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【第16部】グランドフィナーレ・物理帝国編 ~神様、残業代(寿命)はいりません。この世界は最高に退屈しませんもの!~
第176話 わたしの右腕の結婚:宰相と筋肉王のロマンス ~私の人生の収支決算、貴方に預けます~
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皇都アクシスの中央行政棟、その最上階にある宰相執務室。
窓の外には、かつて「大断裂帯」と呼ばれた場所に築かれた、世界各国の建築様式が融合した美しい街並みが広がっている。
鉄道が走り、魔導デコトラや馬車、ゴーレム自動車が行き交う、大陸の心臓部。
だが、その執務室の主であるミリア・コーンフィールドは、窓外の繁栄を楽しむ余裕など微塵もなかった。
「……はぁ」
彼女のデスクには、決済書類の山とは別に、毒々しいほど華やかな色をした封筒の山が築かれていたからだ。
「またですか……。釣り書、釣り書、釣り書……。どこの貴族も商人も、私が『暇』だとでも思っているのでしょうか」
ミリアは眼鏡を外し、眉間を揉みほぐした。
ヴィータヴェン・アクシス連邦皇国の初代宰相にして、世界経済を牛耳る巨大コングロマリット「V&C商会」の社長。
今や彼女は、世界で最も多忙で、そして最も「婚活市場価値」が高い独身女性となっていた。
「私の伴侶に必要なのは、家柄でも財産でもありません。……レヴィーネ様の無茶振りに耐えうる精神力と、徹夜続きでも崩れない計算能力、そして私の仕事を邪魔しない『空気のような存在感』です。そんな人間、この世にいるわけがありません」
ミリアは投げやりに封筒の山を脇に退けると、机の隅に置かれた「無骨な木箱」に視線をやった。
それは、定期便でラノリア王国から届いた個人的な贈り物だった。
中身は、最高級のプロテイン(ココア味)と、疲労回復に効くという特製湿布。そして、「無理はするなよ、姉弟子」とだけ書かれた短い手紙。
「……ギルベルト陛下。本当に、色気のない方」
ミリアの口元が、自然と緩む。
ラノリア国王、ギルベルト・ラノリア。
かつてラノリアの学園で、レヴィーネという「規格外の太陽」に振り回されながら共に汗を流した、戦友であり弟弟子。
彼からの贈り物は、宝石やドレスのように煌びやかではない。だが、激務に追われるミリアの身体を的確に気遣う、実用性と不器用な優しさに満ちていた。
「……もしも、なんて。非効率な計算ですね」
ミリアは首を振った。
彼がレヴィーネに憧憬を抱いていたことは知っている。そして、それが恋慕ではなく「信仰」に近い敬愛へと昇華されたことも。
ミリア自身もまた、レヴィーネに救われ、彼女の背中を追うことに人生の全てを捧げると誓った身だ。
「私たちは似たもの同士。……太陽の周りを回る惑星のようなもの。軌道が交わることはあっても、重なることはないのです」
それに、とミリアは自嘲する。
相手は一国の王。こちらは新興国の宰相とはいえ、元は帝国の貧乏男爵家の娘。身分という壁は、計算ずくで越えられるものではない。
ピピッ。
その時、デスク上の通信機が鳴った。
『ミリア。……今すぐ「玉座の間」に来なさい。緊急の通達よ』
レヴィーネの声だ。
いつになく楽しげで、そして「拒否権はない」という響きを含んだその声に、ミリアの背筋に冷たいものが走った。
「……嫌な予感がします。予算の追加請求でしょうか、それともまた地形を変えるような工事の提案でしょうか……」
ミリアは胃薬を飲み込み、覚悟を決めて席を立った。
◆◆◆
玉座の間。
そこには、女帝レヴィーネと、その夫である王配アレクセイが待っていた。
「呼び出しておいて何ですが、仕事は片付きましたの? ミリア」
「片付くわけがありません。……ですが、陛下の呼び出しとあらば、地球の裏側にいても馳せ参じますよ」
「ふふ、頼もしいこと。……さて、今日はあなたに『辞令』があります」
レヴィーネが目配せすると、アレクセイが一通の羊皮紙を恭しく広げた。
そこには、帝国の紋章と、連邦皇国の紋章が並んで押されている。
「……これは?」
「ガルディア帝国からの正式な通達だ。コーンフィールド男爵家は、長年の農業改革および『タカニシキ』『トヨノホマレ』普及による食糧事情改善の功績により、『子爵家』へと陞爵された」
アレクセイの言葉に、ミリアは目を見開いた。
実家への送金や技術供与は続けていたが、まさか爵位が上がるとは。
「おめでとうございます、とは言いたいところですが……。それでも子爵令嬢です。一国の宰相としては、まだ箔が足りませんわね」
レヴィーネが鉄扇をパチンと鳴らす。
「ですから、わたくしとアレクで決めましたの。……ミリア、あなたに我が国独自の爵位と領土を与えます」
「は……?」
レヴィーネは、もう一通の、さらに豪華な金箔押しの状箱を差し出した。
「本日ただいまをもって、あなたを『あすなろ領・女伯爵』に叙します。……これは帝国を含む同盟諸国でも認められる、正式な高位貴族の地位ですわ」
「は、伯爵!? 待ってください、あすなろ領というのは、現在開発中の第三工業区画の……!」
「ええ。あなたが手塩にかけて育てたあの土地よ。文句はないでしょう?」
あまりに強引で、しかし愛のある「外堀埋め」に、ミリアは言葉を失った。
彼女が気にしていた身分の壁を、レヴィーネは物理的な権力行使であっさりと粉砕してしまったのだ。
「……呆れました。職権乱用もいいところです」
「あら、正当な人事評価よ。……それに、これくらいしてもらわないと、釣り合いが取れないでしょう?」
「釣り合い……?」
レヴィーネがニヤリと笑い、入り口の方を指差した。
重厚な扉が開き、一人の男が入ってくる。
鍛え上げられた巨躯を、ラノリア王国の正装に包んだ男。
「……ギルベルト陛下?」
ギルベルトは、どこか緊張した面持ちで、まっすぐにミリアの元へと歩み寄ってきた。
その手には、花束の代わりに、豪奢な装飾が施された「小箱」が握られている。
「……久しぶりだな、ミリア殿」
「ええ、先日の通信以来ですが。……どうしてここに?」
「君に、会いに来たのだ」
ギルベルトは、レヴィーネとアレクセイに一礼した後、ミリアの正面に立った。
その瞳は真剣そのもので、ミリアの心臓を射抜くような熱を帯びていた。
「ミリア殿。……単刀直入に言おう」
彼は一呼吸置き、告げた。
「私と、結婚してほしい」
時が止まった。
ミリアの脳内で回っていた魔導計算機が、エラー音を出して停止する。
「……は、はい?」
「私は、不器用な男だ。言葉を飾ることも、ロマンチックな演出もできない。……だが、君となら、背中を預け合えると思った」
ギルベルトは、かつてレヴィーネに向けたものとは違う、等身大の、そして温かな眼差しでミリアを見つめた。
「私は、レヴィーネ姐さんのような『太陽』にはなれない。彼女が切り拓く道を、後ろから舗装し、守ることしかできない」
「……はい、存じております。私もそうですから」
「だからこそだ。……一人では背負いきれない時がある。国の重みも、理想の重さも。だが、君となら――」
ギルベルトは、ミリアの手を取った。
ごつごつとした、剣とダンベルのタコがある、大きな手。
「君の『計算』と、私の『筋肉』があれば、この国を、そしてあの方の夢をもっと盤石にできるとは思わないか? ……私は、君というパートナーと共に、人生というリングに立ちたいのだ」
それは、あまりにも彼らしい、そしてミリアにとって一番響くプロポーズだった。
恋の駆け引きなどない。あるのは、互いの能力と在り方を認め合う、信頼の契約。
ミリアの胸の奥が、じわりと熱くなる。
だが、彼女の理性が、最後のブレーキをかけた。
「……嬉しいです。本当に。……ですが、ギルベルト様」
ミリアは眼鏡の位置を直し、冷静さを取り繕って言った。
「貴方は一国の王。私は、この国の宰相です。……結婚すれば、私はラノリアへ行かねばなりません。ですが、私はレヴィーネ様の元を離れるつもりはありません。皇都アクシスで、この仕事を全うしたいのです」
それは、ミリアにとって譲れない一線だった。
愛か仕事か。そんな陳腐な二択を、彼女は選べない。どちらも彼女の人生そのものだからだ。
「貴国の貴族たちが、他国に常駐するような『通い妻』の王妃を認めるでしょうか? それが、私の唯一にして最大の懸念です」
論理的な拒絶。
だが、ギルベルトはそれを聞いて、ニカっと笑い飛ばした。
「なんだ、そんなことか」
「……そんなこと、とは?」
「ラノリアは変わった。……筋肉と実力が全ての国に、私が変えたのだ。文句を言う貴族がいれば、私が直接『物理的説得』で黙らせる」
「……はぁ」
「それに、君がレヴィーネ姐さんの傍で輝いている姿こそが、私が惚れた君だ。……鳥を籠に閉じ込めて愛でるような真似はしない。君は君の場所で、最強の宰相として戦ってくれ」
ギルベルトは窓の外、大陸を貫く「黒鋼大回廊」を指差した。
「距離など、もはや問題ではないだろう? 鉄道も敷かれ、高コストだが転移魔法陣も整備された。……週末は私がアクシスへ通う。あるいは君がラノリアへ来ればいい」
「週末婚、ですか……。国王がそんな……」
「そして……これが私の提案だ」
ギルベルトは真剣な表情になり、とんでもない構想を口にした。
「我が国ラノリアは既にヴィータヴェン・アクシス連邦皇国の同盟国だが、私とミリア殿が結婚することで、さらに結びつきを強化し『兄弟国』としようと思う」
「き、兄弟国……!?」
控えていたアレクセイが「ぶっ」と吹き出し、レヴィーネが楽しそうに扇子を広げる。
「歴史と伝統だけはある我が国だ。少しはアクシス連邦皇国の強化に役立つと思う。……国境という地図上の線はあっても、実質的には一つの国の本部と支部というくらいで考えてくれればいい」
ギルベルトは、まるで新規事業のプレゼンをするかのように、熱く語った。
「ラノリアの豊富な資金と人材を、君の采配で動かせるようになる。……どうだ? 宰相として、そして経営者として、これほど『やりがいのある案件』はないだろう?」
そのスケールの大きさと、あまりにも大らかな愛に、ミリアは呆然とした。
一国の王が、愛する女性のために、国ごとその身を投げ出すと言っているのだ。
「……これでは、私の出る幕がないな」
アレクセイが苦笑し、レヴィーネが「あらアレク、おめでたい話に政治の懸念は無粋でしてよ?」と笑う。
だが、ミリアの心はまだ揺れていた。
あまりにも条件が良すぎる。合理的すぎる。
これではまるで、政略結婚のようではないか。
「……ギルベルト様。それは、国益のための結婚ということですか?」
ミリアが問うと、ギルベルトは首を横に振った。
そして、手に持っていた小箱を開けた。
中に入っていたのは、指輪――ではない。
青白く脈動する、古代の宝石のようなカードキー。
「これは、ラノリア王家に代々伝わる秘宝『星の涙』だ。……だが、ただの宝石ではないらしい」
その瞬間、ミリアの懐から、イリスのホログラムが緊急ポップアップした。
『――警告、および推奨! マスター、そのアイテムを直視してください!』
イリスの声が、普段の無機質さをかなぐり捨てて興奮している。
『スペクトル解析完了。……間違いありません。その宝石の正体は、ラノリア大聖堂の地下深層に眠る古代管理施設「サンクチュアリ」の「マスター認証キー」です! 天蓋都市における「黄金の王笏」と同等の権限を持ちます!』
「なっ……!?」
『現在、地下施設はスリープモードですが、そのキーがあれば再起動可能です。内部には私やデメテルと同型機と思われる「管理AI(妹機)」の反応、および未解析の古代データベース、魔力精製プラントが手つかずで残っています!』
イリスの早口な解説が、ミリアの脳内電卓をオーバーヒートさせる。
『これを解析・運用すれば、V&C商会の技術力は数百年分スキップします。……マスター、これは単なる結納品ではありません。「国家予算数百年分の価値がある鍵」です!! この契約を締結しない論理的理由が存在しません!!』
ミリアは震える手で口元を覆った。
国家間の同盟。
週末婚という自由なスタイル。
そして、未知のテクノロジーへのアクセス権。
これ以上の好条件など、この世に存在しない。
だが、何よりもミリアの心を動かしたのは、ギルベルトの言葉だった。
「イリス殿が言うような価値がこれにあるのかは、私にはわからん。……だが、これが私が持っているもので、最も大切なものだ。我が国の歴史そのものだ」
ギルベルトは、その「鍵」を、ミリアの掌にそっと乗せた。
「私は、私の国も、歴史も、そして私の人生も……すべて君に預けたい。君に『管理』してほしいのだ」
「……ギルベルト様」
「ミリア。……私を、君の人生の『共同経営者』にしてくれないか?」
真っ直ぐな瞳。
そこには、計算も駆け引きもない。ただ、一人の男としての誠実な愛があった。
ミリアは、眼鏡を外した。
涙で滲んだ視界の中で、彼の顔が優しく微笑んでいる。
「……呆れました。王妃を経営者扱いするなんて」
彼女は、涙を拭い、そして満面の笑みを浮かべた。
それは、宰相としての顔でも、商人としての顔でもない。
恋をする一人の女性の顔だった。
「でも……悪くありません。貴方という『優良物件』、私が責任を持って管理させていただきます」
ミリアは、ギルベルトの手を強く握り返した。
「契約成立です、ギルベルト陛下。……私の人生の収支決算、貴方に預けます」
その言葉と同時に、部屋の扉が物理的に蹴り開けられた。
パンパカパーン!! とクラッカーが鳴り響く。
「おめでとうーーッ!! ミリアちゃん、ギルベルト陛下!!」
アリスが飛び込んできて、二人抱きつく。
その後ろから、黒鉄隊の男たちや、商会の従業員たちが雪崩れ込んでくる。
「やったぜ! ミリア姐さんの結婚だ!」
「祝い酒だ! 樽を開けろ!」
「ちょ、ちょっと皆さん!? 盗み聞きですか!?」
ミリアが顔を真っ赤にして抗議するが、もはや手遅れだ。
「さあ、結婚式の準備よ! 予算は青天井ですわ! ラノリアとの合同パレードも企画しなくては!」
レヴィーネが楽しそうに指揮を執り始める。
「姉弟国の調印式も兼ねて、盛大にやりますわよ! 世界中を招待して、また一儲けしましょう!」
「あ、お待ちくださいレヴィーネ様! 公費の無駄遣いは許しません!」
ミリアは慌てて眼鏡をかけ直し、宰相モードに戻る。
「私の結婚式だろうと、経費削減と利益創出プランを立てさせていただきます! ……イリス! 結婚式における経済波及効果の試算と、グッズ販売の計画を!」
『了解、マスター。……「ミリア&ギルベルト」記念硬貨の発行および、限定プロテインの販売を推奨します』
「それだ!」
幸せな喧騒の中、ギルベルトが豪快に笑い、ミリアが電卓を叩く。
その様子を、レヴィーネとアレクセイが、まるで我が子の成長を見守るように、目を細めて眺めていた。
◆◆◆
後世の歴史家は、こう記している。
『ラノリアに改革をもたらした聖王ギルベルト一世と、その王妃ミリアは、その立場から常に一緒にいるわけではないという珍しい夫婦の形をとった』
『だが、それだけに公務で二人揃った姿が見られると、国民は歓喜したという』
『二人は大変仲睦まじい夫婦であったが、その関係は熱い恋愛の末に結ばれた関係というよりは――『強力な戦士』を支える『有能なマネージャー』というような、互いに背中を預け合う鉄の信頼関係だった』と。
そして、その二人の傍らには、常に太陽のように笑う女帝と、彼女を支える仲間たちの姿があったという。
窓の外には、かつて「大断裂帯」と呼ばれた場所に築かれた、世界各国の建築様式が融合した美しい街並みが広がっている。
鉄道が走り、魔導デコトラや馬車、ゴーレム自動車が行き交う、大陸の心臓部。
だが、その執務室の主であるミリア・コーンフィールドは、窓外の繁栄を楽しむ余裕など微塵もなかった。
「……はぁ」
彼女のデスクには、決済書類の山とは別に、毒々しいほど華やかな色をした封筒の山が築かれていたからだ。
「またですか……。釣り書、釣り書、釣り書……。どこの貴族も商人も、私が『暇』だとでも思っているのでしょうか」
ミリアは眼鏡を外し、眉間を揉みほぐした。
ヴィータヴェン・アクシス連邦皇国の初代宰相にして、世界経済を牛耳る巨大コングロマリット「V&C商会」の社長。
今や彼女は、世界で最も多忙で、そして最も「婚活市場価値」が高い独身女性となっていた。
「私の伴侶に必要なのは、家柄でも財産でもありません。……レヴィーネ様の無茶振りに耐えうる精神力と、徹夜続きでも崩れない計算能力、そして私の仕事を邪魔しない『空気のような存在感』です。そんな人間、この世にいるわけがありません」
ミリアは投げやりに封筒の山を脇に退けると、机の隅に置かれた「無骨な木箱」に視線をやった。
それは、定期便でラノリア王国から届いた個人的な贈り物だった。
中身は、最高級のプロテイン(ココア味)と、疲労回復に効くという特製湿布。そして、「無理はするなよ、姉弟子」とだけ書かれた短い手紙。
「……ギルベルト陛下。本当に、色気のない方」
ミリアの口元が、自然と緩む。
ラノリア国王、ギルベルト・ラノリア。
かつてラノリアの学園で、レヴィーネという「規格外の太陽」に振り回されながら共に汗を流した、戦友であり弟弟子。
彼からの贈り物は、宝石やドレスのように煌びやかではない。だが、激務に追われるミリアの身体を的確に気遣う、実用性と不器用な優しさに満ちていた。
「……もしも、なんて。非効率な計算ですね」
ミリアは首を振った。
彼がレヴィーネに憧憬を抱いていたことは知っている。そして、それが恋慕ではなく「信仰」に近い敬愛へと昇華されたことも。
ミリア自身もまた、レヴィーネに救われ、彼女の背中を追うことに人生の全てを捧げると誓った身だ。
「私たちは似たもの同士。……太陽の周りを回る惑星のようなもの。軌道が交わることはあっても、重なることはないのです」
それに、とミリアは自嘲する。
相手は一国の王。こちらは新興国の宰相とはいえ、元は帝国の貧乏男爵家の娘。身分という壁は、計算ずくで越えられるものではない。
ピピッ。
その時、デスク上の通信機が鳴った。
『ミリア。……今すぐ「玉座の間」に来なさい。緊急の通達よ』
レヴィーネの声だ。
いつになく楽しげで、そして「拒否権はない」という響きを含んだその声に、ミリアの背筋に冷たいものが走った。
「……嫌な予感がします。予算の追加請求でしょうか、それともまた地形を変えるような工事の提案でしょうか……」
ミリアは胃薬を飲み込み、覚悟を決めて席を立った。
◆◆◆
玉座の間。
そこには、女帝レヴィーネと、その夫である王配アレクセイが待っていた。
「呼び出しておいて何ですが、仕事は片付きましたの? ミリア」
「片付くわけがありません。……ですが、陛下の呼び出しとあらば、地球の裏側にいても馳せ参じますよ」
「ふふ、頼もしいこと。……さて、今日はあなたに『辞令』があります」
レヴィーネが目配せすると、アレクセイが一通の羊皮紙を恭しく広げた。
そこには、帝国の紋章と、連邦皇国の紋章が並んで押されている。
「……これは?」
「ガルディア帝国からの正式な通達だ。コーンフィールド男爵家は、長年の農業改革および『タカニシキ』『トヨノホマレ』普及による食糧事情改善の功績により、『子爵家』へと陞爵された」
アレクセイの言葉に、ミリアは目を見開いた。
実家への送金や技術供与は続けていたが、まさか爵位が上がるとは。
「おめでとうございます、とは言いたいところですが……。それでも子爵令嬢です。一国の宰相としては、まだ箔が足りませんわね」
レヴィーネが鉄扇をパチンと鳴らす。
「ですから、わたくしとアレクで決めましたの。……ミリア、あなたに我が国独自の爵位と領土を与えます」
「は……?」
レヴィーネは、もう一通の、さらに豪華な金箔押しの状箱を差し出した。
「本日ただいまをもって、あなたを『あすなろ領・女伯爵』に叙します。……これは帝国を含む同盟諸国でも認められる、正式な高位貴族の地位ですわ」
「は、伯爵!? 待ってください、あすなろ領というのは、現在開発中の第三工業区画の……!」
「ええ。あなたが手塩にかけて育てたあの土地よ。文句はないでしょう?」
あまりに強引で、しかし愛のある「外堀埋め」に、ミリアは言葉を失った。
彼女が気にしていた身分の壁を、レヴィーネは物理的な権力行使であっさりと粉砕してしまったのだ。
「……呆れました。職権乱用もいいところです」
「あら、正当な人事評価よ。……それに、これくらいしてもらわないと、釣り合いが取れないでしょう?」
「釣り合い……?」
レヴィーネがニヤリと笑い、入り口の方を指差した。
重厚な扉が開き、一人の男が入ってくる。
鍛え上げられた巨躯を、ラノリア王国の正装に包んだ男。
「……ギルベルト陛下?」
ギルベルトは、どこか緊張した面持ちで、まっすぐにミリアの元へと歩み寄ってきた。
その手には、花束の代わりに、豪奢な装飾が施された「小箱」が握られている。
「……久しぶりだな、ミリア殿」
「ええ、先日の通信以来ですが。……どうしてここに?」
「君に、会いに来たのだ」
ギルベルトは、レヴィーネとアレクセイに一礼した後、ミリアの正面に立った。
その瞳は真剣そのもので、ミリアの心臓を射抜くような熱を帯びていた。
「ミリア殿。……単刀直入に言おう」
彼は一呼吸置き、告げた。
「私と、結婚してほしい」
時が止まった。
ミリアの脳内で回っていた魔導計算機が、エラー音を出して停止する。
「……は、はい?」
「私は、不器用な男だ。言葉を飾ることも、ロマンチックな演出もできない。……だが、君となら、背中を預け合えると思った」
ギルベルトは、かつてレヴィーネに向けたものとは違う、等身大の、そして温かな眼差しでミリアを見つめた。
「私は、レヴィーネ姐さんのような『太陽』にはなれない。彼女が切り拓く道を、後ろから舗装し、守ることしかできない」
「……はい、存じております。私もそうですから」
「だからこそだ。……一人では背負いきれない時がある。国の重みも、理想の重さも。だが、君となら――」
ギルベルトは、ミリアの手を取った。
ごつごつとした、剣とダンベルのタコがある、大きな手。
「君の『計算』と、私の『筋肉』があれば、この国を、そしてあの方の夢をもっと盤石にできるとは思わないか? ……私は、君というパートナーと共に、人生というリングに立ちたいのだ」
それは、あまりにも彼らしい、そしてミリアにとって一番響くプロポーズだった。
恋の駆け引きなどない。あるのは、互いの能力と在り方を認め合う、信頼の契約。
ミリアの胸の奥が、じわりと熱くなる。
だが、彼女の理性が、最後のブレーキをかけた。
「……嬉しいです。本当に。……ですが、ギルベルト様」
ミリアは眼鏡の位置を直し、冷静さを取り繕って言った。
「貴方は一国の王。私は、この国の宰相です。……結婚すれば、私はラノリアへ行かねばなりません。ですが、私はレヴィーネ様の元を離れるつもりはありません。皇都アクシスで、この仕事を全うしたいのです」
それは、ミリアにとって譲れない一線だった。
愛か仕事か。そんな陳腐な二択を、彼女は選べない。どちらも彼女の人生そのものだからだ。
「貴国の貴族たちが、他国に常駐するような『通い妻』の王妃を認めるでしょうか? それが、私の唯一にして最大の懸念です」
論理的な拒絶。
だが、ギルベルトはそれを聞いて、ニカっと笑い飛ばした。
「なんだ、そんなことか」
「……そんなこと、とは?」
「ラノリアは変わった。……筋肉と実力が全ての国に、私が変えたのだ。文句を言う貴族がいれば、私が直接『物理的説得』で黙らせる」
「……はぁ」
「それに、君がレヴィーネ姐さんの傍で輝いている姿こそが、私が惚れた君だ。……鳥を籠に閉じ込めて愛でるような真似はしない。君は君の場所で、最強の宰相として戦ってくれ」
ギルベルトは窓の外、大陸を貫く「黒鋼大回廊」を指差した。
「距離など、もはや問題ではないだろう? 鉄道も敷かれ、高コストだが転移魔法陣も整備された。……週末は私がアクシスへ通う。あるいは君がラノリアへ来ればいい」
「週末婚、ですか……。国王がそんな……」
「そして……これが私の提案だ」
ギルベルトは真剣な表情になり、とんでもない構想を口にした。
「我が国ラノリアは既にヴィータヴェン・アクシス連邦皇国の同盟国だが、私とミリア殿が結婚することで、さらに結びつきを強化し『兄弟国』としようと思う」
「き、兄弟国……!?」
控えていたアレクセイが「ぶっ」と吹き出し、レヴィーネが楽しそうに扇子を広げる。
「歴史と伝統だけはある我が国だ。少しはアクシス連邦皇国の強化に役立つと思う。……国境という地図上の線はあっても、実質的には一つの国の本部と支部というくらいで考えてくれればいい」
ギルベルトは、まるで新規事業のプレゼンをするかのように、熱く語った。
「ラノリアの豊富な資金と人材を、君の采配で動かせるようになる。……どうだ? 宰相として、そして経営者として、これほど『やりがいのある案件』はないだろう?」
そのスケールの大きさと、あまりにも大らかな愛に、ミリアは呆然とした。
一国の王が、愛する女性のために、国ごとその身を投げ出すと言っているのだ。
「……これでは、私の出る幕がないな」
アレクセイが苦笑し、レヴィーネが「あらアレク、おめでたい話に政治の懸念は無粋でしてよ?」と笑う。
だが、ミリアの心はまだ揺れていた。
あまりにも条件が良すぎる。合理的すぎる。
これではまるで、政略結婚のようではないか。
「……ギルベルト様。それは、国益のための結婚ということですか?」
ミリアが問うと、ギルベルトは首を横に振った。
そして、手に持っていた小箱を開けた。
中に入っていたのは、指輪――ではない。
青白く脈動する、古代の宝石のようなカードキー。
「これは、ラノリア王家に代々伝わる秘宝『星の涙』だ。……だが、ただの宝石ではないらしい」
その瞬間、ミリアの懐から、イリスのホログラムが緊急ポップアップした。
『――警告、および推奨! マスター、そのアイテムを直視してください!』
イリスの声が、普段の無機質さをかなぐり捨てて興奮している。
『スペクトル解析完了。……間違いありません。その宝石の正体は、ラノリア大聖堂の地下深層に眠る古代管理施設「サンクチュアリ」の「マスター認証キー」です! 天蓋都市における「黄金の王笏」と同等の権限を持ちます!』
「なっ……!?」
『現在、地下施設はスリープモードですが、そのキーがあれば再起動可能です。内部には私やデメテルと同型機と思われる「管理AI(妹機)」の反応、および未解析の古代データベース、魔力精製プラントが手つかずで残っています!』
イリスの早口な解説が、ミリアの脳内電卓をオーバーヒートさせる。
『これを解析・運用すれば、V&C商会の技術力は数百年分スキップします。……マスター、これは単なる結納品ではありません。「国家予算数百年分の価値がある鍵」です!! この契約を締結しない論理的理由が存在しません!!』
ミリアは震える手で口元を覆った。
国家間の同盟。
週末婚という自由なスタイル。
そして、未知のテクノロジーへのアクセス権。
これ以上の好条件など、この世に存在しない。
だが、何よりもミリアの心を動かしたのは、ギルベルトの言葉だった。
「イリス殿が言うような価値がこれにあるのかは、私にはわからん。……だが、これが私が持っているもので、最も大切なものだ。我が国の歴史そのものだ」
ギルベルトは、その「鍵」を、ミリアの掌にそっと乗せた。
「私は、私の国も、歴史も、そして私の人生も……すべて君に預けたい。君に『管理』してほしいのだ」
「……ギルベルト様」
「ミリア。……私を、君の人生の『共同経営者』にしてくれないか?」
真っ直ぐな瞳。
そこには、計算も駆け引きもない。ただ、一人の男としての誠実な愛があった。
ミリアは、眼鏡を外した。
涙で滲んだ視界の中で、彼の顔が優しく微笑んでいる。
「……呆れました。王妃を経営者扱いするなんて」
彼女は、涙を拭い、そして満面の笑みを浮かべた。
それは、宰相としての顔でも、商人としての顔でもない。
恋をする一人の女性の顔だった。
「でも……悪くありません。貴方という『優良物件』、私が責任を持って管理させていただきます」
ミリアは、ギルベルトの手を強く握り返した。
「契約成立です、ギルベルト陛下。……私の人生の収支決算、貴方に預けます」
その言葉と同時に、部屋の扉が物理的に蹴り開けられた。
パンパカパーン!! とクラッカーが鳴り響く。
「おめでとうーーッ!! ミリアちゃん、ギルベルト陛下!!」
アリスが飛び込んできて、二人抱きつく。
その後ろから、黒鉄隊の男たちや、商会の従業員たちが雪崩れ込んでくる。
「やったぜ! ミリア姐さんの結婚だ!」
「祝い酒だ! 樽を開けろ!」
「ちょ、ちょっと皆さん!? 盗み聞きですか!?」
ミリアが顔を真っ赤にして抗議するが、もはや手遅れだ。
「さあ、結婚式の準備よ! 予算は青天井ですわ! ラノリアとの合同パレードも企画しなくては!」
レヴィーネが楽しそうに指揮を執り始める。
「姉弟国の調印式も兼ねて、盛大にやりますわよ! 世界中を招待して、また一儲けしましょう!」
「あ、お待ちくださいレヴィーネ様! 公費の無駄遣いは許しません!」
ミリアは慌てて眼鏡をかけ直し、宰相モードに戻る。
「私の結婚式だろうと、経費削減と利益創出プランを立てさせていただきます! ……イリス! 結婚式における経済波及効果の試算と、グッズ販売の計画を!」
『了解、マスター。……「ミリア&ギルベルト」記念硬貨の発行および、限定プロテインの販売を推奨します』
「それだ!」
幸せな喧騒の中、ギルベルトが豪快に笑い、ミリアが電卓を叩く。
その様子を、レヴィーネとアレクセイが、まるで我が子の成長を見守るように、目を細めて眺めていた。
◆◆◆
後世の歴史家は、こう記している。
『ラノリアに改革をもたらした聖王ギルベルト一世と、その王妃ミリアは、その立場から常に一緒にいるわけではないという珍しい夫婦の形をとった』
『だが、それだけに公務で二人揃った姿が見られると、国民は歓喜したという』
『二人は大変仲睦まじい夫婦であったが、その関係は熱い恋愛の末に結ばれた関係というよりは――『強力な戦士』を支える『有能なマネージャー』というような、互いに背中を預け合う鉄の信頼関係だった』と。
そして、その二人の傍らには、常に太陽のように笑う女帝と、彼女を支える仲間たちの姿があったという。
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