【R-18/番外編】この狂った世界で私達はささやかな幸せを求める

花草青依

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お人形に恋をした

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 ガチャリという音で目が覚めた。ティアの気配がする。薄目を開けて様子を伺えば、辺りはすっかり暗くなっていた。
 ティアは静かに扉を閉めると足音を立てないよう慎重に私のもとにやって来た。彼女はベッドの上にあがると私の頬にキスをして、隣に寝転んだ。
 眠る私に気を使っているんだろうか。いつもは私の胸に頭をのせて眠るくせに今日は少し距離を取っている。

「ティア」
 名前を呼べば彼女はもぞもぞと動いた。薄闇の中、彼女と目が合った。
「起こしてしまってごめんなさい」
「ううん。ちょうど起きたところ」
 ティアは起き上がってサイドテーブルの上のランプを点けた。
 灯りに照らされたティアを見て驚いた。彼女の顔や首には赤紫に変色した痣ができていた。
「調査団のやつらにやられたの?」
「はい」
 ティアは何でもないかのように返事をした。痣に触れてみても、気にした様子はない。じっとして私を見ている。

 "━━いたい"

 彼女は心の中で確かにそう呟いた。顔や口には出さないだけでやっぱり痛いんだ。
 痛いことが大嫌いなくせに。何で痩せ我慢をしているんだ?

 "━━メイワクはだめなの。嫌われちゃう"

 そんな呟きが頭の中に響いた。
 ああ。そうか。これはティアなりの気遣いなんだ。この程度の傷の治療なら何てことないのに。
 最近、彼女に冷たく接することが多くなっていたから、私に嫌われたと思い込んでいるのかな。

 ━━意地らしいやつ。

 私は彼女を引き寄せて痣に口づけた。生命の力を吹き込んで身体の表面にできたきずを癒やしていく。ティアはくすぐったいのか少し身を捩っていた。

「お仕事頑張ったね」
 頭を撫でてやったら、ティアは嬉しそうに笑った。
「エルドノアさま」
「何?」

 呼びかけてきた癖に何も言わない。
 それどころか、ティアは突然、パンツを下ろした。そしてネグリジェをたくし上げて脚を大きく開いた。

「私はちゃんと役に立ってますか」

 そう言いながら彼女は指で穴を広げてみせた。
 丸見えになったティアの秘所からは白濁の液体が垂れ下がった。

 "━━褒めてくれるかな?"

 ティアはそんなことを思いながら私に微笑みかけた。

 血の気がさっと引いていく。

 気がついたら彼女の秘所に指を二本突っ込んでいた。ぐりぐりと動かしたらティアは声を漏らした。気持ち良かったからではない。乱暴に動かされて痛いからだ。

 掻き出しても掻き出しても汚らしい精液が溢れ出てくる。

 "━━こわいっ。いたいよぉ"

 ティアは目に涙をためて荒い呼吸を繰り返した。心の中で「怖い」と「痛い」を何度も繰り返す。でも、彼女は言葉に出さなかった。

「何人に出して貰ったの?」
「んっあっ、3人」

 ━━3人も? たった半日程度で?

 "━━少なかったのかな。もっとがんばればよかったのかな" 

 その声が私の苛立ちをさらに激しくさせた。
 「怖い」という想いが一層強くなった時、ティアの目からぽろぽろと涙が零れ落ちてきた。
 ティアは言いつけ通り仕事をしただけだ。それなのに・・・・・・。

 ━━苛立ちが身体の中を駆け巡るのはなぜだろう。

 ティアの中から指を引き抜いた。そして彼女の腕を強く掴んでベッドから引きずり下ろした。
「エルドノアさま?」
「黙ってついて来い」
 ティアの腕を引っ張って浴室に向かう。廊下には調査団の人間がいた。私達を見るなり静止を促して来たが、従ってやる義理などない。邪魔だったから魂を私のもとに返した。

 "━━どうして、怒ってるの?"

 ティアの頭の中は恐怖でいっぱいだった。そして、これから痛いことをたくさんされると思って涙を流していた。







 浴室にたどり着くとティアに服を脱ぐように命令した。ティアはしゃくりあげながら服を脱いでいく。
 ティアが全裸になると、今度は浴槽の中に入るように命令した。

「膝立ちして」
 言えばティアは私の命令に従う。
「もう少し脚を開いて」
 ティアは困惑しながらも脚をずらした。ももとももの間が開いた。

 "━━こわい、こわいのっ"

 ティアはバスタブの縁を握りしめた。痛いことをされるという恐怖は絶頂まで達しているようだ。ティアのバスタブを握る指に力がこもっている。
「お前は淫乱で愛らしい私のお人形だろう? お人形はいつでもどこでもきれいでかわいらしくいないとね?」

 "━━どういう、意味?"

 ティアはそう思っても言葉にはしなかった。無駄口を叩いて私をより怒らせるのが怖いと思ったからだ。
 私がシャワーベッドを手に取ると、ティアが心の中で大きな叫び声を上げた。

 "━━いやっ、いやっ! 冷たいのも熱いのもいや! こわいっ、いやだ。ごめんなさい、ごめんなさい"

「ごめん、なさいっ」
 ティアは小さな声で呟いた。身体をがたがたと震わせて目を瞑っている。
 そういえば、ティアはフィアロンとかいう薄汚い男に熱湯や冷水を日常的にかけられていたんだった。その時の記憶が甦ったのかもしれない。
「私をあんな男と一緒にしないで? 何が面白くてお人形を壊さないといけないの?」
 私は蛇口をひねってぬるま湯を出した。ティアの頭にシャワーをかける。

「ねえ。3人も相手にしたんでしょ? どういう風にやったのか教えてくれない?」
「口と下の口と手を使いました」
「3人同時に相手をしたの?」
「はい」
 ムカついたから顔にシャワーをかけてやった。鼻の中にお湯が入ったのだろう。ティアはゲホゲホとむせた。

「口を使って、どういう風に舐めてあげた?」
 ティアはぎゅっと口を結んで下を見た。
「言いたくないのか。生意気だね」
 私はティアの額に手を当てた。
「喋らないなら記憶を見ればいい。お前は私の眷属だから、主人である私にはお前の記憶の全てが見れるって説明したんだけど。忘れたの?」
 私はティアの返事を待たずに彼女の記憶を見た。
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