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最終章 25年後、君と答え合わせ
1.写真
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「...なぁ、花乃。...もし俺が....嘘をついていたら、どうする?」
「嘘?...千春、私に嘘ついてるの?」
「...はは。例え話。花乃は...どうする?...友達、やめる?」
「例え話...。そうね...もし千春が私に嘘をついていたら...ーーー」
****
ピピピピーー。
「....昔の夢、か」
目覚まし時計の高いアラーム音に、千春の意識は浮上した。パチリと目を開け、天井を見上げる。乾いた唇から、ポツリ言葉が漏れた。
「...どうしてこうも、毎日毎日。夢ばっかり見るかな...。もう忘れろよな、俺」
クシャりと寝癖のついた髪を握って、千春は体を起こし、ベッドの上で片膝を抱える。
目を閉じて脳裏に浮かぶのは、いつも同じ人物。
花乃の目と麻痺が治って、完治したと如月から連絡をもらってから.....三年の月日が流れていたーー。
「花乃....」
返事をしてくれる声も、振り返って向けられる笑顔も。ここには、もうなかった。
*****
『やぁ!千春、調子はどうだい?』
金髪に青い瞳をもつ大柄な男性が、千春の研究室の机までやってきた。
『やぁ!ジャック!元気だよ。ジャックはどうだい?』
千春は、振り返りにこやかに返事する。
『元気元気!今日も、元気すぎて、嫁さんにうるさいって叱られちまったよ』
豪快にガハハと笑う。
『はは、相変わらず仲がいいね。羨ましいよ』
千春は調子を合わせて、笑った。
『千春は男前なんだ。すぐにいい子が見つかるだろ?...ああ、もう居たか』
ジャックはニタッと笑って、千春の机を指差した。
『あ...これは』
千春がどう反応したものか迷っていたら、ジャックは返事も聞かずにまた話し始める。
『それ、ずっと飾ってるよな。どれも、同じ子だろ?...彼女かい?』
ニッと、口の端をあげてジャックがからかってきた。
『この子は...そんなんじゃないんだ。...でも』
ジャックは、そこで一旦黙ってしまった千春に首を傾げて、続きを促した。
『.....ずっと、幸せを願ってる』
ふわりと切なげに笑った千春に、ジャックは小さく息をのんだ。
千春は一度目を閉じてから....場の空気を切り替えるようにジャックに言った。
『...ところで、何か僕に用かい?ジャック』
その言葉にハッとして、ジャックが慌てて言った。
『そうだった!あの実験の測定結果って出てるかい?すぐに確かめたいことがあって』
『ああ。アレだね。もう出てるよ。...はい』
千春は、机にあるファイルから一枚の紙を取り出した。ジャックは、勢いよくその紙を受け取って、すぐに手を上にかかげる。
『サンキュー!じゃ、またな千春』
『はは、うん、またなジャック』
ジャックの後ろ姿を見送りながら、千春は机の上の写真立てに目を向けた。
そこには、花乃と千春が並んでうつる写真が数枚飾られている。どの写真も、二人は幸せそうに笑っていたーー。
*****
アメリカで最も大きい国立研究所。
そこの所長に誘われて単身渡米したのは、全て終わったあとすぐだ。
千春のしていた花乃のための研究。
その結果生まれた、花乃のための薬。母のことが判明してからは、『解毒剤』のようなものと千春は捉え、作り続けていた。
それが、宗一郎が花乃に告知した嘘の難病・イアロフスキー病を治療する薬に、姿を変えるかもしれないと所長に力説された。
そう言われてみれば、確かに症状は似ている。
だが、似て非なるものなので、結果が出るかは未知数だった。
千春と祖父の病院のニュースを聞き、薬の存在を知った所長に声をかけられ、日本に居る意味が見出せなかった千春は誘いにのった。
そして、再び研究を続けていた。
「嘘?...千春、私に嘘ついてるの?」
「...はは。例え話。花乃は...どうする?...友達、やめる?」
「例え話...。そうね...もし千春が私に嘘をついていたら...ーーー」
****
ピピピピーー。
「....昔の夢、か」
目覚まし時計の高いアラーム音に、千春の意識は浮上した。パチリと目を開け、天井を見上げる。乾いた唇から、ポツリ言葉が漏れた。
「...どうしてこうも、毎日毎日。夢ばっかり見るかな...。もう忘れろよな、俺」
クシャりと寝癖のついた髪を握って、千春は体を起こし、ベッドの上で片膝を抱える。
目を閉じて脳裏に浮かぶのは、いつも同じ人物。
花乃の目と麻痺が治って、完治したと如月から連絡をもらってから.....三年の月日が流れていたーー。
「花乃....」
返事をしてくれる声も、振り返って向けられる笑顔も。ここには、もうなかった。
*****
『やぁ!千春、調子はどうだい?』
金髪に青い瞳をもつ大柄な男性が、千春の研究室の机までやってきた。
『やぁ!ジャック!元気だよ。ジャックはどうだい?』
千春は、振り返りにこやかに返事する。
『元気元気!今日も、元気すぎて、嫁さんにうるさいって叱られちまったよ』
豪快にガハハと笑う。
『はは、相変わらず仲がいいね。羨ましいよ』
千春は調子を合わせて、笑った。
『千春は男前なんだ。すぐにいい子が見つかるだろ?...ああ、もう居たか』
ジャックはニタッと笑って、千春の机を指差した。
『あ...これは』
千春がどう反応したものか迷っていたら、ジャックは返事も聞かずにまた話し始める。
『それ、ずっと飾ってるよな。どれも、同じ子だろ?...彼女かい?』
ニッと、口の端をあげてジャックがからかってきた。
『この子は...そんなんじゃないんだ。...でも』
ジャックは、そこで一旦黙ってしまった千春に首を傾げて、続きを促した。
『.....ずっと、幸せを願ってる』
ふわりと切なげに笑った千春に、ジャックは小さく息をのんだ。
千春は一度目を閉じてから....場の空気を切り替えるようにジャックに言った。
『...ところで、何か僕に用かい?ジャック』
その言葉にハッとして、ジャックが慌てて言った。
『そうだった!あの実験の測定結果って出てるかい?すぐに確かめたいことがあって』
『ああ。アレだね。もう出てるよ。...はい』
千春は、机にあるファイルから一枚の紙を取り出した。ジャックは、勢いよくその紙を受け取って、すぐに手を上にかかげる。
『サンキュー!じゃ、またな千春』
『はは、うん、またなジャック』
ジャックの後ろ姿を見送りながら、千春は机の上の写真立てに目を向けた。
そこには、花乃と千春が並んでうつる写真が数枚飾られている。どの写真も、二人は幸せそうに笑っていたーー。
*****
アメリカで最も大きい国立研究所。
そこの所長に誘われて単身渡米したのは、全て終わったあとすぐだ。
千春のしていた花乃のための研究。
その結果生まれた、花乃のための薬。母のことが判明してからは、『解毒剤』のようなものと千春は捉え、作り続けていた。
それが、宗一郎が花乃に告知した嘘の難病・イアロフスキー病を治療する薬に、姿を変えるかもしれないと所長に力説された。
そう言われてみれば、確かに症状は似ている。
だが、似て非なるものなので、結果が出るかは未知数だった。
千春と祖父の病院のニュースを聞き、薬の存在を知った所長に声をかけられ、日本に居る意味が見出せなかった千春は誘いにのった。
そして、再び研究を続けていた。
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