20 / 93
19話「自己紹介と作戦会議」
しおりを挟むそこには、下半身のない鎖で壁に打ち付けられた女性の死体があった。
死体は服を着ておらず、右目をえぐられており見るに耐えないものだった・・・。
「ニケ。中は大丈夫そうか?」
「あぁ。ちょっと『不気味なもの』あるけど大丈夫」
「ん?『不気味なもの』?」
ミーチェは、裏口から入るとすぐにこちらにきた。
男は、シロと一緒に中に入って扉を閉めた。
ニケの横に来てミーチェはその、『不気味なもの』を見た。
「これはひどい……この娘は、村長の孫娘だ」
「……。」
それを聞いたニケは、沈黙してしまった。
「…なぁ師匠。村長って、こういうことする人だったのか?」
「いや、それはない。村長は、話しやすく村人達から慕われていた」
「そんな人が、こんなことするなんて・・・」
「ニケ。気持ちはわかるが、現状が現状だ村長以外の何者かがやったのであろう」
「……うん」
目の前の光景が、あまりにひどすぎたようだ。
ミーチェは、ニケの背中に手を添えた。
「こういう世界なんだな…ここは」
「あぁ。力ある者が、使い方を間違えるとこうなるのだ。この光景を、目に焼き付けておけ」
「……わかった」
隣に来た男も、あまりの悲惨さに眼を瞑っていた。
「シロ、外の警戒をお願い。なにかあったら、遠吠えで教えてくれ」
裏口の扉を開けながら、ニケはシロに警戒を促した。
シロは小さく咆えると、外へ走っていた。
一同は、リビングのテーブルに座り顔を合わせた。
「さて、一旦落ち着いたことだ。今後の事を、計画しようじゃないか」
「そうだな。その前に、兄ちゃんなんて名前なんだ?」
「そういえば、名も名乗ってなかったな。俺は、レイン・シュバイン。元傭兵だ」
「俺は、ニケ・スワムポール」
「私は、ミーチェ・クリスタだ」
「ニケ坊と、ミーチェ…でいいのかな?」
「なら、レイン兄て呼ぶよ!」
「ほう?初対面で、年上に対して呼び捨てするとはな」
「年上ッ!?どうみたって15,6のロリだろ」
「っちょ、兄ちゃんッ!それ、俺も思ってたけど言っちゃいけないやつだと思う!」
「私は160歳だッ!」
怒り口調のままニケと、レインを殴るミーチェ。
「いきなり殴ることないだろ…」
「いたた、なら姉さんとでも呼ぶとしよう」
二人は頭を抑えながら文句などを述べていた。
「まったく。今は、それどころではないだろう」
「そうだったな」
「師匠。このまま村を出るのか?」
「流石に、今村で起きていることを放置して、立ち去ることはできない」
「死霊術で呼び出された魔物は、そこを拠点に軍隊を作る場合もある。今のままだと、アンデットがいつ村の外に漏れ出すか…」
「あのウィッチって、やつを倒せばいいんだろ?」
「そう、簡単に言うでない」
ミーチェは、この馬鹿弟子がっと小声で言った。
レインは腕を組み、考え事をしていた。
ニケは、馬鹿とはなんだ馬鹿とはとミーチェに反論していた。
「話を戻そう。まず、ウィッチに関する情報を互いに知らねばならない」
「姉さん、それなら俺が一番詳しいと思う」
「レイン。お主が知っている情報は、信用できるのか?」
「師匠はまだ疑っているのか?」
「それが普通だ。なにせ元協会の者だぞ」
「今の俺は、魔法に対して恐怖とかそういうのはない。まるで気分が晴れたかのように、今までと違うのだ」
レインはひじを着き、手を合わせていた。
ニケは、話がわからずにぼけーっとしていた。
「今までと違う?とは、どういうことだ」
「俺はさっきまで、魔法に対しての憎しみに近い感情があったんだ。だが、裏切られたと感じた時にその憎しみが、嘘のように消えてたんだ」
「暗示か…もしくは、洗脳に近いことをされていたのだろう」
「もしかしたら、そうかもしれない」
「ふむ。とりあえず、その言葉を信じよう」
何回話が逸れるんだろうか、とニケは聞いてて思っていた。
ミーチェは、足を組みひざの上に右ひじを置き悩んでいた。
「ウィッチについてだが、あれは魔法が使えるだけじゃないんだ」
「魔法使う魔物とか強そうなんだけど…。」
「ウィッチの得意属性は、火、雷の二つだ」
「なるほど、ほかに弱点とかはあるのか?」
「浮遊中は基本的に召喚を続ける習性がある、ほかはいがいと脆いってことかな」
「召喚が続くのがやっかいだな…」
たしかに、ロッククラブ戦でわかったことは、長期戦になるほど魔法の使用回数が増えることだ。
後衛は、魔力が切れたら前衛をカバーできなくなる。
この場合、レインとシロを前衛にして後衛を、ニケとミーチェにするのが打倒だ。
「ボスと、取り巻きを分けて戦うってのはどう?」
「どういうことだ?」
「まず、俺とシロでウィッチの相手をして。レイン兄と師匠で取り巻きの処理すれば」
「確かにそれなら、取り巻きがウィッチの元に集まりにくくなるな」
「ただ、ニケ坊の魔力が持つかどうか…だな」
「なら、弓を練成すればいいんじゃないかな」
突然の発想に驚くミーチェ。
錬金術って、便利だなと感じ始めるレイン。
意見を交差させる3人…
情報交換をして、打倒ウィッチの作戦会議は長引くのであった……。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
神様の忘れ物
mizuno sei
ファンタジー
仕事中に急死した三十二歳の独身OLが、前世の記憶を持ったまま異世界に転生した。
わりとお気楽で、ポジティブな主人公が、異世界で懸命に生きる中で巻き起こされる、笑いあり、涙あり(?)の珍騒動記。
異世界異話 天使降臨
yahimoti
ファンタジー
空から天使が降って来た。
落ちたんだよ。転生かと思ったらいきなりゲームの世界「ロストヒストリーワールド」の設定をもとにしたような剣と魔法の世界にね。
それも面白がってちょっとだけ設定してみたキャラメイクのせいで天使族って。こんなのどうすんの?なんの目的もなければ何をしていいかわからないまま、巻き込まれるままにストーリーは進んでいく。
【完結】まもの牧場へようこそ!~転移先は魔物牧場でした ~-ドラゴンの子育てから始める異世界田舎暮らし-
いっぺいちゃん
ファンタジー
平凡なサラリーマン、相原正人が目を覚ましたのは、
見知らぬ草原に佇むひとつの牧場だった。
そこは、人に捨てられ、行き場を失った魔物の孤児たちが集う場所。
泣き虫の赤子ドラゴン「リュー」。
やんちゃなフェンリルの仔「ギン」。
臆病なユニコーンの仔「フィーネ」。
ぷるぷる働き者のスライム「モチョ」。
彼らを「処分すべき危険種」と呼ぶ声が、王都や冒険者から届く。
けれど正人は誓う。
――この子たちは、ただの“危険”なんかじゃない。
――ここは、家族の居場所だ。
癒やしのスキル【癒やしの手】を頼りに、
命を守り、日々を紡ぎ、
“人と魔物が共に生きる未来”を探していく。
◇
🐉 癒やしと涙と、もふもふと。
――これは、小さな牧場から始まる大きな物語。
――世界に抗いながら、共に暮らすことを選んだ者たちの、優しい日常譚。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる