【R-18/番外編】この狂った世界で私達はささやかな幸せを求める

花草青依

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それを私は愛と呼ぶ

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 目が覚めたらもうエルドノア様はいなかった。サイドテーブルに置かれた日時を示す魔具を見る。

 ━━分からない。

 この間、エルドノア様に数字の読み方を教わったはずだったのに。もう忘れてしまった。

 外は暗いからきっと夜だ。私は裸のままだったから、脱ぎ捨てたネグリジェを回収して着た。
 それから、私はベッドに入ってもう一度寝ようとした。目を閉じてうつらうつらしていると、不快な臭いが漂ってきた。
 目を開けると部屋の中が煙っぽくて、目を開けるのも辛い。

 ━━火事?

 身体を起こしてベッドから降りる。煙は廊下に続く扉の隙間から漏れていた。

 ━━逃げなきゃ。

 命の危機にある時は逃げるように言われていたから。身の安全が第一だ。
 私は窓を開けた。そして下をじっと見つめる。

 ━━この部屋は2階だからそんなに高くはないと思うけど。飛び降りても大丈夫かな?

 窓枠を握りしめて、飛び降りる決意をした。

 ━━怖いけど、丸焼きになるよりかはマシ。

 そう自分に言い聞かして目を閉じた。そして、無駄なことは考えずに、そのまま窓から飛び降りた。
 身体がふわりと浮く感覚がする。でも、それは一瞬のことで、地面に向かって真逆さまに落ちていった。

 ━━怖い。

 唇を噛んで痛みに耐えようとした時、何かが私の身体を受け止めた。恐る恐る目を開くと、赤い髪をした調査団の男が、私を抱き上げていた。

 ━━この人、怖い。

 若くてかっこいい顔をした彼は、身体つきも良くて、すごく好みの男の人だ。
 でも、彼は出会う度にいつも怖い顔で私を睨みつけてくるから嫌いだ。何度時間が巻き戻っても、どんな場所であっても。彼は絶対に私を怖い顔で睨みつける。

 赤髪の男は、力づくで私を地面に伏せさせると、ズボンのポケットから首輪を取り出した。
 あの首輪には見覚えがあった。かつて私に数々の暴力を振るっていた男、フィアロン公爵が私につけた首輪だった。
「いやっ!」

 私は必死になって抵抗したけれど、男の力は強くて、あっさりと首に首輪をはめられてしまった。
「よく似合っているよ。偽物の公爵様」
 赤い髪の男は私を見下して言った。

 ━━どうしよう。これを着けられたらもう・・・・・・。

「"犬に服は必要ないだろう"。早く脱げ」
 それはかつてフィアロン公爵が私に言ったことと同じだった。
「何、ぼさっとしてる? お仕置きされたいのか?」
 男はそう言って左手の人差し指に嵌められた指輪の宝石に触れようとした。
「ごめんなさい、脱ぎます。脱ぎますから」
 私は急いでネグリジェを脱いだ。

「ああ、これの痛みは覚えてるんだ」
 男は笑って言った。
 あの痛みを忘れられるわけがなかった。
 フィアロン公爵は、何かにつけて私をお仕置きした。指輪の宝石を強く押されると、私につけられた首輪から激しい電流が流れてくる。痛くて痛くてたまらなくてやめて欲しいと懇願しても、フィアロン公爵は許してくれなかった。

「ほら、下着も脱げ」
 私は彼に言われるがまま下着を脱いだ。恥ずかしくて胸を腕で覆ったら、払いのけられた。
「犬のくせに何を恥ずかしがってんだよ」
 そう言って男は私の身体をじろじろと見つめた。不意に首や胸についた痕を撫でられて、身体がびくりと反応した。
「下品な痕をたくさんつけて。盛りのついた犬だな」
 そう言って胸を強く揉まれた。
「痛いっ」
「犬が何、人間の言葉を喋ってるんだよ。ワンだろ?」
 男は私の髪の毛を強く引っ張った。
「いやっ」
「犬は犬らしく鳴け」
「ワン」
 男は満足したのか、髪の毛を離してくれた。でも、暴力から解放されたのは束の間のことで、男は次の命令を下してきた。

「犬らしくポーズを取れよ」
 私はすぐに四つん這いになった。そうしないとどんな責め苦を受けるか分からなかったからだ。
「盛りのついた犬は、すぐにオスを誘うからな。そのはしたない口を塞がないと」
 そう言うと赤い髪の男は私の前に張型を持ってきた。男の人のものの形をしたそれは、エルドノア様のものに比べたら小さいけど、それでも十分に立派で大きなものだった。

「くわえろ」
 そう言われたから、私は張型を口に入れた。
「痛い思いをしたくないんだったらよく舐めておくんだな」
 張型の根本まで口の中に入れられてすごく苦しかった。息がうまくできなくて涙が溢れると、男はとても嬉しそうに笑った。
 彼は私が張型を口にしている間、私のお尻を撫で回した。そして、指で下の口の周囲を触れてきた。

「ん、ん"ん"!」
「少し触られただけで身体をびくびくさせて・・・・・・。もう発情してるのか?」
「ん"」
 私は首を横に振った。
「嘘吐くなよ。下品な汁を股から出してるくせに」
 男は指についた愛液を私の眼前に持ってきて見せつけてきた。顔を逸らそうとしたら、ほほに愛液のついた指を擦り付けてきた。
 そして、男は私の口に入れていた張型をようやく引き抜いた。

「ほら、お待ちかねのものだぞ」
 男はそう言うと、張型を下の口にあてがい、容赦なく入れた。
「んあっ」
 痛みはないけれど、圧迫感がある。
「ワンだろ」
 そう言いながら、お尻を叩かれた。
「ワン」
「いい子だ」
 男はベルトを私の腰に巻きつけて、張り型を固定した。
「よし。これで避妊の完了だな」
 男はそう言ってまた私のお尻を撫でた。
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