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吸血連合篇(前編)
第1章最終話 世界樹での戦い
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今、世界樹ではオーディンと天空騎士団、異世界のロキと追放戦乙女が集っていた。全ては大精霊ロキー―堕天王ルシファーを討伐する為に。
「さあ、決着をつけようじゃないか!!出でよ、[七つの大罪]、[E.D.E.N],[72柱]!!!」
「アザゼル、ガープ、ベリアル。[E.D.E.N]召喚に応じ参上しました。さあ、ご命令を。」
「七つの大罪、点呼せよ!!傲慢、ルシファー!」
「嫉妬のレヴァイアたんだよ☆」
「憤怒、サタン。」
「怠惰のベルフェゴールですが…。」
「強欲のマモンが来てやったぜ!!」
「ワイが暴食のベルゼブブや!!」
「俺が色欲のアスモデウス様だ。」
「我ら7人こそが」
「「「「「「「偉大なる七つの大罪だ!!!」」」」」」」
「久しぶりだな、少年。」
「アスモデウス、だったか。いつぞやらはありがとう。」
「あん時は警戒してたクセに今は警戒してないんだな。」
「そりゃあ、お前のおかげであの前よりも世界がよく見えるようになった気がするからね。でも、もしお前が敵対するなら容赦はしない。」
「大丈夫だ。ルシファーから指示がなければお前らには攻撃しないさ。」
「天空騎士団よ、戦乙女の誇りにかけて堕天使を討伐せよ!!」
「アタシらの追放戦乙女も負けてらんないよ!!いっけぇー!!」
こうして、天使と堕天使による戦いが始まった。
「僕たちも行こう。」
「「「うん!!」」」
「お前らの相手は俺だぜ。」
「[七つの大罪]の強欲担当、か。僕たちを殺しにきたのか。」
「違うね。俺はお前たちを捕らえに来ただけで殺すつもりは微塵もないさ!」
「何が目的だ?」
「戦力になりそうなら軍に加えるし、反発するならルシファー様がお前らを殺す。どちらにせよ、俺は報酬が目的なんだ!報酬があるならどんな仕事だって成してやるさ!」
「そうか。なら、戦おう。」
「見込んだ、その度胸!『死の富籤』!」
そして、4人とマモンは異空間へ転送された。パティーナは取り残されてしまったが。
「今から富札を降らせる。俺が唱えた番号の札が爆破するのを避けきってみせろ!!」
そして、札がたくさん降ってきた。
「19、28、73、84、39、72、62、94、、43、78、、29、2…」
そしてその札たちは空中で爆破し、一瞬で視界が曇った。
「お、1人やったか?」
視界が晴れると、シャラが体中から血を流して地に伏していた。
「大丈夫⁉ねぇ、シャラ、シャラ⁉」
「そ、そんなに心配しなくても…っいてて。」
「手負いに構ってると自分も死ぬぞ!その覚悟はあるか?」
「ある…はずなんだけどな。でも、やっぱり仲間には死んでほしくなくて。」
「そんな甘い覚悟じゃ何も手に入らないぞ!手に入れたいものがあるならばそこに犠牲があるのは当然だ!」
「そうかもしれない。でも、やっぱり仲間と生きて帰りたいんだ。」
「…見損なった。本気を出す必要はないようだな。」
「ご主人様、死んでほしくない、って言ってくれてありがとう。」
「シャラ、安静にしてなきゃ…」
「ご主人様が私たちに死んでほしくないのと一緒で、私たちもご主人様に死んでほしくないの。」
「ねぇ、何するつもり?」
「大丈夫。私たちが全員で生きて帰るために必要なことをするだけだから。」
「それでシャラが死んだりしないよね?」
「…さあね。でも、余分な手出しはしないでね。」
「お前、裏切り者のグラシャラボラスだな。とはいえ、その状態で勝ち目はあるまい。」
「ありがとう、あなたのおかげでご主人様の本音が聞けた。お礼に殺してあげる。」
「お礼に、って。そんな報酬はいらないぞ。」
「絶対に受け取ってもらうから。『究極覇狼奥義 世界を呑むと云われ、軍神を殺した逸話を持つ魔狼の、封印を裂くその爪を我が手に。[世界呑む魔狼の加護]』!!!」
そしてシャラは黒いドレス風の軽装をまとい、髪色がいつもの黒から鮮やかなカーマイン色へと変化した。
「そ、それはルシファー様が失った禁断の強化魔法⁉なぜお前ごときが⁉」
「失った?これは、ルシファー様が私にくれた魔法よ。」
「裏切り者の分際でルシファー様の魔法を使うな!!」
「それじゃあ、いくよ!!『封印破壊』!」
「そんな生半可な技が効くと思うな…ぐはっ。う、腕が…。」
「そりゃあルシファー様の技だから強いに決まってるでしょ?」
「こ、こうなったら…」
そして、マモンは見覚えのある何かをポケットから取り出した。
「そ、それって…。」
「そうさ。これはアモンの死骸さ。あいつも言っていただろう?『マモンの半身だ』と。」
「一体何をするつもりだ⁉」
「『我こそは[強欲]のマモン!我に破滅来たれり。我と我が半身のアモンを贄へと捧げ、召喚に応じよ我らの正体よ!』」
マモンが魔法を唱え終わると、そこに黒い渦が発生し、アモンとマモンはそれに巻き込まれていった。
その渦が消えたとき、そこからは赤の刺繍が入った黒いドレスをまとった女性が出てきた。
「きみたちがアモン君とマモン君を追い詰めたの?」
「お前は誰?」
「私?私はアモン君とマモン君の生みの親にして2人の正体のアメイモンよ。」
「なら、お前も72柱のはず…。」
「マモン君が72柱じゃないから私も72柱じゃないのよ。それより、はやくあの子たちを追い詰めた技を見せて。」
「なら、もっといいもの見せてあげる。『軍神を殺し、封印を裂いたその牙爪。敵は魔槍持ちし軍神。今この場にて真なる決着をつけてみせよう![軍神とともに呑まれし世界]!!!』」
そしてシャラは剣の形をした紅い魔力でアメイモンを切りつけた。しかし、何も起こらなかった。
「今のって本当に長文詠唱魔法だったの?あなたみたいなか弱そうな娘が使っても効力は…あああ⁉体が、体が…。」
「この魔法は直にあたった相手の体が少しずつ崩れる魔法なの。うわべの魔力量だけで判断したお前の負けだよ。」
「そんな…。この私が、なぜ…」
「アメイモン、久しいな。」
「る、ルシファー様、お元気そうで何より…」
「私は今、非常に不愉快だ。」
「なぜですか⁉私は確かに何もできませんでしたが…」
「そこだ。理由がわかっているならばなぜ打開しようとしない?これではまだマモンの方が使い物になったといえるぞ。」
「は、はい⁉承知しました。最後にこれくらいくらって!ゼパル様直伝の『愛と欲と迷走』!!」
「え?今何かしたの?」
「あなたの魔法と同じで後から効いてくるのよ。せいぜいそれで悔いて…」
言葉を言い切る前に、アメイモンは消滅してしまった。
「貴様ら、よくぞ七つの大罪にまで対抗できたな。その力に敬意を表して今はこのあたりで勘弁してやろう。だが、いつかは必ず殺す。72柱、堕天使、全軍退避!!」
「待て⁉一体何のつもりだ?」
「そういえば、一つ言っておかねばな。吸血連合は用済みになったから我らで滅ぼしておいた。」
「…えっ⁉」
こうして、ルシファーの軍団は異次元へ消滅していった。
「いや悪いねオーディン。また逃がしちゃったよ。」
「これで何回目だ?そろそろ討伐してくれ。」
「いや、だってなかなかこっちに出てきてくれないんだからしょうがないじゃん。」
「それにしても、追放戦乙女は見てないうちに随分成長したな。」
「そりゃ、前にこっちに来たのは40年前だし。」
「俺たちからすれば3年前だが。」
「とりあえず、また出たら連絡して。みんなー、帰るよー。」
こうして、異世界のロキと追放戦乙女たちは異世界に帰っていった。
「…吸血連合滅んじゃったみたいだし、僕たちも地上に帰るか。」
「うん!」
「久しぶりの地上か…。」
「太陽の光に当たって消滅する、とかないよね⁉」
「待ってください!!」
突然、そこにへたばっていた戦乙女らしき白く大きな翼を背中から生やした武装している少女に声をかけられた。
「君は?」
「私は、追放戦乙女の団員、レヴァタイズです。どうか、私をあなたたちの国の騎士団に加入させてください!!」
「…え?」
続く 次回から王国騎士団篇開幕!!!
※キャラ紹介更新あり(深夜公開)
「さあ、決着をつけようじゃないか!!出でよ、[七つの大罪]、[E.D.E.N],[72柱]!!!」
「アザゼル、ガープ、ベリアル。[E.D.E.N]召喚に応じ参上しました。さあ、ご命令を。」
「七つの大罪、点呼せよ!!傲慢、ルシファー!」
「嫉妬のレヴァイアたんだよ☆」
「憤怒、サタン。」
「怠惰のベルフェゴールですが…。」
「強欲のマモンが来てやったぜ!!」
「ワイが暴食のベルゼブブや!!」
「俺が色欲のアスモデウス様だ。」
「我ら7人こそが」
「「「「「「「偉大なる七つの大罪だ!!!」」」」」」」
「久しぶりだな、少年。」
「アスモデウス、だったか。いつぞやらはありがとう。」
「あん時は警戒してたクセに今は警戒してないんだな。」
「そりゃあ、お前のおかげであの前よりも世界がよく見えるようになった気がするからね。でも、もしお前が敵対するなら容赦はしない。」
「大丈夫だ。ルシファーから指示がなければお前らには攻撃しないさ。」
「天空騎士団よ、戦乙女の誇りにかけて堕天使を討伐せよ!!」
「アタシらの追放戦乙女も負けてらんないよ!!いっけぇー!!」
こうして、天使と堕天使による戦いが始まった。
「僕たちも行こう。」
「「「うん!!」」」
「お前らの相手は俺だぜ。」
「[七つの大罪]の強欲担当、か。僕たちを殺しにきたのか。」
「違うね。俺はお前たちを捕らえに来ただけで殺すつもりは微塵もないさ!」
「何が目的だ?」
「戦力になりそうなら軍に加えるし、反発するならルシファー様がお前らを殺す。どちらにせよ、俺は報酬が目的なんだ!報酬があるならどんな仕事だって成してやるさ!」
「そうか。なら、戦おう。」
「見込んだ、その度胸!『死の富籤』!」
そして、4人とマモンは異空間へ転送された。パティーナは取り残されてしまったが。
「今から富札を降らせる。俺が唱えた番号の札が爆破するのを避けきってみせろ!!」
そして、札がたくさん降ってきた。
「19、28、73、84、39、72、62、94、、43、78、、29、2…」
そしてその札たちは空中で爆破し、一瞬で視界が曇った。
「お、1人やったか?」
視界が晴れると、シャラが体中から血を流して地に伏していた。
「大丈夫⁉ねぇ、シャラ、シャラ⁉」
「そ、そんなに心配しなくても…っいてて。」
「手負いに構ってると自分も死ぬぞ!その覚悟はあるか?」
「ある…はずなんだけどな。でも、やっぱり仲間には死んでほしくなくて。」
「そんな甘い覚悟じゃ何も手に入らないぞ!手に入れたいものがあるならばそこに犠牲があるのは当然だ!」
「そうかもしれない。でも、やっぱり仲間と生きて帰りたいんだ。」
「…見損なった。本気を出す必要はないようだな。」
「ご主人様、死んでほしくない、って言ってくれてありがとう。」
「シャラ、安静にしてなきゃ…」
「ご主人様が私たちに死んでほしくないのと一緒で、私たちもご主人様に死んでほしくないの。」
「ねぇ、何するつもり?」
「大丈夫。私たちが全員で生きて帰るために必要なことをするだけだから。」
「それでシャラが死んだりしないよね?」
「…さあね。でも、余分な手出しはしないでね。」
「お前、裏切り者のグラシャラボラスだな。とはいえ、その状態で勝ち目はあるまい。」
「ありがとう、あなたのおかげでご主人様の本音が聞けた。お礼に殺してあげる。」
「お礼に、って。そんな報酬はいらないぞ。」
「絶対に受け取ってもらうから。『究極覇狼奥義 世界を呑むと云われ、軍神を殺した逸話を持つ魔狼の、封印を裂くその爪を我が手に。[世界呑む魔狼の加護]』!!!」
そしてシャラは黒いドレス風の軽装をまとい、髪色がいつもの黒から鮮やかなカーマイン色へと変化した。
「そ、それはルシファー様が失った禁断の強化魔法⁉なぜお前ごときが⁉」
「失った?これは、ルシファー様が私にくれた魔法よ。」
「裏切り者の分際でルシファー様の魔法を使うな!!」
「それじゃあ、いくよ!!『封印破壊』!」
「そんな生半可な技が効くと思うな…ぐはっ。う、腕が…。」
「そりゃあルシファー様の技だから強いに決まってるでしょ?」
「こ、こうなったら…」
そして、マモンは見覚えのある何かをポケットから取り出した。
「そ、それって…。」
「そうさ。これはアモンの死骸さ。あいつも言っていただろう?『マモンの半身だ』と。」
「一体何をするつもりだ⁉」
「『我こそは[強欲]のマモン!我に破滅来たれり。我と我が半身のアモンを贄へと捧げ、召喚に応じよ我らの正体よ!』」
マモンが魔法を唱え終わると、そこに黒い渦が発生し、アモンとマモンはそれに巻き込まれていった。
その渦が消えたとき、そこからは赤の刺繍が入った黒いドレスをまとった女性が出てきた。
「きみたちがアモン君とマモン君を追い詰めたの?」
「お前は誰?」
「私?私はアモン君とマモン君の生みの親にして2人の正体のアメイモンよ。」
「なら、お前も72柱のはず…。」
「マモン君が72柱じゃないから私も72柱じゃないのよ。それより、はやくあの子たちを追い詰めた技を見せて。」
「なら、もっといいもの見せてあげる。『軍神を殺し、封印を裂いたその牙爪。敵は魔槍持ちし軍神。今この場にて真なる決着をつけてみせよう![軍神とともに呑まれし世界]!!!』」
そしてシャラは剣の形をした紅い魔力でアメイモンを切りつけた。しかし、何も起こらなかった。
「今のって本当に長文詠唱魔法だったの?あなたみたいなか弱そうな娘が使っても効力は…あああ⁉体が、体が…。」
「この魔法は直にあたった相手の体が少しずつ崩れる魔法なの。うわべの魔力量だけで判断したお前の負けだよ。」
「そんな…。この私が、なぜ…」
「アメイモン、久しいな。」
「る、ルシファー様、お元気そうで何より…」
「私は今、非常に不愉快だ。」
「なぜですか⁉私は確かに何もできませんでしたが…」
「そこだ。理由がわかっているならばなぜ打開しようとしない?これではまだマモンの方が使い物になったといえるぞ。」
「は、はい⁉承知しました。最後にこれくらいくらって!ゼパル様直伝の『愛と欲と迷走』!!」
「え?今何かしたの?」
「あなたの魔法と同じで後から効いてくるのよ。せいぜいそれで悔いて…」
言葉を言い切る前に、アメイモンは消滅してしまった。
「貴様ら、よくぞ七つの大罪にまで対抗できたな。その力に敬意を表して今はこのあたりで勘弁してやろう。だが、いつかは必ず殺す。72柱、堕天使、全軍退避!!」
「待て⁉一体何のつもりだ?」
「そういえば、一つ言っておかねばな。吸血連合は用済みになったから我らで滅ぼしておいた。」
「…えっ⁉」
こうして、ルシファーの軍団は異次元へ消滅していった。
「いや悪いねオーディン。また逃がしちゃったよ。」
「これで何回目だ?そろそろ討伐してくれ。」
「いや、だってなかなかこっちに出てきてくれないんだからしょうがないじゃん。」
「それにしても、追放戦乙女は見てないうちに随分成長したな。」
「そりゃ、前にこっちに来たのは40年前だし。」
「俺たちからすれば3年前だが。」
「とりあえず、また出たら連絡して。みんなー、帰るよー。」
こうして、異世界のロキと追放戦乙女たちは異世界に帰っていった。
「…吸血連合滅んじゃったみたいだし、僕たちも地上に帰るか。」
「うん!」
「久しぶりの地上か…。」
「太陽の光に当たって消滅する、とかないよね⁉」
「待ってください!!」
突然、そこにへたばっていた戦乙女らしき白く大きな翼を背中から生やした武装している少女に声をかけられた。
「君は?」
「私は、追放戦乙女の団員、レヴァタイズです。どうか、私をあなたたちの国の騎士団に加入させてください!!」
「…え?」
続く 次回から王国騎士団篇開幕!!!
※キャラ紹介更新あり(深夜公開)
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