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第二章 現れしメインヒロイン
27 凝縮された地獄とも言うべき特訓
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単刀直入に言えば、ソニアたちは既にめちゃくちゃ強かった。
連携も完璧だし、個人の能力もかなり高い。
多分ゲームにおけるレベル40以上はあるんじゃないかな?
ちなみにそのレベルはラスボス前のダンジョンに挑めるくらい。
言わずもがな、かなり強い。
もうめちゃくちゃに強い。
間違いなくこんな序盤で仲間になっていいレベルじゃなかった。
だからこそ、余計に私がこのパーティにいる意味も、彼女たちが私に師匠になって欲しい理由も謎だ。
彼女たちならきっと、私なんかいなくてももっと強くなれるのだ。
「とりあえず、こんなもんかな」
「お疲れ様、ビスカ。ほら、スタミナポーションだよ。飲んでおくといい」
「おっ、助かるぜガラム。くぅっ、やっぱこれだよなー!」
襲い来るワイバーンたちをことごとく返り討ちにしたビスカは、ガラムからスタミナポーションを受け取るなりすぐさま飲み干した。
まるで栄養ドリンクとかスポーツドリンクのCMみたいな清涼感だ。
そう言うコラボCMがあったんじゃないかと、存在しない記憶が蘇って来るね。
「で、どうだ俺たちの力は。俺的にはかなりのもんだとは思うが」
どう……って言われても、正直もはや言うこと無しだよ。
でもここでそう言った所で、彼女たちが求めているのはそう言う事じゃないだろうし……。
それに強いとは言っても、あくまで「強い」止まりではある。
今のままだと、間違いなく魔王ディアスには勝てない。
……とは言え、これ以上はもう小細工でどうにかなる領域じゃないんだよね。
連携は既に完璧だし、必須スキルも彼女たちの能力なら大体手に入れているだろうし。
装備だって強力なものはほとんど魔王城付近のダンジョンにあるし、そもそも装備に関しては既に誰かが入手してしまっているかもしれないし。
となればもう、出来ることはただ一つ。
ひたすらに能力値を上げる……それだけ。
だから……レベル上げ、しよっか。
◆◆◆
あれからどれくらい経っただろうか。
何十体ものワイバーンを狩り続けた結果、彼女たちの動きは遥かに洗練されたものになっていた。
それこそ単純な能力だけならレベル60付近は確実。
これなら魔王にだって挑めるくらいだね。
誤算があるとしたら、たった一日でここまでたどり着けたことかな。
まさかこんな勢いで強くなるなんて思わなかったよ。
「はぁ……はぁ……一時は死ぬかと思ったが、俺たちかなり強くなったよな……?」
「そうだね……。これも、アルカのおかげだ……」
「でも、流石に……そろそろ、限界……!」
よろよろと歩いていたソニアは既に倒れているローリエの隣まで行くとそのまま倒れた。
続いてビスカとガラムもその場に崩れ落ちる。
流石にもう限界だったみたい。
だよね。あれだけ戦い続ければこうもなるよ。
けど、その成果は充分に出ていた。
この世界には経験値やレベルみたいな分かりやすいシステムは無いけど、代わりに魔力やオーラみたいなものがある。
それが会ったばかりの時に比べて遥かに強力なものに変わっていた。
限界まで疲労してなおこれだから、全快ならもっと凄いねきっと。
「うふふ、それにしても……随分と恐ろしいことをさせるのね貴方も」
ミラが笑いながらそう言って来る。
恐ろしいだなんて人聞きの悪い……いや、否定も出来ないか。
彼女たちがこんなにすぐに強くなれた理由こそ、その恐ろしい方法なのだから。
やったことは単純。
筋肉を限界まで酷使し、私が回復魔法で全回復させる。それだけ。
そうすれば壊れた筋肉が再生され、より強く、よりしなやかになっていく。
近接戦闘がメインのビスカは特にその恩恵が大きく、いつしかワイバーンの首を一撃で斬り落とせるようになっていた。
それにガラムも弓の命中精度と射程距離が遥かに伸びた。
で、これは魔力も同じ。
魔力についても限界まで使い切ってから回復することで魔力量が増えて行く。
だからソニアとローリエの二人にはとにかく魔法を使わせ続け、空っぽになった所で私が魔力回復のスキルを使って全回復させた。
その結果、上級魔法を何発撃っても息切れしない最強の魔術師の完成って訳だね。
代わりに何度も死ぬ思いをしてもらうことにはなっちゃったけど。
そう考えると、恐ろしいことをさせたと言われるのもまあ、無理も無い……か。
私が彼女たちに提案した強くなる方法って、もはや凝縮された地獄だからね……。
とは言え、そのおかげで彼女たちは強くなれた。
これでもう私がパーティにいる必要も無くなったし、晴れてお役御免ってこと!
戦死エンドからもバイバイだね!
――と、そう思っていたのに、どうやら現実はそう甘くは無いのだった。
連携も完璧だし、個人の能力もかなり高い。
多分ゲームにおけるレベル40以上はあるんじゃないかな?
ちなみにそのレベルはラスボス前のダンジョンに挑めるくらい。
言わずもがな、かなり強い。
もうめちゃくちゃに強い。
間違いなくこんな序盤で仲間になっていいレベルじゃなかった。
だからこそ、余計に私がこのパーティにいる意味も、彼女たちが私に師匠になって欲しい理由も謎だ。
彼女たちならきっと、私なんかいなくてももっと強くなれるのだ。
「とりあえず、こんなもんかな」
「お疲れ様、ビスカ。ほら、スタミナポーションだよ。飲んでおくといい」
「おっ、助かるぜガラム。くぅっ、やっぱこれだよなー!」
襲い来るワイバーンたちをことごとく返り討ちにしたビスカは、ガラムからスタミナポーションを受け取るなりすぐさま飲み干した。
まるで栄養ドリンクとかスポーツドリンクのCMみたいな清涼感だ。
そう言うコラボCMがあったんじゃないかと、存在しない記憶が蘇って来るね。
「で、どうだ俺たちの力は。俺的にはかなりのもんだとは思うが」
どう……って言われても、正直もはや言うこと無しだよ。
でもここでそう言った所で、彼女たちが求めているのはそう言う事じゃないだろうし……。
それに強いとは言っても、あくまで「強い」止まりではある。
今のままだと、間違いなく魔王ディアスには勝てない。
……とは言え、これ以上はもう小細工でどうにかなる領域じゃないんだよね。
連携は既に完璧だし、必須スキルも彼女たちの能力なら大体手に入れているだろうし。
装備だって強力なものはほとんど魔王城付近のダンジョンにあるし、そもそも装備に関しては既に誰かが入手してしまっているかもしれないし。
となればもう、出来ることはただ一つ。
ひたすらに能力値を上げる……それだけ。
だから……レベル上げ、しよっか。
◆◆◆
あれからどれくらい経っただろうか。
何十体ものワイバーンを狩り続けた結果、彼女たちの動きは遥かに洗練されたものになっていた。
それこそ単純な能力だけならレベル60付近は確実。
これなら魔王にだって挑めるくらいだね。
誤算があるとしたら、たった一日でここまでたどり着けたことかな。
まさかこんな勢いで強くなるなんて思わなかったよ。
「はぁ……はぁ……一時は死ぬかと思ったが、俺たちかなり強くなったよな……?」
「そうだね……。これも、アルカのおかげだ……」
「でも、流石に……そろそろ、限界……!」
よろよろと歩いていたソニアは既に倒れているローリエの隣まで行くとそのまま倒れた。
続いてビスカとガラムもその場に崩れ落ちる。
流石にもう限界だったみたい。
だよね。あれだけ戦い続ければこうもなるよ。
けど、その成果は充分に出ていた。
この世界には経験値やレベルみたいな分かりやすいシステムは無いけど、代わりに魔力やオーラみたいなものがある。
それが会ったばかりの時に比べて遥かに強力なものに変わっていた。
限界まで疲労してなおこれだから、全快ならもっと凄いねきっと。
「うふふ、それにしても……随分と恐ろしいことをさせるのね貴方も」
ミラが笑いながらそう言って来る。
恐ろしいだなんて人聞きの悪い……いや、否定も出来ないか。
彼女たちがこんなにすぐに強くなれた理由こそ、その恐ろしい方法なのだから。
やったことは単純。
筋肉を限界まで酷使し、私が回復魔法で全回復させる。それだけ。
そうすれば壊れた筋肉が再生され、より強く、よりしなやかになっていく。
近接戦闘がメインのビスカは特にその恩恵が大きく、いつしかワイバーンの首を一撃で斬り落とせるようになっていた。
それにガラムも弓の命中精度と射程距離が遥かに伸びた。
で、これは魔力も同じ。
魔力についても限界まで使い切ってから回復することで魔力量が増えて行く。
だからソニアとローリエの二人にはとにかく魔法を使わせ続け、空っぽになった所で私が魔力回復のスキルを使って全回復させた。
その結果、上級魔法を何発撃っても息切れしない最強の魔術師の完成って訳だね。
代わりに何度も死ぬ思いをしてもらうことにはなっちゃったけど。
そう考えると、恐ろしいことをさせたと言われるのもまあ、無理も無い……か。
私が彼女たちに提案した強くなる方法って、もはや凝縮された地獄だからね……。
とは言え、そのおかげで彼女たちは強くなれた。
これでもう私がパーティにいる必要も無くなったし、晴れてお役御免ってこと!
戦死エンドからもバイバイだね!
――と、そう思っていたのに、どうやら現実はそう甘くは無いのだった。
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