておく必要なんてないでしょwふふふw」
確かに、このデータこそが”状況証拠”になるってわけか……
といっても、いかに低画質とはいえ、”緑川楓”の写真である以上はとんでもない価値を有している事には違いないとは思うが……
まぁこの際、俺が盗撮動画を所持していないという事を信じてもらえたなら、結果オーライか。
「ふふふwダメ、笑い過ぎてお腹痛いwあははははw」
「……だからって、そんなに笑わんでも///」
余程ツボに入ったのか依然として笑いが治まらない様子の彼女のその笑顔を見つめながら思う。
例の屋上での一件を円香がガッツリ盗撮していたという事実は、まだしばらく彼女には内緒にしておいた方が良さそうだな、と……
「……どうだ、そろそろ落ち着いたか?」
「はぁー、はぁー、ええ、ごめんなさいw」
散々笑い倒した後、やっとこさ平静を取り戻せそうな状態にまで戻ってきた緑川。
「たくっ、何がそんなに面白いっていうんだ……」
「だって、あなたが余りにも滑稽だから、ふふふwこんなちっちゃい写真を見つけたからって、ソレをわざわざスキャンして保存しておくなんて、マヌケにも程があると思わない?wあははw」
「滑稽っつってもよ、好きな女の写真をゲットできるチャンスとなったら、思春期の男子なら誰でもそれぐらいは浮かれると思うんだが……」
「ふふふw」ニマニマ
「なんだよ、その表情は……」
「”好きな女”、ねぇw」クスクス
「あっ!///いや、それは、そういう意味合いじゃなくて!///あれだ、”言葉の綾”みたいなものであって、決して”LOVE”というつもりではなくてだな!///」
「はいはい、ツンデレ乙wふふ、そっかそっか、あなた、私の事がそんなに好きだったのねwこの程度の写真を見つけただけでラッキーって浮かれて喜んじゃうぐらい、私の事が大好きなんだwふふふw」
「ぐっ……///」
言われたい放題ではあったが、言い返そうにも事実には違いなかったので、返す言葉が見つからなかった。
「『お前なんか』って散々煽ってたけど、あれは無理に強がってたのよねw本心では、大好きな私を前にしてドキドキしちゃってたんでしょw」クスクス
ニヤニヤと、あからさまに人を小馬鹿にした態度が剥き出しの笑顔を俺に向けてくる緑川。
「ちっ……///わりぃかよ……///」
完全に勝敗が決した今となっては、どれだけ強がったところでそれこそ滑稽でしかないが、それでも俺はせめてもの抵抗を示そうと露骨に舌打ちをした。
「あはは、ごめんなさいwちょっと意地悪が過ぎたかしらw」
「……お前、見かけによらず中々”いい性格”してるよな」
「あら、それはお互い様じゃない?」
「ちげーよ、俺の場合はお前と違って、見かけ通りに中身も歪んでるからな」
「あはは、言えてるわね、それw」
別にフォローされる事を期待していたわけではないが、その返しができるということは、やはりコイツは”いい性格”をしていると思う。
そして、そんな風にあしらわれてもなお、それでも目の前の彼女の笑顔にトキメイてしまう俺もまた、どうしようもなく”いい性格”をしていると自負している。
「はぁー、ほんと、笑い過ぎておかしくなるところだったわwこれだけ笑わせてもらったし、さっきのデコピンの件はコレでチャラにしてあげるw」
俺が持ってきたリブトンのレモンティーを飲みながら一息ついた様子の彼女は、なおも笑いが覚めやらぬといった面持ちで俺に揚々と語りかけてくる。
「青山君、あなた、将来はコメディアンなんて向いてるんじゃないかしらw”世界1滑稽な男”として、みんなから笑い者にされる才能があると思うんだけどw」クスクス
「……それこそ、お互い様だろ」
「ん?どういう意味?」
ボソッ。
「……ケツ穴ボンバー」
「……なっ!?///」
笑顔から一転、一瞬にして顔が真っ赤に染まる緑川。
「俺も確かに滑稽かもしれんが……野外露出しながらよぉ、”ケツ穴ボンバー”とか”ムササビマンコ”をキメてる女の方が、俺なんかよりもよっぽど滑稽だろうが!!!」
「うっ!///……ちょっと、それ、禁止カードじゃない!!!///禁止よ、禁止!!!///あの夜の一件を引き合いに出すのは禁止よ!!!///」
「うるせー!!!お前が始めた物語だろーが!!!人を刺すからにはよぉ、自分も刺される覚悟を持てって事だ!!!」
「ぐぬぬ……///言ってくれるじゃない……///」
「ふっ、お互い様、だろ」
本当はこの”切札”を切るつもりは無かったんだが、ついカウンターをキメたくなっちまって思わず口から出ちまったじゃねーか。
女性相手に、特に美少女に対してあまり意地の悪い事をするのは性に合わないが、さっきあれだけイジられたんだ、こっちからこれぐらいはイジり返しても御愛嬌だろう。
「……ねぇ青山君、あなた、さっき”お互い様だ”って言ったわよね」
「あぁ、言ったさ。お前から俺の事を散々イジって笑い者にしたんだ、俺からイジられてもそれは自業自得てヤツだぞ」
「ええ、いいわ、その点に関しては私も飲み込んであげる。私から先に仕掛けたからには、そのお返しとしてあなたから攻められるというのも納得できるしね……でもね、そういう話になってくると、ソレとは別に、私から1つあなたに要求したい事があるのだけど……」
「要求だと?」
「ええ、単刀直入に言うわ……青山君、お互い様だと言うのなら、今から私の目の前でオナニーをしなさい///」
……はい?
「……えっと、すまん……何がどう転んだらそんな話に繋がるんだ?」
”風が吹けば桶屋が儲かる”どころの騒ぎではない。
”女子の秘め事をイジったらオナニーの公開を要求された”なんて、理由が分からないにも程があるぞ。
「……だから、”お互い様”なんでしょ///」
「……は?」
「……あなた、私がオナニーしてるところ、この前ガッツリ目撃してたんでしょ!///」
「お、おう……ん?それで?」
「ソレって、よく考えたら不公平じゃない!///」
「……何が?」
「私は、あなたにオナニーしてる姿を見られたけど、あなたは、私にオナニーしてる姿を見られてないじゃない!コレって、どう考えても不公平だとは思わないかしら!///」
「……思いません」
「あなた、前に私の事を、円香の命を救うための『対等な仲間』だって言ってたわよね。『コレで貸し借り無しだ』とも言ってたわ」
「ああ、確かにそう言ったな」
「今現在の関係性からして、とても”対等”とは言える状況じゃないと思うわ!///オナニーを一方的に”見た側”と”見られた側”では、対等でない事は明白よ!///」
「……えっと、つまりなんだ、お前は一方的に俺にオナニーを見られた立場であることが気に食わないから、俺のオナニーしてる姿も見せろと、そうなってやっと”対等な仲間”という関係になれるんじゃないかと、そう言いたいってわけか?」
「ええ、有り体に言えばそうね」
「んな無茶苦茶な……」
「あなただって、”貸し借り”が発生する事は望んで無かったはずよ!私たちの関係性をイーブンにするには、ソレが1番手っ取り早いとは思わないかしら?」
正直ブッ飛んだ屁理屈でしかないが、確かに言いたい事は分からなくもない。
俺がオナニーを彼女に見せる事で、彼女の中に存在する”青山和哉との確執”に一旦の決着がつくというのなら、その”ワガママ”を受けとめてやるのが”男気”なのかもしれない……のか?
はぁー、全くもって腑に落ちてはいないけど、俺が一肌脱いで手打ちにてきるなら安いもんか……
「……分かったよ、お前の要求を飲んでやる」
……
緑川のそんなド直球な質問に対して、俺は否定できなかった。
「やっぱりそうなのね……」
沈黙を肯定と捉えた彼女は、軽蔑の感情を含んだジト目で俺の顔を一瞥すると、再びモニターへと視線を戻した。
「いったい、この中に何が……あっ!まさか!あのビルの屋上での一件を盗撮してた動画とかじゃないでしょうね!ソレを使って、いずれ私を脅迫するつもりなんじゃ……」
この状況で抵抗するだけ無駄である事を悟っている俺は、
緑川がそのフォルダーを展開する姿を黙って見届ける。
カチカチ。
「……ん?コレだけ?」
『もっと大量のデータがあるかと思ってたのに』とでも言いたげな表情を浮かべる彼女の見つめる先には、1つのJPGファイルの画像データが。
そう、そのフォルダーの中には、その1つの画像データのみが保存されている状態だった。
その予想外な状況に戸惑いを露わにしつつも、彼女はその唯一保存されていた画像データを開く。
カチカチ。
「……コレって」
画面に表示されたのは、もちろん緑川楓の写真であった。
が、あのビルの屋上での例の一件を盗撮した写真などではなく、体育館の壇上でスピーチを行なっている、いかにも”品行方正”といった出で立ちの制服姿の彼女の写真であった。
サイズが小さく、解像度が粗めの、そんな写真。
今現在の彼女よりも幾分かは幼く見える、そんな写真。
どうせ質問される事は分かりきっているので、ここは潔く俺の方から白状しておくとしよう……
「……ソレは、あれだ、俺たちが高1の時の、つまり2年前のお前の写真だ。おそらく、英語のスピーチコンテストで発表している時の写真だと思う」
「確かに、1年生の時に私が学年代表で選出されて、壇上で発表した事もあったわね。なるほど、その時の……って、”おそらく”って、コレ、あなたが撮影した写真じゃないの?
「ああ、俺が撮った写真じゃない」
「じゃあ、なんであなたがこんな写真を持ってるのよ?」
「いや、それはだな……」
「ここまできて、今更誤魔化そうとしないでよ。ほら、観念して白状しなさい」
「……怒るなよ」
「ん?怒る?よくわかんないけど、とにかく怒ったりしないから言ってみなさいよ」
「……学校案内のパンフレットだ」
「……パンフレット?」
「だから、その……去年円香が中3だった時に貰ってきた、江口杉の学校案内のパンフレットだよ。ソレがたまたまリビングの机の上に置いてあるのを見つけて……んで、なんの気無しに、暇つぶし程度に目を通してみたら、偶然お前の写真が載ってるページを見つけて……///」
「……で?」
冷めた視線でモニターを見つめたまま、彼女はそんな素っ気ないリアクションを返してくる。
……お、怒ってる、のか?
やっぱり、親しくもない異性に勝手に自分の写真を所持されているなんて、面白い話ではないよな。
しかしこうなってしまった以上、せめて正直に話そう……
「……それで、『やった、緑川の写真じゃん!ラッキー!』ってなって、嬉しくて、ついそのページをスキャンして保存してしまったってわけなんだが……///」
……
「わ、悪気は無かったんだ。ただ……お前が余りにも可愛かったから、その、つい魔が差しちまって///……すまん!」
……
「……ぷっ……ぷぷぷっ……ぷぷっ」プルプル
ん?
「ぷ、ぷふぅっ、あははははははは!」
!?
「お、おい、緑川!?」
そのなんとも気不味かった沈黙を破ったのは、他でもなく、緑川の”爆笑”であった。
「あははははははは!」
机に突伏するように、腹を抱えながら文字通りの大爆笑をかます緑川。
「なんだ?何をそんなに笑って……」
てっきり怒られるもんだと思って観念していたところに彼女のこの反応だったので、俺自身流石に戸惑いを禁じ得ない。
「あはははは!ははは、はは……はぁー、はぁー、ご、ごめんなさいwでも、余りにも可笑しくってwふふふw」
笑いすぎて涙まで見せる彼女は、目を擦りながら呼吸を整えて、なんとか話を続ける。
「はぁー、はぁー、ふふwてっきり、とんでもない盗撮動画が出てくるかと身構えてたのに、まさかあんな画質の悪いしょーもない写真を大切に保存してるなんて、そんなの、あんまりでしょw」
「……動画もなにも、そもそも俺は例のあの日、撮影はできなかったんだ。スマホの調子が悪くて、上手くカメラアプリが起動しなくてな。まぁ、そう言われたって、素直に信じられる話じゃないかもしれんが……」
「いや、分かったわ、あなたが盗撮はしてなかったって信じてあげるw」
「ほんとか?」
「だって、そんな良質なオカズを入手できてたら、こんな低画質のちんまい写真を大切に保存しておく必要なんてないでしょwふふふw」
確かに、このデータこそが”状況証拠”になるってわけか……
といっても、いかに低画質とはいえ、”緑川楓”の写真である以上はとんでもない価値を有している事には違いないとは思うが……
まぁこの際、俺が盗撮動画を所持していないという事を信じてもらえたなら、結果オーライか。
「ふふふwダメ、笑い過ぎてお腹痛いwあははははw」
「……だからって、そんなに笑わんでも///」
余程ツボに入ったのか依然として笑いが治まらない様子の彼女のその笑顔を見つめながら思う。
例の屋上での一件を円香がガッツリ盗撮していたという事実は、まだしばらく彼女には内緒にしておいた方が良さそうだな、と……
「……どうだ、そろそろ落ち着いたか?」
「はぁー、はぁー、ええ、ごめんなさいw」
散々笑い倒した後、やっとこさ平静を取り戻せそうな状態にまで戻ってきた緑川。
「たくっ、何がそんなに面白いっていうんだ……」
「だって、あなたが余りにも滑稽だから、ふふふwこんなちっちゃい写真を見つけたからって、ソレをわざわざスキャンして保存しておくなんて、マヌケにも程があると思わない?wあははw」
「滑稽っつってもよ、好きな女の写真をゲットできるチャンスとなったら、思春期の男子なら誰でもそれぐらいは浮かれると思うんだが……」
「ふふふw」ニマニマ
「なんだよ、その表情は……」
「”好きな女”、ねぇw」クスクス
「あっ!///いや、それは、そういう意味合いじゃなくて!///あれだ、”言葉の綾”みたいなものであって、決して”LOVE”というつもりではなくてだな!///」
「はいはい、ツンデレ乙wふふ、そっかそっか、あなた、私の事がそんなに好きだったのねwこの程度の写真を見つけただけでラッキーって浮かれて喜んじゃうぐらい、私の事が大好きなんだwふふふw」
「ぐっ……///」
言われたい放題ではあったが、言い返そうにも事実には違いなかったので、返す言葉が見つからなかった。
「『お前なんか』って散々煽ってたけど、あれは無理に強がってたのよねw本心では、大好きな私を前にしてドキドキしちゃってたんでしょw」クスクス
ニヤニヤと、あからさまに人を小馬鹿にした態度が剥き出しの笑顔を俺に向けてくる緑川。
「ちっ……///わりぃかよ……///」
完全に勝敗が決した今となっては、どれだけ強がったところでそれこそ滑稽でしかないが、それでも俺はせめてもの抵抗を示そうと露骨に舌打ちをした。
「あはは、ごめんなさいwちょっと意地悪が過ぎたかしらw」
「……お前、見かけによらず中々”いい性格”してるよな」
「あら、それはお互い様じゃない?」
「ちげーよ、俺の場合はお前と違って、見かけ通りに中身も歪んでるからな」
「あはは、言えてるわね、それw」
別にフォローされる事を期待していたわけではないが、その返しができるということは、やはりコイツは”いい性格”をしていると思う。
そして、そんな風にあしらわれてもなお、それでも目の前の彼女の笑顔にトキメイてしまう俺もまた、どうしようもなく”いい性格”をしていると自負している。
「はぁー、ほんと、笑い過ぎておかしくなるところだったわwこれだけ笑わせてもらったし、さっきのデコピンの件はコレでチャラにしてあげるw」
俺が持ってきたリブトンのレモンティーを飲みながら一息ついた様子の彼女は、なおも笑いが覚めやらぬといった面持ちで俺に揚々と語りかけてくる。
「青山君、あなた、将来はコメディアンなんて向いてるんじゃないかしらw”世界1滑稽な男”として、みんなから笑い者にされる才能があると思うんだけどw」クスクス
「……それこそ、お互い様だろ」
「ん?どういう意味?」
ボソッ。
「……ケツ穴ボンバー」
「……なっ!?///」
笑顔から一転、一瞬にして顔が真っ赤に染まる緑川。
「俺も確かに滑稽かもしれんが……野外露出しながらよぉ、”ケツ穴ボンバー”とか”ムササビマンコ”をキメてる女の方が、俺なんかよりもよっぽど滑稽だろうが!!!」
「うっ!///……ちょっと、それ、禁止カードじゃない!!!///禁止よ、禁止!!!///あの夜の一件を引き合いに出すのは禁止よ!!!///」
「うるせー!!!お前が始めた物語だろーが!!!人を刺すからにはよぉ、自分も刺される覚悟を持てって事だ!!!」
「ぐぬぬ……///言ってくれるじゃない……///」
「ふっ、お互い様、だろ」
本当はこの”切札”を切るつもりは無かったんだが、ついカウンターをキメたくなっちまって思わず口から出ちまったじゃねーか。
女性相手に、特に美少女に対してあまり意地の悪い事をするのは性に合わないが、さっきあれだけイジられたんだ、こっちからこれぐらいはイジり返しても御愛嬌だろう。
「……ねぇ青山君、あなた、さっき”お互い様だ”って言ったわよね」
「あぁ、言ったさ。お前から俺の事を散々イジって笑い者にしたんだ、俺からイジられてもそれは自業自得てヤツだぞ」
「ええ、いいわ、その点に関しては私も飲み込んであげる。私から先に仕掛けたからには、そのお返しとしてあなたから攻められるというのも納得できるしね……でもね、そういう話になってくると、ソレとは別に、私から1つあなたに要求したい事があるのだけど……」
「要求だと?」
「ええ、単刀直入に言うわ……青山君、お互い様だと言うのなら、今から私の目の前でオナニーをしなさい///」
……はい?
「……えっと、すまん……何がどう転んだらそんな話に繋がるんだ?」
”風が吹けば桶屋が儲かる”どころの騒ぎではない。
”女子の秘め事をイジったらオナニーの公開を要求された”なんて、理由が分からないにも程があるぞ。
「……だから、”お互い様”なんでしょ///」
「……は?」
「……あなた、私がオナニーしてるところ、この前ガッツリ目撃してたんでしょ!///」
「お、おう……ん?それで?」
「ソレって、よく考えたら不公平じゃない!///」
「……何が?」
「私は、あなたにオナニーしてる姿を見られたけど、あなたは、私にオナニーしてる姿を見られてないじゃない!コレって、どう考えても不公平だとは思わないかしら!///」
「……思いません」
「あなた、前に私の事を、円香の命を救うための『対等な仲間』だって言ってたわよね。『コレで貸し借り無しだ』とも言ってたわ」
「ああ、確かにそう言ったな」
「今現在の関係性からして、とても”対等”とは言える状況じゃないと思うわ!///オナニーを一方的に”見た側”と”見られた側”では、対等でない事は明白よ!///」
「……えっと、つまりなんだ、お前は一方的に俺にオナニーを見られた立場であることが気に食わないから、俺のオナニーしてる姿も見せろと、そうなってやっと”対等な仲間”という関係になれるんじゃないかと、そう言いたいってわけか?」
「ええ、有り体に言えばそうね」
「んな無茶苦茶な……」
「あなただって、”貸し借り”が発生する事は望んで無かったはずよ!私たちの関係性をイーブンにするには、ソレが1番手っ取り早いとは思わないかしら?」
正直ブッ飛んだ屁理屈でしかないが、確かに言いたい事は分からなくもない。
俺がオナニーを彼女に見せる事で、彼女の中に存在する”青山和哉との確執”に一旦の決着がつくというのなら、その”ワガママ”を受けとめてやるのが”男気”なのかもしれない……のか?
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