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1章 神様が間違えたから
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文化祭当日になっても、私の気持ちは晴れなかった。いや、むしろ、浮かない気持ちで一杯だと言ってもいい。理由は勿論、「イベント」が起こるから。ミランダとケイン殿下のやらかした事の責任を取らされると思うと、頭がもっと痛くなる。
私は校庭のベンチに腰掛けると、持参していた水筒からカモミールティーを飲んだ。
頭痛に効くというそれは、私の身体には合わないらしく、効果を感じられなかった。
最近、疲れているのか頭痛がするようになった。今日も目が覚めたら酷い痛みを感じたから、薬を飲んできたくらいだ。
「はぁ・・・・・・」
深く息を吐き、空を見上げて首を伸ばす。医者の先生は、頭痛の原因は肩と首の凝りが原因だと言っていた。
リラックス効果のあるお茶やアロマと、ストレッチやマッサージで治ると言っていたけれど、全然効果がない。
「レイチェル」
ニコラス殿下は小走りに駆け寄って来た。
「ちょっと匿って」
彼はそういうなり、私の一つ隣を空けた先に座った。
「匿うって、ここ、開けた場所だからすぐに見つかりますよ?」
「大丈夫。君と一緒にいたら平気。お守り代わりになるんだから」
何を言って言っているのか分からなくて私は首を傾げた。
しかし、その理由はすぐに知ることとなった。
彼の同級生の女の子達が、彼を求めてやって来た。しかし、彼女達は、私を見ると、忌々しそうに。あるいは、とても残念そうな顔で立ち去っていくのだ。
「もしかして、校内を一緒に見て回ろうという彼女達のお誘いを断るために私を利用したんですか」
私の問いにニコラス殿下は頷いた。
「そういうのは、モニャーク公爵令嬢を頼って下さい」
「エレノアはライネ伯爵令嬢とどこかに行ったんだ。仕方がないだろう?」
そう言ってニコラス殿下は笑った。
━━モニャーク公爵令嬢は、ニコラス殿下を放置し過ぎなのよ。
手綱を握る気のない彼女に苛立ちを覚えた。それを落ち着けるために、私はまたお茶を飲んだ。
「カモミール?」
匂いで気付いたのだろう。ニコラス殿下が尋ねた。
「ええ。最近、頭痛がするようになって」
「大丈夫なの?」
「お医者様は、肩と首の凝りが原因だろうって仰ってました。私、姿勢が悪いんですかね?」
「いや、そんな事はないと思うけど」
ニコラス殿下は心配そうに私を見つめていた。
「大丈夫ですよ。そんなに深刻な病気のはずがありませんから。少し休めば治るはずです」
日を追う毎に頭痛が走る頻度が増えている気がするけれど。それをわざわざ教える必要もないだろう。
「それはそうと、ニコラス殿下は会場を見て回らないのですか」
話を変えると、彼は空を見上げた。
「気になる所は友人と回ってきた。・・・・・・ああ、2年の何クラスだったかのスイーツは美味しかったよ」
「甘い物が好きなんですか」
「いいや。ただ、あそこのは甘みが少なかったから口に合ったんだ」
「そうなんですね」
一瞬、会話が途切れる。
「・・・・・・レイチェルは、回った?」
「いいえ。もう少し、気分が良くなってからにしようと思って」
「そう」
また沈黙が流れる。
「モニャーク公爵令嬢と回ってきたらどうでしょう? 思い出になるのではありませんか」
そろそろ離れて欲しくて遠回しにそれを言ったつもりだったけれど。ニコラス殿下はふっと笑った。
「いいや。遠慮しておくよ。・・・・・・エレノアといると疲れるから」
「それはいただけない発言ですね」
「合わないものは合わないんだよ」
彼はそういうと気怠そうに空を見上げた。
エレノアは、ゲームの中の彼女とは違って、そんなに悪い性格をしている様には見えないのだけれど。彼の癇に障るような事でもしたのかしら?
「まあ、俺はそろそろ行くよ。ありがとう、匿ってくれて」
「ええ」
彼は立ち上がると校舎に向かって歩いていった。私はその背中を見守った。
文化祭当日になっても、私の気持ちは晴れなかった。いや、むしろ、浮かない気持ちで一杯だと言ってもいい。理由は勿論、「イベント」が起こるから。ミランダとケイン殿下のやらかした事の責任を取らされると思うと、頭がもっと痛くなる。
私は校庭のベンチに腰掛けると、持参していた水筒からカモミールティーを飲んだ。
頭痛に効くというそれは、私の身体には合わないらしく、効果を感じられなかった。
最近、疲れているのか頭痛がするようになった。今日も目が覚めたら酷い痛みを感じたから、薬を飲んできたくらいだ。
「はぁ・・・・・・」
深く息を吐き、空を見上げて首を伸ばす。医者の先生は、頭痛の原因は肩と首の凝りが原因だと言っていた。
リラックス効果のあるお茶やアロマと、ストレッチやマッサージで治ると言っていたけれど、全然効果がない。
「レイチェル」
ニコラス殿下は小走りに駆け寄って来た。
「ちょっと匿って」
彼はそういうなり、私の一つ隣を空けた先に座った。
「匿うって、ここ、開けた場所だからすぐに見つかりますよ?」
「大丈夫。君と一緒にいたら平気。お守り代わりになるんだから」
何を言って言っているのか分からなくて私は首を傾げた。
しかし、その理由はすぐに知ることとなった。
彼の同級生の女の子達が、彼を求めてやって来た。しかし、彼女達は、私を見ると、忌々しそうに。あるいは、とても残念そうな顔で立ち去っていくのだ。
「もしかして、校内を一緒に見て回ろうという彼女達のお誘いを断るために私を利用したんですか」
私の問いにニコラス殿下は頷いた。
「そういうのは、モニャーク公爵令嬢を頼って下さい」
「エレノアはライネ伯爵令嬢とどこかに行ったんだ。仕方がないだろう?」
そう言ってニコラス殿下は笑った。
━━モニャーク公爵令嬢は、ニコラス殿下を放置し過ぎなのよ。
手綱を握る気のない彼女に苛立ちを覚えた。それを落ち着けるために、私はまたお茶を飲んだ。
「カモミール?」
匂いで気付いたのだろう。ニコラス殿下が尋ねた。
「ええ。最近、頭痛がするようになって」
「大丈夫なの?」
「お医者様は、肩と首の凝りが原因だろうって仰ってました。私、姿勢が悪いんですかね?」
「いや、そんな事はないと思うけど」
ニコラス殿下は心配そうに私を見つめていた。
「大丈夫ですよ。そんなに深刻な病気のはずがありませんから。少し休めば治るはずです」
日を追う毎に頭痛が走る頻度が増えている気がするけれど。それをわざわざ教える必要もないだろう。
「それはそうと、ニコラス殿下は会場を見て回らないのですか」
話を変えると、彼は空を見上げた。
「気になる所は友人と回ってきた。・・・・・・ああ、2年の何クラスだったかのスイーツは美味しかったよ」
「甘い物が好きなんですか」
「いいや。ただ、あそこのは甘みが少なかったから口に合ったんだ」
「そうなんですね」
一瞬、会話が途切れる。
「・・・・・・レイチェルは、回った?」
「いいえ。もう少し、気分が良くなってからにしようと思って」
「そう」
また沈黙が流れる。
「モニャーク公爵令嬢と回ってきたらどうでしょう? 思い出になるのではありませんか」
そろそろ離れて欲しくて遠回しにそれを言ったつもりだったけれど。ニコラス殿下はふっと笑った。
「いいや。遠慮しておくよ。・・・・・・エレノアといると疲れるから」
「それはいただけない発言ですね」
「合わないものは合わないんだよ」
彼はそういうと気怠そうに空を見上げた。
エレノアは、ゲームの中の彼女とは違って、そんなに悪い性格をしている様には見えないのだけれど。彼の癇に障るような事でもしたのかしら?
「まあ、俺はそろそろ行くよ。ありがとう、匿ってくれて」
「ええ」
彼は立ち上がると校舎に向かって歩いていった。私はその背中を見守った。
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