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第39話 お似合いでございます!
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ブォォォオオオオオ!!
「うわぁぁ」
麻衣歌の魔法陣から炎が放たれると、虎一郎が麻衣歌を止めた。
「麻衣歌殿、もうよい」
「えっ!?」
ブォォ……
麻衣歌は炎を止めると、コスギの分身の術のアイテムの使用時間が限界に達し、術が解けたコスギが一人、砂浜に立ちすくんでいた。
「く、くそう……。分身の術がジ・エンドだ。またMeの負けだ……」
コスギはそう言って砂浜にガックリと両膝をつくと、その姿を見た虎一郎はコスギの元へ行き、静かに話しかけた。
「コスギ殿。敵ながら天晴であった。お主は手下共を逃すために勝てぬ戦いを挑んだな」
「いや……。おれはお前と荒れ地で戦った時に鶴井田麻衣歌に手下が倒された。だから、今度は助けなければと思っただけだ」
「そうであったか。お主はなかなか見どころがあるな」
「え!? あ、いや、その……」
「今日はもう帰るが良い。またいつでも相手になるぞ。はっはっは」
虎一郎が笑うと、コスギは砂を握りしめて呟いた。
「おれはお前を倒しに来たっていうのに、お前はおれに慈悲を……」
すると、コスギは突然土下座をして虎一郎に言った。
「虎一郎様! これより我々コスギ忍者軍団を虎一郎様の配下とさせていただけませんか!?」
「な、なんだと!?」
さらにコスギは必死の形相で麻衣歌にも言った。
「麻衣歌様! あなたは虎一郎様のガールフレンドですね! 麻衣歌様のご命令も喜んでお受けします!」
それを聞いた麻衣歌は少し飛び上がって喜ぶと上機嫌で答えた。
「あ、あら! ガールフレンドだなんて! コスギさん、あなた見どころがありますわね。気に入りましたわ!」
「あ、ありがとうございます! サンキューベリーマッチ! お似合いでございます!」
「まぁ!!」
麻衣歌は顔を赤くしながら喜ぶと虎一郎に言った。
「虎一郎様、コスギさんたちを配下にいたしましょう!」
「い、いや、麻衣歌殿、私は配下など……」
すると、それを聞いたコスギが虎一郎に言った。
「虎一郎様! 虎一郎様の刀さばきに感動いたしました! 我々は刀が下手で弱いのです。ぜひ、刀さばきを教えていただきたい!」
「刀さばきを……。ふむ……。そういう事であれば……」
「良いのですか!!」
「う……、うむ」
「ありがとうございます!!」
コスギは深々と頭を下げると、虎一郎がコスギに尋ねた。
「しかし、刀さばきを修練したいという事は何か目的があるのであろうか」
「はい。我々は『サルサル』という忍者が率いる『隠密猿』という組織を見返したいのです」
「ほぅ、サルサルは知っておる。確かに骨のある忍びであった。しかし、なぜ隠密猿を倒したいのだ」
「我々は隠密猿の一員だったのですが、いじめられた末に追放させられた集まりなのです」
「なんと」
「我々は戦いに弱くて……、いつも足を引っ張っていて……、いつも先輩にバカにされて、アイテムやお金を取られて……、くっ……」
コスギはそこまで言うと涙を流した。
虎一郎は涙を流すコスギを見て同情の表情を浮かべると、コスギに言った。
「コスギ、そういう事情であったか」
「す、すみません。涙が……。ソーリー」
「コスギ。お主の申し出、お受けしよう。今よりお主たちは私の配下とする」
「ありがとうございます!!」
「コスギ、お主の仲間たちを呼ぶが良い。私の家で酒でも交わそう」
「ありがたきお言葉! すぐに呼びます!」
コスギはそう言うと、メンバー全員にボイスチャットを繋いだ。
その頃、愛芽は昼休みを終えて、虎一郎のプライベートエリアの家に戻ってきていた。
ガチャ
「ただいまー! って、あれ?」
愛芽は誰もいない家に驚いた。
「ってか、ツバキちゃんもお菊ちゃんもいないし。みんなで、どこかに行ったのかな」
愛芽は家の外に出ると、ふと露天風呂が目に入った。
「あ、露天風呂! すごっ! ……って、誰もいないし、お風呂入っちゃおうかな。へへ」
愛芽は露天風呂へ行くと、身につけている服を解除して露天風呂に入った。
ザブーン……
「はぁぁ~、最高!」
愛芽は湯船にゆったりと浸かると、大きく育った里芋畑を眺めながら呟いた。
「そういえば、就職してから温泉旅行とか行ってないなぁ。学生の時は良く行ってたのに」
愛芽はそう言いながら大きく伸びをすると、ツバキが嬉しそうに露天風呂に走ってきた。
トトトトトトト……、パシャッ!
「わんわん」
ツバキは露天風呂に飛び込むと、愛芽のところへ犬かきで向かっていった。
パシャ、パシャパシャ、パシャ、パシャ……
そして愛芽のところまで来ると嬉しそうに愛芽の顔を舐めた。
ペロペロペロ
「ははは。ツバキちゃん、おかえりー! って、あっ!」
愛芽は我に返って後ろに振り向くと、麻衣歌の炎の魔法陣が壁になるように露天風呂を隠していた。
麻衣歌は愛芽のほうを見ると、笑顔になりながら言った。
「高橋さん、魔法陣で隠していますから服を」
「あ、はい! ありがとうございます!」
愛芽はツバキを抱え上げて風呂の外へ出すと、急いで体を拭いて服を装備した。
麻衣歌は服を着た愛芽を見て魔法陣を消滅させると、虎一郎とコスギ、そして10人ほどのコスギの手下たちが山を登ってきていた。
それを見た愛芽は胸を撫で下ろしながら麻衣歌にお礼した。
「麻衣歌さん、助かりました」
「いえいえ高橋さん、遅くなった私のミスですわ」
「ってか、忍者がたくさん登ってくるんですけど……」
「はい。虎一郎様が忍者の集まりを配下にしたのです」
「えっ! そうなの!?」
ゾロゾロゾロゾロゾロ……
忍者たちと一緒に山を登ってきた虎一郎は愛芽のところへやってきた。
「愛芽殿、紹介しよう。この体格が良いのがコスギ、そしてその仲間の忍者たちだ」
「コスギです」
「「よろしくおねがいします!」」
コスギと忍者たちは一斉に愛芽に頭を下げると愛芽は少し驚きながら頭を下げた。
「こ、こんにちは。高橋愛芽です。コイちゃんの世話役をしてます」
ザザッ!
すると忍者軍団は愛芽を取り囲むように跪いた。
「え、あ、ちょっ、忍者のみなさん……」
愛芽が動揺していると、虎一郎が忍者たちに声をかけた。
「皆、こちらへ来てくれ。家で酒を交わそうぞ」
「はっ!」
「「はい!」」
ゾロゾロゾロゾロゾロ……
忍者たちは虎一郎に連れられて家に入っていった。
「うわぁぁ」
麻衣歌の魔法陣から炎が放たれると、虎一郎が麻衣歌を止めた。
「麻衣歌殿、もうよい」
「えっ!?」
ブォォ……
麻衣歌は炎を止めると、コスギの分身の術のアイテムの使用時間が限界に達し、術が解けたコスギが一人、砂浜に立ちすくんでいた。
「く、くそう……。分身の術がジ・エンドだ。またMeの負けだ……」
コスギはそう言って砂浜にガックリと両膝をつくと、その姿を見た虎一郎はコスギの元へ行き、静かに話しかけた。
「コスギ殿。敵ながら天晴であった。お主は手下共を逃すために勝てぬ戦いを挑んだな」
「いや……。おれはお前と荒れ地で戦った時に鶴井田麻衣歌に手下が倒された。だから、今度は助けなければと思っただけだ」
「そうであったか。お主はなかなか見どころがあるな」
「え!? あ、いや、その……」
「今日はもう帰るが良い。またいつでも相手になるぞ。はっはっは」
虎一郎が笑うと、コスギは砂を握りしめて呟いた。
「おれはお前を倒しに来たっていうのに、お前はおれに慈悲を……」
すると、コスギは突然土下座をして虎一郎に言った。
「虎一郎様! これより我々コスギ忍者軍団を虎一郎様の配下とさせていただけませんか!?」
「な、なんだと!?」
さらにコスギは必死の形相で麻衣歌にも言った。
「麻衣歌様! あなたは虎一郎様のガールフレンドですね! 麻衣歌様のご命令も喜んでお受けします!」
それを聞いた麻衣歌は少し飛び上がって喜ぶと上機嫌で答えた。
「あ、あら! ガールフレンドだなんて! コスギさん、あなた見どころがありますわね。気に入りましたわ!」
「あ、ありがとうございます! サンキューベリーマッチ! お似合いでございます!」
「まぁ!!」
麻衣歌は顔を赤くしながら喜ぶと虎一郎に言った。
「虎一郎様、コスギさんたちを配下にいたしましょう!」
「い、いや、麻衣歌殿、私は配下など……」
すると、それを聞いたコスギが虎一郎に言った。
「虎一郎様! 虎一郎様の刀さばきに感動いたしました! 我々は刀が下手で弱いのです。ぜひ、刀さばきを教えていただきたい!」
「刀さばきを……。ふむ……。そういう事であれば……」
「良いのですか!!」
「う……、うむ」
「ありがとうございます!!」
コスギは深々と頭を下げると、虎一郎がコスギに尋ねた。
「しかし、刀さばきを修練したいという事は何か目的があるのであろうか」
「はい。我々は『サルサル』という忍者が率いる『隠密猿』という組織を見返したいのです」
「ほぅ、サルサルは知っておる。確かに骨のある忍びであった。しかし、なぜ隠密猿を倒したいのだ」
「我々は隠密猿の一員だったのですが、いじめられた末に追放させられた集まりなのです」
「なんと」
「我々は戦いに弱くて……、いつも足を引っ張っていて……、いつも先輩にバカにされて、アイテムやお金を取られて……、くっ……」
コスギはそこまで言うと涙を流した。
虎一郎は涙を流すコスギを見て同情の表情を浮かべると、コスギに言った。
「コスギ、そういう事情であったか」
「す、すみません。涙が……。ソーリー」
「コスギ。お主の申し出、お受けしよう。今よりお主たちは私の配下とする」
「ありがとうございます!!」
「コスギ、お主の仲間たちを呼ぶが良い。私の家で酒でも交わそう」
「ありがたきお言葉! すぐに呼びます!」
コスギはそう言うと、メンバー全員にボイスチャットを繋いだ。
その頃、愛芽は昼休みを終えて、虎一郎のプライベートエリアの家に戻ってきていた。
ガチャ
「ただいまー! って、あれ?」
愛芽は誰もいない家に驚いた。
「ってか、ツバキちゃんもお菊ちゃんもいないし。みんなで、どこかに行ったのかな」
愛芽は家の外に出ると、ふと露天風呂が目に入った。
「あ、露天風呂! すごっ! ……って、誰もいないし、お風呂入っちゃおうかな。へへ」
愛芽は露天風呂へ行くと、身につけている服を解除して露天風呂に入った。
ザブーン……
「はぁぁ~、最高!」
愛芽は湯船にゆったりと浸かると、大きく育った里芋畑を眺めながら呟いた。
「そういえば、就職してから温泉旅行とか行ってないなぁ。学生の時は良く行ってたのに」
愛芽はそう言いながら大きく伸びをすると、ツバキが嬉しそうに露天風呂に走ってきた。
トトトトトトト……、パシャッ!
「わんわん」
ツバキは露天風呂に飛び込むと、愛芽のところへ犬かきで向かっていった。
パシャ、パシャパシャ、パシャ、パシャ……
そして愛芽のところまで来ると嬉しそうに愛芽の顔を舐めた。
ペロペロペロ
「ははは。ツバキちゃん、おかえりー! って、あっ!」
愛芽は我に返って後ろに振り向くと、麻衣歌の炎の魔法陣が壁になるように露天風呂を隠していた。
麻衣歌は愛芽のほうを見ると、笑顔になりながら言った。
「高橋さん、魔法陣で隠していますから服を」
「あ、はい! ありがとうございます!」
愛芽はツバキを抱え上げて風呂の外へ出すと、急いで体を拭いて服を装備した。
麻衣歌は服を着た愛芽を見て魔法陣を消滅させると、虎一郎とコスギ、そして10人ほどのコスギの手下たちが山を登ってきていた。
それを見た愛芽は胸を撫で下ろしながら麻衣歌にお礼した。
「麻衣歌さん、助かりました」
「いえいえ高橋さん、遅くなった私のミスですわ」
「ってか、忍者がたくさん登ってくるんですけど……」
「はい。虎一郎様が忍者の集まりを配下にしたのです」
「えっ! そうなの!?」
ゾロゾロゾロゾロゾロ……
忍者たちと一緒に山を登ってきた虎一郎は愛芽のところへやってきた。
「愛芽殿、紹介しよう。この体格が良いのがコスギ、そしてその仲間の忍者たちだ」
「コスギです」
「「よろしくおねがいします!」」
コスギと忍者たちは一斉に愛芽に頭を下げると愛芽は少し驚きながら頭を下げた。
「こ、こんにちは。高橋愛芽です。コイちゃんの世話役をしてます」
ザザッ!
すると忍者軍団は愛芽を取り囲むように跪いた。
「え、あ、ちょっ、忍者のみなさん……」
愛芽が動揺していると、虎一郎が忍者たちに声をかけた。
「皆、こちらへ来てくれ。家で酒を交わそうぞ」
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