119 / 191
第十三章
第四話 キャッツ守り抜け
しおりを挟む
「必ずキャッツを守り抜く! ファイヤーボール!」
俺が放った火球はトーマンに飛んで行く。しかし奴を守るようにデスファンゴが間に入ると、持っていた棍棒で火球を防いだ。
「んんん~ん。魔物を狙わず僕を攻撃しますか。それも作戦の一つですよね。何せ、僕が所有している召喚石がこれだけしかないとは言っていない。これ以上増やされる前に、召喚者を倒そうとは、中々頭がキレるではないですか」
相手の情報を引き出そうとして、敢えてトーマンを狙ってみたが、やっぱり他にも召喚石を隠し持っていたか。
「作戦を変える! 魔物たちはあしらう程度にして、先にトーマンを倒す」
「分かりましたわ」
「はーい」
「了解した」
「サポートはお任せください」
「んんん~ん。僕の召喚した魔物を相手にしてくれないなんてつれないですね。なら、嫌でも相手をしてもらいましょう! お前たち、町民を攻撃しなさい」
作戦を変更することを仲間たちに告げると、それを妨害しようとトーマンも作戦を変えてきた。
くそう。どうしても魔物を相手にさせて、自分は体力を温存しようとしていやがる。
『ブヒヒ! 久しぶりの人間、俺の棍棒でぶっ潰す!』
デスファンゴが逃げ回る人に追いつき、握っている棍棒を振り下ろす。
「させるか! ゼイレゾナンス・バイブレーション」
魔法を発動したその瞬間、デスファンゴの持っている棘棍棒が砕ける。
棘棍棒と同じ周波数の音を出して振動を加え続けたことで、疲労破壊を起こした。
『ブヒ! 俺の得物が!』
「得物よりも自分の身の心配をしろ! アイシクル」
氷の魔法を発動して氷柱を生み出し、デスファンゴの肉体を貫く。
魔物は地面に倒れ、動かなくなった。
「よし、これで残り二体」
「シロウさん! 跳躍して!」
クロエの声が聞こえ、その場で跳躍した。その瞬間、先ほどまで立っていた地面が砕ける。
ロアリンググルートの音による攻撃か。だけど、俺たちには音を視認することのできるクロエがいる。彼女がいる限り、やつの攻撃は当たらない。
「サンキュークロエ! お陰で助かった」
「んんん~ん。まさか、こうも簡単にデスファンゴがやられるとは思ってもいませんでしたよ。やりますね。では、これならどうでしょう」
トーマンが指を鳴らす。だが、何も起きなかった。
今の音はハッタリか? それとも時間差で発動する? それとも……。
脳内に複数のパターンが思い浮かぶ。
ここは全ての可能性を考えて、その都度対処していくしかないよな。
『マリーさん! 音の波が来る! 右に飛んで』
「分かりましたわ……きゃ!」
クロエがマリーに避けるように指示を出し、それに従ったマリーが急に吹き飛ばされる。
「スピードスター」
その光景を見た瞬間、咄嗟に俊足魔法を唱え、吹き飛ばされたマリーに近づくと、彼女を受け止める。
『右に飛んだら当たるからね。キャハハ!』
クロエがニヤリと口角を上げながら嘲笑う。
『本当にこのエルフの女の能力は凄いな! ロアリングフルートの攻撃が見える』
「そいつはクロエじゃない! マネットライムが変身した姿だ!」
『御明察だ』
クロエがドロドロに溶けると、ゲル状のスライムに姿を変える。
『さて、次はどいつに姿を変えようか。互いに疑心暗鬼になり、仲間同士でやり合う。そんな光景が俺は大好きだ』
マネットライムが建物の陰に隠れた。また誰かに姿を変えて再び混乱させようとしているのだろう。
『キキキ』
「シロウさん、マリーさん! ロアリングフルートの攻撃が来る。後ろに跳躍して」
ロアリングフルートが横笛を口に持っていき、音色を奏でた瞬間、クロエが後ろに下がるように指示をする。
今度はどっちだ? 本物か? それともマネットライムの嘘か?
現状では判断することができない。だけど、ここは彼女を信じる。
マリーとキャッツを抱きしめ、後方に二度跳躍をして距離を空ける。だが、何も起きなかった。
今のは偽物のクロエの指示か? いや、それなら今頃俺たちは音の攻撃を喰らっているはず。
周囲を見渡すと、俺とマリーとキャッツがもう一人いた。
クロエは本物だったが、偽物の俺たちのほうに指示を出していたのだ。
「クロエ、どうして敵のサポートをしますの? まさか、あのクロエも偽物なのですの」
「いや、それはない。トーマンが新たに召喚石を使った様子がない以上は、彼女は本物だ。見分けがつかないから、敵を味方だと思い込んでしまうのは仕方がない」
早くマネットライムを倒す。それがこの状況を打破する一番の策だ。
この手はできることなら使いたくない。だけど、これしか今のところは方法が見つからない。だからやるしかない。
「マリーはここにいてくれ。俺はエリーザのところに行ってくる」
マリーから離れると、俺はキャッツを抱き抱えたままエリーザのところに向かう
「エリーザ、今持っている砂糖を全部俺にくれ!」
「砂糖ですわね。分かりましたわ」
サポート役のエリーザに駆け寄り、俺は彼女から砂糖の入った瓶を受け取る。
「ごめん」
「どうして謝る……わう! シロウさんこれはいったいどう言うことですの! 止めてくださいですわ!」
瓶を受け取った瞬間、蓋を開けてエリーザに砂糖をぶっかけた。
「説明している暇がない。だけど、これでマーキングは完了だ」
エリーザを砂糖塗れにした後、俺は砂糖に細工をしながらマリーのところに戻る。そして先程と同じことをした。
「これは砂糖ですの? シロウ、あなたはもしかして」
流石にマリーは一度見ているだけあって、俺が何をしようとしているのかが理解できたようだな。
軽く頷くと、続いてクロエ、ミラーカのところに向かい、同じようにぶっかける。
クロエもミラーカも本物で間違いない。
『んんん~ん。あなたはいったい何がしたいのですか? 仲間を砂糖塗れにして?』
俺の行動が異常に思えたのだろう。トーマンが尋ねてくる。
「これで砂糖塗れの仲間はマネットライムではないと証明された。砂糖が付着している者の言葉は信用できる」
『ほほう、でもそれだけではマネットライムを判別できませんよ。砂糖まで再現して、変身すれば済むはずですから』
「確かにそうだな。だけど、マネットライムは既に詰んでいる。なぁキャッツ」
『…………』
抱き抱えている獣に声をかけるも、返事をしてくれない。
どうしたんだ? いつもなら返事をしてくれると言うのに。
『んんん~ん。隙ありですよ』
キャッツに気を取られている間に、トーマンが足払いをしかけた。
やつの足が当たってしまい、バランスを崩して転倒しそうになる。
『んんん~ん。キャスコはいただきました』
踏ん張ってどうにか転倒を防いだ瞬間、トーマンにキャッツを奪われる。
『これで任務完了……ぎゃああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 身体が溶けるうううううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ』
トーマンの叫び声を聞き、ニヤリと口角を上げる。
「引っかかったな! トーマンに化けたマネットライム」
トーマンだったものがゲル状となり、スライムの身体は溶けて地面に落ちる。
『どうしてバレた! 俺の策は完璧だったはず』
「次に化けるとしたら、意外性を突いてくるだろうと思った。それなら、召喚者であるトーマンが適している」
『まさか、あの男と入れ替わっていたことまでバレていた。くそう、どうして俺の身体が溶ける』
「お前たちスライムの身体は、コロイドと言う現象で成り立っている。スライムの肉体に砂糖が触れると、砂糖の粒子が浸透圧によって水分が出て、ドロドロにさせることができる」
『砂糖だと! そんなもの触れた覚えがないぞ! まさか!』
マネットライムの言葉を聞き、再び口角を上げる。
「そのまさかだ。お前が奪ったキャッツは砂糖を固めて作った砂糖菓子だ。俺は先の展開を予想して砂糖を固めてキャッツの形に型取り、偽物を用意した。元々の狙いはキャッツだからな。絶対に食い付いてくると思った」
ポケットに手を突っ込み、石があることを確認する。
本当に偶然だったが、たまたまトーマンから召喚石を受け取ったままにしておいて正解だった。
キャッツ、嫌だろうが、少しの間我慢してくれ。
「さて、終わりにしよう。お前たちスライムは、核を破壊しない限り生き続けるからな。アイシクル」
氷の呪文を唱えて氷柱を生み出し、スライムの核を破壊する。
「さて、残りはロアリングフルートだけだが、お前もそろそろやられてくれよな。アスフィケイション」
空中に浮遊している猿顔の魔物を見ながら魔法を発動する。その瞬間、ロアリングフルートは地面に落下した。
『キキキ』
「お前には筋肉が骨に変わる呪いをかけた。これで関節の可動性が失われ、動くことができない。ウォーターカッター」
今度は水の魔法を唱えて一ミリほどの細さにすると、魔物の顔面に向けて放つ。水圧により、魔物の頭は吹き飛ばされた。
「これで終わったな」
全ての魔物を倒し、周囲を警戒する。
あの男の気配がしないな。どこかに逃げやがったのか?
「キャッツ、居心地が悪かったよな。出ておいで」
ポケットから召喚石を取り出すと、地面に投げる。
石が割れ、中からキャッツが現れた。
『ワンワン』
「ごめんな。居心地が悪かっただろう」
キャッツ抱き抱えると、もう一度周囲を確認する。
またあの男がキャッツを狙ってくるかもしれないなぁ。これからは警戒しないと。
俺が放った火球はトーマンに飛んで行く。しかし奴を守るようにデスファンゴが間に入ると、持っていた棍棒で火球を防いだ。
「んんん~ん。魔物を狙わず僕を攻撃しますか。それも作戦の一つですよね。何せ、僕が所有している召喚石がこれだけしかないとは言っていない。これ以上増やされる前に、召喚者を倒そうとは、中々頭がキレるではないですか」
相手の情報を引き出そうとして、敢えてトーマンを狙ってみたが、やっぱり他にも召喚石を隠し持っていたか。
「作戦を変える! 魔物たちはあしらう程度にして、先にトーマンを倒す」
「分かりましたわ」
「はーい」
「了解した」
「サポートはお任せください」
「んんん~ん。僕の召喚した魔物を相手にしてくれないなんてつれないですね。なら、嫌でも相手をしてもらいましょう! お前たち、町民を攻撃しなさい」
作戦を変更することを仲間たちに告げると、それを妨害しようとトーマンも作戦を変えてきた。
くそう。どうしても魔物を相手にさせて、自分は体力を温存しようとしていやがる。
『ブヒヒ! 久しぶりの人間、俺の棍棒でぶっ潰す!』
デスファンゴが逃げ回る人に追いつき、握っている棍棒を振り下ろす。
「させるか! ゼイレゾナンス・バイブレーション」
魔法を発動したその瞬間、デスファンゴの持っている棘棍棒が砕ける。
棘棍棒と同じ周波数の音を出して振動を加え続けたことで、疲労破壊を起こした。
『ブヒ! 俺の得物が!』
「得物よりも自分の身の心配をしろ! アイシクル」
氷の魔法を発動して氷柱を生み出し、デスファンゴの肉体を貫く。
魔物は地面に倒れ、動かなくなった。
「よし、これで残り二体」
「シロウさん! 跳躍して!」
クロエの声が聞こえ、その場で跳躍した。その瞬間、先ほどまで立っていた地面が砕ける。
ロアリンググルートの音による攻撃か。だけど、俺たちには音を視認することのできるクロエがいる。彼女がいる限り、やつの攻撃は当たらない。
「サンキュークロエ! お陰で助かった」
「んんん~ん。まさか、こうも簡単にデスファンゴがやられるとは思ってもいませんでしたよ。やりますね。では、これならどうでしょう」
トーマンが指を鳴らす。だが、何も起きなかった。
今の音はハッタリか? それとも時間差で発動する? それとも……。
脳内に複数のパターンが思い浮かぶ。
ここは全ての可能性を考えて、その都度対処していくしかないよな。
『マリーさん! 音の波が来る! 右に飛んで』
「分かりましたわ……きゃ!」
クロエがマリーに避けるように指示を出し、それに従ったマリーが急に吹き飛ばされる。
「スピードスター」
その光景を見た瞬間、咄嗟に俊足魔法を唱え、吹き飛ばされたマリーに近づくと、彼女を受け止める。
『右に飛んだら当たるからね。キャハハ!』
クロエがニヤリと口角を上げながら嘲笑う。
『本当にこのエルフの女の能力は凄いな! ロアリングフルートの攻撃が見える』
「そいつはクロエじゃない! マネットライムが変身した姿だ!」
『御明察だ』
クロエがドロドロに溶けると、ゲル状のスライムに姿を変える。
『さて、次はどいつに姿を変えようか。互いに疑心暗鬼になり、仲間同士でやり合う。そんな光景が俺は大好きだ』
マネットライムが建物の陰に隠れた。また誰かに姿を変えて再び混乱させようとしているのだろう。
『キキキ』
「シロウさん、マリーさん! ロアリングフルートの攻撃が来る。後ろに跳躍して」
ロアリングフルートが横笛を口に持っていき、音色を奏でた瞬間、クロエが後ろに下がるように指示をする。
今度はどっちだ? 本物か? それともマネットライムの嘘か?
現状では判断することができない。だけど、ここは彼女を信じる。
マリーとキャッツを抱きしめ、後方に二度跳躍をして距離を空ける。だが、何も起きなかった。
今のは偽物のクロエの指示か? いや、それなら今頃俺たちは音の攻撃を喰らっているはず。
周囲を見渡すと、俺とマリーとキャッツがもう一人いた。
クロエは本物だったが、偽物の俺たちのほうに指示を出していたのだ。
「クロエ、どうして敵のサポートをしますの? まさか、あのクロエも偽物なのですの」
「いや、それはない。トーマンが新たに召喚石を使った様子がない以上は、彼女は本物だ。見分けがつかないから、敵を味方だと思い込んでしまうのは仕方がない」
早くマネットライムを倒す。それがこの状況を打破する一番の策だ。
この手はできることなら使いたくない。だけど、これしか今のところは方法が見つからない。だからやるしかない。
「マリーはここにいてくれ。俺はエリーザのところに行ってくる」
マリーから離れると、俺はキャッツを抱き抱えたままエリーザのところに向かう
「エリーザ、今持っている砂糖を全部俺にくれ!」
「砂糖ですわね。分かりましたわ」
サポート役のエリーザに駆け寄り、俺は彼女から砂糖の入った瓶を受け取る。
「ごめん」
「どうして謝る……わう! シロウさんこれはいったいどう言うことですの! 止めてくださいですわ!」
瓶を受け取った瞬間、蓋を開けてエリーザに砂糖をぶっかけた。
「説明している暇がない。だけど、これでマーキングは完了だ」
エリーザを砂糖塗れにした後、俺は砂糖に細工をしながらマリーのところに戻る。そして先程と同じことをした。
「これは砂糖ですの? シロウ、あなたはもしかして」
流石にマリーは一度見ているだけあって、俺が何をしようとしているのかが理解できたようだな。
軽く頷くと、続いてクロエ、ミラーカのところに向かい、同じようにぶっかける。
クロエもミラーカも本物で間違いない。
『んんん~ん。あなたはいったい何がしたいのですか? 仲間を砂糖塗れにして?』
俺の行動が異常に思えたのだろう。トーマンが尋ねてくる。
「これで砂糖塗れの仲間はマネットライムではないと証明された。砂糖が付着している者の言葉は信用できる」
『ほほう、でもそれだけではマネットライムを判別できませんよ。砂糖まで再現して、変身すれば済むはずですから』
「確かにそうだな。だけど、マネットライムは既に詰んでいる。なぁキャッツ」
『…………』
抱き抱えている獣に声をかけるも、返事をしてくれない。
どうしたんだ? いつもなら返事をしてくれると言うのに。
『んんん~ん。隙ありですよ』
キャッツに気を取られている間に、トーマンが足払いをしかけた。
やつの足が当たってしまい、バランスを崩して転倒しそうになる。
『んんん~ん。キャスコはいただきました』
踏ん張ってどうにか転倒を防いだ瞬間、トーマンにキャッツを奪われる。
『これで任務完了……ぎゃああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 身体が溶けるうううううううううううううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ』
トーマンの叫び声を聞き、ニヤリと口角を上げる。
「引っかかったな! トーマンに化けたマネットライム」
トーマンだったものがゲル状となり、スライムの身体は溶けて地面に落ちる。
『どうしてバレた! 俺の策は完璧だったはず』
「次に化けるとしたら、意外性を突いてくるだろうと思った。それなら、召喚者であるトーマンが適している」
『まさか、あの男と入れ替わっていたことまでバレていた。くそう、どうして俺の身体が溶ける』
「お前たちスライムの身体は、コロイドと言う現象で成り立っている。スライムの肉体に砂糖が触れると、砂糖の粒子が浸透圧によって水分が出て、ドロドロにさせることができる」
『砂糖だと! そんなもの触れた覚えがないぞ! まさか!』
マネットライムの言葉を聞き、再び口角を上げる。
「そのまさかだ。お前が奪ったキャッツは砂糖を固めて作った砂糖菓子だ。俺は先の展開を予想して砂糖を固めてキャッツの形に型取り、偽物を用意した。元々の狙いはキャッツだからな。絶対に食い付いてくると思った」
ポケットに手を突っ込み、石があることを確認する。
本当に偶然だったが、たまたまトーマンから召喚石を受け取ったままにしておいて正解だった。
キャッツ、嫌だろうが、少しの間我慢してくれ。
「さて、終わりにしよう。お前たちスライムは、核を破壊しない限り生き続けるからな。アイシクル」
氷の呪文を唱えて氷柱を生み出し、スライムの核を破壊する。
「さて、残りはロアリングフルートだけだが、お前もそろそろやられてくれよな。アスフィケイション」
空中に浮遊している猿顔の魔物を見ながら魔法を発動する。その瞬間、ロアリングフルートは地面に落下した。
『キキキ』
「お前には筋肉が骨に変わる呪いをかけた。これで関節の可動性が失われ、動くことができない。ウォーターカッター」
今度は水の魔法を唱えて一ミリほどの細さにすると、魔物の顔面に向けて放つ。水圧により、魔物の頭は吹き飛ばされた。
「これで終わったな」
全ての魔物を倒し、周囲を警戒する。
あの男の気配がしないな。どこかに逃げやがったのか?
「キャッツ、居心地が悪かったよな。出ておいで」
ポケットから召喚石を取り出すと、地面に投げる。
石が割れ、中からキャッツが現れた。
『ワンワン』
「ごめんな。居心地が悪かっただろう」
キャッツ抱き抱えると、もう一度周囲を確認する。
またあの男がキャッツを狙ってくるかもしれないなぁ。これからは警戒しないと。
35
あなたにおすすめの小説
世界最強の賢者、勇者パーティーを追放される~いまさら帰ってこいと言われてももう遅い俺は拾ってくれた最強のお姫様と幸せに過ごす~
aoi
ファンタジー
「なぁ、マギそろそろこのパーティーを抜けてくれないか?」
勇者パーティーに勤めて数年、いきなりパーティーを戦闘ができずに女に守られてばかりだからと追放された賢者マギ。王都で新しい仕事を探すにも勇者パーティーが邪魔をして見つからない。そんな時、とある国のお姫様がマギに声をかけてきて......?
お姫様の為に全力を尽くす賢者マギが無双する!?
ブラックギルドマスターへ、社畜以下の道具として扱ってくれてあざーす!お陰で転職した俺は初日にSランクハンターに成り上がりました!
仁徳
ファンタジー
あらすじ
リュシアン・プライムはブラックハンターギルドの一員だった。
彼はギルドマスターやギルド仲間から、常人ではこなせない量の依頼を押し付けられていたが、夜遅くまで働くことで全ての依頼を一日で終わらせていた。
ある日、リュシアンは仲間の罠に嵌められ、依頼を終わらせることができなかった。その一度の失敗をきっかけに、ギルドマスターから無能ハンターの烙印を押され、クビになる。
途方に暮れていると、モンスターに襲われている女性を彼は見つけてしまう。
ハンターとして襲われている人を見過ごせないリュシアンは、モンスターから女性を守った。
彼は助けた女性が、隣町にあるハンターギルドのギルドマスターであることを知る。
リュシアンの才能に目をつけたギルドマスターは、彼をスカウトした。
一方ブラックギルドでは、リュシアンがいないことで依頼達成の効率が悪くなり、依頼は溜まっていく一方だった。ついにブラックギルドは町の住民たちからのクレームなどが殺到して町民たちから見放されることになる。
そんな彼らに反してリュシアンは新しい職場、新しい仲間と出会い、ブッラックギルドの経験を活かして最速でギルドランキング一位を獲得し、ギルドマスターや町の住民たちから一目置かれるようになった。
これはブラックな環境で働いていた主人公が一人の女性を助けたことがきっかけで人生が一変し、ホワイトなギルド環境で最強、無双、ときどきスローライフをしていく物語!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
スキル間違いの『双剣士』~一族の恥だと追放されたが、追放先でスキルが覚醒。気が付いたら最強双剣士に~
きょろ
ファンタジー
この世界では5歳になる全ての者に『スキル』が与えられる――。
洗礼の儀によってスキル『片手剣』を手にしたグリム・レオハートは、王国で最も有名な名家の長男。
レオハート家は代々、女神様より剣の才能を与えられる事が多い剣聖一族であり、グリムの父は王国最強と謳われる程の剣聖であった。
しかし、そんなレオハート家の長男にも関わらずグリムは全く剣の才能が伸びなかった。
スキルを手にしてから早5年――。
「貴様は一族の恥だ。最早息子でも何でもない」
突如そう父に告げられたグリムは、家族からも王国からも追放され、人が寄り付かない辺境の森へと飛ばされてしまった。
森のモンスターに襲われ絶対絶命の危機に陥ったグリム。ふと辺りを見ると、そこには過去に辺境の森に飛ばされたであろう者達の骨が沢山散らばっていた。
それを見つけたグリムは全てを諦め、最後に潔く己の墓を建てたのだった。
「どうせならこの森で1番派手にしようか――」
そこから更に8年――。
18歳になったグリムは何故か辺境の森で最強の『双剣士』となっていた。
「やべ、また力込め過ぎた……。双剣じゃやっぱ強すぎるな。こりゃ1本は飾りで十分だ」
最強となったグリムの所へ、ある日1体の珍しいモンスターが現れた。
そして、このモンスターとの出会いがグレイの運命を大きく動かす事となる――。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。
帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
趣味で人助けをしていたギルマス、気付いたら愛の重い最強メンバーに囲まれていた
歩く魚
ファンタジー
働きたくない元社畜、異世界で見つけた最適解は――「助成金で生きる」ことだった。
剣と魔法の世界に転生したシンは、冒険者として下積みを積み、ついに夢を叶える。
それは、国家公認の助成金付き制度――ギルド経営によって、働かずに暮らすこと。
そして、その傍で自らの歪んだ性癖を満たすため、誰に頼まれたわけでもない人助けを続けていたがーー
「ご命令と解釈しました、シン様」
「……あなたの命、私に預けてくれるんでしょ?」
次第にギルドには、主人公に執着するメンバーたちが集まり始め、気がつけばギルドは、愛の重い最強集団になっていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる