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第20章
【5度目の鐘】
しおりを挟むアナベラはエイミー達を振り返ると言った。
「もうすぐだ、もうすぐロンの時計屋がある街に着く!」
エイミーは、きっともう鐘が鳴るまでには間に合わないだろうと悟っていた。
そしてジャック、フレディ、イヴ、ドクロ、そしてキルとアナベラに最後の礼を言った。
「再び出会えたことをなにより喜んでくれて、この世界をナビゲートしてくれたジャック。
臆病で泣き虫だけど、勇敢で頼りになるフレディ。
最後まで声が聞けなかったのが残念だけれど、いつでも寄り添っていてくれたイヴ。
お喋りでお調子者だけど、実は誰より穏やかに私達を見守ってくれていたドクロ。
犠牲になってまで、私達を手伝ってくれたキル。
例え忘れてしまっても、この世界で経験した事は、私にとってかけがえのない想い出よ。
そして……会えて光栄だったわ、アナベラ。
娘のベルちゃんが、無事に見つかることを祈っているわ」
ジャック達は全員、穏やかにエイミーの言葉を聞いていた。
街が見えていた。
ロンの時計屋であろう店も見えていた。
空の上からでも分かった。
エイミーが礼を言い終わると同時に、時計屋から出てきたロンが街から空の上に向かって大きな声で言った。
「修理が終わった!
娘さんの時計が戻った!
針が動き出す前に早く街に降りるんだ!」
エイミーはほうきにまたがったまま、街にいるロンに向かって空の上から大きな声で言った。
「間に合わなくてごめんなさい!
その腕時計、あなた達に持っていてほしいの!
私はもう言い残したこともやり残したことも無いわ!」
その時、5度目の鐘が鳴り響いた。
ゴーーン……ゴーーン……
最後の鐘だ。
エイミーの腕時計は、ロンが手に持っていて、離れた場所にあるはずだ。
しかし、エイミーの頭の中に、時計の針の動く音が鳴り響いた。
コ チ ッ
10月31日の0時00分で止まっていた時計の針はようやく動き出した。
ジャック達の姿が霞んで見えなくなってゆく。
皆なにかを言っているみたいだれけど、聞き取ることが出来ない。
ああ、夢から覚めるって、こんな感覚なんだ……。
ジャック、フレディ、イヴ、ドクロ、キル、アナベラ……。
エイミーはジャック達の前から跡形も無く消えた。
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