セカンドパートナー*夫婦交換*

フジキフジコ

文字の大きさ
10 / 41
遊佐江梨子

【2】ファスナー

しおりを挟む
家に帰ると、夫の和也はまだ起きていた。
20畳のリビングルームで、皮のソファーに座って何か飲みながら古い映画を見ている。

「何を飲んでるの」
「これ?ただの冷たいお茶だよ」
わたしは笑った。
「お酒かと思ったわ。強くないのに、珍しいなって」
和也の隣りに座る。

「美沙都とのデートはどうだった?」
和也は聞きそうにないので、わたしから聞いた。
「緊張したよ。江梨子以外の女性と二人きりで食事をしたのなんて、久しぶりだったからね。君はどうだった?」
「楽しかったわ。高校時代の話ばかりしたけど。懐かしくて」
「君たちは同級生だったから、共通の話題があるだろうけど、ぼくと美沙都さんにはないからなあ」
ぼやくように、そう言う。
「美沙都さん?」
下の名前をさらっと口にする和也に、ちょっと驚いた。
「ああ、美沙都さんと相談して、お互いに名前で呼ぶことにしたんだ。名字で呼ぶと、ご主人と区別がつかないからね」

要するに、夫はセカンドパートナーとのデートを次もする心算つもりなのだ。
「そう。いいんじゃないの」
さらっと言って、わたしは夫に背中を向けた。
「あなた、お願い。ファスナー下げて」
ワンピースの背中のファスナーを和也が下す。
どうせなら弘樹にやって欲しかったなと、思う。

「ねえ、今日…いいでしょ?明日、休みなんだし」
顔を見ないで、夫を誘う。
「え、ああ。うん」
「じゃあ、シャワー浴びてくるから。ベッドで待ってて」

弘樹とした、ディープキスの余韻が身体の芯に残っている。
下手くそなディープキスだったけど、なぜか感じた。
下着はもう濡れていた。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

夫婦交錯

山田森湖
恋愛
同じマンションの隣の部屋の同い年の夫婦。思いの交錯、運命かそれとも・・・・。 少しアダルトなラブコメ

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

お父さんのお嫁さんに私はなる

色部耀
恋愛
お父さんのお嫁さんになるという約束……。私は今夜それを叶える――。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

職場のパートのおばさん

Rollman
恋愛
職場のパートのおばさんと…

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...