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お人形に恋をした

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 厚い胸板、6つに割れた腹筋、くびれた脇腹。傷痕さえなければ完璧な肉体なのに。
 下っ腹についた傷痕にキスを落とすと、男は腰を浮かせてズボンを脱いだ。大きくて硬い彼のものが出てきた。エルドノアさまのものにはかなわないけど、決して悪くはない。
 下の口を彼のものへと近づけるとそのまま腰を落とした。

「んあっ」
 ゆっくりと彼のものを飲み込ませて根元まで挿れる。エルドノアさまのものと比べたら少し短いけど、この体位なら十分気持ちよくなれそうだ。
 ゆっくりと腰を動かしたら男も私に合わせて動いてくれた。
「あっ、あっ」
 深いところを突かれてお腹の中が気持ちいい。
「あうっ、あん、あっ」
 男は両手で私のお尻を揉みしだいた。乱暴に手を動かして、下の口を広げさせられる。
「んっ、やっ、ふぁっ」
 気持ち良すぎて腰の動きが止まったら、腕を掴まれて抱き寄せられた。
 がっちりと抱きしめられて動けない中、腰を振られた。
「んあっ」
「好きっ」
 男が囁いた。吐息が耳にかかってくすぐったい。私は彼の胸にキスをした。
 男はしばらく私を抱きしめたまま腰を振った。気持ちいいけど少し物足りない。

「もっと、激しいのがいい」
 彼の目を見つめたら腰を動かすのをやめて口づけをされた。相変わらず乱暴だったけど、最初と違って短かった。
 抱きしめた腕が解かれたから、私は上体を起こした。

 ーー次はどうするのかな。気持ちよくしてくれるなら何でもいいけど。

「四つん這いになって下さい」
 男がそう言ったから私は彼の上から降りて四つん這いになった。
 男は起き上がると両手で私のお尻を掬い上げるように持ち上げて揉んだ。早くしてほしいのに。じれったい。

「早くほしいの」
 お尻を振って催促したら生唾を飲む音が聞こえた。
 男の右手がお尻から離れて、その代わりに太いものが下の口に挿れられた。
「あんっ」
 男が腰を動かす度にぱんぱんと音が鳴る。
「うぁん、あっ、ひゃっ」
「ほら、腰をもっと動かして下さい」
 言われた通り腰を動かすと男はもっと激しく腰を動かした。
「あっ、いやっ、あん、あっ」
 深いところを激しく突かれてお腹が痺れる。
「気持ちいいですか」
「んあっ、あっ、あっ」
「返事をくれたっていいでしょう?」
「んあっ、あっ、きもち、いい」
 男は私の言葉に満足したのだろう。私の腰を引き寄せて太いものをお腹の奥に押し当てた。
「あっ」
 ぐりぐりと押し付けられると同時に熱いものがお腹の中に注がれる。
 注ぎ終わった後、男はものを引き抜くと私を抱き寄せて寝転んだ。

 ーー寝たらだめなの。

 今日はたくさんの人としないといけないから。今寝たら夜になっちゃう。
 眠たいけど、眠らないように我慢する。重たいまぶたを擦って目を閉じないようにした。
「眠いんですか」
 私は彼の胸の上で頷いた。
「でも起きていたいの。お話して?」
 そう言うと男は私の腰を撫でた。

「公爵様」
「なに?」
「俺と、その・・・・・・」
 男の鼓動が速くなっていく。
「どうしたの?」
「その、あの。えっと。・・・・・・ああ! 俺と一緒に、王都へ行きましょう」
 ドクドクと脈打つ男の鼓動がうるさい。彼の顔を見たら、顔を真っ赤にして私を見ている。
「どうして? そこにはなにがあるの?」
「王都はとても豊かなところです。飢える心配なんて考える必要もないですし、こんな田舎では想像もつかないような楽しいことがたくさんありますから」
 楽しいことってどんなことだろう? エルドノアさまのタイクツを紛らわせてくれるようなものがあるのかしら。
「俺はこう見えて、結構いい身分と地位を持ってるんです。あなたには不自由をさせませんし、欲しいものなら何でも差し上げます。だから俺と・・・・・・」

 男がそこまで言った時、扉が開いた。黒髪の男が部屋の中に入ってきた。
「イレト、お前なあ。どこで油を売ってたのかと思ったら、こんなところで・・・・・・。まだ仕事の時間だぞ」
 黒髪の男は、そう言いながら私達のもとへ近づいてきた。
 イレトと呼ばれた赤い髪の男は、私の身体を強く抱きしめた。

「ジブリデには黙っておいてやるからそいつをよこせ」
  黒髪の男は言った。
「だめだ」
「イレト、そいつに惚れたか」
「うるせえな」
 イレトは飛び起きると男の胸ぐらを掴んだ。
「おいおい、図星か?」
「あ"ぁ?」
「そんなに怒らないでくれよ」
 黒髪の男はイレトの手を振り払った。

「俺は俺の仕事があるの。知ってるだろ?」
 そう言うと彼は私の腕を掴んで無理やり起き上がらせた。
「これがエルドノアの眷属ねえ」
「おい、乱暴に扱うな」
 イレトの言葉を意に返すこともなく、男は私の顎を掴んできた。男は私の顔をじっと見つめた。私は怖くて目を逸らした。
「話に聞いていたのとは少し違うな」
 男は突然私の髪の毛を引っ張った。
「いたいっ」
「おい、アル! いい加減にしろ!!」
「はいはい」
 アルと呼ばれた男はあっさりと手を離した。イレトはすぐさま私を抱きしめた。

「なあ、イレト。そいつはお前が思ってるような女じゃないぞ」
「は?」
「その女は」
 男が話し始めた途端、視界が歪んだ。ひどい耳鳴りがして世界がぐるぐる回る。気持ち悪くてたまらなくなって、私は目を閉じた。
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