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私の中身はそんなにダメですか?
6.お前が悪い
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◇
「パフェにグラタン、白ワイン。これは太るね....」
「.....?....八重は八重だろ」
パフェをぺろりと食べ終わったあと、案の定、ごはんが食べたくなった。
一生は「だと思った」と笑いながら、またメニュー表を開いてくれて、私は磯村さん特製のグラタンと、それに合う白ワイン。彼は、ミルフィーユチーズカツのセットを頼んで、これまたぺろりと完食。
お酒が入ってほろ酔い気分で、冗談混じりにこぼしたつもりなのに。サラッと、今一番嬉しい言葉が飛んでくる。
そういう意味で一生が言ったかはわからない。でもまるで、外見なんて関係なく私は私だと言われた気分になった。
「.....うん」
「....で?何があった?」
「あ.....」
「何かあったんだろ?....まぁ、なんとなくわかるけどさ」
言ってから、彼はすぐ近くにあったグラスを手にとり、ごくりと喉を上下させて水を一口飲んだ。
突然、話題は核心をついてきた。私の落ち着く頃合いを見計らってくれていたのだろう。
グラタンもミルフィーユチーズカツも食べ終わって。空になったお皿がのった机の上で、私は両手をもじもじさせて言いにくそうに口を開いた。
「....また、フラれた」
「.....ふぅん」
「..........」
私が黙ってしまって、しばし沈黙が二人を包み込んだ。けれど、すぐ沈黙を破って、一生がさらに核心をついてくる。
「.....なんで」
「.....今回も同じ理由。しかも今日は、私の見た目でこの中身は誰でも『引く』とまで言われちゃってさ。....ひどくない?勝手なイメージ押し付けたのそっちじゃん、ね」
「........」
本当はそう思っていたのは最初だけ。今は、大半自分が悪いのだろうと思ってしまっていたけど、わざと強がった。それと、さっき一生が楽しそうに笑ってくれたから、ほんの少し救われて数%くらいは向こうにも責任はあるはずだと思えたのもある。
一生は黙って話を聞いてくれていた。
でも、次にこぼれ出たのは私の傷を抉る言葉だった。
「....お前が悪い」
「....なに、それ。.....どういう意味よ」
ズキンと身体の中で音がした。
泣きながら一生に電話してから今の今までずっと彼に救われ続けて。ふわふわ柔らかさを取り戻しつつあった私の心は、簡単に、再びかたく縮こまってしまう。
「そのまんまの意味だよ」
「......ふぅん」
私は、唇を噛み締めた。
(ああ、そうですか。....どうせ私みたいな中身が伴っていない女なんて、そりゃ振られるわ、引かれるわ、当然ですよね)
ーー八重は八重だろ。
その時、耳の奥で一生の声がして、嬉しかった言葉がエコーみたいに鳴った。
(さっきのあの言葉は、私の勘違いか....)
卑屈な考えが支配したけれど、ゆるゆると疲れとお酒に眠気を誘われていた身体は、そんなことは関係なくウトウトし始める。
(....なんか、眠くなってきた)
私は椅子の背もたれに身体をくたりと預け、サインに抗わず瞼を閉じて.....そのまま夢の中に落ちていった。
「パフェにグラタン、白ワイン。これは太るね....」
「.....?....八重は八重だろ」
パフェをぺろりと食べ終わったあと、案の定、ごはんが食べたくなった。
一生は「だと思った」と笑いながら、またメニュー表を開いてくれて、私は磯村さん特製のグラタンと、それに合う白ワイン。彼は、ミルフィーユチーズカツのセットを頼んで、これまたぺろりと完食。
お酒が入ってほろ酔い気分で、冗談混じりにこぼしたつもりなのに。サラッと、今一番嬉しい言葉が飛んでくる。
そういう意味で一生が言ったかはわからない。でもまるで、外見なんて関係なく私は私だと言われた気分になった。
「.....うん」
「....で?何があった?」
「あ.....」
「何かあったんだろ?....まぁ、なんとなくわかるけどさ」
言ってから、彼はすぐ近くにあったグラスを手にとり、ごくりと喉を上下させて水を一口飲んだ。
突然、話題は核心をついてきた。私の落ち着く頃合いを見計らってくれていたのだろう。
グラタンもミルフィーユチーズカツも食べ終わって。空になったお皿がのった机の上で、私は両手をもじもじさせて言いにくそうに口を開いた。
「....また、フラれた」
「.....ふぅん」
「..........」
私が黙ってしまって、しばし沈黙が二人を包み込んだ。けれど、すぐ沈黙を破って、一生がさらに核心をついてくる。
「.....なんで」
「.....今回も同じ理由。しかも今日は、私の見た目でこの中身は誰でも『引く』とまで言われちゃってさ。....ひどくない?勝手なイメージ押し付けたのそっちじゃん、ね」
「........」
本当はそう思っていたのは最初だけ。今は、大半自分が悪いのだろうと思ってしまっていたけど、わざと強がった。それと、さっき一生が楽しそうに笑ってくれたから、ほんの少し救われて数%くらいは向こうにも責任はあるはずだと思えたのもある。
一生は黙って話を聞いてくれていた。
でも、次にこぼれ出たのは私の傷を抉る言葉だった。
「....お前が悪い」
「....なに、それ。.....どういう意味よ」
ズキンと身体の中で音がした。
泣きながら一生に電話してから今の今までずっと彼に救われ続けて。ふわふわ柔らかさを取り戻しつつあった私の心は、簡単に、再びかたく縮こまってしまう。
「そのまんまの意味だよ」
「......ふぅん」
私は、唇を噛み締めた。
(ああ、そうですか。....どうせ私みたいな中身が伴っていない女なんて、そりゃ振られるわ、引かれるわ、当然ですよね)
ーー八重は八重だろ。
その時、耳の奥で一生の声がして、嬉しかった言葉がエコーみたいに鳴った。
(さっきのあの言葉は、私の勘違いか....)
卑屈な考えが支配したけれど、ゆるゆると疲れとお酒に眠気を誘われていた身体は、そんなことは関係なくウトウトし始める。
(....なんか、眠くなってきた)
私は椅子の背もたれに身体をくたりと預け、サインに抗わず瞼を閉じて.....そのまま夢の中に落ちていった。
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