HEAVENーヘヴンー

【番外編】楽園の果実（３P編）

【６】

「はあ…はっ…あ…ん…はあ」
真っ白なシーツの上に、全裸で仰向けに寝ている。

両脚はＭの字に開かれ、膝の裏を馨に持ち上げられそれは頼りなく宙に浮いていた。
後孔には馨のペニスが挿入され、馨の腰がリズミカルに動くたびに真理の唇から艶かしい吐息が漏れる。

「真理」
名前を呼ばれ、顔を横に向けるとバスローブを脱いで全裸になった不破が、顔を寄せてくる。
「ふっ…んっ…」
真理の唇から漏れる喘ぎを吸い取るように、唇を弄られた。
そうしながら不破の手は、真理の頬を優しく撫でた。

「馨に挿れてもらって、気持ちいい？」
唇を離して、至近距離で瞳の中を覗き込むように聞く。
真理は言葉が出ず、目を細めてコクンと頷いた。

「そう、よかった。真理の気持ちいい顔、綺麗だよ。表情だけで、たまんない」
言って、不破は自らの欲情を見せつけるように、膝立ちになって真理の顔の横に移動してくる。
すでに固くなっている不破自身を顔に寄せられて、なにを要求されているかはわかる。
真理は甘い吐息を吐く唇を開き、舌を見せた。

「いい子」
真理の舌に自らを乗せるように腰を押し出す。
真理はせいいっぱい大きく舌を出して、不破のそれを絡めるように舐めた。

馨のペニスも不破のペニスも、その味も大きさも形も良く知っている。
何度も口の中に入れ味わった。

けれど、馨と繋がっている状態で不破のものを口にするのはそれがはじめてだった。
二人の男を下と上の口で同時に味わう。

ふと真理は不安になる。
二人の男が一緒になって一つの身体を愛することは可能だ。
現に自分は戸惑いながらも、身体は普段以上に悦びに奮えている。

けれど。
一つの身体で、二人の男を満足させることなんて出来るのだろうか。
一つの心で、二人の男を愛することは許されるのだろうか。

そんなことは出来ないだろうと、誰かに攻められているような気がして、真理はそんな不安を拭うように必死で舌を使って不破を高めようとする。

「…真理…」
真理の必死さに気づいたのか、不破は優しく真理の髪を撫でる。
「いいよ…すっげえ…気持ちいい…オレが動くから、口開いて」

上体を起せない真理の口の中に自分のペニスを咥えさせ、不破は真理の口からペニスを出し入れするように腰を振った。

「そう…あっ…いいっ、真理、あっ…気持ちいい…マジ、イキそう…」
馨の腰の動きも早く、小刻みになった。
絶頂が近いときのサインだ。

「オレも…真理…もう持ちそうにない…んっ」
普段はクールな馨が、額から汗を流し唇をかみ締めて真理の中に放つ。
ほとんど同時に不破もイッた。
放つ直前に真理の口の中からペニスを引き出し、真理の汗に光る首筋に放った。

不破も馨も、そして解放された真理も、はあはあと身体全体で息をしている。
真理の中から自身を抜いた馨は、真理の横になるようにベッドに倒れた。
不破は、二人とは逆向きに寝転ぶ。

「疲れたね…大丈夫？」
真理を気遣うように言って、馨は真理の汗で額に張り付いた前髪をかきあげる。

「うん…馨、気持ち良かった？」
「すごく良かったよ。ごめんね、真理はまだイッてないね」
真理のペニスはまだ未達のままで、馨が体内から出てしまうと少し力を失っている。

「オレはもう一度イッたから」
「一度じゃ足りないだろ？」
足許から不破の声がして、すぐに真理のペニスは不破に握られた。
「不破！」
上体を起そうとしたら、馨に肩を抑えられた。
「もっと気持ちよくなって。ね、真理」

優しい声で言いながら顔を寄せてくる馨に、唇を塞がれた。
馨の唇は羽根で掠めるように軽く軽く触れてくる。
荒くなった呼吸を合わせて、静かに整えるように。
疲れを癒すような馨の口づけに集中していると、下肢では不破が真理の脚を広げている。

「んっ！」
抵抗を封じるように、馨の舌が口の中に入ってきて、真理の舌を捕まえる。
ペニスは不破に根元を押さえられ、先端を中心に甘噛みされている。
すぐに固さを取り戻し、天に向かってまた起立している。

「真理…オレも、入れていい？ここに」
先端だけを咥えて、「ここ」と指を入り口に触れて言う。
真理の身体がビクンと跳ねた。
構わず、不破は指で入り口を左右に開く。

「ここ、まだヒクヒクしてるよ。奥まで見えそうだね、真理」
「…やだっ…あっ」
唇から顔中にキスをしていた馨が言う。
「もうあんまり苛めるな、不破。真理が可愛そうだ」
「わかったよ。じゃあ、真理に乗ってもらう」

言うと不破は真理の上体を抱き起して、自分の脚の上に跨がせて座らせた。
そうしてさっき放出したばかりの自分のペニスと真理のペニスを一緒に握って擦る。

「あっ…はぁ、あ…ん、尊…なに…」
自分のペニスが固さを取り戻すと、真理の脇を持ち、腰を上げさせて、後ろの孔に自分のペニスの先端をあてがう。
「馨ので中湿ってるだろ？このまま、イケるよな」

真理は黙って頷いて、自分から不破を飲み込むように腰を沈めた。
「あっ…うっ…きつ…いっ、たける」
先程馨が中に放った液が漏れて、そこから内腿に伝ってくる。
それが他の男の体液でも、濡れた下肢はひどく卑猥で不破の視覚を刺激する。

「中、濡れてるよ。グチョグチョ」
「やっ…言うな…んっ、はいった…あっ…ん」

不破を根元まで飲み込んで、深いため息を吐く真理を、不破は一度抱きしめて、自分はベッドに上向きに寝た。

「真理が動いて」
「え？」
戸惑う真理を促すように下から軽く突き上げてやる。
「あっ…ん」
「大丈夫、そう、ゆっくり。自分のいいところに当たるように動いて…」
「…うん…」

おずおずと腰を動かす真理を、馨が後ろからそっと抱く。
馨は放り出されていた真理のペニスを後ろから握った。

「あっ…、いい…、気持ちいい…いいよっ…」
隙間なく満たされた後孔も、絶え間なく扱かれている前も、気持ちよくてたまらない。
馨の手が真理の内腿を押さえてぐいっと開かせる。
不破を飲み込んだ結合部分が露になる。

「真理の中に不破のが挿っているのが、よく、見えるね」
耳元で馨に言われ、内腿の筋肉が痙攣する。

「ひっ！はうっ」
「ここが、気持ちイイんだね」
耳の裏にキスしながら言って、馨の指が、不破と繋がっているそこに触れた。

「ひゃあ！あっ！いやっ！」
直接皮膚に感じる刺激より、男を飲み込んでいるその部分を別の男の指で確かめられる、背徳感に震える。
「…っ、すげえ、締まる…真理…おまえの中、なんでこんなイイの」
「ああんっ…」

唇からは嬌声と唾液が落ちる。
白い喉を反らせて呻いた。
もう頭の中でなにかを考えることは出来なくなっていた。
ただ一心不乱に与えられる快感を貪るために腰を回す。
前後に、そして上下に。
内側から前立腺を刺激する内壁を擦り、先端が奥まで当たるように。
真理の腰の動きに合わせるように、ペニスを包んだ馨の両手は強弱をつけて擦りあげる。

「もっ…だめぇ…いやぁ…もう」
こんなに気持ちがいいなんて、自分は気が狂ってしまったのかもしれない。

こんな快楽は正気では得られないのではないだろうか。
夢の中か、それとも天国か。
この世で味わうにはあまりにも強烈すぎる、まるで甘い拷問のよう…。

「いいっ！気持ちいいよ！かおるっ…たけるっ！…あっ、××××がっ…気持ちいい！お尻の穴が…溶けちゃう…ああ…あっ、あんっ！かおる！たける！」
愛する男たちの名前を呼びながら、真理は全身を震わせて果てた。
瞬間、崩れるように気を失った。