【完結/R18】恋人として君と過ごす日々

テルマ江

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二人しか知らない秘密・後編(柊山視点)

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「ぁむ……んっ……」

 アイマスクを着けた遥君が、僕の顔を唇で辿りながらキスをしてくる。

――僕は遥君に何をさせているんだ……? いや、遥君が積極的にしてくれているから、されている方か……どうして、こんな状況に……

 ベッドの上で向かいあって座り、目隠しをした遥君に撫でられたりキスされたりと、もみくちゃにされている。

――いや、全然悪くない状況だけれども……

 遥君も目隠しを楽しんでいるのか、僕の体を探るように触っていた。

「ふふっ……唇の位置、ちょっとズレていましたね」
「うん……そうだね……はぁ……」

 彼は僕の足に跨がるように膝立ちになり、指先で唇の位置を確かめてからチュッと音を立ててキスをしてくれた。そのまま僕の首に腕を絡めて唇を食んでくるので、僕は彼の腰に腕を回して、服の上から背中や腰骨を撫でた。

「ぁ、あっ……」
「このパジャマ、手触りが昨日のと違うね……」
「んんっ……そうですね……生地が、違っていて……」

 撫でる度に遥君は甘い声を出して震えた。

「はぁ……んぅ……」
「あっ、ちょっと……遥君……」

 遥君は顔を離すと僕の耳に舌を這わして、耳たぶを甘噛みしてきた。彼の柔らかな唇で耳を食まれたり、熱い舌で舐められると息が荒くなってしまう。

「……んっ……ん……」
「くっ……」

 耳の中に舌を入れて舐められると、ピチャピチャという水音と彼の甘い吐息が直接頭の中に響いた。

「ぅ……んんっ……ん……」
「遥君……」

 遥君に積極的に色々されるともっと触りたくなってしまうなと思いながら、手を伸ばして彼の髪を撫でた。

「……はぁ……オレ……撫でられるの、好きです……」

 遥君が耳から舌を抜いて、そのまま耳元で囁くように言った。切なそうな声に情欲が滲んでいて堪らなくなってしまう。

「……うん、いっぱい、撫でるね……次は僕の番だよ……」
「ぅ……はい」

 遥君の声が緊張したように裏返った。アイマスクをした彼を誘導するように手を引き、ベッドに仰向けになるように寝転がってもらった。

「遥君、緊張しているよね……?」
「ぁ、いや……まぁ……少しだけ……」
「じゃあ、ゆっくり触るからね……」
「……ありがとうございます」

 僕は遥君の足の間に座ると、しげしげと彼を見下ろした。

――目隠しした遥君をこんな風に見下ろすの、何だか、妙な気分になって、理性が危ないな……

 遥君は少し呼吸が乱れており、体も切なそうだ。僕は彼のパジャマのボタンに手を伸ばして、一つ一つ外していった。彼の胸があらわになると、遥君の体がピクッと震え、顔を横に向けた

「あぁ……ごめんね。何やっているか分からないと、緊張するよね……」
「ぁ、いや、大丈夫ですから……」
「ううん、何をするかちゃんと言ってから触るようにするね」
「えっ、敬久さんッ!? 言わなくて良いですからっ」

 遥君が狼狽えた声を出したのが可愛かった。僕はベッドの上に並べられた玩具の箱を眺めると、一つだけ手に取った。

――これが一番見た目が生々しくないし、彼の体への負担も少なそうだからな……

 箱に入れてはいたが、購入してから電池を入れて動作確認はしていた。その時は様々な動きをする玩具を見つめながら「これを彼に使うのはちょっとな……」と思った物もある。

「た、敬久さん……あの……」
「今日は玩具を一つだけ使うからね。まず、君の胸を振動する玩具でなぞって、そこから段々……」
「もうっ……言わなくて良いですっ!」
「ははっ、ごめんね。つい……」

 遥君をからかうと反応が面白いので、ついつい楽しんでしまう。僕は彼に謝ると、玩具の箱を開けて中身を取り出した。リモコンに振動する器具がケーブルで繋がっている良くあるタイプの玩具だ。

――いわゆるローターという物だ……これが一番、マシな見た目だからな……

「じゃあ、触るからね……」
「はい……」 

 遥君の体が期待と緊張からか、ソワソワしている。僕はやましいことをしているような気分になりながら、リモコンのスイッチを入れた。
 ローターはリモコンで強弱が調整できるようになっていたので、一番緩やかな振動にした。思ったより音は大きくなかったけれど、アイマスクをしている遥君はその振動音に息を飲んでいた。リモコン部分はベッドの上に置き、振動する器具の方を持った。

「んんっ……」

 僕が空いている方の手を遥君の胸にそっと這わせ、柔らかく撫でると彼はピクリと体を反応させて吐息を漏らした。手を滑らせて胸の先端をスリスリと撫でると、粒がぷっくりと尖ってきたのでローターを軽く当てた。

「あッ! ……ゔぅ……ぁ、あっ……!」

 遥君は小さな悲鳴を上げて、振動に必死に耐えていた。片手で彼のむき出しの肌を撫で回しながら、もう片手はローターを使って胸を擦った。遥君は身をよじってシーツを掴み、甘い声で切なげに喘いだ。胸元は羞恥で赤くなっており、白っぽいパジャマに色が映えている。

「痛かったりしない……大丈夫……?」
「……だ、大丈夫です……あぅ……んっ……」

 彼の赤い胸の先端の粒は振動でいやらしく震えている。震える胸の先端は何だか甘い味がするような気がして、口に含みたくなってしまった。僕はローターを胸から離すと覆い被さるような体勢になり、胸の先端をペロリと舐めた。

「ひぁッ! あ、ぁ、舌……? あっ、あっ!」 

 そのまま片方の粒を口に含み、もう片方はローターでギュッと押しつぶすようにして刺激を与えた。

「あっ! ゃあっ、あッ! ギュッてしたら……ダメ……」

 胸の硬くなった先端を口内でチロチロと舐めたり、チュウチュウと吸い上げた。遥君の体が快楽から逃げようと身をよじるので、グッと彼の体を押さえつけた。自分でもだいぶ遥君に無体を働いているなと思いながらも、止められそうになかった。

「あっ、やッ! ううッ……んっ……!」

 先端を舌で潰してグニグニと嬲りながら、ローターを持つ手を下にずらしていった。彼はシーツから手を離すと、荒い息を吐きながら僕の頭をスリスリと健気に撫でてくれた。

――遥君、こんなにされているのに、撫でてくれるの本当健気だな……はぁ、もう……すぐにでも、挿れたいけれど……まだ、色々したいな……

「ぅあっ……あぁっ!」

 ローターを持つ手をパジャマのズボンの中に入れたことに気づいたのか、遥君が切羽詰まった声を出して足で僕の体を挟んだ。挟まれているので、ローターは彼の足の付け根辺りで止められてしまっている。

「あっ! ……ひっ、んんッ……」
「遥君、そんな挟まれたら……はぁ……動けないよ……」
「あっ……そ、そこで……喋るの……ダメです……んんっ」

 胸の先端に口をつけたまま喋ると、遥君はビクビクと震えた。

「……はぁ……体、すごく敏感になっているね……」
「ひッ……」

 口を離して、硬く尖った胸にふっと息を吹きかけると、遥君は身悶えて僕の頭から手を離した。彼は熱い息を吐きながら、口元に手を当て呼吸を整えている。

「ふ……はぁ……はぁ……」
「大丈夫だよ……遥君に、怖いことなんてしないから……ね?」

 彼の僕への信用を利用するようにそう言った。自分でも中々切羽詰まっているのを感じる。

「ぅ……うぅ……分かっています……」

 遥君が足の力を緩めてくれたので、僕は体を起こしてローターを退け、パジャマのズボンを脱がせた。
 下半身だけ下着姿でアイマスクをしている遥君の側に蠢くローターが転がっている様は、明らかに『いけないこと』を彼にしているようだった。

――すごい光景だな……あんな清楚な遥君を、こんな風にしてしまって……

 遥君の手触りの良い太腿を揉みしだきながら、そんなことを考えていた。

――はぁ……僕も余裕がなくなって来たな……

 僕自身も昂りが痛い程張り詰めて来ていたので、リモコンのスイッチを切った。もう少し玩具で彼に色々するつもりだったけれど、それはまた別の機会に持ち越すことにした。

「遥君……」
「は、はい……」
「痕……つけるね……この辺り、良いかな?」

 僕は太腿の内側に手を滑らせて、くるくるとなぞった。

「んっ……痕つける所、見たいです」

 遥君がアイマスクを取ると、むくりと起き上がった。彼の瞳は生理的な涙が出たのか潤んでいて、少し目が赤くなっている。

「……うん」

 僕は頷くと、彼の足の間に顔を埋めて唇を這わせ、内腿をキツく吸った。

「……んんっ……もっと……強く……痕、残してください……」

 遥君が手を伸ばし、僕の右肩にある噛み跡を撫でた。僕は言われるまま、更に強く吸い上げ彼の内腿にポツリと赤い痕を残した。

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