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高梨美沙都
【3】再会
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弘樹と結婚して、5年になる。
きっかけは、7年前、職場の近くの本屋で再会したことだった。
「もしかして冬月?冬月美紗都?」
声をかけてくれたのは弘樹の方からだった。
高校を卒業してから5年以上過ぎていて、わたしは同窓会などに出席したことはなかったので、彼に会うのは5年ぶりだったが、わたしには、一目見て、彼が「高梨弘樹」だと、わかった。
けれど、弘樹がわたしのことを覚えていてくれたことは大きな驚きだった。
「冬月、変わってないなあ。あ、これ、褒めてるから、一応」
弘樹は、スーツ姿で、いかにも会社員といった風貌だったが、笑った顔は高校生のときと同じように眩しく見えた。
「高梨君も、変わってないよ」
「そうかなあ、だいぶ、くたびれただろ?冬月、時間あったら、コーヒーでも飲まないか」
わたしたちが再会した本屋の中にはカフェがあり、わたしたちは温かいカフェラテを飲みながら、お互いの近況を話した。
といっても、わたしには面白おかしく語れる話なんかなかった。
大学を卒業してから、図書館で司書をしていることを話したくらいだ。
「そうか、冬月、いっつも本、読んでたもんな。あ、そういえば、眼鏡かけてなかったっけ?コンタクトにしたんだ。すげえ、似合うよ、こっちのが可愛いって」
そう言われ、わたしは赤面した。
弘樹に、そう言われたのは実は二度目だ。
高校生の頃、校舎と体育館を繋ぐ渡り廊下でぶつかって眼鏡を落としてしまったとき、弘樹は同じことを言った。
「冬月、眼鏡しないほうが、可愛いのに」
その時、その言葉がとても嬉しかった。
だから、すぐ、コンタクトに変えた。
けれどその当時、弘樹はわたしが眼鏡からコンタクトに変えたことに気づくことはなかった。
きっかけは、7年前、職場の近くの本屋で再会したことだった。
「もしかして冬月?冬月美紗都?」
声をかけてくれたのは弘樹の方からだった。
高校を卒業してから5年以上過ぎていて、わたしは同窓会などに出席したことはなかったので、彼に会うのは5年ぶりだったが、わたしには、一目見て、彼が「高梨弘樹」だと、わかった。
けれど、弘樹がわたしのことを覚えていてくれたことは大きな驚きだった。
「冬月、変わってないなあ。あ、これ、褒めてるから、一応」
弘樹は、スーツ姿で、いかにも会社員といった風貌だったが、笑った顔は高校生のときと同じように眩しく見えた。
「高梨君も、変わってないよ」
「そうかなあ、だいぶ、くたびれただろ?冬月、時間あったら、コーヒーでも飲まないか」
わたしたちが再会した本屋の中にはカフェがあり、わたしたちは温かいカフェラテを飲みながら、お互いの近況を話した。
といっても、わたしには面白おかしく語れる話なんかなかった。
大学を卒業してから、図書館で司書をしていることを話したくらいだ。
「そうか、冬月、いっつも本、読んでたもんな。あ、そういえば、眼鏡かけてなかったっけ?コンタクトにしたんだ。すげえ、似合うよ、こっちのが可愛いって」
そう言われ、わたしは赤面した。
弘樹に、そう言われたのは実は二度目だ。
高校生の頃、校舎と体育館を繋ぐ渡り廊下でぶつかって眼鏡を落としてしまったとき、弘樹は同じことを言った。
「冬月、眼鏡しないほうが、可愛いのに」
その時、その言葉がとても嬉しかった。
だから、すぐ、コンタクトに変えた。
けれどその当時、弘樹はわたしが眼鏡からコンタクトに変えたことに気づくことはなかった。
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