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28 素敵な結婚式
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婚約発表から約2年後の今日、私達の結婚式は盛大に行われた。国中の貴族達と、近隣諸国の人々に見守られながら、私とエドは互いへの愛を誓った。
沢山の人に囲まれても緊張しなかったのは、隣にいるエドが穏やかな微笑みを浮かべていたからだろう。
結婚式が終わり、披露宴になっても私はウエディングドレスから着替えなかった。着替えたくなかったのだ。
ドレスを仮縫いしていた時から、私のウエディングドレス姿をエドがしきりに美しいと褒めてくれていたから。今日も、詩人ですら驚くくらい、私を色々なものに例えて賛美してくれた。
ウエディングドレスを着られるのは一生に一度きりだ。そこまで言ってくれるのなら今日は一日、これを着て過ごそうと思った。
披露宴での歓談を楽しんでいると、ローズピンクの髪をした美しい女性がこちらにやって来た。彼女はたしか、隣国の王女、ローズ・ルトワール様だ。
「エドワード様、イザベラ様、この度はお招きいただきありがとうございます。そして、結婚おめでとうございます」
「ありがとうございます」
本当は私達の結婚式に来てくれたお礼やパーティを楽しんで欲しいといった社交辞令を言わないといけなかった。
でも、ローズ王女があまりにも美しく愛らしかったから、そういった言葉が頭の中から吹き飛んでしまった。
「ベラ、結婚そうそう、よそ見はいけないな」
エドはそう言うと私の腰を引き寄せた。エドを見たらむすっとした顔で私を見ている。
「まあ! 見つめ合って、大変仲がよろしいのですね」
私達は失礼な態度を取ってしまったというのにローズ王女は笑って許してくれた。
「私、世界で一番仲のいい夫婦はうちの叔父夫妻だと思っていました。でも、あなた方も同じくらい仲睦まじいですわ」
ローズ王女の叔父となると、今日は残念ながら欠席をされているエイメル公国のアーサー大公の事だ。アーサー大公と夫人のエレノア大公妃は仲睦まじい夫婦だと聞いている。
「大公ご夫妻と並ぶほどの仲のいい夫婦だなんてとんでもない」
エドはそう言いながらも満更ではなさそうだった。
「そうだわ。私ったらいけない!」
突然、ローズ王女はそう言うとプレゼントがあるからここに持ってきてもいいかと尋ねてきた。
「ええ。勿論大丈夫ですが」
私達への祝い品はすでに受け取っていた。まだ何かあるのかとエドを見たら、彼もそれを知らないらしい。
ローズ王女の使用人は二人係で布を被った板のような物を持ってきた。大きさと薄さからいって絵画のように思う。
「さあ、ご覧下さい」
にこにこ笑いながらローズ王女は布を取った。
「まあ!」
絵を見て私は感嘆の声を漏らさずにはいられなかった。そして、私達の周囲にいた人々も絵を見て驚きの声をあげた。
━━私達だわ。
その絵には私とエドが描かれていた。婚約発表の時のあのドレスを着た私が、とても穏やかに笑っていた。私の隣に寄り添って立つタキシード姿のエドもとても幸せそうだ。
絵画の右下に小さく美しい字でイアン・ホワンソンと書いてあった。
「これって・・・・・・」
「そうです。イアン・ホワンソン卿が描いたものです」
ローズ王女は喜々として教えてくれた。
「ホワンソン卿に出した依頼は断られたはずなのですが」
エドが言う通り、私達は1年と少し前に、イアン・ホワンソンに肖像画の依頼を出した。私達の結婚の記念品になればいいと思ったのだけれど、イアン・ホワンソンは人気の画家だ。他の仕事で忙しいらしく、新規の依頼は受け付けていないと断られてしまった。
「この絵は、今日出席できなかったアーサー・ルトワール大公とエレノア・ルトワール大公妃からの贈り物です。彼らはホワンソン卿の友人ですから依頼を引き受けてくれたのでしょう」
「そうでしたか。エイメル大公夫妻の心遣いに痛み入ります」
エドの言う通りだ。贈り物に優劣をつけるのは失礼なことかもしれないけれど、結婚祝いにもらったもので一番嬉しかった。
「本当に素敵な贈り物です。後で何かお礼の品を送らないと」
「そうだね」
「お二人がとてもお喜びになられたと伝えておきますね」
ローズ王女は屈託のない笑みでそう言った。
「それにしても、どうして絵の中の私達は婚約発表の時の衣装を着ているのでしょう」
あの日の私達をイアン・ホワンソンが知っているはずがない。
「俺がエイメル大公に渡した写真を参考に描いたんじゃないかな?」
「そうだと伺っていますわ」
ローズ王女が答えた。
なぜあの写真を渡したのだろうと首を傾げていると、「写真機を売り込む時に参考として何枚かの写真を渡した」とエドは教えてくれた。
写真を見たとしても、私とエドをこれほどまでそっくりに描けたイアン・ホワンソンは素晴らしい。
「私達の髪色や肌の隅々まで、細かい色合いがそっくりですわ」
改めて絵を褒めると、ローズ王女は「そうですよね」と同感してくれた。
「色についてはエレノア妃が強く意見したんですの。『イザベラ様の肌はもっと白い』とか、『エドワード殿下の瞳は深い碧だ』とか。これにはホワンソン卿もびっくりしていたそうです」
エレノア様とは面識がないはずだけれど。とても想像力が豊かで色彩感覚の優れた人なのだろう。
「ローズ王女、この絵を持ってきていただきありがとうございます」
エドは改めてお礼を言った。
「いえいえ。私は持ってきただけですから」
「俺達の結婚式に間に合うように持ってきてくれたのでしょう? ローズ王女のおかけで、この絵は俺達の結婚記念の思い出の品になりました」
エドが言うとローズ王女は少し驚いたような顔をしてから、にこりと笑った。
「そこまで言ってもらえると持ってきた身としても嬉しいですわ」
穏やかな雰囲気で話を続ける二人をよそに、私は使用人を呼んで絵を宮殿に運ぶように指示をした。
━━この絵をどこに飾ろうかしら? 絵に見合うくらいの素晴らしい額縁も探さなきゃ。
そんな事を考えていたら、私はいつの間にか笑っていた。
沢山の人に囲まれても緊張しなかったのは、隣にいるエドが穏やかな微笑みを浮かべていたからだろう。
結婚式が終わり、披露宴になっても私はウエディングドレスから着替えなかった。着替えたくなかったのだ。
ドレスを仮縫いしていた時から、私のウエディングドレス姿をエドがしきりに美しいと褒めてくれていたから。今日も、詩人ですら驚くくらい、私を色々なものに例えて賛美してくれた。
ウエディングドレスを着られるのは一生に一度きりだ。そこまで言ってくれるのなら今日は一日、これを着て過ごそうと思った。
披露宴での歓談を楽しんでいると、ローズピンクの髪をした美しい女性がこちらにやって来た。彼女はたしか、隣国の王女、ローズ・ルトワール様だ。
「エドワード様、イザベラ様、この度はお招きいただきありがとうございます。そして、結婚おめでとうございます」
「ありがとうございます」
本当は私達の結婚式に来てくれたお礼やパーティを楽しんで欲しいといった社交辞令を言わないといけなかった。
でも、ローズ王女があまりにも美しく愛らしかったから、そういった言葉が頭の中から吹き飛んでしまった。
「ベラ、結婚そうそう、よそ見はいけないな」
エドはそう言うと私の腰を引き寄せた。エドを見たらむすっとした顔で私を見ている。
「まあ! 見つめ合って、大変仲がよろしいのですね」
私達は失礼な態度を取ってしまったというのにローズ王女は笑って許してくれた。
「私、世界で一番仲のいい夫婦はうちの叔父夫妻だと思っていました。でも、あなた方も同じくらい仲睦まじいですわ」
ローズ王女の叔父となると、今日は残念ながら欠席をされているエイメル公国のアーサー大公の事だ。アーサー大公と夫人のエレノア大公妃は仲睦まじい夫婦だと聞いている。
「大公ご夫妻と並ぶほどの仲のいい夫婦だなんてとんでもない」
エドはそう言いながらも満更ではなさそうだった。
「そうだわ。私ったらいけない!」
突然、ローズ王女はそう言うとプレゼントがあるからここに持ってきてもいいかと尋ねてきた。
「ええ。勿論大丈夫ですが」
私達への祝い品はすでに受け取っていた。まだ何かあるのかとエドを見たら、彼もそれを知らないらしい。
ローズ王女の使用人は二人係で布を被った板のような物を持ってきた。大きさと薄さからいって絵画のように思う。
「さあ、ご覧下さい」
にこにこ笑いながらローズ王女は布を取った。
「まあ!」
絵を見て私は感嘆の声を漏らさずにはいられなかった。そして、私達の周囲にいた人々も絵を見て驚きの声をあげた。
━━私達だわ。
その絵には私とエドが描かれていた。婚約発表の時のあのドレスを着た私が、とても穏やかに笑っていた。私の隣に寄り添って立つタキシード姿のエドもとても幸せそうだ。
絵画の右下に小さく美しい字でイアン・ホワンソンと書いてあった。
「これって・・・・・・」
「そうです。イアン・ホワンソン卿が描いたものです」
ローズ王女は喜々として教えてくれた。
「ホワンソン卿に出した依頼は断られたはずなのですが」
エドが言う通り、私達は1年と少し前に、イアン・ホワンソンに肖像画の依頼を出した。私達の結婚の記念品になればいいと思ったのだけれど、イアン・ホワンソンは人気の画家だ。他の仕事で忙しいらしく、新規の依頼は受け付けていないと断られてしまった。
「この絵は、今日出席できなかったアーサー・ルトワール大公とエレノア・ルトワール大公妃からの贈り物です。彼らはホワンソン卿の友人ですから依頼を引き受けてくれたのでしょう」
「そうでしたか。エイメル大公夫妻の心遣いに痛み入ります」
エドの言う通りだ。贈り物に優劣をつけるのは失礼なことかもしれないけれど、結婚祝いにもらったもので一番嬉しかった。
「本当に素敵な贈り物です。後で何かお礼の品を送らないと」
「そうだね」
「お二人がとてもお喜びになられたと伝えておきますね」
ローズ王女は屈託のない笑みでそう言った。
「それにしても、どうして絵の中の私達は婚約発表の時の衣装を着ているのでしょう」
あの日の私達をイアン・ホワンソンが知っているはずがない。
「俺がエイメル大公に渡した写真を参考に描いたんじゃないかな?」
「そうだと伺っていますわ」
ローズ王女が答えた。
なぜあの写真を渡したのだろうと首を傾げていると、「写真機を売り込む時に参考として何枚かの写真を渡した」とエドは教えてくれた。
写真を見たとしても、私とエドをこれほどまでそっくりに描けたイアン・ホワンソンは素晴らしい。
「私達の髪色や肌の隅々まで、細かい色合いがそっくりですわ」
改めて絵を褒めると、ローズ王女は「そうですよね」と同感してくれた。
「色についてはエレノア妃が強く意見したんですの。『イザベラ様の肌はもっと白い』とか、『エドワード殿下の瞳は深い碧だ』とか。これにはホワンソン卿もびっくりしていたそうです」
エレノア様とは面識がないはずだけれど。とても想像力が豊かで色彩感覚の優れた人なのだろう。
「ローズ王女、この絵を持ってきていただきありがとうございます」
エドは改めてお礼を言った。
「いえいえ。私は持ってきただけですから」
「俺達の結婚式に間に合うように持ってきてくれたのでしょう? ローズ王女のおかけで、この絵は俺達の結婚記念の思い出の品になりました」
エドが言うとローズ王女は少し驚いたような顔をしてから、にこりと笑った。
「そこまで言ってもらえると持ってきた身としても嬉しいですわ」
穏やかな雰囲気で話を続ける二人をよそに、私は使用人を呼んで絵を宮殿に運ぶように指示をした。
━━この絵をどこに飾ろうかしら? 絵に見合うくらいの素晴らしい額縁も探さなきゃ。
そんな事を考えていたら、私はいつの間にか笑っていた。
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