19 / 56
19 研究の産物
しおりを挟む
「すまない……私もこれまでのようだ……」
「アルフィー!」
クソッ……アルフィーまでゾンビになっちまったぞ。こうなったらこの場の全員を倒さないといけない。許してくれよ。お前らをこのまま地上に出すわけには行かねえんだ。
「獣宿し『炎龍』」
完全に焼却するために剛鎧を解除し、炎龍の力を両手に宿す。だがその一瞬の隙に、アルフィーは俺に向かって飛びこんで来た。
「しまっ……!」
咄嗟に後ろに跳ぶが、それが悪手だった。部屋の角に追い込まれてしまった。
そもそも狭い部屋で戦う事を選んだのがミスだったんだ。流石にこの狭い空間でゾンビ三体を相手にするのは難しいに決まっている。
部屋の奥まで追い込まれ、ゾンビ化したアルフィーはもうすぐそばにまで近づいている。俺はここで終わっちまうのか……?
「んぁっ……んぅうぅっぅ!?」
……何が起こったか理解できなかった。アルフィーは俺に噛みつくことなく、ひたすらに耳をしゃぶっていた。
「何、してやが……っぁ」
マジで状況が理解できない。何故こいつは俺の耳をしゃぶっているんだ……?
……いや思い出した。こいつはあの衛兵だ。国に入る時にやたらと耳を触って来たあの衛兵だ。だがそれが何の関係が……。いや、これも確かダグラスが言っていたな。欲望のままに活動する獣だってな。つまりあれか。こいつは食欲よりも睡眠欲よりも何よりも、獣人の耳をさわりたい欲を持っていたってのか。ふざけてんのか?
……だが状況説明としては辻褄が合う。
「じゅぷっ……ぐちゅ」
「や、やめろ……んくっ」
あああああああ!! 女みたいな声を出すな俺!
クソッ体に力が入らねえ。耳がなんかすげえ敏感になってやがる。舌を巧みに動かして中の方までねっとりと弄りやがって……と言うかこいつ耳を責めるの上手すぎだろ普段からやってんのか!?
速く何とかしねえと死ぬよりも恐ろしいことになっちまう……ああ駄目だ、力が……。
「……はっ!? 私は一体何を!」
「……え?」
え、何どういうことだ何が起こった?
「私は確かダグラスに噛まれてアンデッドになって……駄目だ、そこからの記憶が無い」
「あーなんも覚えてないならそれでいい」
「いや、そういうわけには……」
「良いから何も考えんじゃねえ! わかったな!」
「あ、ああ……」
よくわからないがアルフィーは元に戻った。記憶が無いのならそれに越したことは無い。あんな恥ずかしい姿と声、覚えられていても困る。
「せめて苦しむことが無いように一瞬で終わらせてやる」
塵も残さず二人を完全に焼却した。残った細胞から感染する可能性もあるからな。
「クラーク、ダグラス……すまなかった」
「ヤツを追おう。二人の死を無駄にしねえようにな」
「ああ……!」
あの学者が逃げて行った扉を無理やりこじ開けて先に進んでいくと、今度は実験室のような場所に辿り着いた。培養液のようなもんで満たされたカプセルがそこら中にある辺り、ここが重要な施設だってのは間違いなさそうだ。
「もう出てきたんだ。思ったより早かったね」
「降参して知っていることを全部吐いてくれれば命だけは助けてやる。命だけは……だがな」
「はははっ。これではどちらが悪役かはわからないね。でも私は諦めるつもりは無いよ」
「何だ、急に地響きが……!」
地面が揺れている。何か大きなものが蠢いているような不規則で重い響きだ。
「私の最高傑作を見るが良い!! さあ、プライムフレイムドラゴンよ……いや、もはや龍種の枠組みになど収まらない。さらなる強化を得た君はプライムフレイムロードだ! 最強の炎そのものとなった君の力を見せてくれ!!」
「ショータ、あれを!」
「おいおい、何だありゃあ……」
学者の後ろの壁を壊し、なにか巨大な物体が入ってきた。極水龍と似た翼と牙を持つその姿から、ヤツの言う通りプライムフレイムドラゴンだということはわかる。だが全体像を見るともはや怪物としか言い表せなかった。全身の肉体がクラークたちと同じように溶けかけている。しかしそれを炎のような謎の物体で覆っていることで体を維持してやがる。
「大変だったよ。洗脳も中々効かなかったからね。それに魔族化のウイルスも効きが悪いときた」
「ウイルスだって?」
「おっと、これ以上は危ない。まあそう言う事だから、時間をかけて作り上げた私の最高傑作に蹂躙されてくれよ」
「お断りだ!!」
極水龍と同じプライムドラゴンなら、ヤツの身体能力も大体は把握できる。
「グ……グアアアァァ!!」
流石はあの極水龍と同格の龍だ。かなりの速度で跳んだはずだが普通に反応された。だがまだ終わりじゃねえ。
「炎になら水って相場は決まってるよな! 獣宿し『明水』!!」
明水の力で大量の水をぶっかけた。だが残念ながらあまり効いていないようだ。よく見りゃあ当たった瞬間に蒸発してやがる。あまりにも高温の炎は水すら受け付けないか。
「水ごときでは私のフレイムロードは止まらないよ!」
「さーてどうすっかね……」
水は効かない。直接攻撃はあの炎のような物体に阻まれる。同じ炎で攻撃した所でロードの名を冠しちまったアイツには通らないだろう。
「今度はこちらから行かせてもらおう! 行けフレイムロード!」
「グワアッァアァァアア!!」
「うおっと」
危ねえな。ノーモーションで炎を吐いてくるんじゃねえよ。いやもう吐いたってか体に纏っているもんをそのままぶつけてきたって方が正しいか。
「今のを避けるんだ。中々やるねえ君。でもこれならどうかな!!」
「今更何をしたって……おおわぁっ!?」
溶けた体を飛ばしてきやがった。まさかそんな攻撃してくるとは思わないだろうがよ。
「うぐぁっ!」
「アルフィー!?」
しまった、ヤツの標的はアルフィーの方だったか!
「ぐっ……」
「半魔族化したフレイムロードの体は触れるだけで対象を魔族にするんだ。醜い仲間争いをするといいさ」
何だと!? 不味いまたアルフィーがゾンビに……。
「……あれ、何ともないな」
「うん? どうなっている。私の研究は間違っていないはずだ!」
アルフィーはゾンビにならなかった。だがその理由がわからない。そう言えば元に戻った理由も謎のままだ。
「ありえない……魔族化ウイルスに抗体でも持っていない限り……。それかアンデッドの特性を引き継いでしまっているのか……?」
「アンデッドの特性だと?」
「ああそうさ。私の開発した魔族化ウイルスにはアンデッドの能力も込められている。その強い執着を使って人を襲わせるためにね」
強い執着……?
そういえばクラークとダグラスは迷いなく人に噛みつこうとした。だがアルフィーは違った。彼は俺の獣耳に強い反応を示していた。
「アンデッドには本能的欲求を数十倍に引き上げる能力がある。それによって食欲が跳ね上げられ、人を襲うんだ」
「本能的欲求……」
信じたくは無かった。だがそれしか今現在の情報で考えられることは無い。アルフィーがゾンビから戻ったのは……。
「アルフィーはゾンビになった」
「なんだって?」
「あ、ああそうだ。記憶は無いんだがな」
「まさか抗体が……」
「それもあるんだろう。だがそれだけじゃない。彼には食欲よりも優先される欲求があったんだ。それについて何か心当たりは無いのか?」
「何だいその荒唐無稽な……いやありえるか? もしその性質がアンデッドのものによるとしたら……」
敵前だってのにぶつぶつと自分の世界に入りやがった。根っからの学者肌なんだなこいつは。だがこいつはチャンス。その隙に狩らせてもらおう!
「グルルゥゥウヴヴ!!」
チッ……そう簡単には行かないか。アイツを守るように洗脳されているっぽいな。
「ウゴオオォォォ!!」
「うぐぉ!?」
「アルフィー!!」
不味いな。ヤツはアルフィーの方が弱いってことに気付いていやがる。このまま攻撃を許せばあっという間にアルフィーは死ぬだろう……いや、よく考えたらおかしく無いか?
俺でも怪我を負うかもしれないヤツの攻撃を受けて、普通の獣人が体を保っていられるだろうか。
「なるほどそういうことか。はっはっは! こいつはやられたな」
「うお、急にどうした」
俺の思考をかき消すように、ヤツは急に笑い出した。マッドサイエンティストで良く見る奴だ。きっとここからさぞすんげえ話を聞かせてくれるのだろう。
「アルフィー!」
クソッ……アルフィーまでゾンビになっちまったぞ。こうなったらこの場の全員を倒さないといけない。許してくれよ。お前らをこのまま地上に出すわけには行かねえんだ。
「獣宿し『炎龍』」
完全に焼却するために剛鎧を解除し、炎龍の力を両手に宿す。だがその一瞬の隙に、アルフィーは俺に向かって飛びこんで来た。
「しまっ……!」
咄嗟に後ろに跳ぶが、それが悪手だった。部屋の角に追い込まれてしまった。
そもそも狭い部屋で戦う事を選んだのがミスだったんだ。流石にこの狭い空間でゾンビ三体を相手にするのは難しいに決まっている。
部屋の奥まで追い込まれ、ゾンビ化したアルフィーはもうすぐそばにまで近づいている。俺はここで終わっちまうのか……?
「んぁっ……んぅうぅっぅ!?」
……何が起こったか理解できなかった。アルフィーは俺に噛みつくことなく、ひたすらに耳をしゃぶっていた。
「何、してやが……っぁ」
マジで状況が理解できない。何故こいつは俺の耳をしゃぶっているんだ……?
……いや思い出した。こいつはあの衛兵だ。国に入る時にやたらと耳を触って来たあの衛兵だ。だがそれが何の関係が……。いや、これも確かダグラスが言っていたな。欲望のままに活動する獣だってな。つまりあれか。こいつは食欲よりも睡眠欲よりも何よりも、獣人の耳をさわりたい欲を持っていたってのか。ふざけてんのか?
……だが状況説明としては辻褄が合う。
「じゅぷっ……ぐちゅ」
「や、やめろ……んくっ」
あああああああ!! 女みたいな声を出すな俺!
クソッ体に力が入らねえ。耳がなんかすげえ敏感になってやがる。舌を巧みに動かして中の方までねっとりと弄りやがって……と言うかこいつ耳を責めるの上手すぎだろ普段からやってんのか!?
速く何とかしねえと死ぬよりも恐ろしいことになっちまう……ああ駄目だ、力が……。
「……はっ!? 私は一体何を!」
「……え?」
え、何どういうことだ何が起こった?
「私は確かダグラスに噛まれてアンデッドになって……駄目だ、そこからの記憶が無い」
「あーなんも覚えてないならそれでいい」
「いや、そういうわけには……」
「良いから何も考えんじゃねえ! わかったな!」
「あ、ああ……」
よくわからないがアルフィーは元に戻った。記憶が無いのならそれに越したことは無い。あんな恥ずかしい姿と声、覚えられていても困る。
「せめて苦しむことが無いように一瞬で終わらせてやる」
塵も残さず二人を完全に焼却した。残った細胞から感染する可能性もあるからな。
「クラーク、ダグラス……すまなかった」
「ヤツを追おう。二人の死を無駄にしねえようにな」
「ああ……!」
あの学者が逃げて行った扉を無理やりこじ開けて先に進んでいくと、今度は実験室のような場所に辿り着いた。培養液のようなもんで満たされたカプセルがそこら中にある辺り、ここが重要な施設だってのは間違いなさそうだ。
「もう出てきたんだ。思ったより早かったね」
「降参して知っていることを全部吐いてくれれば命だけは助けてやる。命だけは……だがな」
「はははっ。これではどちらが悪役かはわからないね。でも私は諦めるつもりは無いよ」
「何だ、急に地響きが……!」
地面が揺れている。何か大きなものが蠢いているような不規則で重い響きだ。
「私の最高傑作を見るが良い!! さあ、プライムフレイムドラゴンよ……いや、もはや龍種の枠組みになど収まらない。さらなる強化を得た君はプライムフレイムロードだ! 最強の炎そのものとなった君の力を見せてくれ!!」
「ショータ、あれを!」
「おいおい、何だありゃあ……」
学者の後ろの壁を壊し、なにか巨大な物体が入ってきた。極水龍と似た翼と牙を持つその姿から、ヤツの言う通りプライムフレイムドラゴンだということはわかる。だが全体像を見るともはや怪物としか言い表せなかった。全身の肉体がクラークたちと同じように溶けかけている。しかしそれを炎のような謎の物体で覆っていることで体を維持してやがる。
「大変だったよ。洗脳も中々効かなかったからね。それに魔族化のウイルスも効きが悪いときた」
「ウイルスだって?」
「おっと、これ以上は危ない。まあそう言う事だから、時間をかけて作り上げた私の最高傑作に蹂躙されてくれよ」
「お断りだ!!」
極水龍と同じプライムドラゴンなら、ヤツの身体能力も大体は把握できる。
「グ……グアアアァァ!!」
流石はあの極水龍と同格の龍だ。かなりの速度で跳んだはずだが普通に反応された。だがまだ終わりじゃねえ。
「炎になら水って相場は決まってるよな! 獣宿し『明水』!!」
明水の力で大量の水をぶっかけた。だが残念ながらあまり効いていないようだ。よく見りゃあ当たった瞬間に蒸発してやがる。あまりにも高温の炎は水すら受け付けないか。
「水ごときでは私のフレイムロードは止まらないよ!」
「さーてどうすっかね……」
水は効かない。直接攻撃はあの炎のような物体に阻まれる。同じ炎で攻撃した所でロードの名を冠しちまったアイツには通らないだろう。
「今度はこちらから行かせてもらおう! 行けフレイムロード!」
「グワアッァアァァアア!!」
「うおっと」
危ねえな。ノーモーションで炎を吐いてくるんじゃねえよ。いやもう吐いたってか体に纏っているもんをそのままぶつけてきたって方が正しいか。
「今のを避けるんだ。中々やるねえ君。でもこれならどうかな!!」
「今更何をしたって……おおわぁっ!?」
溶けた体を飛ばしてきやがった。まさかそんな攻撃してくるとは思わないだろうがよ。
「うぐぁっ!」
「アルフィー!?」
しまった、ヤツの標的はアルフィーの方だったか!
「ぐっ……」
「半魔族化したフレイムロードの体は触れるだけで対象を魔族にするんだ。醜い仲間争いをするといいさ」
何だと!? 不味いまたアルフィーがゾンビに……。
「……あれ、何ともないな」
「うん? どうなっている。私の研究は間違っていないはずだ!」
アルフィーはゾンビにならなかった。だがその理由がわからない。そう言えば元に戻った理由も謎のままだ。
「ありえない……魔族化ウイルスに抗体でも持っていない限り……。それかアンデッドの特性を引き継いでしまっているのか……?」
「アンデッドの特性だと?」
「ああそうさ。私の開発した魔族化ウイルスにはアンデッドの能力も込められている。その強い執着を使って人を襲わせるためにね」
強い執着……?
そういえばクラークとダグラスは迷いなく人に噛みつこうとした。だがアルフィーは違った。彼は俺の獣耳に強い反応を示していた。
「アンデッドには本能的欲求を数十倍に引き上げる能力がある。それによって食欲が跳ね上げられ、人を襲うんだ」
「本能的欲求……」
信じたくは無かった。だがそれしか今現在の情報で考えられることは無い。アルフィーがゾンビから戻ったのは……。
「アルフィーはゾンビになった」
「なんだって?」
「あ、ああそうだ。記憶は無いんだがな」
「まさか抗体が……」
「それもあるんだろう。だがそれだけじゃない。彼には食欲よりも優先される欲求があったんだ。それについて何か心当たりは無いのか?」
「何だいその荒唐無稽な……いやありえるか? もしその性質がアンデッドのものによるとしたら……」
敵前だってのにぶつぶつと自分の世界に入りやがった。根っからの学者肌なんだなこいつは。だがこいつはチャンス。その隙に狩らせてもらおう!
「グルルゥゥウヴヴ!!」
チッ……そう簡単には行かないか。アイツを守るように洗脳されているっぽいな。
「ウゴオオォォォ!!」
「うぐぉ!?」
「アルフィー!!」
不味いな。ヤツはアルフィーの方が弱いってことに気付いていやがる。このまま攻撃を許せばあっという間にアルフィーは死ぬだろう……いや、よく考えたらおかしく無いか?
俺でも怪我を負うかもしれないヤツの攻撃を受けて、普通の獣人が体を保っていられるだろうか。
「なるほどそういうことか。はっはっは! こいつはやられたな」
「うお、急にどうした」
俺の思考をかき消すように、ヤツは急に笑い出した。マッドサイエンティストで良く見る奴だ。きっとここからさぞすんげえ話を聞かせてくれるのだろう。
0
あなたにおすすめの小説
大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
男女比1対5000世界で俺はどうすれバインダー…
アルファカッター
ファンタジー
ひょんな事から男女比1対5000の世界に移動した学生の忠野タケル。
そこで生活していく内に色々なトラブルや問題に巻き込まれながら生活していくものがたりである!
アイテムボックスの最も冴えた使い方~チュートリアル1億回で最強になったが、実力隠してアイテムボックス内でスローライフしつつ駄竜とたわむれる~
うみ
ファンタジー
「アイテムボックス発動 収納 自分自身!」
これしかないと思った!
自宅で休んでいたら突然異世界に拉致され、邪蒼竜と名乗る強大なドラゴンを前にして絶対絶命のピンチに陥っていたのだから。
奴に言われるがままステータスと叫んだら、アイテムボックスというスキルを持っていることが分かった。
得た能力を使って何とかピンチを逃れようとし、思いついたアイデアを咄嗟に実行に移したんだ。
直後、俺の体はアイテムボックスの中に入り、難を逃れることができた。
このまま戻っても捻りつぶされるだけだ。
そこで、アイテムボックスの中は時間が流れないことを利用し、チュートリアルバトルを繰り返すこと1億回。ついにレベルがカンストする。
アイテムボックスの外に出た俺はドラゴンの角を折り、危機を脱する。
助けた竜の巫女と共に彼女の村へ向かうことになった俺だったが――。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
スキル【収納】が実は無限チートだった件 ~追放されたけど、俺だけのダンジョンで伝説のアイテムを作りまくります~
みぃた
ファンタジー
地味なスキル**【収納】**しか持たないと馬鹿にされ、勇者パーティーを追放された主人公。しかし、その【収納】スキルは、ただのアイテム保管庫ではなかった!
無限にアイテムを保管できるだけでなく、内部の時間操作、さらには指定した素材から自動でアイテムを生成する機能まで備わった、規格外の無限チートスキルだったのだ。
追放された主人公は、このチートスキルを駆使し、収納空間の中に自分だけの理想のダンジョンを創造。そこで伝説級のアイテムを量産し、いずれ世界を驚かせる存在となる。そして、かつて自分を蔑み、追放した者たちへの爽快なざまぁが始まる。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる