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第一章
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結局、僕は、軽音部に入部することになった。今日がその一日目だ。正直、気が重く、逃げ出してしまいたいが、入部したからには、部活に出ないといけない。覚悟を決めて、軽音部のドアを開けた。そこには、日比野先輩と和中先輩しかいなかった。
「ようこそ。よく来たね。」
「お疲れ様やな。さあ、ここに座りな。」
と言われ、和中先輩の隣りに座った。そして、何をすればいいのかと思っていると、日比野先輩が、
「あのさ、星井くんが歌ってた曲って、自分が作ったの?」
「はい。つくったというか、パッと出てきたと言いますか。」
と答えた。すると目を輝かせ。
「じゃあさ、軽音部オリジナル曲作曲してくれない?文化祭まで。」
と、こっちに迫るかという勢いで尋ねられた。しかし僕は、
「すみません。無理です」
と。それを聞いて、日比野先輩が、子犬のようにシュンとへこんだように見えた。それを見た和中先輩が、
「どうしてか。聞いてもいいかな。」
「僕は、パッと浮かんだものしか、作曲できなくて、難しいと思います。」
「ん~~~。そやったか。それは難しいな。」
「でもでも、やるだけね。」
と必死に。日比野先輩は諦めない。そう先輩から言われると断れないので、
「気が向いたら考えます。」
と言った。
「う~ん。まあ、そうだね。わかった。」
と渋々頷いてくれた。その時、部室のドアが開いた。そのドアの向こうには、仲野先生が。
「こんにちは。今日は、香山くんも夏海くんも家の用事で出てこれないそうです。」
と言った。そういえば、今日は、夏海くんを見てないな。と同じクラスなのに把握してなかった。そう思っていると、仲野先生が、
「そういえば、星井くん。軽音部の楽器担当のことなんですが、日比野くんが、キーボード。香山くんが、ドラム。和中くんが、ベース。夏海くんが、ギターで。星井くんが、ボーカルということで決まったので、よろしくお願いしますね。」
と微笑みながら、言われた。(決まったとは、いつのことか。というか、結局、ボーカルか。人前で歌うのか。)と心の中で慌ててたが、いつも言うとおり、表情には出ない。
突然、日比野先輩が、
「そういえば、星井くん、軽音部は、基本土日練習があるから。」
と言われて。へぇーー。と思っていたが、ハッとした。
「すみません。土日は無理です。」
と言うと、三人に、はてな。という記号が浮かんだ。
「星井くん。確か、入部届出すプリントに記載されてましたが見てないんですか?」
と、言われた。
「仲野先生。僕は、入部の紙に、自分のサインをしたわけではないですから。」
と、言い放った。今度は、和中先輩が、
「星井くん。確か寮生だったと思うけんど。なんか用事でもあるん?」
と優しく聞いてくれた。
「はい。用事といいますか。そんなものです。」
と言うと、日比野先輩が、
「用事って何?教えてくれない?」
と言われたが、
「無理です。」
と切り捨て、会話を強制終了させた。僕は、これでいい心配ないと思っていたが、先輩と、夏海くん。あと何故か仲野先生の行動力、好奇心を甘く見ていた気がする。
「ようこそ。よく来たね。」
「お疲れ様やな。さあ、ここに座りな。」
と言われ、和中先輩の隣りに座った。そして、何をすればいいのかと思っていると、日比野先輩が、
「あのさ、星井くんが歌ってた曲って、自分が作ったの?」
「はい。つくったというか、パッと出てきたと言いますか。」
と答えた。すると目を輝かせ。
「じゃあさ、軽音部オリジナル曲作曲してくれない?文化祭まで。」
と、こっちに迫るかという勢いで尋ねられた。しかし僕は、
「すみません。無理です」
と。それを聞いて、日比野先輩が、子犬のようにシュンとへこんだように見えた。それを見た和中先輩が、
「どうしてか。聞いてもいいかな。」
「僕は、パッと浮かんだものしか、作曲できなくて、難しいと思います。」
「ん~~~。そやったか。それは難しいな。」
「でもでも、やるだけね。」
と必死に。日比野先輩は諦めない。そう先輩から言われると断れないので、
「気が向いたら考えます。」
と言った。
「う~ん。まあ、そうだね。わかった。」
と渋々頷いてくれた。その時、部室のドアが開いた。そのドアの向こうには、仲野先生が。
「こんにちは。今日は、香山くんも夏海くんも家の用事で出てこれないそうです。」
と言った。そういえば、今日は、夏海くんを見てないな。と同じクラスなのに把握してなかった。そう思っていると、仲野先生が、
「そういえば、星井くん。軽音部の楽器担当のことなんですが、日比野くんが、キーボード。香山くんが、ドラム。和中くんが、ベース。夏海くんが、ギターで。星井くんが、ボーカルということで決まったので、よろしくお願いしますね。」
と微笑みながら、言われた。(決まったとは、いつのことか。というか、結局、ボーカルか。人前で歌うのか。)と心の中で慌ててたが、いつも言うとおり、表情には出ない。
突然、日比野先輩が、
「そういえば、星井くん、軽音部は、基本土日練習があるから。」
と言われて。へぇーー。と思っていたが、ハッとした。
「すみません。土日は無理です。」
と言うと、三人に、はてな。という記号が浮かんだ。
「星井くん。確か、入部届出すプリントに記載されてましたが見てないんですか?」
と、言われた。
「仲野先生。僕は、入部の紙に、自分のサインをしたわけではないですから。」
と、言い放った。今度は、和中先輩が、
「星井くん。確か寮生だったと思うけんど。なんか用事でもあるん?」
と優しく聞いてくれた。
「はい。用事といいますか。そんなものです。」
と言うと、日比野先輩が、
「用事って何?教えてくれない?」
と言われたが、
「無理です。」
と切り捨て、会話を強制終了させた。僕は、これでいい心配ないと思っていたが、先輩と、夏海くん。あと何故か仲野先生の行動力、好奇心を甘く見ていた気がする。
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