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56話「戦闘準備」
しおりを挟むユッケル方面の入り口に、冒険者達が集まっていた。
「前衛、中衛、後衛に分かれて準備に入れ!」
ルトは、冒険者達に指示を出していた。
そんななか、ニケはミーチェを待っていた。
ゆっくりと、ミーチェが入り口からこちらへと向かってきた。
「師匠。ガリィを入り口付近に待機さてとこうか?」
ニケは、ネックレスを見ながらミーチェに問いかけた。
「後ろまでは、流石に来ないだろう。前衛と中衛の間に、召喚してくれると助かる」
ミーチェは、広々とした草原を眺めながら言った。
「あぁ、わかった!」
ニケは、納得したかのように返事をしていた。
草原の先に見える、森の入り口には光魔法による『ライト』で照らされていた。
冒険者達が、前衛、中衛、後衛に分かれて準備を始めたようだ。
「さて、私達もいくか」
大剣を背負いなおすアシュリーと、左手の手袋をはめなおすニケにミーチェは声をかけた。
「おいで、シロ」
右手の指輪から魔方陣が展開された。
魔方陣から、シロが姿を現した。
相変わらず尻尾を振りながら、ニケの傍であくびをしていた。
「おまえら!準備はいいかぁ!」
ルトは、槍を持ち上げながら声を上げた。
冒険者たちは、一斉に声を上げ武器を持ち上げていた。
「協会にコルックは奪わせないぞ!」
「俺達がこの村を守るんだ!」
冒険者達が次々に声を上げる。
「士気は高いようだな」
声をあげている、冒険者達をみながらミーチェはつぶやいた。
「前衛を先頭に、移動を開始してくれ!」
ルトが、声をかけると冒険者達は走って移動を始めた。
それを見ていた、ニケとアシュリーはミーチェに声をかけてから前衛の後を追った。
「んじゃ、師匠。いってくる!」
「ミーチェさん、またあとで!」
手を上げながら、駆け出すニケと小さく手を振りながらアシュリーは駆けていった。
「気をつけるんだぞー!」
声を張り上げながら、ニケとアシュリーに声をかけるミーチェ。
「さて、私もやることをやろう」
そういいながら、ミーチェは後衛の魔法使いたちのもとへと歩いていった。
前衛が、森の入り口付近に到着した頃。
ニケは、前衛と中衛の間にガリィを呼び出すためにネックレスを持ち上げていた。
「おいで、ガリィ」
ニケの呼びかけに、ネックレスが光を帯び始めた。
ネックレスから、魔方陣が展開されガリィが召喚された。
流石の冒険者達も、ガリィの姿を見て驚いていたようだ。
「……あの黒髪の子供、召喚士だったのか」
「俺は、てっきり錬金術師かと思ってたぜ」
ニケの、左手を見ながら冒険者達からいろんな声が飛び交っていた。
そんな会話を聞こえてるのか聞こえてないのか、ニケはガリィの花弁を撫でていた。
「ガリィ、ここに来るアンデットを止めてくれよ?」
ニケの指示に、ガリィは触手を縦に振って応えた。
そこに、アシュリーが歩いてきた。
「ニケさん、そろそろ前衛のほうへ」
アシュリーは、ニケにそう告げると前衛の冒険者達のもとへと戻っていった。
「んじゃ、ガリィ。ここは、任せるよ」
そういうと、ニケはアシュリーの後を追った。
一方、後衛の魔法使い達にミーチェが作戦を提案していた。
「最初に数を減らしたい。遠距離の魔法が使える者は、アンデットたちが森から出てきたと同時に攻撃して欲しい」
ミーチェの、提案に魔法使い達は頷いていた。
「長期戦となった場合は、回復魔法を使える者は中衛と合流して欲しい」
暗い草原を眺めながら、ミーチェはニケとアシュリーの事を心配していた。
「無事に終わればいいのだが」
ガリィの先に見える、ニケの背中にミーチェはそっとつぶやいたのだった。
風が吹いているわけでもないのに、森がざわめきはいじめた。
「くるぞ!」
ルトの言葉に、冒険者達とニケ、アシュリーは構えた。
アシュリーは、大剣を鞘から引き抜くと両手で腰の位置に構えた。
ニケは、左手に魔力を流し込んだ。
刀を練成し、右手に持ち替えた。
再度、左手に魔力を流し込むと小太刀を練成した。
ニケの準備は終わったようだ。
シロが、ニケの傍に歩み寄ってからお座りをした。
ニケの錬金術を見ながら、冒険者達は頼もしそうにニケの背中を見ていた。
「召喚術と、錬金術が使えるなんて」
「黒髪の異能はすごいんだな……」
冒険者達から再度、声が上がったがそれは関心によるものだった。
森の入り口からではなく、森の木と木の間からアンデットたちが姿を現した。
ぞろぞろと、森から湧いて出てくるかのように……。
一目見た感じ軽く、50体以上はいるだろう。
森の入り口にからも草原に向け、無数の黒い影が動いていた。
「全員!散開!」
ルトの掛け声に、冒険者達は扇状に展開した。
「引き寄せるまで待つんだ!」
その掛け声に反応したかのように、アンデットたちが一斉に前衛目掛けて走り始めたのだった。
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