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第十二章
第十八話 ルーナの弟の正体
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クリープからの攻撃を受け、俺は足を怪我した。その光景を見て、今がチャンスだと判断したと思われるがルーナの弟が近付くが、そんな中、マーヤが俺の前に立って仁王立ちのポーズを取った。
だが、彼女自身も、どうしてこのような行動に出たのかが分かっていないらしく、戸惑いの声を上げている。
『まぁ、良い。そこを退け』
「あ、うん……あれ? おかしいな? 体が思ったように動かない? なんで?」
『お前、何をした』
ルーナの弟が睨んでくる。だが、俺自身は何もしていない。
「何もしていないが?」
『嘘を吐くな! でなければ、人形に等しい状態のこいつが、俺の命令を拒む訳がないだろうが!』
俺の発言を虚言だと思い込んでいるようで、ルーナの弟は怒声を上げた。しかし、本当に俺は何もしてはいない。
可能性があるとすれば、これは彼女の意思だ。心の奥底では、まだ俺の方がこれまで共に暮らした方のシャカールだと思ってくれている。だからこのような行動に出たのかもしれない。
だから、自然と無意識に体が動いて、俺のことを庇おうとしてくれている可能性がある。
『チッ、まぁ良い。邪魔をするのであれば、黙らせるまでだ』
やつが言葉を放った瞬間、マーヤがその場で倒れた。
「マーヤ!」
『安心しろ。脳内に睡眠物質が溜まったと脳に錯覚させ、強制的に眠気を誘発させて眠らせただけだ。俺は盗賊なんかとは違う。無闇に傷付けたりはしない』
眠らせただけだと言うと、ルーナの弟は俺に向けて手を伸ばしてくる。
「ファイヤーボール!」
「ロック!」
「ウインドカッター!」
「サンダースネーク!」
俺の頭に手を置かれそうになったその時、離れた場所で見守っていたタマモたちが攻撃魔法を放ってくる。
「何!」
このままでは自分まで巻き込まれると判断したようで、ルーナの弟は横に跳躍して彼女たちの攻撃を回避した。
当然、足に怪我をした俺は彼女たちの攻撃を避けることはできない。このまま直撃するだろう。そう思っていた。だが、彼女たちの攻撃が直撃するようりも前に、進行方向が変わり、空へと舞い上がっていく。
『俺は何も指示していないだろうが! 勝手に行動するな! 今は待機していろ!』
「あ、ごめん。でも何でかしら?」
「今はシャカール君をルーナ学園長の弟さんから引き離さないといけないと思ってしまったのですよね?」
「本当に何なのでしょうか? わたしにも分かりません」
「ゼロナ兄と同じ顔だから? でも、それだけじゃないような?」
『お前たちも同じかよ。どいつもこいつも使えないやつだ。もういい。お前たちの役目は終えたんだ。眠っていろ』
苛立ちを覚えているような声音で言葉を連ねると、再度ルーナの弟はこちらに向かって歩いてくる。
『これで邪魔をする者は誰もいない。これで、お前の中にある俺の魔術回路を取り出すことができる。ようやくだ。俺の魔術回路を取り返せば、俺は完全体となり、真のシャカールに戻ることができる』
一歩ずつ距離を縮まれ、今度こそ絶体絶命のピンチに陥る。
まぁ、元々はお前の物だ。それを返すだけのこと。別に拒絶をする必要はないよな。でも、魔術回路を失った俺は、もうレースに出走することはできずに、引退することになるだろう。
「そうはさせるか! 偽者!」
どこからか声が聞こえたかと思うと、高いところから飛び降りたかのような登場の仕方で、長い銀髪の女性が現れた。
「ルーナ」
『姉さん? これは何の冗談なの? やめてよ。姉さんまで俺の邪魔をしないでくれ』
「お前に姉さんなどと呼ばれたくはない。偽者のお前には特にな」
「偽者……ルーナの弟がか?」
「ああ、そうだ。やつは研究所の実験でこの世に生まれてしまった可哀想な生物だ。自分は私の弟だと心の底から思い込んでしまっている。良く考えてみろ。弟が亡くなったのは、子どもの頃だ。成長した姿で現れるなど考えられない」
確かに、ルーナの言うことには一理ある。そして研究所が関与していたのであれば、俺と同じ姿だと言うことにも納得することができる。
俺と同じ姿なのは、俺がモデルにされていたからだ。
「なら、あいつの本当の正体って?」
「それを今から証明させてみせよう」
ルーナが懐から何かを取り出そうとする仕草を取った。
もしかして、正体を見破る定番となっている鏡を取り出すのか? ルーナなら、そんなものを持っていてもおかしくはない。
そう思ったのも束の間、彼女が取り出したのは小瓶だった。そしてその中には白い粉のような結晶が入っていた。
え? 塩?
だが、彼女自身も、どうしてこのような行動に出たのかが分かっていないらしく、戸惑いの声を上げている。
『まぁ、良い。そこを退け』
「あ、うん……あれ? おかしいな? 体が思ったように動かない? なんで?」
『お前、何をした』
ルーナの弟が睨んでくる。だが、俺自身は何もしていない。
「何もしていないが?」
『嘘を吐くな! でなければ、人形に等しい状態のこいつが、俺の命令を拒む訳がないだろうが!』
俺の発言を虚言だと思い込んでいるようで、ルーナの弟は怒声を上げた。しかし、本当に俺は何もしてはいない。
可能性があるとすれば、これは彼女の意思だ。心の奥底では、まだ俺の方がこれまで共に暮らした方のシャカールだと思ってくれている。だからこのような行動に出たのかもしれない。
だから、自然と無意識に体が動いて、俺のことを庇おうとしてくれている可能性がある。
『チッ、まぁ良い。邪魔をするのであれば、黙らせるまでだ』
やつが言葉を放った瞬間、マーヤがその場で倒れた。
「マーヤ!」
『安心しろ。脳内に睡眠物質が溜まったと脳に錯覚させ、強制的に眠気を誘発させて眠らせただけだ。俺は盗賊なんかとは違う。無闇に傷付けたりはしない』
眠らせただけだと言うと、ルーナの弟は俺に向けて手を伸ばしてくる。
「ファイヤーボール!」
「ロック!」
「ウインドカッター!」
「サンダースネーク!」
俺の頭に手を置かれそうになったその時、離れた場所で見守っていたタマモたちが攻撃魔法を放ってくる。
「何!」
このままでは自分まで巻き込まれると判断したようで、ルーナの弟は横に跳躍して彼女たちの攻撃を回避した。
当然、足に怪我をした俺は彼女たちの攻撃を避けることはできない。このまま直撃するだろう。そう思っていた。だが、彼女たちの攻撃が直撃するようりも前に、進行方向が変わり、空へと舞い上がっていく。
『俺は何も指示していないだろうが! 勝手に行動するな! 今は待機していろ!』
「あ、ごめん。でも何でかしら?」
「今はシャカール君をルーナ学園長の弟さんから引き離さないといけないと思ってしまったのですよね?」
「本当に何なのでしょうか? わたしにも分かりません」
「ゼロナ兄と同じ顔だから? でも、それだけじゃないような?」
『お前たちも同じかよ。どいつもこいつも使えないやつだ。もういい。お前たちの役目は終えたんだ。眠っていろ』
苛立ちを覚えているような声音で言葉を連ねると、再度ルーナの弟はこちらに向かって歩いてくる。
『これで邪魔をする者は誰もいない。これで、お前の中にある俺の魔術回路を取り出すことができる。ようやくだ。俺の魔術回路を取り返せば、俺は完全体となり、真のシャカールに戻ることができる』
一歩ずつ距離を縮まれ、今度こそ絶体絶命のピンチに陥る。
まぁ、元々はお前の物だ。それを返すだけのこと。別に拒絶をする必要はないよな。でも、魔術回路を失った俺は、もうレースに出走することはできずに、引退することになるだろう。
「そうはさせるか! 偽者!」
どこからか声が聞こえたかと思うと、高いところから飛び降りたかのような登場の仕方で、長い銀髪の女性が現れた。
「ルーナ」
『姉さん? これは何の冗談なの? やめてよ。姉さんまで俺の邪魔をしないでくれ』
「お前に姉さんなどと呼ばれたくはない。偽者のお前には特にな」
「偽者……ルーナの弟がか?」
「ああ、そうだ。やつは研究所の実験でこの世に生まれてしまった可哀想な生物だ。自分は私の弟だと心の底から思い込んでしまっている。良く考えてみろ。弟が亡くなったのは、子どもの頃だ。成長した姿で現れるなど考えられない」
確かに、ルーナの言うことには一理ある。そして研究所が関与していたのであれば、俺と同じ姿だと言うことにも納得することができる。
俺と同じ姿なのは、俺がモデルにされていたからだ。
「なら、あいつの本当の正体って?」
「それを今から証明させてみせよう」
ルーナが懐から何かを取り出そうとする仕草を取った。
もしかして、正体を見破る定番となっている鏡を取り出すのか? ルーナなら、そんなものを持っていてもおかしくはない。
そう思ったのも束の間、彼女が取り出したのは小瓶だった。そしてその中には白い粉のような結晶が入っていた。
え? 塩?
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